ヨーロッパで最もお金がかけられた病院と(現在のところ)されている、カロリンスカ大学病院新病院。
あとからあとから不足分のお金がつぎ込まれており、総額でどれだけになるのか想像もつきません。
写真中央付近で、森(墓地)に隣接しているのが旧病院。その下(南側)の巨大な建物が新病院です。
現在はこんな感じ。新病院の前には(元々は患者さん用のホテルになるはずだったが、資金が不足しホテルに売り払ったため)Elite Hotel Carolina Towerというホテルになっています。ホテルの隣には、2020年に開院する眼科病院(St Eriks Ögonsjukhusが移転します)が建設中。
地図中央を通るSolnavägenで東西に分かれていますが、西側が研究所、東側が病院です。
写真左手が研究所、右手が病院。双方を結ぶスカイウェイができました。
週末にオンコールではなかったのですが、開腹の緊急手術の助っ人を頼まれて、車で出勤した時の眺め。因みに、20時半頃ですが、まだ明るいです。
病院から研究所を眺めると、いくつもスカイウェイが見えて圧巻。
ヘリポートは二つ。
ベッド数は現在よりかなり減って760床程度になるようですが、主に緊急疾患と癌に特化した病院となるため、現在よりも急性期で重症の患者さんが増えることになると思われます。救急外来は、今までドロップインを受け入れていましたが、基本的に、救急車やヘリコプターで搬送される患者さん、カロリンスカにかかりつけで亜急性期であると考えられる患者さん、紹介状を持った重症患者さんに限り受診できることになります。
これまでに小児や胸部外科はすでに引っ越しを済ませているのですが、残りの部門に関しても、今週、主に外来部門が引っ越しをします。
泌尿器科という診療科はなくなり、7つの部門のうちの一つである、Tema Cancer(癌部門)の中の、骨盤内癌というグループに所属することになります。ここでは、腫瘍科、下部消化器外科、婦人科と一緒になり、私は膀胱癌チームなのですが、新しいボスは腫瘍科の女医さんになりました。これで、泌尿器科の女性差別の歴史が変わるといいなあと思っているのですが、早々に女性差別をする男性グループと戦闘態勢に入ることになってしまいました。ある意味、日本よりタチが悪いです。女性差別の歴史のおかげで、大手術を手掛ける泌尿器科領域の女性外科医は私だけなので、新しい女性ボスができたことは百人力で、さらに、女性差別の事実を早くも認識してくれたのは喜ばしいことです。そんな事情で、波乱づくめの新病棟での勤務ですが、同時に、おそらく世界一の設備を備えた新病院のスタートを経験できることは、刺激的なことです。手術部門、病棟は秋に引っ越し予定です。先週、イントロダクションのコースを新病院で受けたので、この次に院内を少しご紹介しようと思います。
すでに男女平等が進んでいると知られているスウェーデンでの男女差別!
明らかな男女差別はさすがに見ない中、どのような課題が残っているのか気になります。
更新楽しみにしております!
コメントありがとうございます。スウェーデンにも問題はいろいろあります。昔から男性の多い分野で男女平等を確立するのは、なかなか難しいと思います。しかし、どこでも、ボスがどれだけ優れているかが鍵ですね。私の職場は、長いこと隠れキングが自分の利益になることばかり考えて牛耳っているので、厄介です。