最初の2晩は、咳をすると「殺してほしい」ほどの痛みでしたが、それを我慢しながら咳をして痰を出す努力をしているうちに、少しずつ症状は軽快してきました。それでも一日当たりモルヒネを40mgくらい内服していましたが。軽快しなければ、挿管して人工呼吸器に繋いでICU送りになったところでしょうけれど、運良くそれはまぬがれることができました。高齢者が簡単に痰詰まりや肺炎で亡くなるのが良く理解できました。
しかし、モルヒネは内服でも非常に即効性があり、感動しました。日本では、通常の医療ではなかなかモルヒネを使うことはありませんでした。術後の疼痛には、ボルタレンなどのNSAIDが使われることが多く、鎮痛効果も十分でなかったり、高齢者にはリスクもありますが、スウェーデンの術後疼痛コントロールの中心は(硬膜外麻酔などを除けば)何と言ってもモルヒネの内服です。モルヒネは投与量さえ過ぎなければ、副作用はあまりありませんから、日本でももっとモルヒネを使うべきだとしみじみ感じました。しかし、モルヒネ内服により、ほぼもれなく便秘となりますので、下剤が必須です。
私も患者さんに良く飲んでいただく、Movicol。日本ではマグコロールと呼ばれていますが、これも私には初体験。Movicolを水に溶かしたものが入ったコップを、かわいい顔でにっこりと看護師さんが持ってきてくれるのですが、Movicolのまずいこと。一気に飲み干すと、「Vad duktig!」と褒めてくれるのですが、患者さんの中には嫌がって飲まない人がいるのも頷けます。
私が入院したのは2人部屋でした。一人目の隣人は、それこそロボット手術を受けたご婦人。術後の痛みが軽いのに感激していましたが、術後1日で退院してゆきました。二人目の隣人は、血尿とイレウス(腸閉塞)気味の高齢のご婦人。腰痛で他院の救急を受診したところ、ぎっくり腰だと診断されて帰されたとか。私から見れば、腹部の悪性腫瘍で、膀胱や腸に浸潤し、おそらく、骨転移もあるのではないか、、、と想像できてしまうのですが、、、。当初は胃管も入れられておらず、夜中も嘔吐を繰り返していて、大変気の毒でしたが、私も眠れずに辛かった。お嬢さんが面会に来て、「あの病院(前病院)を訴える。」とおっしゃていました。スウェーデンでは、患者さんが訴えても、まず、病院や医師に非が認められることにはならないのですが、、、。(つづく)
ほんとに大変ですよね。
長年高齢者の方達と関わっていてどの疾患もつらさがあるとはいえ
呼吸器系の疾患の方の苦しさはしのびないものがあります。
しかも今回は肋骨も?遊離?
どれほど激しかったのかと・・・
お大事になさってくださいませ。
病とのおつきあいは程々に上手にしたいものですね~
こぐまなみんさん。「酸素が足りない!」って本当に苦しいと思います。
野田総理もこの苦しさを経験すれば、禁煙する気になるのでは!?
いやいや、案外、簡単にぽっきりといくものです。肋骨なんて。
風邪は万病のもと、ってしみじみ思います。
お見舞いのメッセージ、ありがとうございます!