昨晩、スウェーデン時間で22時。
ブエノスアイレスで、2020年夏季オリンピック開催地が発表された。その数時間前には、既にマドリッドが落選。決選投票に残ったのは、東京とイスタンブール。
この時点で、東京の勝利は堅いのでは、という印象であった。東京にとって、運の良いタイミング。直前にセント・ペテルスブルグで行われたG20。このとき、ロシアのプーチン大統領は、「アメリカがシリアを攻撃するなら、ロシアはあらゆる手段でシリアを援助する。」と発言した。そして、ロシアの空母が発進した。
イスタンブールでは、大規模なデモが起こったばかり。それに加え、トルコはシリアに隣接する。それを考えただけでも、イスタンブールでの開催決定はありえない。
日本人として、東京が開催地に選ばれることは、非常に嬉しい。しかしながら、安倍首相が、「福島のコントロールは万全」ということをアピールしたのには愕然とした。現在においても、汚染水が漏出していることは報道されているし、それだけでもコントロールされているとは言えないのは明らかだ。日本国民は、そのような報道にもはや慣れ切ってしまっている。
「地震、津波、福島。暗いニュースばかりだった日本に夢と希望を。」といううたい文句にも物申すことがある。未だに15万人もの人が仮設住宅で暮らしている。その人たちにとっては、東京がオリンピック開催地に選ばれることなど、どうでも良いはずだ。それよりも、今の生活、そして、将来どうなるのかが大切なのだ。地震や福島をIOCにアピールする人たちは、実際に被災している人たちではない。
勿論、オリンピックが開催されることの経済効果など、日本にとってのプラス面も多いことは理解できる。しかし、未だに苦しんでいる人たちの前にオリンピックが優先されてはならない。日本人は、祭りに踊らされやすい民族だ。「夢」や「希望」という甘い言葉に簡単に流されてしまう。
しかし、ロゲ会長が「東京開催」を発表した、この瞬間には、日本人として目頭が熱くなった。勿論、嬉しかった。
日本人の勤勉さやホスピタリティーは、世界に誇れるものだ。そして、日本には素晴らしい文化がある。オリンピック開催国に選ばれたことで得られるメリットを最大限に利用して、国が正しい方向に進み、発展していって欲しいと思う。
同感です。私も東京開催が発表された瞬間、嬉しいけど。。。複雑だなぁ。。。と思いました。でも周りは大喜びしているし、こんな風に考えるのは私だけなのかな?と思っていたので先生のブログを読んで少し安心しました。何を根拠に福島が安全と言えるのか、何を根拠にオリンピックが人々に元気を与えるなどと言えるのか。。。ほんと、この考えが杞憂に終わり、7年後日本国民全員が笑顔でオリンピック開催を迎えられる事を願います。
まきさん。この期に及んで、「東京オリンピックに反対」などという意見の人間は、非国民扱いされそうな勢いですよね。私は反対の気持ちはありませんが、この決定に踊ることなく足を地に着けて、日本がこれから歩んで欲しいと思います。暑い東京の夏のオリンピックで、電力消費も空前のレベルになることでしょう。それまでに代替エネルギーの開発などが間に合うといいのですが、難しいかなあ。
こんばんわ。
本当に、おっしゃる通りです。
考えさせられました。
夢、希望、踊ってしまいます。
こう、阿波踊り的な??
違うかな?
出雲大社、伊勢神宮、記念の年、
オリンピック開催決定の年。
明後日、退院後、初の検診に
九州へ参ります。
私事ですが、記念の日です。
ガムラ スタンさん。
記念の日、おめでとうございます。順調な回復をお祈りしております。
私も踊りやすいので、自戒の念を込めた記事です。地面をしっかりと踏みしめて、生きてゆきたいと思います。
同感です。総理が、『東京の安全は必ず保証します」と言った時、すごく、腹ただしく思いました。東京の電力のために犠牲になっている、福島の人たちの安全は、どうでもいいのかしらと。やはり、総理にとっては、福島の安全は、どうでもいいことなのかと思いました。願わくは、日本の安全は必ず保証しますと言って欲しかった。
始めてコメントします。スウェーデンでお医者様をされているなんて、かっこいいなと思いながら、ブログをいつも楽しませていただいています。東北の方ではないのに、こんな風に思ってくれる方がいて、嬉しくて、初コメントしています。
CarpeDiemさん。はじめまして!
数日前に、国民の83%がオリンピック招致に成功して良かったと考えているアンケート結果を見ました。しかし、地域別に見ると、東北地方は40%台と格段に低い値でした。やはり、被災された方の認識は違うのだなと思いました。確かに、「東京の安全」だけに言及したのは、大きなミスですね。おっしゃるように、少なくとも、「日本の安全」と表現すべきでした。
国を離れたものの、やはり私も日本人です。国の行く末は明るいものであってほしい。しかし、心が痛むことの多い毎日です。
これからもよろしくお願いいたします。