ノーベル授賞式の日を、振り返りたいと思います。写真は、iPhoneでの撮影がさほど綺麗でなかったため、新聞などから拝借。
招待されるとは思っていなかったので、当日午前中は外来診療が既に入っていました。外来診療を済ませて帰宅。また、着用予定だったドレスはネットでオーダーしていましたが、結局間に合わなかったため、手持ちのドレスの中から急遽選ぶことになりました。ドレスコードは、女性はイブニングドレス、男性は燕尾服と決まっています。 私のドレスは、プレーンな黒のロングドレスだったため、大きめのバロック真珠のネックレスとお揃いのピアス、真珠のリングと、普段は使えない大きめダイヤのリング、大好きなカルチェのドレスウオッチを合わせました。
生憎の小雨模様、コンサートホールは美しくライトアップされて、リムジンが並んでいます。青いナンバープレートは外交官プレート、その中でも、1Aで終わるものは、各国大使のナンバーです。大使に限り、コンサートホール前に駐車でき、コンサートホールの周辺の車の進入は完全に閉鎖されます。
授賞式は何回も出席していますが、今回は初めて舞台近くの席に着席しました。
通常、王族メンバーは全て壇上に座るのですが、今年は国王、王妃、皇太子ビクトリアとダニエル王子の4人だけで、カールフィリップ王子とフィアンセのソフィア、マデレーン王女と夫のクリスは壇下の最前列に座りました。
ビクトリアの真紅のドレスはとても素敵でした。しかし、エキスパートからクレームがついたとか。この点は後ほど。随分、痩せてしまっていて(実物はもっと痩せて見えました)少々心配になりました。
日本から受賞の物理学賞の3氏については、すでに良く知られているため省略。
カロリンスカに選考委員会のある生理・医学賞は、脳に存在するGPS細胞の発見に。
ノルウェーから、Moser夫妻。
彼らは大学時代の同級生。かれこれ30年一緒にいるそうです。写真は若き日の夫妻。
彼らのラボには100人以上のメンバーがおり、受賞の知らせに大喜び。
彼らには医学部に通う二人の娘がいます。
授賞式には、ニューロンをイメージした大胆な模様の入ったドレスで。
大学の同級生が、仕事でも家庭でも同志として30年、愛の結晶はノーベル賞と二人の娘。こんな幸運はまずあり得ませんね。
化学賞は、次の3人。
ペア受賞ではありませんが、右手のBetzig氏の妻は、彼のリサーチグループで働く研究者Na Ji。
晩餐会の席順は小冊子に印刷されているのですが、名前とタイトルが記載されています。日本からの受賞者のパートナーはタイトルなし(妻という記載のみ)なのですが、海外の受賞者や、招待客は夫婦ともにタイトルがある場合が多く、日本では未だに男の成功の陰には家庭を支える妻が必要なのだなと感じました。ちなみに、晩餐会では各賞から代表で一人ずつ挨拶があるのですが、物理賞は中村先生でした。そして彼のスピーチの中で、「Thank you for letting me work hard」という言葉が、会社や同僚、家族に対して投げかけられ、聴衆の笑いを誘っていました。きっと、非常に日本的で、殊に、プライベートを大切にするスウェーデン人には、理解できないと思いました。
授賞式のあとは、晩餐会の一般招待客は青いSLバスに分乗して市庁舎へ向かいました。
[…] ノーベル賞授賞式および晩餐会は毎年、アルフレッド・ノーベルの没日である12月10日に行われます。昨年は、授賞式と晩餐会に参加しました。 […]