スウェーデンでは、スウェーデン語のできない患者さんが入院してくることは珍しいことではありません。患者さんが英語を話す場合は問題はないのですが、その他の言語の場合は大変。看護師さんの出身も様々なので、ときには、看護師さんが、ペルシャ語、アラビア語、ロシア語などの通訳ができることがありますが、通常は通訳に病院へ来てもらいます。
アルフレッド・ノーベルが息を引き取ったのは、イタリア、サンレモの病院で、ノーベルはイタリア語が出来なかったといいます。死に至るほどの重い病の床で、意思疎通が叶わなかったことは、どんなにか辛いことだったでしょうか。私自身、受け持ちになる患者さんで、殊に大きな手術の術前術後などには、言語が出来ないと、不安も大きいことと想像することがときどきあります。
今回入院中も、殊に入院当初は非常に症状が重かったし、真夜中でも投薬など治療や、血圧や酸素飽和度のチェックのために看護師さんがベッドサイドに来ましたが、こちらは意識も朦朧としている中でのやり取りになります。移住以来、日本語を使う機会が殆どない生活で、寝言さえもスウェーデン語になりかけている状況だったので、スウェーデン語でのやり取りには心配がなかったのが、不幸中の幸いでした。
スウェーデンで日本人の患者さんにお目に掛かることはあまりないのですが、スウェーデン語に熟練されている方でさえも、日常使わない医学分野の話になると、やはり日本語が良いとおっしゃる方が多いです。随分前に、ポスドクとして働いていたとき、医学研究分野で日本のテレビが同僚にインタビューに来たことがありました。スウェーデン在住の日本人通訳が同行していたのですが、医学用語には不慣れなようで、同僚の不信を買い、急遽、代理で通訳をすることになったのですが、やはり、専門用語に通じていないと、全く話が理解できないということは、ままあることです。私も、自分の専門分野を離れると(英語に似た単語なら理解しやすいのですが)、わからない単語もまだまだ存在し、他科の医師と話をするときには十分に気を使う必要があります。
この次には、スウェーデンの病院食について、ご紹介しようと思います。






こんにちは。またお邪魔させて頂きました。
前回の先生からのご返答、またさらに励みになりました!
どうもありがとうございます!
日本では諦めていた夢なんですが、まずはスウェーデン語を習得して
その時の状況にもよりますが、でも、その夢を目指してみようと思いました。
そうですよね。命にかかわることですし、自分の体は自分でしか説明できないので、私の場合、必要最低限のことは、スウェーデン語で伝えられるようにできたらなと思います。
先生お体は如何でしょうか?だいぶ良くなられましたか?
前の記事のお写真キレイですね。スットクホルムを旅行した時の、王立公園を思い出しました♪
チィさん。
諦めていた夢があるのですね!日本ではなかなかやり直しが効かなくても、スウェーデンではやり直せます。「オリンピックで金メダルを取る」というような夢でなければ、夢を実現させることができる可能性は高いと思いますよ。「移住と夢の実現」。とても素敵なことです!頑張ってください!
お蔭様で、体調は大分良くなりました。今は白樺花粉がピークを過ぎてくれるのを待っています。
スウェーデンの桜は、葉っぱが待ちきれずに花と一緒に出てくるので、常に葉桜ですが、それでも、とても綺麗です。
「通訳は良くも悪くも影響を及ぼす」という記事を読みました。
通訳者の価値観や社会背景が通訳に影響を及ぼすので、通訳を使う側は通訳者が会話にどんな影響をもたらすかという事を念頭に置きながら会話をしなくてはならないって。
通訳者の実力も様々ですが、患者さんが直接通訳者に電話をしたり、通訳の人間がこちらが頼んでもいないのにいきなり病棟に来たりしたりすると、患者と通訳の関係から一歩外れているのでは?と思ってしまうこともしばしば。勿論患者さんからすると慣れている通訳者の方がいいというのは分かっているんですが、「通訳のXXさんはXX日のXX時しか空いている時間がないので、治療はこのときじゃないと困る!」とか言われてしまうと…。
病院側の都合は無視?必ずしも患者さんの希望通りの時間に治療やドクターの再診の予約を入れられるって言う訳じゃないんだけどって思ってしまうのは、心が狭いんでしょうかね~?
あと、癌だと告知された患者さんが化学療法の治療の説明をナースから受けている時、ナースが「なんか変な感じがする…」と思ったら、家族と通訳者で患者さんには告知をしないって言う事に決めたから、と。
え~それって通訳者としてあり?と怒りを感じてしまいました。告知をしない文化があるのは分かっていても、それを告知した医師にきちんと伝えないと言うのは通訳者の義務を怠っているとしかいえない!って。
すごくいい通訳の方もいるのですが、本当にレベルが様々としか言いようがないです。
またまた長文で失礼しました。
Cindraさん。熱のこもったコメントを有難うございます。
おっしゃること、ひとつひとつ同感です。
ときに移民の患者さんの方が、スウェーデン人の患者さんより要求が厳しかったりするのには、驚くことがありますが、Cindraさんはご経験がおありでしょうか?
通訳として、「告知をしない文化」に従って正しく通訳しないのは、明らかに失格ですよね。だからこそ、家族には通訳をさせないと決めている医師もいるようです。
本当に出来る通訳の方もいらっしゃいますが、こちらがいらいらすることも多いですね。
>ときに移民の患者さんの方が、スウェーデン人の患者さんより要求が厳しかったりする…
経験があります。私としては移民だからと言って特別に扱いたくないと言う気持ちが強く、彼らの要求に対しては出来ないと言うことも多いです。スウェーデン人が同じことをすると「移民だから適当に扱っている」と受け取られそうなので、同じ移民である私なら相手もそういう圧力はかけてきにくいだろうと、私自身移民である立場を利用する事も多々です。
勿論、患者さんと一緒に妥協点を見つけることが一番多いですけど。
通訳からは話は飛びますが、病気になったらなんでも人にしてもらいたい!という文化の方と、”自立”ということが何よりも大事なスウェーデン人の差は大きいと思います。先日術後補助治療の為抗がん剤を受けている30代後半の女性が、旦那さんにご飯を食べさせてもらっているのを見て”クラクラ”しちゃいました。手の手術をした訳じゃないのだから、食事は自分で出来るでしょ…と。まあ、私に食事介助を依頼されている訳じゃないので、いいんですけどね。
Cindraさん。
日本とは違う意味で、患者さんの扱いが難しいことがありますね。また、それが興味深くもあるのですが。
食事の介助の話は驚きますね。普段強いスウェーデン人女性には、とても想像できない光景ですが、日本人の方がずっと我慢強いという印象はあります。
日本では、膀胱鏡は外来検査ですが、スウェーデンでは、ときに、「全身麻酔でないと厭」という患者さんがいます。入院では、医療費を負担しなくて良いから、そんな我儘を言いやすいのかもしれませんが、それを拒絶できないことにもイライラしてしまいます。