この数日、講演用のネタのために、スウェーデンにおける、また、カロリンスカにおける男女平等の実態を探っておりますが、最近のスウェーデン中央統計局の報告書にこんな図を見つけました。
20歳から64歳の女性(kvinnor)で、働いていない人(Ej arbetskraften;失業者は除く)は、既に1980年頃から20%前後です。この中には病気で働けない人も含まれています。(追加:学生、疾病などによる早期退職者を含む。)
(Arbetslösa:失業者、Kort deltid 1-19 timmar:週1-19時間労働、Lang deltid 20-34 timmer:週20-34時間労働、Heltid 35-timmar:フルタイム;35時間以上)
スウェーデンには移民が20%以上おり、移民女性における非就業者率は高いことより、純スウェーデン人女性の非就業者率は更に低いものとなるはずです。つまり、スウェーデン人の専業主婦は稀少なのです。外来診療をしていても、専業主婦であるスウェーデン人には、まずお目にかかりません。中東、アフリカなどからの移民の人に多いという印象です。
日本では、政財界などのビッグネームの伴侶はたいてい専業主婦ですが、スウェーデンでは、夫と同じく政治家であるラインフェルト首相夫人を始めとして、男性ビッグネームの伴侶で、専業主婦を発見することは難しい。スウェーデンの男女平等社会の基盤には、このような構図があります。勿論、高い税金のため、ダブルインカムでないと家計が厳しいことも女性が働く理由の一つですが。また、男女平等であるため、日本のように女性を守るシステムがありません。年金にしても、個人が働いて収めた税額で得られる額が決まってきますので、専業主婦は年金を貰うことはできません。近年、スウェーデン人と恋愛関係になって移住してくる日本人が増えているようですが、例えば、夫婦が離婚する場合でも、片方に離婚の意思があれば(有責でも)離婚は成立しますし、片方に経済力がなくても、慰謝料もなく放り出されます(財産分与はあるようです)。「愛は永遠」と信じ、経済的に自立していないと、痛い目にあう可能性があることを覚悟しなければなりません。
もともと、通常の職業におけるスウェーデンの給与水準は低いのです。次の図は、2008年における、労働人口の多い職業10種の平均月給を男女別に示しています。
2009年における平均の月給は、27,200スウェーデンクローナ。最近のレートで、1スウェーデンクローナを12円と計算すると、32万6400円。年収にすると400万円弱となり、そこから、30%ほどの税金を引かれますので、簡単に計算すると、280万円程度の手取りとなります。
物価は東京に負けない水準、家賃も安くはありませんし、アパートの値段も相当です。ストックホルムに住む子供のいる家族は、通常最低でも2000万円くらいのアパートをローンを組んで購入し、経済的に余裕のない場合は、元金はそのままで利子だけ払うという場合が多いです。ただし、ストックホルムのアパートの価格は、ごく短期的な例外を除いては、これまで右肩上がりです。中古でも価格は上がります。
高福祉国家だけあって、教育や医療、介護などにかかる費用は非常に低いのですが、高い税負担なのですから、当然です。幸い私には定職がありますが、それでも、このままスウェーデンで働けば、日本で老後を過ごすだけの貯蓄をすることはできないと考えています。
脱線しましたが、専業主婦を選択することは非常に危険で、つまり、スウェーデンで専業主婦を発見するのは難しいということになります。
まとまりがなくなりましたが、スウェーデンにおける男女平等については、また書きたいと思っています。









こんにちは。うんと昔にご飯を一緒に食べて以来御無沙汰しておりますがいつもブログをフォローさせていただいております。御活躍何よりです。
上記の統計ですが、対象が20~64歳ということで、働いていない人20%(女性の場合)すべてが専業主婦とは限りません。61歳から年金生活に入っている人もいますし、また、実はこの中にフルタイムの学生も含まれているので。
#統計局の説明については年齢層が異なりますが以下のものも御参考に。
Basic principles for Labour Force Surveys (LFS) and labour market statistics
最新版の労働統計にも同様の図があります<AKU
専業主婦が少ない、ということは確かです(今、ちょっと基礎になる統計が見つからないのですが労働人口の大体5%以下というのをみた覚えがあります)が、上記の図を基に説明するのなら年金生活者や学生も含まれていることに言及しないと「20%も専業主婦?」という誤解を生んでしまうのでは?とちょっと心配になりました。
Prickenさん。「うんと昔」ですか。。。スウェーデンではあまり日本人と会うことはないので、多分、あの方かな、、、。10年以上前でしょうか?
ご指摘、有難うございます。統計資料には事欠かないスウェーデンであるはずなのに、専業主婦がどのくらいいるかというデータを得るのは難しいですよね。少し前に、中央統計局で統計をやっている友人に尋ねたところ、やはりはっきりしたデータはないようでした。ですので、「スウェーデンでは専業主婦は殆どいない。」という記事を書きたいにもかかわらず、客観性を持たせるとなると、かなり多い数字になってしまいます。読み直してみると、確かに、最大、「専業主婦が20%」という誤解を受ける可能性がありますね。疾病などによる早期年金受給者については述べたつもりですが、学生については漏れておりました。Prickenさんに議論していただいたおかげで、さらに、専業主婦が少ないということが、明らかになったと思います。有難うございました。ご教授いただいたデータも参考にさせていただきます!
おひさしぶりです。
ストックホルムの夏の風景なども楽しませていただきました。
スウェーデンの女性進出率はとてもカルチャーショックだったのを覚えています。女性みんなが仕事をする必要はないのかもしれませんが、働きたい女性への障害は取り除かれる社会になるといいなぁと願っております。
ぜひ日本への啓もう!?活動をお願いします!
Rikaさん。お元気ですか?おひさしぶりです!
スウェーデンの女性は恵まれていますよね。日本には、「働きたくない」女性もいるので、スウェーデンとは状況は異なりますが、「働きたい」、「働かなければならない」女性にもう少し優しい世の中になってくれるといですね!将来、外から日本を刺激できる立場になれたらいいな、と思いますが、まずは自分がこちらで頑張らないと!