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麻央さんの逝去におもうこと

麻央さんがついに力尽きたこと。医師としてその日は遠くないとは思っていたけれど、人間として、女性として、そして、同じような年齢の子供を持つ母親として、心が張り裂けそうになり、報道から1日以上経った今でも、考えるだけで涙がにじんできます。

 

子供に恵まれる前までは、「死」というものが日常茶飯事であることもあり、死ぬことを怖いと思ったことはありませんでした。しかし、子供を産んでからは、小さな子供達を残して死ぬことを怖いと感じるようになりました。「死」とは予期できるものばかりではありません。子供が生まれてから、突然やってくるかもしれない「死」に対して準備をすることを考えるようになりました。そう、「死ぬ準備」です。毎日、仕事と育児に追われる中で、ブログをやめようと思ったこともありますが、以前にも書いた通り、このブログは、私の生きた軌跡でもあります。もし、私に予期せぬ「死」が訪れた時、子供達が成長した暁には、このブログを読んで母を知ってもらいたい。そして、十分な愛を与え、母親としての務めを果たせなかったとしても、どれだけ子供達を愛していたかということを知るヒントになれば、という思いで、ブログを続けることにしました。

 

麻央さんがブログを始めてから、ほぼ毎日のように彼女のブログを読むようになりました。何気ない日常からも、彼女の子供達への愛が伝わってきました。最後に退院しても、酸素チューブがつけたままだったり、輸血が必要だったり、浮腫が増強したり、という病状を見ると、Xデーは遠くないことがわかっていました。数日ブログが更新されていないと、それだけで胸が痛くなりました。

 

月並みですが、麻央さんの記事がBBCに載った時、彼女の予後を思い、子供達のことを思い、涙が流れました。そして、その記事を今読み返して、再び涙が流れます。特に、後半の部分。

 

人の死は、病気であるかにかかわらず、

いつ訪れるか分かりません。

例えば、私が今死んだら、

人はどう思うでしょうか。

「まだ34歳の若さで、可哀想に」

「小さな子供を残して、可哀想に」

でしょうか??

私は、そんなふうには思われたくありません。

なぜなら、病気になったことが

私の人生を代表する出来事ではないからです。

私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、

愛する人に出会い、

2人の宝物を授かり、家族に愛され、

愛した、色どり豊かな人生だからです。

だから、

与えられた時間を、病気の色だけに

支配されることは、やめました。

なりたい自分になる。人生をより色どり豊かなものにするために。

だって、人生は一度きりだから。

 

世の中には一人ぼっちで亡くなっていく方も沢山いらっしゃいます。家族があっても事情が許さず家に帰ることができず、病院で亡くなる方が殆どです。麻央さんが、最期の時を、在宅で、家族に囲まれて過ごすことができたことは良かったなあと思います。そして、日本中の、いや、世界の多くの人たちが、彼女の死を悲しんでいるのは、勿論、彼女が彼女の仕事をきっかけとして有名となったこともありますが、自分の進行癌を公表し、癌と闘う姿を映像と共にさらけ出し、心情を吐露して共有した勇気、そして、外見も美しい人でしたが、内面も、人間として、女性として、母として美しい人であったに違いありません。

 

現在の医学でも助けることのできる病は限られています。それでも、一人でも多くの方が元気になることができるように、微小ながら貢献できればという思いを強くするとともに、麻央さんの残された二人の子供達が健やかに育って欲しいと願っています。

 

麻央さんのご冥福をお祈り申し上げます。

2 comments to 麻央さんの逝去におもうこと

  • あんこ

    私もでした。私も、ミッドサマーとはいえ、思い出しては涙が出てしまうような感じで、どこか悲しい週末でした。ちょうどスウェーデンに越す前、検診の予約を考えた日に真央さんのガンが公表されたのを覚えています。同じ年の息子(+弟)もいたことから、人ごとに思えずブログ開設当初から毎日のように見ていた一人です。医療関係でもなんでもないけど、最近は日々のアップの合間にも何が起こるのではないかと心配でなりませんでした。

    今日本にいたら朝から晩までその報道ばかりできっとまた違う感情になっていたのかもしれないけれど、こちらでは限られたニュースを自主的にチェックして一人で思うことしかできなかったので、スウェーデン内で同じブログ読者がいてくださり同じような気持ちをシェアしてくださったことがありがたかったです。

    同様にBBCの記事の後半では特に涙が出ちゃうし、ブログから伝わる子供達や家族への愛、それを表現できる言葉選び、外見だけでなくアナウンサーの道に進むべきして進んだ美しい人なんだろうと日々感じていました。それもあり欠かさずチェックしていた自分がいたんだろうと思います。

    実はあまり必ず見るブログというのは他にない人だったのですが、(なのでこういったコメント自体が初挑戦だったり。汗)drpion先生のブログは度々拝見させていただきながら日々勉強しています。スモーランドの田舎から陰ながらいつも応援しています。

    • あんこさん。ありがとうございます!ブログへの初コメントとのこと、光栄です。

      今も、彼女のニュースを読むと胸が痛くなります。しかも、標準療法を選択しなかったことで、命が短くなったことを知り、本当に悔しく思います。

      彼女のブログを読むと、まっすぐな想いが伝わってくるのと、彼女の強さが心に響きますよね。きっと、これからも彼女のメッセージを時々読みたいと思うことがあるはずなので、備忘録を兼ねて記事にしました。不定期の更新ですが、また覗きに来てくださいね!

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