母校である慶應義塾大学医学部には、国際医学研究会(IMA)という学生のグループがあります。
6年生の夏に、主にブラジルで1ヶ月に渡り医療活動をするグループで、活動資金は自分たちでスポンサーを探し集めています。
今年は、ブラジルでの活動の後に、スウェーデンの医療、介護の現場を見学したいということで、コーデイネーターを引き受けました。
介護施設、ホスピス、高度在宅医療、カロリンスカ研究所などを見学した後(団員ブログ記事)、カロリンスカ大学病院新病院のうち、小児病棟を見学しました。私が働いている骨盤内癌部門は病棟の引っ越しが10月末であるため、本格的に稼働していないため、ポスドク時代からの旧友である小児神経内科医のEliちゃんに案内役をお願いしました。
以前にもご紹介しましたが、病児がテラピストや両親などと一緒に遊んだり治療したりできる屋外の遊び場。
勿論、屋内にも遊び場があります。その一角には、採血や各種検査、処置の模擬練習ができるコーナーがあります。これにより、子供達の処置に対する恐怖心を軽減させることができます。また、スウェーデンでは原則として全ての処置に両親が同席します。
新病院は大きく4つのブロックに分かれ、それらが東西の方向に位置しています。ブロックごとに廊下の色、そして、病室内のバスルームの壁の色が決められており、小児病棟は黄色となっています。
バスルームの壁も黄色ですね!
新病院は基本的に全個室。バスルームには、トイレ、シャワーの他に、洗濯機があります。感染性がある場合でも、病室内で処理ができます。
各病室には、このように患者さんを持ち上げる装置があり、患者さんの移動などで医療従事者の体にかかる負担を軽減することができます。
物資の輸送は、基本的に全自動のロボットによりなされています。小児病等だけで30台のロボットがあります。ロボットの駐機場、また、ロボット専用のエレベーターがあります。
ちょっとした家具も北欧のデザイン家具で素敵です。
スウェーデンでは病院の建築費の0.5%を芸術に当てるという法律があり、各所に海外や彫刻などの芸術品が置かれています。
4ブロックの建物にはそれぞれ吹き抜けがあり、天窓から天然光が入るようになっています。
こちらは、小児専用の救急外来ですが、救急車は直接建物の中に入ることができるようになっています。
最後に、旧病院の前で記念撮影!カロリンスカ病院訪問の様子も団員の方が記事にしてくれています。
3人の後輩達、とても優秀です。団員の1人は一卵性双生児だそうで、兄弟ともに幼稚舎から慶應の医学部へ進んでいます。双子の親としては、どんなご両親なんだろうと興味津々。
若き後輩からも沢山エネルギーをもらい、彼らの将来が輝かしいものであるように祈り、いつかどこかで再会することを約束してお別れしました。ありがとう!
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