日本が危機的状況におかれている現在、お上に対する愚痴や批判は控えてきました。しかし、今日は少し愚痴らせていただきたいと思います。
金町浄水場で22日、23日に採取された水から、基準以上の放射性ヨウ素が検出されたことを受け、東京都は、23日に乳児の水道水摂取自粛を勧告したが、24日には基準値以下となったため摂取制限を解除しました。
まさに、朝令暮改です。
天候などにも左右されやすい放射性ヨウ素値が、今後変動する可能性は十分にあるはずであるのに、わずか一回の検査結果でこのような決定を下すことは、時期尚早であるばかりでなく、人々の不安を煽ることになります。明日、上昇傾向を認めたら、また摂取制限をするのでしょうか。少なくとも、しばらくは、「乳児の水道水摂取自粛」を継続し、経過を観察するという、理解しやすい方向性を示すことが必要だと思われます。
今回の原発問題において、このような情報の「曖昧性」に対するフラストレーションは、至るところにあります。
例えば、千田先生のブログでも紹介されている、日本産婦人科学会のHP。
確かに、細やかな情報には感心します。しかし、水道水に関する情報では、以下のような記述があります。
現時点では妊娠中・授乳中女性が軽度汚染水道水を連日飲んでも、母体ならびに赤ちゃん(胎児)に健康被害は起こらないと推定されます。また、授乳を持続しても乳幼児に健康被害は起こらないと推定されます。しかし、胎児・乳幼児は成人に比べ被曝の影響を受けやすいとされており、被曝は少ないほど安心です。したがって、軽度汚染水道水以外の飲み水を利用できる場合には、それらを飲用することをお勧めします。
科学的には、100%安全と保証することは難しいので、このような記述になってしまうことは理解できますが、このような情報の曖昧性により、人々は水を買いに走ることになるのです。安全だとしながら、安全でないとも言っていることになり、まさに、矛盾がここにあります。医師が医療現場で、治療により起こりうる合併症について説明する場面に良く似ているような気もしますが、何度読んでも消化不良感が残ります。
日本が現在瀕しているような危機的状況においては、優れた、そして、強力なリーダーシップが必要です。政治家には是非頑張って欲しいと思いますが、今回の東京都の朝令暮改にはいらいらしてしまいます。
日本では、放射能を検出する器械、ガイガーカウンターが売り切れだと聞いて、スウェーデンで探していますが、複数の会社で品切れです。日本からの注文が入ったからのようです。お上の情報があてにならないので、疑心暗鬼となった国民は、子供を疎開させたり、ガイガーカウンターで放射能をチェックしたりと、自己防衛策を講じようとしているようです。やはり、的確な情報公開と、はっきりとした指針を示すことが大切なのではないでしょうか。








こんにちは。
東京都は厚生労働省の示している暫定基準値に基づいて勧告していますので測定値の方はころころ変わると思いますが、言っていることをころころ変えているというわけではないと思います。
乳児の水道水摂取自粛ができる状況であればそれが一番だと思います。しかし今、店頭には飲料水はない状態です。飲料水を十分備蓄しているご家庭は少ないと思われますので自粛しようがないご家庭が大半だと思います。そういう状況なのであいまいな表現を使っているのではないかと思います。
そもそも暫定基準値とは何なのか、何がOKで何がNGなのか、国民はいろんな疑問を感じていると思います。勧告するだけでなく、説明もされているとは思いますがいろいろな疑問に答えるような周知が不十分な気がしています。
一回の測定値で、その都度方針を変えると混乱を招くのではないかと、私は心配しています。幸い、今日も測定値は低下したようですが、上下する可能性のある測定値をもとに、24時間のインターバルで方針を変えることに疑問を呈したのであり、この都の決定に対しては、厚生労働省も時期尚早と取れるコメントを出しているようです。
産婦人科学会の勧告にある表現は、さらに混乱を招くのではないでしょうか。正直といえば正直、しかし、予防線を張っているともいえます、、。
しかし、水は生きてゆく上に、最も必要なものですから、是非安全な水がもどってきて欲しいものですね。
こんにちは。
私の勤務地のある自治体でも乳児に対する暫定基準値を上回る放射性ヨウ素が水道水から検出されてしまいました。職場はトイレはようやく使えるようになりましたが、飲料水はまだ使えないので影響はないですが・・・。
そもそも暫定基準値というのは一定の量(飲料水の場合は一日の摂取量を1.65リットルと見積もっているとか)を1年間取り続けた場合に影響があるそうなのでそもそも今それをちょっと飲んでどうこうという数字ではない(放射線当量も同様)と思います。しかし、今後の状況等によってはどうなるかわからないわけですから何らかの情報提供は必要なんだろうと思いますし、曖昧な説明になってしまうこともやむを得ないところがあると思います。
先生の「理解しやすい方向性を示す」という意見には大賛成です。あと、そういう発表があれば間違いなく飲料水を求める人が殺到し、飲料水不足となって本来必要な乳児を持つご家庭が困ってしまうことは予見できるはずですので、その対策もきちんとやっていただきたいと思います。
個人的には「放射性ヨウ素」を除去してくれる浄水器を開発して欲しいと思います。
数多くの人達を、安心して生活できるように上手に誘導するのは、本当に難しいですね。「政府が東電に不快感」というニュースが複数回流れましたが、この一大事において、上層部が一本化していないのは、なんとも頂けません。
浄水器、いいですね!そんなに難しいものではないでしょうから、、、。
お早うございます。
今日の熊本は快晴、東京は概ね晴れのようです。
ご指摘のように、今回の水道水摂取についての行政からの指示は混乱を招くと思います。
もう少し長いスパンで本来はみていくべきでしょう。
けれどもたった1日の報道で東京は報道で見る限り(バイアスがかかっていますが)混乱し、成人用の調理にもミネラルウオーターを使用している方がいます。
したがって今回のようなネコの目対応になるのでしょうね。
非常に難しい問題です。
また日本産婦人学会のHPでのパブリックコメントは、ご存じのように医師という立場上ああいう表現になるのでしょう。
けれども一方で、私の周りの多くの方がHPをみて安心されています。
情報の出し方は難しいですね。
大切なことは、一人一人が落ち着いて生活をすることです。
(私のような安全な所にいるものが発言しても説得力がありませんが・・・)
この辺のことは井上真花さんが『重要なのは「健全に保留」すること』とご自身のfacebookに書いておられます。
長くなりました。
日本は大変な状況ですが、皆がんばっています。
余談ですが、私の末娘が今春日本医科大学に進学し、今週初め『大丈夫!』とにっこり笑って東京に旅立ちました。
親としては複雑なところですが、これが『生きる』ということなのだと思います。
千田先生、コメント有難うございます。
もしかすると、海外在住邦人が最も動揺しているのかもしれません。
諸外国が在日自国民に出す勧告は、必然的に日本政府が日本人に出すものより厳しくなっています。また、日本政府や東電の初期対応の稚拙さにより、本件における日本の対外的な信用が低下してしまっていることもあり、日本の報道より海外の報道の方が、危機感があります。
しかし、何を持って安全とするかの指標は、統計処理で出されるものであり、高濃度の放射能に被曝した場合でも健康に影響のない人もいれば、安全とされるような低レベルの被曝でも健康に障害を来たす場合もある、という不確実性が、生物学であり、医学でもあると思います。究極の話、「一分子の放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、一つの細胞のDNAが損傷し癌化した」だけでも、発癌には十分であることになります。つまりは、人間をグループとして考えた場合と、一個人だけで考えた場合では、状況は全く異なってくる可能性がある訳です。
defensive medicineに走らざるを得ない現在の日本の医療現場では、統計上では非常に低いリスクについても、起こりうる事象として説明しなければなりませんよね。この対応は、公衆衛生的な考え方とは全く異なります。当然、「多くの人間が落ち着いて生活すること」が、社会を維持するために重要であることは間違いありませんし、多くの人間をまとめなければいけない政治家は、どこかで線を引いて、「安全」を宣言しなければなりません。大変難しい問題だと思います。
先生が最後におっしゃっている、「これが生きるということ」ということ、非常に良く理解できます。先生のお嬢様のお話は、非常に前向きで素敵です!ペシミストの私が例えるとこんな感じになってしまいます。私が日本とスウェーデンを行き来するたびに、「飛行機事故に遭うかもしれない」などと考えたりします。飛行機に乗らなければ、そのリスクを負わなくても良い訳ですから。親の死に目にも会えないだろうことも覚悟しています。これは、遠く海外に住んでいることのリスクです。「生きること」、殊に「前へ進むこと」には、必ずリスクが付いてまわります。人間は、自己責任でリスクを負いながら、生きてゆくものだと思っています。
私の姪もこの春、都内の医学部に進学します。奇遇ですね!
お友達のブログが紹介していた、「ハイロアクション福島原発40年」からの緊急声明。
ここに、私が言いたかったことが書かれています。以下引用。
今、私たちが必要としているのは、パニックを起こさないための不正確な情報に基づいた「偽の安心」ではありません。正確かつ詳細な情報が必要です。まず、外部被爆と内部被曝を明確に区別し、内部被曝の危険性についての正確な情報を提供してください。水・大気・食物の放射能汚染に関して現在流されている情報は、急性障害と晩発性障害、内部被曝と外部被曝を混同していることが多く、これでは、私たちが自分の状況を適切に判断し行動選択することができません。また福島原発の状況のリアルタイムの情報、特にドライベントなど大規模な放射性物質の拡散がある場合の予告、爆発のリスクに関する現実的な予測、そして詳細な気象情報とそれに基づく放射性物質の拡散のシミュレーションなどを、県民および国民に伝えてください。
今回、一時的に数値が上昇しただけでも行政が情報を公開したのは、もし公表しなかった場合「あの時実は一時的に数値が上昇していたけれど、都が隠した」となんらかの形で暴露され、訴訟される可能性や、信頼を失うリスクを考慮したのだと思います。
ただ残念なのは、折角行政や政府が事実を公表しても、それを一般の人にわかりやすく噛み砕いて解説できる報道などの関係者が少ないことです。
放射線値の解釈、数値の読み方、急性障害と晩発性障害、内部被曝と外部被曝、危険性について・・多分彼ら自身も理解していないのかな、と感じます。無理もありません。
また、医学の世界では「絶対」という言葉は使えませんから、プロが出演して解説しても、どうも歯切れが悪くなる感は否めません。
私としては、政府側で発表している行動指針は、今のところほぼ妥当だと思うのですが、もう少し政府が踏み込んで解釈し、根拠を説明してもいいのではないかと思います。
天候によって左右されるので、あくまでも今回は降雨による一時的上昇と考える、ということも明言すべきだったと思います。
ですが、政府や行政の発表を頭から信用していない人や、無責任で間違った情報だらけの外国報道(私も実際見て唖然としたものもありますが)の方が正しいと信じてしまい踊らされ、パニックになっている人がいるのも事実です。
このような時に、政府とは別機関であり、専門家の集団である各学会が、一般の方向けに、わかりやすく、信頼されるような解説を重ねていくことが重要だと、私は思います。
見えないものや無知によって起こる恐怖、それによって引き起こされる集団パニックほど恐ろしいものはないと思います。
チェリー先生。非常に客観的で冷静な見解を有難うございます。
おっしゃるとおりです。
最近、放射性ヨウ素の計測値を間違えて発表したことは、この期に及んで決して間違ってはいけないことであり、このようなことから信用を失うのは簡単なことで、非常に残念です。
ご指摘のように、政府や東電とは独立した専門家が、国民にわかりやすく、中立で、安心できる情報を発信することは、非常に役に立つと思います。
http://xkcd.com/radiation/
例えば、私もこのような図を見て、かなり安心しました。