春は臨床医学関係の総会が行われる時期です。
今回の東日本大震災を受けて、日本医学会総会をはじめ、多くの学会が、総会の中止や延期などの対応を取っています。
日本医学会総会は東京での開催でしたがWEB形式などに変更。
日本整形外科学会はWEB形式。
日本眼科学会は5月に開催。
日本形成外科学会は開催(徳島)。
といった感じで、4月までに東京で開催されるものはWEB形式の開催か中止、つまり事実上の中止。
それ以外も延期などが多く、開催が決定されているものはそれほど多くありません。
どうなることかと思っていたのですが、会員宛に開催決定のメールが届きました。
そして、復興への想いを込めて、タイトルに
「陽は必ず東から昇る」という表現を付け加えたということです。
いろいろな考え方があって、学会の開催を中止したり、開催を決定したりするのだと思います。
日本の経済のためには、我々の活動を縮小すべきではないという意見ももっともです。
知識の普及・情報収集という意味では、もはや現代における学会の持つ意味は薄くなっていますが、若い先生にとっては、初めての大きな発表の舞台となることも多く、まだまだ存在意義があるのが総会です。
私も参加する予定で、チケットも取っていますが、旅行会社からは、やはりスウェーデン外務省からの通達により、「日本への渡航の意思の有無」についての問い合わせがきました。不必要な日本への渡航は自粛するようにとのことです。よって、キャンセルは問題なくできるようです。
まだ迷っていますが、わずかながらでも日本への貢献の意味でも、帰国しようかなと思い始めています。
「陽は必ず東から昇る」
胸にずしんときました。
以下は、学会からきたメールです。開催決定までの道のりが思いやられます。
平成23年4月6日
日本泌尿器科学会
会員 各位
日本泌尿器科学会
理事長 内藤 誠二
第99回日本泌尿器科学会総会
会長 郡 健二郎
謹啓
東日本大震災で被災された皆様には、心よりお見舞いを申し上げますとともに、
被災地の一日も早い復興を衷心よりお祈り申し上げます。
このような社会状況の中、関係者のご意見を伺いながら、第99回日本泌尿器科学会総会の開催について慎重に検討を重ねてまいりました。その結果、現在私たちが社会に対して果たすことのできる貢献として、会員の教育・研修および情報交換という最も重要な機能を発揮する場である総会を開催し、会員の臨床・研究の向上を図ることが大切であるとの結論に達しました。この間、東北地区の大学の先生方からは「この時期だからこそ沈みこまないで、総会を開いてほしい」「教室の同門も開業医を含め参加したいと言っている」など、逆に私たちを後押しするような温かいお言葉を賜りました。これら数々のご厚情に深く感謝いたしております。とは申しましても、このような意見は、被災地において不眠不休で医療に携わっておられる先生方や、その周辺地域で透析医療などの被災患者を受け入れられておられる先生方の総意だとは決して思ってはおりません。地震・津波・原発事故などで不安を抱える方々のお気持を出来る限り拝察しながら、学会本来の責務を遂行できるように努めていく所存でございます。
学会運営にあたりましては、被災地の先生方にどのようなことができるのか、と話合いを重ねました。以下に若干のご提案を申し上げます。しかし、被災地の惨状を知らない私たちゆえ、行き届かない点が多々あることと存じます。ご希望・ご意見をお寄せいただきたく存じます。可能な限りにおいて、対応させていただく所存でございます。
1)診療や交通などの都合により、一般演題に限って発表日の変更希望
2)発表者の変更希望
いずれも4月19日(火)までにご連絡いただければ対処させていただきます。なお東北大学 荒井陽一教授からは緊急企画として被災地の医療と現況をご講演いただく予定でございます(日時、タイトルは後日ご連絡いたします)。会員一同が一体となって絆をきずき、元気を取り戻すきっかけになればと思います。
会場内は質実な気風とし、学術あるいは文化交流に重きをおくことに徹してまいる所存です。このことは共催企業や運営会社の皆様にもご理解いただいているところでございます。懇親会の開催は、学会の目的の1つである会員相互の交流を深めるための「情報交換会」とさせていただきます。この件を決めるにあたりましても、東北地区の先生方のご意見に依るところがございました。たとえば、「学会に参加するのだから、他地域の人達と話し合う機会を作ってほしい」、「自分達だけで食事をしても意味がない」、「東北からのビデオメッセージを送ろうか」などでした。正直言ってその前向きな姿勢に驚き、敬服いたしましたが、学会の目的に立ち戻り、イベント抜きの粗餐ではございますがご用意させていただきます。23日(土)の情報交換会のはじめには、益川敏英先生から若い人達に向けてお言葉をいただく予定です。名古屋名物を片手に、泌尿器科学の未来を語り、被災地の医療を励ます場になればと願っております。4月22日(金)に予定しております会員情報交換会の会場となる名古屋城では、天守閣の見学ならびに二之丸庭園の使用費につきましても名古屋市はじめ関係機関のご高配を賜りました。被災地の方々の食料困窮したる状況を鑑みまして、教育セミナーや情報交換会での食事はできる限り無駄をなくす工夫を、共催企業や仕出し屋さんなどにご理解とご協力を得ているところでございます。
このようにして、節約できました経費は被災地への義援金の一部にささやかながらさせていただける予定でございます。なお学会期間中は日本泌尿器科学会筧総務委員長と連携しながら、義援金活動を行ってまいります。市民公開講座にご参加いただく市民の方々(延べ2000名の予定)からのご懇篤も賜る予定でございます。約2年前、私たちの教室が本総会開催を仰せつかってからこれまでに一貫した思いは、会員の皆様に満足していただく総会にすることです。当初の計画も、この1ヵ月間で大幅に変更・縮小せざるを得ない状況ではありますが、この国家的大難局を打開する一光が見える学会になればと思っております。
本総会のメインテーマに「陽は必ず東から昇る」を付け加えました。私たちは直接お手伝いができなく申し訳なく思っておりますが、一日も早い復興に向けて大きな一歩を踏み出す総会になるように努めてまいります。会員の皆様のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。
謹白
こんにちは。
私の所属する学会は中止となりました。
英文論文誌については、印刷会社の工場被災のため冊子の印刷の見通しが立たたないとのこと。
参加料(予稿集との差額)は返金となるわけですが、返金方法の選択肢として「年会費等へ振替」、「指定口座へ返金」に加えて「地震義援金へ寄付」と選択肢がとれるとのお知らせがあり、なるほどと思いました。
返金の代わりに寄付というのは、なかなかのアイデアですね。感心しました。
「陽は必ず東から昇る」とても良い言葉ですね!
言葉の力を再確認します。
先日はお会いできて本当に良かったです。
もし日本に戻られる場合は、日本からの復興パワーをお土産に戻られますように☆
こちらこそ、わざわざ職場までいらっしゃっていただいて、とても嬉しかったです。
ふるくから、「言霊」という言葉がありますね。
発する言葉によって、パワーを引き込みたいものです!