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緊急入院

親が付き添う慣らし保育の2日目。数日前まで「わたし」の鼻がぐずぐずしていましたが、双子では感染症、殊にウイルス感染症の移し合いは避けて通ることができず、予想通り、「ぼく」の鼻もぐずぐずし始めていました。これまで風邪を引くと必ず喘息様発作を起こす双子。「ぼく」に至っては、今まで2回、呼吸困難で救急外来へ連れて行ったことがあります。

 

この日、お昼寝から起きてきた「ぼく」のご機嫌はいま一つ。大事を取って、おやつの時間を待たずに帰宅することにしました。2日間の保育園の印象では、子供たちがどのくらい食べているのか、そして飲水しているのかのチェックが甘いと思いましたが、案の定、帰宅後の尿量が著しく少ないのが気になりました。「わたし」はお水を飲むのが大好きなのですが、「ぼく」は普段から苦手。しかも、このところ少々便が緩めのため、尿量はさらに少ない傾向に。なだめすかせて水分摂取を促すのですが、うまくいきません。そのうち、だっこしていないと大泣き。呼吸もぜいぜいと苦しそうなので、手持ちの気管支拡張薬の吸入、点鼻薬に鼻から分泌物の吸引をしてみますが、わずかの効果のみ。聴診してみると、湿性ラ音ではなく、乾性で、バリバリと音がします。呼吸数は次第に増え、一分間に50回程度、臥床できない、所謂、起座呼吸の状態となります。体温は39度強。風邪から喘息様発作、脱水、そして肺炎の可能性も否定できず、もはや救急外来に駆け込むしかありませんでした。

 

職場に隣接したAstrid Lindgren子供病院の救急に到着したのが18時くらい。待合室に複数の患者さんが待っているのが見えました。こちらでは、到着したら、まず、「番号札」を取って、看護師さんの問診の順番を待つのがシステムです(何とも非効率的かつ、危険なシステムで、何とかならないものなのか。)。私に抱かれた「ぼく」は絶え間なく泣き続け、この状態で番号札の順番を待っている訳にはいきません。ここは、医師である強みです。カウンターに座っている看護師さんをすぐにつかまえて、「1歳男児、呼吸困難で呼吸数50以上です。」と伝えました。勿論、看護師さんは緊急性があると瞬時に判断してくれ、酸素飽和度、呼吸数、体温を測定した後、直ちに治療室へ入れてもらいました。酸素飽和度は90%を下回りこそしませんでしたが、90%ぎりぎりで、心拍数も180以上でした。子供はいろいろな意味で予備能が小さいので、あっという間に状態が悪くなり手後れになる危険があるため、注意が必要です。

 

治療室に入ると数分もしないうちに、医師の診察となりましたが、呼吸困難が激しいため聴診もままならず、すぐに気管支拡張薬の吸入となりました。自宅で行う吸入と薬剤は同じでも、圧をかけて薬液を霧化させることにより、薬剤粒子が数ミクロンと小さくなるため、非常に効果があります。2回の吸入の後、呼吸数はあまり減らないものの、酸素飽和度は94%程度に上がりました。前回、前々回の発作の際には、吸入のみで帰宅しましたが、今回は脱水や発熱などもあることから、緊急入院となりました。入院となれば、親の付き添いが必要です。勿論、「わたし」は帰宅しなければなりません。幸い、お友達のYさんが一緒に来て下さっていたため、母である私の付き添い準備などもすることができました。助けてくれる身内が誰もいないため、このような救いの手は、本当に有難いものです。感謝です。

 

入院を待つ間、採血、そして点滴のラインを入れました。脱水気味の小さな手の甲に針を入れるのは易しいことではなく、右手で失敗し、左手でも針先が血管に当たっているようで、出し入れを繰り返した上に成功。手の甲に、あらかじめ麻酔クリームで麻酔をしていたものの痛みは感じているはずなのに、呼吸をすることに疲れ切った「ぼく」は針を刺されている間中、昏睡状態で、驚いた医師の指示で血液ガスまで取ることになりました。

 

その後、胸部レントゲン写真の撮影。「ぼく」は両腕を上に挙げた状態で正面と側面からレントゲンを撮ることになりましたが、その間も泣くこともなく、おとなしくしてくれ、母は難だか涙がこぼれそうになりした。結果、肺野に多少の浸潤影があるものの、低いCRPと合わせて細菌性肺炎は否定的で、抗生剤の投与は見送られました(日本だったら抗生剤を投与するのでしょう、、、。)。

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病棟は、救急外来に隣接する、救急・感染症病棟。

呼吸困難の恐怖で泣き叫び、疲れ切った「ぼく」は、病室で眠りに付きました。電解質を加えた50%グルコース溶液、一時間あたり144mlの点滴を輸液ポンプで。このとき、おむつは乾燥したままでしたが、夜中から少しずつ排尿がありました。

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簡単にパンと紅茶を出してもらいました。

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部屋にはソファーベッドがありましたが、母は「ぼく」に添い寝。その晩は、2時間おきの吸入がありました。仮眠程度しか取ることができなかった母ですが、「ぼく」が呼吸ができて、安全に眠ってくれていることが、何よりもの安らぎでした。

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10 comments to 緊急入院

  • 大変でしたね〜落ち着かれたようですが・・・心配です

  • Nao

    子供が力なく横たわっている姿を見ることは親にとって何よりも辛いことですね。我が家も次男がまだしゃべれなかった頃、脳震盪で入院したことがあり、グッタリしている息子を見て心が痛みました。ママがお医者様だと心強いですね。大変な状況下でも冷静な判断ができる。私は慌てふためいてしまうでしょう…近くに身内がいないのは本当に大変ですね。我が家も同じ状況なので、どうしようもなくなり、友人たちに頼ったことが何度もあります。娘さんを引き受けてくださる方がいて、また娘さんもスンナリ?引き受けられて?よかったですね。息子さん、もうすっかり元気になられていることを祈ります。

    • Naoさん。まだ言葉が話せず、何が辛いのか表現できないだけに、心が痛みます。医者といっても小児科は専門ではないのと、母親の立場になると少々弱気になってしまいます。本当に、頼れる身内がいないのは大変です。10分でも手を借りることができたら、随分違うのに、と思うことがしばしばあります。おかげさまで退院しましたが、娘にうつってしまいました、、、。

  • 大変でしたね。うちの双子のうちの一人も同じ症状で何度緊急入院したことか・・・。でも、体力のつく3歳ごろからすっかりひどくならなくなりました。それから、保育園、うちも娘は歩けたのですが、息子は歩けませんでした。でも、ほかの子が歩いているのを見て1週間ほどで歩くようになりましたよ。しばらくはつま先で歩いていましたが。お子さんの看病なさる先生も、お体にお気をつけて!

    • mariyaさん。ありがとうございます。双子ママ先輩の経験談は、とても力になります。いつか、双子連れで、お目にかかれるといいですね、、。

  • こぐまなみん

    今頃はおうちに帰られたでしょうか?
    ちびちゃんのうちはホントに急変が怖いので
    入院やむなしですよ!

    それにつきあうおかあさんも大変ですが
    そっかー双子ちゃんの場合
    もう一人の子守が必要となるわけですね。
    (双子じゃなくても兄弟がいればおなじですね)

    Drpion先生もお大事に。

    ママが倒れると代打なしですから~

    • こぐまなみんさん。双子のかたわれのお世話を考えると、入院したくなかったのですが(前回は入院を勧められましたが、断って帰宅しました)、症状が重かったので仕方がありませんでした。そうですね~。ママは元気でいないといけませんね~。元気でいることは、子供に対する責任ですね~。

  • hejhejhej

    親御さんに家族歴がなければ、喘息ではないでしょう。
    10年以上前の医学教育では、RS感染は夏のものとされていました。しかし、迅速キットが普及した近年では、RS、アデノ、ロタなどのウイルス感染は、真夏でもみられます。東京の小児科病棟にも、RS感染の入院が溢れています。治療はメプチン、インタール吸入、ソルコーテフ静注でしょうか。

    • hejhejhej先生。ありがとうございます!

      私は喘息持ちなのですが、子供はまだ小さいので喘息という診断にはならないということでした。感冒に伴う喘息用症状(閉塞性症状)というスウェーデン語の診断名をいただきました。RS感染は夏でもあるのですね~。こちらでは、ステロイドは静注せずに、内服させられました。今後は、感冒症状が始まったらすぐにステロイドの吸入をするプロトコールの指導がありました。喘息発作を経験して、そのあまりの辛さに、呼吸不全だけでは死にたくないと自分自身感じていただけに、恐怖で泣き止まない息子を見て泣きたくなりました、、、。

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