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スウェーデン外務省からの勧告

本日の原発の状況は、全体として良い方向へ向かっている印象。通電の準備もできて、従来の冷却装置が働いてくれることを祈ります。

そんな中、本日、スウェーデン外務省から、在日スウェーデン人に対する勧告が出ました。勧告の通達はこちら、スウェーデン政府のHP。

「未だ原発の状態が不安定であるため、
Strålsäkerhetsmyndigheten (SSM:Swedish Radiation Safety Authority)は、250キロメートル圏内にいる人は、(甲状腺癌)予防目的で、既に現時点からヨウ素錠剤を内服することを勧める

というものです。

原文を訳してみます。

外務省は3月16日以降、日本への渡航を控えるとともに、福島原発より80キロメートル圏内にいるスウェーデン人の避難を勧告します。この勧告は、原発の今後の見通しや放射能汚染の影響が不透明なことに基づくものであります。スウェーデン関連省庁によると、降水により福島原発より250キロメートル圏内での健康へのリスクが生じる可能性があります。風向きにより、東京も影響下に入る可能性があります。

よって、スウェーデン外務省は在日スウェーデン人に以下の勧告をします。

1. (この状況が)心配で、放射能汚染の影響を受けたくない者は、日本を出国するか、250キロメートル圏外へ避難してください。

2. 250キロメートル圏内にいる人は、既に今から、(甲状腺癌)予防目的で、ヨウ素の内服を推奨します。

3. 降水の際には、250キロメートル圏内にいる人は、屋内に留まり、窓を閉め、換気を中止してください。

また、ヨウ素錠剤を持っていない人は、東京のスウェーデン大使館で入手できます。

 

東京方面へ風向きが変化してきているため、放射能汚染のある雨が降る可能性を危惧しているようです。

日本では、東京は今のところ安全と考えられているので、このスウェーデン外務省の勧告には驚きました。スウェーデン外務省の心配が杞憂となりますように。

 

被爆による甲状腺癌予防目的のヨウ素補給などについて、興味深い記事を転載してご紹介したいと思います。ヨウ素過敏症などヨウ素投与が禁忌となる場合などもありますので、内服は医師の指導に従った方が良いと考えられます。記事にご興味のある方はこちらからどうぞ。

日経DIオンラインの、笹嶋勝先生による連載、「クスリの鉄則」より、「ヨウ素補給にうがい薬や昆布が不適な理由」

震災に伴う原子力発電所の事故をきっかけに、放射線被曝による健康被害と、その予防について関心が高まっています。

原発事故で漏洩し得る放射性物質には、様々なものがありますが、特に健康への影響が大きいとされるのが、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムです。これらは、呼吸などを介して体内に取り込まれ、内部被曝の原因になります。

今回、このヨウ素、セシウム、ストロンチウムについて、資料を調べましたのでお知らせします。

※資料の中では、複数の単位が用いられています。一般には、1Gy[グレイ]=1Sv[シーベルト]で換算していますが、資料によっては、1Gy[グレイ]=0.8Sv[シーベルト]で換算しているものもあるようです。

■放射性ヨウ素(131-I)の危険性

ヨウ素は、甲状腺に集積する性質があり、摂取された10~30%くらいが甲状腺に沈着します。放射性ヨウ素が甲状腺に多く取り込まれると、甲状腺癌 を発症 する可能性があります。実際、チェルノブイリの原発事故では、当時0~5歳だった人の甲状腺癌発症率が高いことが報告されています。これは事故により、 131-Iが大量に散布され、それを乳牛が食べてそのミルクを摂取し生物学的濃縮が起きたのだと考えられています。

なお、この甲状腺癌は、予後が非常に良いことも報告されています(5年生存率98.8%、10年生存率95.5%)。

■安定ヨウ素剤の効果、必要量、副作用について

安定ヨウ素剤による甲状腺癌の発症予防効果については、次の二つのメカニズムが紹介されています。

【1】非放射性ヨウ素を投与してその血中濃度が高まることで、相対的に放射性ヨウ素の血中濃度が低下し、甲状腺への取り込みが減少する(競合的阻害)

【2】血中の非放射性ヨウ素の濃度が上昇することで、甲状腺ホルモンの合成に抑制がかかり、ヨウ素の取り込みが減少する

安定ヨウ素剤によるブロック効果は、被曝24時間前摂取で93%、被曝2時間後摂取で80%、被曝8時間後摂取で40%、被曝24時間後摂取では7%と、時間により大きな差があります。

必要量は、年齢によって異なります。 ※ヨウ化カリウム丸は1錠50mg。

1)新生児:ヨウ化カリウムとして16.3mg(ヨウ素として12.5mg)
2)生後1カ月~3歳未満:ヨウ化カリウムとして32.5mg(ヨウ素として25mg)
3)3歳以上~13歳未満:ヨウ化カリウムとして50mg(ヨウ素として50mg)
4)13歳以上40歳未満:ヨウ化カリウムとして100mg(ヨウ素として76mg)
5)40歳以上:不要 妊婦の場合は4)と同様

副作用は、この量では大きなものはないとされています。

3月12日に、日医工が約25万人分のヨウ化カリウムを福島県の卸に無償で出荷したことが報告されています。ですから現時点では、他の地域では品薄になっている可能性が高いと考えられます。

ちなみに、2001年の論文には、敦賀湾での事故を想定して、「ヨウ化カリウム錠26万錠、ヨウレチンは0.75mg錠相当で2万8000錠など、 10万 8000人分が備蓄されている」と書かれています。有機ヨウ素であるヨウレチンでも、ヨウ化カリウムを代替できる可能性が示唆されていますが、具体的な摂 取量については触れられていません。

■うがい薬や昆布が予防に不適当な理由

インターネットなどで、安定ヨウ素剤の代わりに、ヨウ素を含むOTC薬や食品を摂取すれば甲状腺癌が予防できるという“俗説”がありますが、いずれもこの目的で使用するには適当ではありません。

「うがい薬」に含まれるポビドンヨードは、経口摂取(飲み込むこと)は認められていません。そもそも37%程度のアルコールを含んでいますし、添加 物が消 化管を荒らす可能性もあります。さらに有効量を取るには、14.3mLも服用する必要がありって現実的ではないので、不適切とされています。

「ヨードチンキ」にも、エタノールが70%以上含まれていて、小児の服用には適しません。しかも、単体のヨウ素(I2)が含まれるため、消化管を荒らすなどいろいろな悪影響が考えられるので、避けるべきとされています。

「消毒用イソジン」も、ポビドンヨードやマクロゴールを含むことから適さないとされています。

「ルゴール液」には、フェノールが含まれるので、不適当です。

「コンブ」にはヨウ素が多く含まれているため、予防に有効なのではないかとする意見もありますが、成人での有効量を摂取するには、産地にもよるよう です が、乾燥コンブを50g程度を摂取する必要があり、現実的ではありません。ましてや、本当に必要な小児には適さないでしょう。

■放射性セシウム(137-Cs)の危険性と排泄促進剤

セシウムは癌治療のガンマ線源として重要なものですが、被曝の程度がひどいと致命的となります。半減期が8日間のヨウ素と比して、セシウムは半減期が30年と非常に長いため、摂取してしまうと人体への影響も大きくなります。

こちらは、体内への取り込みを防御するための薬剤はありませんが、排泄を促進する薬剤はあります。昨年12月に発売されたばかりの、放射性セシウム体内除去剤であるラディオガルダーゼ(一般名:ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)水和物)です。

高校の化学で習ったことを思い出す方も多いでしょう。青色の色素でもあります。イオン交換および結晶構造内への吸着の原理でセシウムと結合し、腸管 からの 再吸収を妨げることによってセシウムを体外に排泄します。そうした薬ですので、ラディオガルダーゼを服用した患者の排泄物には、放射性物質(放射性セシウ ム)が多く含まれることになります。

製造元の日本メジフィジックスは、本剤をドイツから緊急輸入し、福島に送ることになっています(2011/3/14時点の情報)。

酸化還元型のイオン交換能を利用し、放牧飼育される家畜(牛など)の飼料に加えると、乳や肉の汚染を抑えることができるので、チェルノブイリ原発事故の後、土壌処理が困難な牧草地で家畜に投与されました。この薬剤は、原発近くの人しか用いることはないでしょう。

■放射性ストロンチウム(89-Sr、90-Sr)の危険性

ストロンチウムにも健康被害のリスクがあるとされてい ますが、摂取の防御も排泄促進も難しいようです。90-Srに関する情報はあまり得られませんでした。89-Srは医薬品として存在し、骨転移による疼痛 緩和に用いられますが、骨髄抑制の副作用があります。放射性でないものは、骨粗鬆症薬として開発されています。

《参考資料》
『安定ヨウ素剤取扱いマニュアル』財団法人原子力安全研究協会(2003)
医学のあゆみ 2009;234(4):306-310
日衛誌 2008;63:724-734
臨床と研究 1997;74(7)
日本集団災害医学雑誌 2001;6:100-104
ラディオガルダーゼ 添付文書、インタビューフォーム
メタストロン 添付文書、インタビューフォーム

 

40 comments to スウェーデン外務省からの勧告

  • こんにちは。

    被災地に近ければ近くなるほどライフラインの復旧が遅れ、必要な物資はもちろん、情報も届きずらくなります。被災地に居住する外国人の方にとって自国政府/大使館からの情報を入手するのは極めて厳しい状況ではないかと懸念するところです。

    避難勧告を受け取ることがきたとしても鉄道は動かないし、車で移動しようにもガソリン不足で移動が難しい。ヨウ素錠剤は東京の大使館で入手できると言われてもどうやって入手すればよいのか・・・。

    日本政府の強力な支援を期待したいです。

    • そうですね。スウェーデン人でも、スウェーデン在住の人と比べると、在日の方が危機感が小さいようです。スウェーデン大使館では、携帯電話の番号登録により、情報を携帯電話へ流すという方法も取っているようです。

      情報公開の仕方も、非常に難しいところですね。

  • chinju

    drpion様こんにちは
    毎日ブログ拝見しています。誠実で賢明でいつも励まされています。

    250キロは驚きです。ほかでもないスウェーデンの判断であればさらに重みがあります。
    子ども+妊婦と成人とで感受性が違うことももっと認識して、対策をこうじた方がいいと思いました。とくに赤ちゃんや胎児は特別に配慮が必要なのではないでしょうか?
    関西に妻子を避難させたという知人もいます。うちの中学生には、とりあえず・・・わかめや海苔を多めに食べさせています!(ようするに体内に十分ヨウ素があることが大事ですね?)

    ちなみに次の記事は信頼できると感じましたのでご参考までに。
    https://sites.google.com/site/reportfujibayashi/ 

    • お久し振りです。お元気でしょうか。
      日本にいると、スウェーデン政府の判断は、半ば煽っているのではないかと思えることでしょう。在外ですと、日本政府からの情報のテンションが低いことに驚かされます。放射性ヨウ素に対する予防措置をどうしたらよいのか、スウェーデン政府は既に予防的摂取を推奨していますが、困惑してしまいますね、、。

  • chinju

    drpion様 珍獣より再送

    スミマセン、再読して「うがい薬や昆布の摂取は不適当」という箇所に気づきました。
    最近読んだ別の記事には、体内のヨウ素が十分にあれば、甲状腺が新たなヨウ素を取り込まないので、海藻を摂取することをすすめていましたので!
    数ヶ月前に、ヨウ素を含んだ海藻などの摂取過剰を注意する勧告がニュースにあったことも思い出しますが、専門知識のない一般人として、取捨選択は至難の業です!

  • チェリー

    放射線科専門医です。
    いつもDr. Pionさんのブログを楽しみにしておりますが、今回のスウェーデン政府の発表は、正直言って驚きました。

    すでに退避勧告が出されている原発周囲はともかく、250km範囲内の現在の放射線濃度は健康には全く問題ないものですし、現在のこの濃度では大量の安定ヨウ素剤を自己判断で摂取することは、全く効果が無いどころか、急性中毒を起こしかねず、大変危険です。

    福島現地ではヨウ素剤をすでに配った自治体があったようですが、混乱がありあわてて既に飲んでしまった方もいるようです。その後、指示があるまでは絶対飲まないように、と報道されています。

    • チェリーさん、はじめまして!
      私も同じような印象を持ちました。異なった情報や判断があればあるほど、人間は疑心暗鬼に陥りますね。是非、いろいろと教えてください!

  • チェリー

    すみません、「放射線濃度」ではなく「放射性物質濃度」です。
    お恥ずかしい。

    • チェリーさんは専門医とのことですのでお聞きしたいのですが今問題とされているのは単位時間当たりの放射線量なのではないのでしょうか?

      濃度と言うと単に体積あたりの放射性物質の量ということなのでしょうか?分かりやすくご説明いただければと思います。

  • TORO

    はじめまして。
    興味深く拝見させていただきました。
    安定ヨウ素剤の説明等は非常に分かりやすく、要点がまとまっており勉強になりました。

    ところで、原文をgoogle翻訳して見ましたが、25mil (= 約40km) と書かれているようですが、
    250kmというのは、何かの誤解でしょうか?

    • TORO

      失礼しました。1mil とは、スウェーデンでは10kmなのですね。
      翻訳結果がマイルとなっていたので、1mile = 1.6kmと思ってしまいました。
      早とちりで、失礼しました。

      • TOROさん。そうなんです。スウェーデンの1マイルは10キロメートルなんてすよ。ときどき、いらいらしてしまいます(笑)!

  • チェリー

    さくらりぼん様

    「放射性物質」「放射線」には色々な種類があり、その性質や人体に与える影響は異なります。
    異なる種類の放射線の値から計算し「人体に与える影響」として統一した単位が「線量当量」Sv(シーベルト)です。(mSvはその1000分の1、μSvは100万分の1)
    原発敷地内およびその周辺と、現在の関東地方とでは、(時間あたりの)放射線量に影響している放射性物質の種類は全く異なります。拡散のしやすさ、半減期のオーダーが異なるからです。ですが「外部被曝」が人体に与える影響として計算する場合、少量の被曝量であれば、線量当量で統一し比較します。

    さて、安定ヨウ素剤は、原則40歳以下の人(および妊婦)に対し、「ヨウ素放射性同位体(アイソトープ)の甲状腺への集積による、甲状腺内部被曝の影響を低下」させることによって、若年者甲状腺癌のリスクを低下させる目的で投与されます。
    ヨウ素以外の放射性同位体(希ガス、セシウム等)による内部被曝や、ヨウ素を含めたこれらの放射性物質による外部被曝には、全く効果がありません。

    安定ヨウ素剤の投与は副作用が強く、その是非はヨウ素放射性同位体の内部被曝の危険の有無によって判断されるべきです。現在の福島県および周辺各地で検出されたサンプルを参考に、全体的な放射性物質の散布状況を推測し、内部被曝の危険が判断されるものと思われます。
    数日前にTVに出演していた放射線科医師が、放射線量だけでなく、放射性同位元素の種類も詳しく公表して欲しいと強く要望を出していたのも、このためです。

    放射性セシウム体内除去剤は、一般の方はまず使うことはないと思います。

    ちなみに現在の東京電力のHPには、敷地内でのヨウ素放射性同位体の量が公表されています。(放射性同位元素の種類を見る限り燃料棒融解が起こっていたことは確実のようです)

    • チェリーさま。
      放射性セシウム体内除去剤を緊急輸入したというニュースを読みましたが、現場で頑張っていらっしゃる方のためなのでしょうか。137Csは半減期も非常に長くて、心配になります。
      勉強させていただき、ありがとうございます。

  • チェリー

    Dr.Pion様

    ヨウ素被曝防御について、医学会の見解です。 

    日本核医学会 http://www.jsnm.org/japanese/11-03-18 

    「避難区域(半径20km)からの避難時における安定ヨウ素剤投与の指示は)16日以前にすでに当該地域から避難されておられる方々や、当該地域圏外に在住されておられた方々を対象としているものではありません。これらの方々におかれましては、今の段階では安定ヨウ素剤による甲状腺保護処置は不要です。むしろ危険なことがありますので、避けてください。
    ただし、今後の状況変化によってはこれらの方々にも必要となることもありますので、政府発表・関連自治体発表・東京電力発表・報道情報などを十分に注視され、政府や自治体の指示にしたがっていただけますようお願い申し上げます。」

    日本放射線医学会 http://www.radiology.jp/modules/news/article.php?storyid=907(特にQ5,6,7)

    被災地以外では
    「島国の日本では従来甲状腺内のヨウ素が充分である」
    「また日常の献立に一品海草類を加えれば充分である」

    これを見ても、250km圏内の即刻服用勧告というのはかなり疑問が残ります。
    スウェーデン政府が、25milsと25miles(=40km)を間違えた、というオチでは・・・?

    • チェリー先生
      コメントそして、情報を有難うございます。

      私も250km圏内において即刻服用という勧告には、驚いてしまいました。かなりオーバーかなと。スウェーデンの立場としては、日本語以外の情報が限られている環境で、日本国民よりも条件を厳しくして、情報不足が原因で遅れを取らないようにするという意図のようです。

      現在も、日本渡航は自粛となっていて、スカンジナビア航空は無条件でチケットに対して返金を行っています。

      スウェーデンマイルについては、私はまだ馴染めませんが、スウェーデンでは日常に使われているので、流石に間違えるということはないと思うのですが、、、。

  • おかん

    お久しぶりです。
    情報ありがとうございます!日本の家族や友人を心配する身としても、非常に参考になります。

    mixiの方でこちらのエントリを引用させて頂きました。

    なお蛇足とは思いますが、25mil=250kmは、在東京スウェーデン大使館HP上にある同様の勧告内容を見ても確認できました。

    Advice on intake of iodine tablets, radiation etc
    http://www.swedenabroad.com/News____4211.aspx?slaveid=123145

  • こちらこそお久し振りです。

    遠く離れていると、余計に心配になりますよね。日本にいる日本人から、「海外で苦労もせずに実情をわかっていない。」と言われることもありますが、私を含め、私の周りにも、心配で悲しくて何も手につかないような人が何人もいます。

    在外邦人同士、励ましあって頑張て生きていきましょう!

  • tooyama999

    微妙に誤訳かと。
    スウェーデン大使館は避難勧告を出していません。
    以下へ「スウェーデン大使館は避難勧告を出しましたか?」と聞いてみてはいかがでしょう。
    スウェーデン大使館
    東京都港区六本木1-10-3-100
    03-5562 5050
    さっきわたしも電話で聞いてみましたが「スウェーデン大使館は一度も避難勧告を出していない」との返答でした。

    > Anybody feeling anxious and wants to avoid any possibility of being affected by a nuclear fall-out, is advised to consider the options of either leaving Japan or moving to parts of Japan outside of the 250 km radius from the nuclear plant.

    これは、勧告ではなく、「もしひどく心配するのであれば、250キロ避難や出国も選択の1つだろう」といっているわけで、オフィシャルな形での『避難勧告』ではありません。

    よって公式には、スウェーデン政府としては、一切の避難勧告は出していない、という見解になるようですよ
    単純な翻訳では見えない政治的な含みもあるみたいですね

    • tooyama999さん、こんにちは。

      まず、勧告を出しているのは、在日「スウェーデン大使館」ではなく、「スウェーデン外務省(およびSSM)」です。

      原文より。
      Utrikesdepartementet avråder sedan den 16 mars från alla resor till Japan och uppmanar svenskar inom en radie på 8 mil från kärnkraftverket Fukushima att lämna området.
      これは明らかに、「原発から8マイル圏」からの避難勧告ですね。

      また、
      Utrikesdepartementet kompletterar därför råden till svenskar i Japan:
      Den som är orolig och vill vara säker på att inte påverkas av ett utsläpp bör överväga att lämna Japan eller bege sig till delar av Japan som ligger utanför 25-milsområdet.

      これは、本文の記述の繰り返しとなりますが、
      「(この状況が)心配で、放射能汚染の影響を受けたくない者は、日本を出国するか、250キロメートル圏外へ避難してください」という勧告です。
      勧告(råd(瑞)、advice(英))とは、あくまでも強制力のない「勧め」であります。

      SSMの最新のHPによると、
      Svenskar ska undvika alla resor till Japan.(スウェーデン人は日本への渡航を控えるべきである。)
      Svenskar i Japan ska utrymma inom ett område på 80 km från kärnkraftverket i Fukushima. (在日スウェーデン人は原発より80km圏内より退避するべきである。)
      Svenskar i Japan ska ta jodtabletter om man befinner sig inom en radie på 25 mil från kärnkraftverket。 (原発より25マイル圏内にいる在日スウェーデン人はヨウ素錠剤を摂取するべきである。)

      となっており、驚きます。こちらには、250km内よりの退避については述べられておりませんが、前述の勧告文において、
      Den som är orolig och vill vara säker på att inte påverkas av ett utsläpp bör överväga att lämna Japan eller bege sig till delar av Japan som ligger utanför 25-milsområdet.
      と、「ska」よりも弱い「bör」が用いられていることからも、勧告でも弱いものと理解できます。
      今回の文脈では、「ska(文語ではskall)」は、言ってみれば、英語では「must」に相当し、「bör」は「should」に相当するものと考えられます。
      強弱の差こそあれ、(強制力のない)勧告が、外務省から公式に出されたことは明らかです。

      tooyama999さんは、スウェーデンにお住まいなのに、わざわざ東京までお電話なさったのですね。ご家族が東京にいらっしゃるのでしょうか。私の記事の意図は、日本の問題が、スウェーデンではどのように理解され、報道されているのかをレポートすることです。スウェーデン外務省の判断は、かなり極端だという印象も私自身受けています。私も家族が東京におりますが、現在のところ、東京から避難したり、ヨウ素剤を内服する必要はないのではないかと思っています。

  • tooyama999

    スウェーデン大使館は当然スウェーデン外務省に属するので、スウェーデン大使館が一切の避難勧告を行っていないという公式態度であれば、skaやbörを日本語でどう訳すかは問題ではなく、提示された原文は『避難勧告』ではない、ということになります。

    遺憾に思う、心からお詫び申し上げたい、とても残念に思う、など同じような日本語を、SorryとかRegretとか色々訳すことができます。ただそれが政府のコメントであれば、謝罪か否かが需要なポイントだと思います。

    今回のスウェーデンのSKAやBORをどう訳すかは、色々だと思います。ただ、スウェーデン大使館が公式に避難勧告を出していない、といっているのであれば、それは避難勧告と訳すべきではないかと。

    (もしスウェーデン外務省が公式に日本で避難勧告を出した。といっているならこの限りではありません。ただそういうことってあるのかなー。例えば外国に対して、在外日本大使館と日本の外務省が反対のコメントを出す姿が想像しずらいです)

    • tooyama999さん。
      スウェーデン大使館はあくまでも外務省の在外公館ですから、外務省のホームページにある情報が大元です。つまり、外務省がホームページで避難勧告をしている以上、それが政府の公式見解であるはずです。

      skaやbörは共に、このような文書においては、勧告の意を示すものであり、skaとbörの間で勧告の意の強弱があるということを解説しただけです。釈迦に説法でしたら、どうぞお許しください。

      私はあくまでも事実を述べているだけなのですが、tooyama99さんが、何故、避難勧告が出ていないことにしたいのか、申し訳ございませんが理解致しかねます。

      • tooyama999

        わたしが「避難勧告をなかったことにしたい」のではなく、東京のスウェーデン大使館が「避難勧告を出していない」と言っているわけです。

        これはご理解いただけますでしょうか?

        • スウェーデン外務省(UD)、SSM、および在日スウェーデン大使館のホームページで、自国民に対して以下の勧告(råd)が出されています。

          1)(全ての)日本への渡航自粛(但し、これは3月29日に、「不必要な渡航」自粛に縮小)
          2)原発80km圏内からの退避
          3)原発250km圏内での予防的ヨウ素剤内服(但し、これは3月29日に解除)

          また、UDおよび、SSMのHPでは、これに加えて、「現状が心配で、放射能汚染の影響を受けたくない者は、日本を出国、あるいは、250km圏外への避難を勧告」しています。

          よって、在日スウェーデン大使館は避難勧告を出しており、tooyama999さんが、大使館に電話して得た情報の方が、UD、SSM、大使館のホームページで出されている「公的文書」より正しいのだと主張なさることは、全くもって不可思議です。

  • Sweden在住邦人

    通りすがりですが、tooyama999さん。
    UDのホームページ、チェックしてないのでしょうか?
    UDはSSMからの情報に基づいて避難勧告を出しています。はっきりと避難勧告が出ています。これが公式ではないと判断する人がいるなんて、理解に苦しみます。しかも、自分が電話で大使館から得た情報の方が、UDやSSMのホームページより正しいと主張できるなんておかしい。skaやborは、勧告に使う言葉です。それに、スウェーデンでは、強制力のある命令はgrundlagにより、存在しません。よって、今回の勧告を勧告と言わず、何と言うのでしょう。折角drpionさんが丁寧なお返事を書かれているのに、意味のない議論はやめませんか。因みに、今日から、250km圏内のスウェーデン人に対するヨウ素内服勧告は、解除されたようです。

    • Sweden在住邦人さん。
      新しい情報のフォローをありがとうございます。
      私もホームページで確認しました。ヨウ素内服勧告は大袈裟だと思っていたので、解除は妥当な変更だと思います。

    • tooyama999

      スウェーデン大使館は「避難勧告は出していない」ということですよ。
      それを個人が勝手に「避難勧告を出している」と主張するのはいかがでしょう?

      大使館が避難勧告を出していないとしているのに、個人が「翻訳すると避難勧告にとれるから、避難勧告を出した」と主張するほうが間違っていると思いませんか?

      ただまあこれ以上個人で議論しても仕方ないですね。

      ・スウェーデン大使館は避難勧告を出してない。

      ・外務省の告知を避難勧告と翻訳する個人もいる。だが公式な態度としては、スウェーデン大使館は避難勧告を出していない。

      ということです。

  • Sweden在住邦人

    因みに、スウェーデン大使館のHPにも、避難勧告が掲載されております。
    tooyama999さん、この方、理解力に欠けるのか、それとも、言いがかりをつけたいのか。
    納得できないなら、大使館ではなくて、UDに電話したらいかがでしょう。

    • Sweden在住邦人さん。たびたびのコメントありがとうございます。
      驚きのブログ記事を教えていただきました。
      スウェーデンが避難勧告を出さなかったことで、スウェーデンを賛美する人たちが多く存在することは、衝撃でした。スウェーデン語が理解できなくても、少し調べれば何が真実であるか理解するのは簡単なことですし、実際のところ、スウェーデンは諸外国に比べても、かなり強い危機感を示した国であると私は理解しています。つまり、この以下に示すブログ記事とは、全く逆ということになります。意図が理解できないので、何だか、恐ろしささえ感じます。
      http://blog.setojp.com/archives/65520270.html

  • tooyama999

    スウェーデン大使館が「一切の避難勧告を出していません」と述べた。

    これは事実であり、これ以上でもこれ以下でもありません。

    あしからず

  • スウェーデン関係者

    何だか、ブログ主さんにいいがかりをつけている人がいますね。
    はっきり言わせてもらいますが、この人、かなり頭が悪いです。スウェーデンが避難勧告を出したのは、スウェーデン関係の人なら誰でも知っていることです。もし、そうでないと主張するなら、tooyamaさんもしっかりとした証拠を提示したらいかがでしょう。「大使館に電話したらこういわれた」というのは、証拠になりません。しかも、最後のコメントでは、性格の悪さもにじみ出ている。何が「あしからず」なんでしょうか。

    紹介されているこのブログの中のある会社のリンクをチェックしたら、この人が誰だかわかりました。
    http://blog.setojp.com/archives/65520270.html

    いかにも、短気な日本人男性という感じです(失礼!)。

    tooyamaさん、あなたのスウェーデン人の奥さんは何と言っているのですか?どうしてこんな馬鹿馬鹿しい事実と反する主張をしなければならないのでしょう。スウェーデンが避難勧告をしなかったら、あなたの会社はブルーベリーのサプリを日本へ売りやすくなるのでしょうか?

    因みに、私に対するお返事は結構です。
    また、tooyamaさん以外で、私の批判コメントでむっとされた方がいらっしゃいましたら、お詫びします。

  • 通行人

    横から失礼いたします。

    現在の在日スウェーデン大使館の日本語HPを見ましても、29日に勧告の変更後も
    「なお、スウェーデン放射能安全庁の推奨により同省は、健康に影響があると考えられる福島第一原子力発電所から半径80キロ圏内にいるスウェーデン人はその地域から退避するように、引き続き勧告しています。」
    「福島第一原子力発電所から半径80キロ圏内にいるスウェーデン人は、その地域から退避するように強く勧告しています。」
    との記載がありますが?
    英語の文章も同様の内容です。
    私はスウェーデン語は解りませんが、日本語と英語は理解できます。

    tooyama999さんが今回直接スウェーデン大使館に電話でお聞きになった情報が本当ならば、スウェーデン外務省、スウェーデン放射能および安全庁スウェーデン大使館が文書にして発表したHP上の情報との間で、大きな乖離が生じております。これは大問題ではありませんか?
    東京の大使館にいつも電話が通じるわけではありませんから、HPの情報を見て判断する人の方が多いと思います。
    在外自国民の保護をすべき大使館の役割が、機能していないことになります。

    ただ、失礼を承知で申し上げますが、tooyama999さんが直接お聞きになった内容は本当かもしれませんが、それを外部の人間に証明することは難しいです。
    電話の相手が、大使館でのどの責任レベルの方かもわかりません。

    文書化された内容の方をスウェーデン政府および大使館の公式見解と判断するのは、きわめて妥当な判断かと思いますが。

  • 通行人2人目

    関係者の方が指摘している人、今度は、スウェーデン大使館のウェブのミスにしたいらしいですよ。自分が間違っているとわかったら、こちらでも謝罪があるのでしょうかね。それによって、最終的にこの方の人間性が判断できそうですね。既に、名前や居住地まで明らかになっていますし、普通だったら謝罪しない訳にはいかないでしょう。

    http://blog.setojp.com/archives/65525490.html

  • 通行人

    「スウェーデン大使館のウェブのミス」にしたいだなんて・・・
    そんなミスががあったこと自体、異常ではありませんか?
    スウェーデン政府や大使館のHPでは実際に文書として退避勧告がに書かれていることを、tooyama999さん以外の複数の人間が確認しています。
    その上で、仮に、スウェーデン政府・大使館のHPでの情報と、tooyama999さんが大使館でお聞きになったという情報が異なっていた場合には、責められるべきはブログ主のdrpionさんではありません。
    情報が錯綜した、スウェーデン大使館になります。

    tooyama999さんへの批判があるのは、「スウェーデン政府や大使館のHPで退避勧告が文書として書かれている事実」をtooyama999さんが頑としてお認めにならず、ブログ主のdrpionさんを的はずれに攻撃したことです。
    謝罪があってもこんな方の人間性は到底信頼できませんね。

  • 匿名で

    5歳年上の姉さん女房とこちらの会社Pharberry AB をやっている人ですね。
    http://www.pharberry.com/about.html

    調べてみると、この人は、現在の会社の前身のConnectEast Handelsbolagという会社の時代に、スウェーデン産のまつたけを売っていましたが、厚生労働省の記録
    http://www.mhlw.go.jp/english/topics/importedfoods/09/xls/09-09a.xls
    によると、2009年9月に、

    Fresh matsutake mushroom
    radioactive concentration (Cs134 + Cs137) 496 Bq/kg detection

    つまり、基準異常の放射能(セシウム)が検出され、関西空港で、廃棄、積み戻し等を指示されています。

    Pharberry ABは、直後の2009年9月8日に設立されており、この放射能検出事件という前科を嫌って、新しい会社にしたものと思われます。

    マツタケに含まれていた放射性セシウムは、おそらくチェルノブイリ事故によるものと考えられますが、いやはや、今回の原発をめぐるこの方の異常な反応には、なんだか因果を感じてしまいます。

  • 余計なことかもしれませんが・・・

    ブログ主さんはどんなコメントに対してもつねに丁寧な言葉づかいでコメントを返しておられます。今回もそうされています。それに対して情報を補足する書き込み等はOKだと思いますが、個人情報を流出させたり、個人を中傷するようなことは少し行き過ぎなのではないでしょうか。そこまで(個人情報の流出、個人の中傷、etc)にはなっていないのかもしれませんが名誉棄損等で訴えられる可能性もあり得ると思います。

    PS.
    ブログ主さんは事実(タイトルにもありますようにスウェーデン外務省のことであって大使館のこのには触れていない)を述べられているだけです。また、ブログ主さんはスウェーデンで外科医をされている方ですので微妙なニュアンスなど違いはあるのかもしれませんが、誤訳されることはありえないと思います。

  • 沢山のコメントをいただき、有難うございます。

    お一人ずつ個別にお返事をすべきところではありますが、かえって私の気持ちをまっすぐに理解していただけなくなる可能性がありますので、こちらのお返事で替えさせていただきます。

    今回の記事では、前にも述べましたように、スウェーデン政府が、原発問題につき、自国民にどのように対応しているのかについて事実をレポートし、個人的には、かなり過剰な反応だという感想を持ちましたので、それを少しだけコメントするというのが趣旨でした。

    ですから、客観的な事実に基づいて記事を書いただけであったのにもかかわらず、感情的で偏見に満ちているだけでなく、名誉毀損にもあたるような強い表現の中傷コメントを受けたことにより、私自身、非常に傷付いております。

    この件に関しては、どなたでも少し調べていただければすぐに、私の記事の真偽については判断していただけると思います。そんな状況の中で、何度説明を試みても、より感情的で攻撃的なコメントを繰り返されるばかりで、私は途方にくれてしまいました。

    今考えると、中傷コメントを受けた時点で、当該コメントを削除するか、コメントに対するお返事を控えるべきだったのかもしれません。あるいは、コメント欄を閉じるという手もあったかもしれません。しかし、複数の方に有益な議論をしていただいていること、また、基本的に批判コメントであっても削除しないのが私の方針ですので、このような経過になりました。

    スウェーデンでは、日本と異なり、ネット上で検索すれば、日本では「個人情報」に相当する情報が得られます。例えば、他人の収入を調べることも可能です。誕生日くらいなら、電話帳のようなものに載っています。ですから、コメント欄に寄せられた情報程度でしたら、誰でも調べることができると思います。

    「退避勧告を一切出さなかったスウェーデン大使館」というタイトルのブログ記事も読ませていただきましたが、これには非常に驚愕いたしました。このような主張をなさっている方は、当然他にはいらっしゃいませんし、HNや、その他の事実からもこの方がご本人であるのは、ほぼ間違いないと感じています。万が一、事実関係に誤りがある場合は、ご一報いただければ幸いと存じます。

    ブログを通じて、多くの素敵な出会いがありました。しかし、ときに批判コメントを受けることもあります。自分の意見を述べれば、当然、反対意見の方もいらっしゃる訳ですから、それについては、できるだけ友好的で、実のある議論ができたら良いと思っておりますし、フィードバックを受けることで、勉強になることが多くあります。

    しかしながら、今回は、その方の思考は全く理解できず、非常に傷付いてしまいました。あまりに強い表現に、一瞬、私が間違っているのかと疑ってみもしました。見も知らぬ人間のブログに、土足で踏み込むような行為に対しては、怒りと悲しみを感じます。

    まとまりのない文章になりましたが、かなりコメント欄が炎上して参りましたので、捨て置くわけにもいかず、取り急ぎメッセージを書かせていただきました。過激な記述に関しては、勝手ながら一部消去させていただくかもしれません。

    日本やスウェーデン、そして、その他の国からも、複数の方に温かい言葉を掛けていただいたこと、大変嬉しく、また、心強く感じております。
    本当に有難うございました。

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