スウェーデンの病院には教会があります。
カロリンスカ大学病院の新病棟にある教会は一度見た方が良いと言われていたため、見学に行ってきました。
教会とは言っても、どんな宗教にも対応できるようになっています。
スウェーデンの教会のシンボルであるガラスのオブジェ。Faith(信仰)、hope(希望)、love(愛)を表現しているのだそうです。また、3つのロウソクは、患者、家族、そしてスタッフを表しているとか。
瞑想ができる部屋もあります。
祈りの前に体を浄める習慣のある宗教の人用の浄めのできる部屋。
入り口のところには、木のオブジェがおいてあり、訪問者がそれぞれの想いを葉の形の紙に書いて木に掛けたり、祈りのノートに綴ることができるようになっています。
この時、子供を失った母親のメッセージが目につきました。子供を失っても生きて行ける力が欲しいと書いてありました。どこの誰かはわからないけれど、辛い想いを共有することで癒されることもあると思います。
日本の病院には霊安室がありますが、霊安室は、病院で亡くなられた方を一時的に安置し、医療従事者と家族とが焼香をする場となっています。
スウェーデンの病院にはそのような場所はありません。この教会は生きている人のためのものなのです。病院の教会ですから、それは、患者さん自身であったり、患者さんの家族であったりします。予後の厳しい病気の告知を受けたり、事故など突然の受傷という状況にも対応するため、24時間の対応がなされています。結婚式が行われることもあるそうです。
スウェーデンという国では、人間のバックグラウンドにかかわらず、平等に対応しようという姿勢があちこちにみられます。誰でもいつでも訪れることができる病院の教会。ここで救われる人は少なくないのではないでしょうか。
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