Visits

Online: 1
Today: 656
Week: 2829
Overall: 5432504

Flag counter

free counters

何とか生息中

コメントをいただいておりながら、お返事も致しておらず、大変申し訳ございません。

前回のエントリーから、双子の初めての病気や日本への里帰りなど、いろいろなことがありました。毎日、子育てと仕事に追われ、ブログを開く時間もありません。いただいているコメントに対しては、またゆっくりとお返事させていただきたいと思います。

今日、ブログを開いたのは、アドレナリンの出ているうちに書き留めておきたいことがあったから。

双子を出産して産後3ヶ月で職場復帰してから、多くの方に「大変でしょう」とねぎらいの言葉をいただいています。確かに大変なのですが、昔から、例えば忙しい当直で眠れぬ夜などは、「最悪、寝られないだけだ」と考えるように訓練してきました。それにより、真夜中であっても、心穏やかに時間をかけて正しい診療行為をすることができてきたような気がします。医師の中には、当直の仮眠中に起こされると腹を立てる人もいるようですが、私にとっては考えられないことです。

双子の初めての病気は、ウイルス性(ロタ?ノロ?)胃腸炎でした。とても表現できないほどのドラマチックな経過でした。39度以上の高熱が約3日、鉄砲水のような下痢が一週間続いたため、ほとんど眠ることができないまま仕事もしなければなりませんでしたが、双子を連れて救急外来を訪れ、スウェーデンの悲惨な救急診療を経験したとき以外は、気持ちは比較的穏やかでした。診断も治療も予後も、およそのところは自分でわかっていたという状況もありましたので、「辛いが正しいことを頑張ってやりさえすれば何とかなる」と理解していたからです。

世の中には、「正しいことを頑張ってやっても」、何とかならないことがあります。日本における外科社会は、当然のごとく男性優位でしたが、スウェーデンにおいてもそれは同じだった。そんな辛い状況に現在置かれています。スウェーデンで女性外科医として働く上で日本より恵まれているのは、産休や育児休暇、病児休暇などを自由に取る権利が認められているということです。しかし、産休は別として、これらは男性外科医も享受している権利です。私は、これまで4年ほど、泌尿器科の中で大手術を手掛ける医師グループ、そして、ロボット手術グループのそれぞれで、ただ一人の女性医師として働いてきました。チームの中では、むしろ好感を持たれていると思います。しかしながら、男性と女性の間には障壁があるのです。男性は男性同士で仲良しグループを形成しやすく、常に、ランチを共にしたりするなど、プライベート的ともいえるような友達関係にあり、助け合っています。また、中には、優秀な女性を認めたくない男性もいます。先週、ある変人医師に手術室で心無い言葉を掛けられたときに、丁度登場した手術室のナース長の前で初めて涙をこぼしました。別室で彼女と話をしましたが、泌尿器科は特に男性優位だけれど、泌尿器科に限ったことではないと。一般外科や特殊外科も同じであると。外科で例外なのは、乳腺外科。乳癌は患者さんの殆どが女性ということもあり、産婦人科と同様、女医さんには優しい労働環境なのだそうです。

出産するまでは、次に生まれてくるとしたら、男性に生まれる方が良いかもしれないと思っていました。出産を経て、母親としての喜びを経験し、現在では、女性に生まれて良かったと心から思いますが、それでも、職場での男性優位に、くじけてしまいそうです。近日中に、進退をかけての議論をすることになっています。男女平等が徹底しているとされるスウェーデンでさえこうなのですから、女性医師の後輩へは、男性優位の外科はお勧めできない心境です。

アドレナリンに委ねて、推敲する時間もないままの文章を不本意ながら掲載します。不備がありましたらお見逃しのほどを。

14 comments to 何とか生息中

  • Nao

    普通に生活しているだけでも、いろいろな偏見?不平等を体験するのに、お仕事上のこととなると本当にお辛いと思います。外国人で女性で…近々行われる話し合いで事態が少しでもポジティブな方向に動くことを祈っています。応援してます!

    • Naoさん。いつもいつも励ましていただいて、ありがとうございます。もう、これ以上我慢はできないぎりぎりの崖っぷちに立たされています。なんだかんだいっても、やっぱり、男性の方が有利なんですよね、、、。

  • 先生、
    また、更新を楽しみにしています!

  • 生息中でよかった!
    先生のおっしゃること、身にしみてよくわかります。
    子供の胃腸炎、特に双子で同時に吐かれた時には本当に大変です。毎年この時期になると、どきどきします。(でも1歳の冬と2歳の冬に2回かかったきりで、今ではだいぶ丈夫になりましたよ)。スウェーデンの救急も重度の食物アレルギーの息子と喘息持ちの娘のおかげ(?)で何度も経験しましたが、スウェーデンの医療システムが理解できず、スウェーデン語もよくできなかった当時は本当に泣けました。

    先生が夜中の診療でも穏やかにできたという「最悪眠れないだけだ」と言うのを今度子供たちが病気で寝られない時に、自分にも言い聞かせようと思います。私は寝不足だとイライラしまくりで、特に翌日の仕事が詰まっていたりすると大変なことになってしまいます。

    職場の環境もつらそうですが、話し合いでうまい方向に向かっていくといいですね。応援しています。

    • mariyaさん。
      メッセージありがとうございます。

      食物アレルギーと喘息ですか!それは大変ですね!子供病院の救急は、ある意味、大人の救急より悲惨だと思いましたよ。結局、待ち時間が長すぎて、症状は悪くなる一方だったため、待ちきれず連れて帰ったのですが。

      そうなのです。死ぬ訳ではないし、最悪、眠れないだけ、と考えれば、いらいらせずに済むのですね。下手に、「早く済ませて寝よう」と思うと、いらいらします。自分の仕事であれば、寝不足であっても、意外に何とかなるものです。

      職場の環境はあまり良くありません。この半年で、4人の専門医が退職しました。私もどうなることやら、、、。

  • 東京経済大学の西下彰俊です。数年前に、カロリンスカ病院にインタビューにうかがったものです。

    先生のブログも拝読しておりますし、フェイスブックも楽しく拝見しております。

    可愛いイチゴの帽子のペア。最高です!

    さて、スウェーデンの外科病院における男性だけのコンボイシステム。日本の大学病院の医局も同じような男性文化だった事と思います。

    スウェーデンの最高峰の病院ですら、女性差別があるという現実を知り、ショックを受けています。

    ロボットによるオペのできる医師は多くないわけですから、他の病院に移られた方が良いかも知れませんが、まず第一に、変人医師の暴言の責任追及をして、快適な職場環境を整備すべきかとも思いました。

    力のない人間ほど集団化するものです。男性は力がないことを自分達でよく分かっているから、男子会のランチをして、実力のある女性の先生を疎んじようとしているのだと思います。

    双子ちゃんの子育てとお仕事の両立はきついかと思いますが、このまま頑張っていただきたく願っております。

    • 西下先生。ご無沙汰いたしております。

      男女不平等に関しては、スウェーデンであってもなかなか厄介な問題です。移民医師であっても、男性であれば、少なくとも私の部門では全く差別はありません。女性が外科医に不適当であるとは全く思わず、むしろ、私より下手な男性外科医の方が多いくらいですので、不当な待遇は女性であることが原因です。また、スウェーデン人女性外科医の多くが、同じような経験をしています。

      男性である先生から、「力のない男性」に関する解説をいただけるとは、何だか感激してしまいますね。「よくおっしゃってくださった!」という思いです。

      今まで、自分でも良くここまで耐えて頑張ってきた、と思いますので、どこまで頑張れるのかわかりませんが、帰宅すると迎えてくれる可愛い双子のためにも、もう少し踏ん張ってみますか、、、。イチゴの帽子、お褒めにあずかりましたので、こちらにも掲載したいと思います。コメント、ありがとうございました。

  • こぐまなみん

    うーーーーむ。と一言唸ってからキーを打っております。

    先生のアドレナリンにお応えできるような
    経験も知識も戦略も持たないワタシですが。

    自分を嫌わずに、生を全うする意味を考える・・・という時に
    思い出す(というか刻まれて消えてくれない)とある言葉があります。

    『どんな仕事も逃げていると必ず追いかけてくる。
    逃げる方法はなく、ただ向き合うことによって道が開ける』

    わたしはこの中の『仕事』という言葉を
    『自分の為すべき事』という風に感じています。

    お金を得るための仕事であり
    家庭における家事労働であり
    人間関係におけるコミュニケーションであり
    社会におけるいくつもの役割である・・・

    ええ、毎日毎年仕事にも同僚にも
    がっかりすることが多いですよ!(笑)
    やってらんねーーーよ!知るかーーー!もう辞めるこんな会社!
    ・・・とか考えてると、先ほどの刻まれた一文が
    眼の前に浮かぶんですよ。

    そんな風にいつも一歩留まって
    自分にできる事をもう一度考え直して職場に向かいます。

    多分先生のご苦労とは格段に違うだろうに、と
    恥じ入りながら書いてみました。

    どこで覚えたかもうろ覚えなこの一文が
    20年あまりの社会人としての自分の礎になっているようなので。

    • こぐまなみんさん。

      魂のこもったメッセージをありがとうございます。

      自分の人生から「逃げる」ことはできませんね。良いことも悪いことも、全て背負っていかなければならない。問題は自分で解決しなければならない。

      医師になるまでも、医師になってからも、順風満帆とはいえない、、というより、易しくはない人生を歩んで参りましたが、他人に頼ることなく、自分の力で切り開いてゆくという強い意志だけでここまできました。スウェーデンで職を得てからも、それには変わりはありませんが、自分の努力だけではどうにもならない状況の中で、自分のやりたいことができるのは大学病院であり、待遇などは二の次という考えがあったからこそ、男女不平等でも頑張ってきました。同じような目標を持ったスウェーデン人女性医師でさえも、次々と退職していく中、どこか冷めた目で、自分のことを、「良く頑張るな~」と見てきたような気もします。

      こぐまなみんさんのメッセージを噛み締めて、もう少し頑張ってみますか、、、。

  • まー

    西下先生のブログを見て、大変だ!という思いで久しぶりに先生のサイトをみています。
    本当に本当に、言いようのないほど、頑張ってらっしゃる…

    まずは、私は、先生の心身が、どうか守られますようにと願います。先生が最終的に考えたことであれば、どのようなことでも答えなのだと思いますが。

    ただ、西下先生もお書きになっていましたが、その男性のひどい発言に対しては、はっきりと、NO! やめろという意志を一度でも表明しないと、先生に対し、または後に続くの女性に対して、同様のことをし続ける輩だと思います。

    私は、先生がそこにとどまって頑張られるにしてもおやめになって新天地でお仕事されるにしても、どちらでも応援し続けます。でも、その意思表示は、たった一度でもいいので、はっきりとした上でのことだと思います。子どものいじめに対しての指導でもそうなのですが(そういうはっきりとした意思表示がいじめなど子どもへの暴力を減らすという活動を、以前、していました。)そんなことをし続ければ、ちゃんと上に言ってはっきり問題にするということも含めて言うと、さらに効果的ではないでしょうか(実際にはしなくてもです)。こんなことをしてはいられないという気持ちになるのではないでしょうか。男子グループでかえって笑いものになるのではと思うかもしれませんが、こんなことしていられないと思う人もいるはずです。
    おつらいとは思いますが、それが後に続く女性のためでもあるのではないでしょうか。出過ぎたことをお話ししたかもしれませんが、お許しください。

    • まーさん。お久しぶりでございます。

      力強い応援のメッセージ、ありがとうございます。勇気になります。

      まーさんのコメントを拝見して、西下先生のブログにお邪魔したのですが、あらまあ、なんだか、ずいぶん凄い話になってしまっていて驚きました。国語の読解問題で、行間を読むというのがありますが、この場合は、事実とは異なることもあって、、、。それだけ大変だと思っていただいたから故なのでしょうね、、、。

      いずれにしても、頑張れば何とかなるというものでもないところが、厄介です。それでも、応援して下さる方がいらっしゃる、そして、応援のメッセージを見も知らぬ方からいただいていることは、本当に力になります。ゆっくり急がずに結論を出そうと思っています。

  • フィーカ

    お忙しくてコメントも大変だと思いますので、短く。
    Drpionさんのプログのタイトルのように、沢山の笑顔が戻りますように。
    人を傷つける人は、自分自身を守るためにそうする弱い人。忘れましょう!

    • フィーカさん。ありがとうございます。

      今は、「alltid ledsen」という状態です。
      何とか、頑張って前へ進んでゆければよいのですが、、、。

Leave a Reply

You can use these HTML tags

<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

  

  

  


Warning: mysql_query() [function.mysql-query]: No such file or directory in /var/www/drpion.se/public_html/alltidleende/wp-content/plugins/quickstats/quickstats.php on line 345

Warning: mysql_query() [function.mysql-query]: A link to the server could not be established in /var/www/drpion.se/public_html/alltidleende/wp-content/plugins/quickstats/quickstats.php on line 345

Warning: mysql_query() [function.mysql-query]: No such file or directory in /var/www/drpion.se/public_html/alltidleende/wp-content/plugins/quickstats/quickstats.php on line 346

Warning: mysql_query() [function.mysql-query]: A link to the server could not be established in /var/www/drpion.se/public_html/alltidleende/wp-content/plugins/quickstats/quickstats.php on line 346

Warning: mysql_fetch_row() expects parameter 1 to be resource, boolean given in /var/www/drpion.se/public_html/alltidleende/wp-content/plugins/quickstats/quickstats.php on line 346