2008年にはおよそ8600万人の女性が望まぬ妊娠をしているそうですが、そのうち妊娠を中絶しているのは半数強の4600万人。WHOのデータによれば、2160万人の女性が安全ではない中絶手術を受けています。そして、安全ではない中絶により命を落とす女性はおよそ4万7千人。望む望まぬに関わらず、妊娠に伴うリスクを背負うのは常に女性。この不平等は、女性が生まれながらにして受け入れなければならないものです。それでは、少なくとも、望まない妊娠継続を中止する処置を、安全に合法的に受ける権利が、全ての女性に与えられてしかるべき。しかし、今なお、中絶が違法である、または、制限されている国が存在します。
赤く表示されている国は、「いかなる理由があっても」中絶は違法、あるいは、「母体の救命に必要と考えられる」以外の中絶は違法としている国々です。南米やアフリカ、中東やアジアの一部に多くみられます。ヨーロッパでは、アイルランドとマルタ。チリなどでは、強姦による妊娠の中絶や、母体の救命に必要な中絶であっても違法であり、法を犯せば収監されます。
最近、アイルランドで、「胎児の生存存続が望めない妊娠の中絶が、母体の救命に必要であったにも関わらず行われなかったことにより、女性が命を落とす。」という悲劇的な事件がありました。アイルランドは敬虔なカソリック教徒で知られる国。
死亡したのは、アイルランドに住む31歳のインド人歯科医。
10月21日に背部痛で病院を受診。その際、妊娠17週で、既に流産が進行しており、中絶手術が必要でした。
‘Sorry, can’t help you. It’s a Catholic country. Can’t help you. It’s a Catholic team.’
胎児の心拍が確認されている限り、「カソリックの国では中絶は許されない」という理由で、医師は中絶手術を拒絶しました。彼女はヒンズー教徒であるにもかかわず。その後、胎児が死亡したため掻爬術を行いましたが、女性は10月28日に、大腸菌とESBLによる敗血症のため死亡。
“They knew they couldn’t help the baby. Why did they not look at the bigger life?”
と、彼女の夫は語り、
“In an attempt to save a 4-month-old fetus they killed my 30-year-old daughter. How is that fair, you tell me?”
と、彼女の母親は憤りました。
アイルランドでは、「母体の救命のための中絶」は過去の判例で認められていますが、それは法制化されていないこと、また、医師が「母体の救命に中絶が必要かどうか」を判断することを敬遠するため、事実上、救命のために必要であっても中絶がなされないことが多いようです。実際、国民のわずか54%が「母体の救命のための中絶の法制化」に賛成だということは驚きです。今回の悲劇は、犠牲者がインド人だということもあり、アイルランド国内だけでなくインドでも、アイルランドの中絶に関する法律に批判の声が高まっています。
以下、写真はhttp://www.guardian.co.uk/から拝借。
母体の救命のための中絶は当然行われるべきで、それは、「女性の権利」以前のものです。それ以外の中絶に関しては、中絶の是非は別として、妊娠した女性自身の意思が尊重されるべきだと、私は考えています。よって、アメリカなどでの「反中絶」運動は、全くもって理解できません。進化論を受け入れられないキリスト教信者に対しても同じように感じます。
妊娠・出産は女性だけの生理であり、それに伴うリスクを負わなければならない性差による不平等は仕方がないとしても、中絶の意思決定と、安全で合法な中絶手術を受けられる権利は、全ての女性に保障されるべきだと思います。








ん〜 宗教が絡むと
大変な問題なようですね( ; ; )
同級生のお一人も、
この問題とはずれますが、
死産を、長い悲しみと共に と乗り越えられ、
その後、2児を設けられ、
今はクリニックを開業された御主人を支えてらっしゃいます。
彼女からは学ぶことが多いです。
ガムラ スタンさん。
そうですね~。宗教により、どれだけの命が失われてきたことか、、、。
妊娠、妊娠の維持、出産と、どのステップも奇跡に近いということを本当に理解するためには、辛い経験があってからこそです。
しかし、辛い経験は、人間を優しく、そして強くしてくれるものだと思います。
おはようございます。
服薬と体調のリズムが合わずとうとう入眠できぬまま、
朝の6時をむかえました。
こちらのニュースは耳にしたときに
わたしも考えてしまいました。
特に経過を聞けば聞くほど。
女性のリスク・・・人権と共に大きく考えてもらいたい事実です。
もう10年を迎えましたが
職場の同僚が結婚後第4子を流産し
本人も命を落としました。
わたしはほぼ同週数の妊婦だったので
あまりの衝撃に、命の儚さに、彼我の差の無さに、
今も続く気持ちがあります。
いつも息子達を彼女に見せるつもりで・・・
出来の悪い母ですが。
こぐまなみんさん。
第4子の流産と、母体の死亡ですか、、、。本人の無念は勿論のこと、残された家族のことを思うと、胸が痛くなります。
医療現場にいると、こんなふうに感じます。
「命ははかなくもあるが、たくましくもある。」
命のたくましさを信じて、日々生きてゆきたいと思っております。