カロリンスカにおける2013年から2020年までの戦略のために、内外からの一流研究者から選抜された、外部審査員によるカロリンスカにおける研究レベルの評価が行われ、最近、内部資料が発表されました。ERA2010(External Research assessment)と呼ばれるこのプロジェクトの報告書は69ページに渡り、カロリンスカ研究所の評価と批評をしています。調査を受けたPIの数は502名。事前の書類審査と共に、審査員による面接も行われ、O(outstanding)、E(excellent)、VG(very good)、G(good)、I(insufficient)、P(poor)の6段階評価を受けます。
カロリンスカは地理的にも、病院を中心にいくつかの部門に分かれています。
カロリンスカ研究所といっても、ラボ、研究者のレベルは、上と下では、雲泥の差があります。以前も書いたことがありますが(記事)、病院(臨床)と研究所(基礎)を比べると、研究所の方がずっと優れています。今回のERA2010のレポートの冒頭にも、カロリンスカ、ソルナキャンパスの基礎部門が最もレベルが高く、40%以上がOまたはEの評価であり、IまたはPの評価は10%未満。ソルナキャンパスの臨床部門と、Danderyd病院では、OまたはEは21-35%で、IまたはPは7-27%と増加。Huddingeキャンパスは、ソルナキャンパスの臨床部門と、Danderyd病院に近い評価だということです。
これからスウェーデンに留学を考えている方もいらっしゃると思いますが、このようにカロリンスカといっても、研究のレベルはラボによってぴんきり。PhDの内容もぴんきりですので、留学先を決めるときには入念な情報収集をしないと、ひどいラボに当たることも、、、。
今回のERA2010で、各部門に所属するPIがどのような評価を受けたのか、、、。
これを見ると、どの部門のレベルが高いのか、良くわかります。
この各部門とは、、、。
これを見てみると、表の上の方の、カロリンスカ、ソルナの基礎部門の評価が、他に比べて非常に高いことが一目瞭然です。Huddingeではもう少しOutstandingなラボが多いかと思っていましたが、少なくて驚きました。HuddingeのNVSに至っては、27人のPIのうち、10人がI以下。報告書によると、P評価のPIは研究をする価値がないとまで酷評されています。私の臨床部門の所属はMMK(Molecular Medicine and Surgery)ですが、最近ようやく再開した研究は、MBB(Medical Biochemistry and Biophysics)でやっています。ここは、カロリンスカの中でもトップクラス。24人のPIのうち、15人がOあるいはE評価で、IあるいはP評価は一人もいません。そんな事情で、近年では、MMKとMBBの双方の学位審査に出席したことがありますが、やはりレベルに差があるのは否めません。
優秀なPIはより多くの研究費を得ます。得た研究費のうち30%はオーバーヘッドとして各部門が徴収されますので、優秀なPIがいる部門は経済的に潤っている訳です。それによってさらに優秀な人材が集まるという、正のスパイラルが存在します。
カロリンスカのPhDコースについて、この報告書は痛烈に批判しています。例えば、PhDコースに入学する学生の審査がないこと。2000年くらいまでは、少なくとも、TOEFLの最低ラインがあったのですが、現在はそれもありません。私が以前にいたラボでも、英語さえままならない中国人学生がいました。語学だけでなく、その他の能力にしても、感心できたものではありませんでしたが、そのラボのボスは(政治力により)潤沢な資金を持っていたため、簡単に手に入る労働力として、レベルの低いPhD学生でも簡単に受け入れていました。しかも、そういう学生は、ボスのいいなりです。
現在では留学先の選択には潤沢な情報収集が可能となっています。将来を左右する大きな選択となる可能性もありますので、十分な情報収集をお勧めいたします。大学の名前だけに惑わされてはいけません。









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