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包茎の治療と文化 壱

私には、2人の甥がいますが、彼らは、私のことを、「おちんちんの先生」と呼んで笑っています。

妙齢を過ぎたとはいえ、れっきとした女性(笑)をつかまえて、「おちんちんの先生」はどうかと思いますが、まあ、当たらずといえど遠からずで、呼ばれている本人は結構喜んでいたりして、、、。

今回は、所謂、尾篭な話になりますので、その手の話が苦手な紳士・淑女の方はスキップしてくださいませ。

 

泌尿器科ではあまり救急疾患はありません。救急疾患の中で頻度が多いものは、腎・尿管結石の発作、尿閉、精巣捻転、陰茎折症、骨盤骨折、腎外傷などがあります。その他に、小児が救急を受診する疾患として、亀頭包皮炎があります。おちんちんが腫れた。痛い。膿が出る。といった症状。小児は少なくとも仮性包茎があるので、包皮と亀頭の間が不潔となるため、炎症を起こしやすい。スウェーデン人もそうですが、日本人も、幼児期に包茎に対する処置をすることがないので、成人しても仮性包茎あるいは真性包茎である人の割合が多いのです。

仮性包茎の人が包皮を翻転させたまま戻さず、亀頭を露出させたままにしておいた場合、嵌頓包茎となる場合があります。これは、包皮に亀頭が締め付けられ、循環障害を起こすものです。包皮より遠位が腫脹するため、包皮を戻すのはますます難しくなり、強烈な痛みを伴います。そんな場合、どうにかして包皮を半ば暴力的に戻すことを試みるのですが、男性医師は勿論のこと、女性医師である私にはあまりやりたくない処置です。ときに、包皮を戻せない場合は、外科的処置が必要になることもあります。外来で、患者さんが高齢者の場合、緊急の場合などは、背面切開といって、包皮に切開を入れる処置をします。

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今だからこそ言える話ですが、あれは私が泌尿器科医として働き始めて、というより、泌尿器科で医師として働き始めて数週間の当直時間帯のときのことでした。救急外来に、高齢で、糖尿病の管理されていない患者さんが、意識低下で受診しました。血糖が非常に高く、輸液と尿量の管理が必要なのですが、包皮の開口部が針穴のように小さかったのです。良く、その年齢までこんな包皮のまま排尿していたものだと感心するくらいでした。救急外来の先生が尿道カテーテルを挿入することができないので、泌尿器科が呼ばれました。駆け出し泌尿器科医でも、これは背面切開が必要だということがわかりましたが、ここで困ったことに。おちんちんの「背面」とはどこのことか?「背面」の反対は「腹面」になります。おちんちんを真正面に見て、12時方向なのか、6時方向なのか。当時は、携帯電話はなく、ポケットベルだけの時代でしたから、先輩のポケットベルを鳴らしましたが応答なし。インターネットもありませんでしたので、ちょっと調べるという訳にもいきません。患者さんの命を救うためには、その場ですぐ決断しなければなりませんので、もはや観念するしかありませんでした。「確率5割」。えいやっと陰嚢に近い包皮、つまり、6時の包皮を切開すると、これまで70年以上、日の目を見ることのなかった亀頭がめでたく顔を出したのでした。簡単に止血処置をしてカテーテルを挿入して終了。ところが、この「確率5割」の選択は、大失敗に終わりました。先輩医師に、「お前なあ~!男の体っちゅうもんを知らんから、そういうことになるんや~!。」と叱られると同時に大爆笑されました。そのときには、私にはその意味が理解できなかったのですが、あとから親切な同僚が、「あそこは性感帯に近いからだよ~。」とこっそり教えてくれました。

長くなりそうですので、この続きは次に。

 

4 comments to 包茎の治療と文化 壱

  • こぐまなみん

    そうですかー
    おちんちんの先生ですか。

    ある意味正しくもあり、誤ってもいる微妙な表現ですね。

    我が家は男子3人。
    特にこれといった思想も宗教もないので
    衛生面での配慮くらいは・・・との思いで(笑)、
    「自分で清潔を保ってください」と、
    入浴時に指導してみました。

    あとは
    「プライベートゾーンは親といえども他者には見せない」(医療関係者を除く)
    ・・・と指導したいのですが、風呂上がりは無理ですね~

    日本の入浴文化は元来おおらかなので
    ま、しょうがないかーと。

    母方の祖母など70過ぎてからは入浴後
    上半身裸で居間に座っておりましたからね(笑)

    50㌫の賭は負けだったのですね
    残念でしたね。
    不親切な教科書に裁きを!

    • こぐまなみんさん。

      男子が3人ですか~!たくましい母さんですね~!お風呂上りに、すっぽんぽんで走り回ったのを、懐かしく思い出すようになりますよ、きっと。
      うちの男子については、続編でお話する予定なのです。

      50%にはやられてしまいました。性感帯の存在が大きな理由なので、あのときは問題にはなりませんでしたが、私にとっては一生の不覚、忘れません。

  • ガムラ スタン

    壱、弍、参、と
    ベビーちゃんと同じく続編?

    お陰様で、規定ぎりぎりまで
    滞在させて頂き、
    治る、の範囲、時期の勘違いはあったものの、
    退院できました。
    もっと早くても良かったそうです。

    大変なお仕事。

    今回、色んな方々に感謝しています。

    • ガムラ スタンさん。その弐まであります。

      退院できて良かったですね!私も出産のときには患者さんの立場、さらには、メスを入れられる立場になって、とても貴重な経験をしました。

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