息子が私の膝に座って、保育園のお話をしてくれていました。
そうしたら、
「ママ、どこの国の子供達が食べるご飯がないの?」
と、聞いてきました。
「今は、シリアかなあ。アフリカの国にも沢山いるよ。」
と答えると、
「その子たちは、ご飯もないし、パパやママもいない子もいるんだよね。かわいそうだなあ。」
と言いました。
スウェーデンという国は、実に多様性に寛容な国です。そして、多様性を受け入れる教育が、幼児教育で既に始まっています。
これは、近年にスウェーデンへ難民としてやってきて居住申請をした数です。2015年には、シリアでの抗争が始まったため、162877人と突出し、2016年には28939人と例年並みに戻りました。
病院でも、しばしば、難民の患者さんを診察することがあります。多くはスウェーデン語が話せないので、通訳つきです。戦争で負傷しただけではなく、スウェーデンへたどり着くまでに暴行されている人もいます。男性でも性的暴行を受けている人もいるため、南病院には、性的暴行を受けた男性のための救急外来もオープンしています。難民でもスウェーデン人でも平等に医療を受けることができるスウェーデンの医療システム。
難民だけでなく、この数年目につくのが、街頭に座っている物乞いの女性たち。主に、ルーマニアから集団でやってきています。近所にも、各スーパーマーケットの出口のところに必ず一人ずつ座っています。この日は、こちらには二人も。
朝、七時半頃、近くのマクドナルド前に集合してコーヒーを買い、それぞれの場所に散らばっていきます。男性が食料を配布して回る姿も見られます。この集団は、市内や近郊で野宿をしているようなのですが、その影響が保育園にも。
保育園の園庭にある小屋。ここには通常、登園してくる子供達のバギー置き場になっているのですが、ベニア板で閉鎖されてしまいました。それは、夜間に少しでも暖を取ろうと、物乞いの集団が小屋の中で寝泊りをするため、セキュリテイーに問題があるという判断で、このような対策が取られることになりました。
大分前に、オンコールだった時、物乞い集団の一人の緊急手術を担当したことがありましたが、この患者さん、個室に何週間か入院し、しかも、600万円くらいする高額治療を受けました。普通のスウェーデン人なら傷が治癒していなくても退院させて、診療所などで治療を継続するのですが、この方の場合は野宿になるため、長期の入院になったこと、また、退院後も一時的な住居を(医療の立場から必要という判断で)用意したりと、至れり尽くせりでした。この費用は、スウェーデン持ちなんだろうなあ。
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