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「弱者は疎開」の選択肢

被災者への救援もなかなか進まない中、原発問題は日に日に危機感を増している印象です。

気になるのは、日本の報道と海外での報道のニュアンスの乖離。

日本では、官邸や東電からの情報は遅く、「危機」をオブラートに包んだような表現。

私の住むスウェーデンをはじめとして、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどでは、極めて事態は危機的という報道がなされています。
スウェーデンの新聞の見出しから。
SvD:「Desperat kamp vid Fukushima」(Desperate fight in Fukushima)
DN: 「Krisen vid Fukushima 1 förvärras」 (Crisis in Fukushima 1 has gott worse」

Strålsäkerhetsmyndigheten (SSM:Swedish Radiation Safety Authority)はスウェーデン外務省を通じて、原発から80キロメートル圏内にいるスウェーデン人に避難を勧告しました。アメリカも同じく、50マイル圏内からの避難を勧告。イギリスに至っては、東京からの避難を勧告。日本では、20-30キロメートルが屋内退避。しかし、それは、土地に根ざしている人間かどうか、バックグラウンドの違いからくるものかもしれませんが。

また、各国では、日本から提供される情報を信じて良いのかどうかという疑問が持ち上がっています。

CNN worldでは殆どの時間が日本の原発問題で費やされていますが、CNNの報道とNHKをリアルタイムで比べると、大きな危機感の相違があるのが明らかです。

どの国も経験したことがないような福島の原発事故。これからどうなるかは、専門家でも推測するのが難しいといえます。このような危機的状況では、起こりうるリスクを過小評価するよりは、過大評価した方が、危険を回避する可能性が高くなります。

CNNでは、成田空港が、日本を脱出する外国人だけではなく、日本人で溢れている映像を流しています。一足先に関西へ避難した知人と子供たちの話によると、新幹線にも避難する人達が沢山いたといいます。国民がパニックを起こさないためには、不安を煽ることは良いことではありませんが、まだ時間に余裕があるとされる現在であれば、放射線に感受性の高い子供や妊婦、また、病気の方などを、西日本へ疎開させるという選択肢が検討されても良いように思います。

 

今週前半に、6時間毎に記録した福島周辺の空気の動きを示す図。

Aftonbladetより)

私の祖父は、広島の原爆により被爆し、その後白血病で亡くなりましたが、祖母や母、母の兄弟は、郊外へ疎開していたために難を逃れました。地震の難から逃れることは難しいですが、放射線から逃れるためには避難をすればよいのです。

日本は世界で唯一の被爆国です。その日本が、かつて経験のないような原発の危機に瀕していることは、実に皮肉なことです。この危機を解決することは、一国民にはできませんが、リスクを減らすための努力はできるのではないでしょうか。西日本にお住まいの方の中では、被災者や疎開を受け入れたいという希望を持っていらっしゃる方もいらっしゃるようです。

何も母国に貢献できない身で、大変申し訳ない気持ちですが、丁度、子供達は春休みの季節。疎開の選択肢というのはいかがなものでしょうか、、。

 

8 comments to 「弱者は疎開」の選択肢

  • こんにちは。

    コメントを残そうと思ったのですが「Your comment is awaiting moderation.」という表示ととも書き込まれないまま宙ぶらりんの状態になっているようです。

    • さくらりぼんさん!
      最初の投稿がペンデイングとなったのは、リンクがあったからのようです。設定を変更しました。お手を煩わせまして申し訳ございません。

    • 再度失礼します。

      コメントが長すぎるのか、中身に問題があるのか・・・

      またコメントを残そうと試みてみましたがどうもうまくいきません。

      結果、わけのわからないコメントのみ残ってしまい申しわけありません。

      • さくらりぼんさん。もし、コメント内にリンクがある場合は、最高3つまで可能なようです。ペンデイングになっても、こちらでアクセプトしますので、大丈夫です。煩わしくてごめんなさい。

  • こんにちは。

    過大評価したほうがよいというご指摘はおっしゃる通りと思います。その上で僭越ながら私の知っている範囲で補足させていただきます。

    >スウェーデン外務省を通じて、原発から80キロメートル圏内にいるスウェーデン人に避難を勧告しました。アメリカも同じく、50マイル圏内からの避難を勧告。日本では、20-30キロメートルが屋内退避。
    >
    >また、各国では、日本から提供される情報を信じて良いのかどうかという疑問が持ち上がっています。
    >
    >どの国も経験したことがない福島の原発事故。これからどうなるかは、専門家でも推測するのが難しいといえます。このような危機的状況では、起こりうるリスクを過小評価するよりは、過大評価した方が、危険を回避する可能性が高くなります。

    1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原発でという今回の事故とはケタの違う事故が起こっています。福島原発では地震発生時に制御棒が炉心に挿入され、核分裂反応は停止し(反応は止まっても放射線および熱は発生し、それを抑えるための措置を今とっています)、原子炉建屋は吹き飛びましたが原子炉圧力容器及び格納容器は健在と聞いています。チェルノブイリ事故の時はオペレータのミスで核分裂反応を制御できなくなり、炉心そのものが爆発してしまうという悲惨な事故でした。ですので少なくとも現状ではチェルノブイリの事故と比べるとまだ心配ないレベルです。

    炉心の燃料及び使用済み燃料棒は核分裂反応は止まっていますが放射線は出続け、熱も発生しつづけますので水で冷やす必要があります(水は放射線のバリアーの働きもあります)。水位が現在どの程度なのか情報がないのですが、注水作業を継続して推移を燃料棒より高いレベルに保ち続けるための努力がされていると思います。それがにっちもさっちもいかなくなった時は・・・あまり考えたくないです。

    放射線のリスクですが屋内であれば退避エリア内であっても1.0マイクロシーベルト/時(現場から約25Km南西に位置する川内村役場1階、3月 16日13時52分)です。飛行機に乗ってニューヨーク東京間を往復するとこの200倍被ばくすることになりますので事故の推移が好転するか暗転するかによってどうなるかわからないところはありますが、現状では屋内退避地域(20~30km)においては屋内にいれば、また30kmより外であれば健康に影響があるレベルではないと思います。

    中越地震の時だったと思いますが耐震基準の見直しや断層などの調査などが行われ対応されていたはずなので地震の揺れの対応は問題なかったと思います。あくまで想像ですが、津波の想定が甘かったのではないかという気がしてなりません。津波の影響で非常用電源が働かないという報道も聞きました。日本の原発はほとんど海岸近くにありますのでその辺の揺れだけでなく波の対応もきちんとなされていればと残念でなりません。

    参考:
    日常生活で受ける被ばく
    http://www.nirs.go.jp/research/jiscard/information/daily.html
    航路線量計算システム (JISCARD)
    http://www.nirs.go.jp/research/jiscard/data/index.shtml
    文部科学省のモニタリングカーを用いた福島第1発電所及び第2発電所周辺の空間線量率の測定結果
    http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303726.htm
    —————
    PS.
    上記は先のコメントで宙ぶらりんになったと書いたものをそのまままた書き込んだものです。不適切なコメントであれば削除してください。

    その後の状況ですが、17日は自衛隊のヘリ及び放水車による注水作業が行われました。東電は一定の効果があったとしていますが、現場の放射線量に変化は表れていないようです。依然として危険な状態が続いていること間違いないです。

  • 詳細なコメントをありがとうございます。勉強になります!

    チェルノブイリと比べればまだリスクが低いことは、核分裂反応は停止していたことは明らかですので、全くおっしゃる通りだと思います。しかし、さくらりぼんさんが、「それがにっちもさっちもいかなくなった時は、、、」とおっしゃっているその状況となる可能性は、飛行機事故が起こる可能性に比べたら高いのではないでしょうか。

    現在、検出される放射線のレベルは、屋内退避範囲であっても、まだ健康には問題ないレベルかもしれませんが、問題が起これば話は別ですよね。また、私が違和感を覚えるのが、飛行機で東京ーニューヨーク間を往復するときの被爆量との比較です。これはいろいろなところで比較の対象となっていますよね。これは被爆量の総量であり、仮に、往復するのに20時間かかるとすれば、時間あたりで計算しなおすと、10倍ということになりますね。このあたりの参考値が、時間あたりとなっていないことが多く、比較の際には単位を揃えるべきだと私は思います。そうでなければ、勘違いする人も多いと思います。これは、国民を安心させるためなのかと、疑心暗鬼になってしまったりもしますが、さくらりぼんさんは、いかがお考えでしょうか。

    Wikileaksは、IAEAが2008年12月の東京での会合で、日本に対して、「日本の原発の地震対策における問題点」を指摘し、警告したという文書を公表しました。つまり、地震に対する問題点を指摘されながら、対応をしていなかったということになります。また、IAEAによれば、日本の原発の安全に関する規定は、過去35年間において3回しか改定されなかったということです。これらのニュースから考えると、津波以前に、地震に対する対策が不十分であったという印象を受けてしまいます。そもそも、原発の管理が東京電力という会社であるという構造に問題はないのか、と考えてしまいます。

    現段階では、過去の問題を振り返ってみても仕方がありません。ですから、ブログでこれらを取り上げることは、敢えて避けています。今はただ、何とか、最悪のシナリオとならないように、祈るばかりです。

    さくらりぼんさんは、この分野に詳しくていらっしゃるのですね。またいろいろと教えてください!

  • こんにちは。たびたび失礼いたします。

    > チェルノブイリと比べればまだリスクが低いことは、核分裂反応は停止していたことは明らかですので、全くおっしゃる通りだと思います。しかし、さくらりぼんさんが、「それがにっちもさっちもいかなくなった時は、、、」とおっしゃっているその状況となる可能性は、飛行機事故が起こる可能性に比べたら高いのではないでしょうか。
    >

    このまま事故が終息に向かうのか、はたまたさらに悪い状態に向かうのか・・・・。確率からいうとどうなんでしょう、航空会社別の事故率のランキングのようなものがあってアフリカとか東アジアなど地域によっては飛行機事故のリスクの高い航空会社もあるようです。

    人的な被害で言えば飛行機が事故りますとなかなか生存は難しいと思いますが、原発の事故は退避さえすれば人的な被害は最小限に抑えられるでしょう。しかし、仮にこのまま終息するにしても今回の事故の及ぼす影響はこれからの日本、世界のエネルギー政策にまで影響があることは間違いないと思います。

    > 現在、検出される放射線のレベルは、屋内退避範囲であっても、まだ健康には問題ないレベルかもしれませんが、問題が起これば話は別ですよね。また、私が違和感を覚えるのが、飛行機で東京ーニューヨーク間を往復するときの被爆量との比較です。これはいろいろなところで比較の対象となっていますよね。これは被爆量の総量であり、仮に、往復するのに20時間かかるとすれば、時間あたりで計算しなおすと、10倍ということになりますね。このあたりの参考値が、時間あたりとなっていないことが多く、比較の際には単位を揃えるべきだと私は思います。そうでなければ、勘違いする人も多いと思います。これは、国民を安心させるためなのかと、疑心暗鬼になってしまったりもしますが、さくらりぼんさんは、いかがお考えでしょうか。
    >

    先生のご指摘通りです。私としては現時点では健康に問題ないレベルということを申し上げたかったのですが、かえって誤解を招くようなことを書いてしまいました。申しわけありません、お詫びします。
    ※ところで、被ばく量の総量としますと時間当たりの計算は20時間かかる場合は「総量/20」になるのではないでしょうか。

    報道でもマイクロシーベルトになったりミリシーベルトになったり単位がちょこちょこ変わるし(ホントは放射線もいろいろ種類があってどの種類が多いのかという情報も参考になるはずなのですが・・・)、測定地点も正確に明示されないまま(例えば「正門で測定」と言われても現場からどれだけ離れているかの説明がありませんorz)説明されるので混乱の元になってしまっているのだと思います。正確な情報をという気持ちはわかるのですが、放射線の被ばく量の単位なんか初めて耳にする人もいらっしゃるでしょうから、そういう人たちにとって分かりやすい説明が必要だと思います。

    > Wikileaksは、IAEAが2008年12月の東京での会合で、日本に対して、「日本の原発の地震対策における問題点」を指摘し、警告したという文書を公表しました。つまり、地震に対する問題点を指摘されながら、対応をしていなかったということになります。また、IAEAによれば、日本の原発の安全に関する規定は、過去35年間において3回しか改定されなかったということです。これらのニュースから考えると、津波以前に、地震に対する対策が不十分であったという印象を受けてしまいます。そもそも、原発の管理が東京電力という会社であるという構造に問題はないのか、と考えてしまいます。
    >

    「地震に対する問題点の指摘」の中身が分かりませんのでコメントは差し控えます。

    私は今回の事故は何が問題だったのかは事故が終息した後に刊行されるであろうレポートを観てから判断すべきだと思っています。IAEAも調査団を派遣し、レポートをまとめると思います。事故報告が信頼できないと言われたらもうどうしようもありませんが。

    大抵の国(少なくともアメリカ)は原子炉の設置/変更許可等の規制は国が、原発の建設~管理は民間会社がやっているはずです。
    ただ日本の場合規制当局である原子力安全保安院が推進する立場である経済産業省の中にありますが、アメリカのNRC(原子力規制委員会)は推進?側のDOE(エネルギー省)とは独立した組織になっていて人員・予算・権限も日本と比べると桁違いに大きいはずです。

    原発の管理を民間会社がすること自体は問題ないと考えますが、それを国がきちんと規制・監督をするということ、また、一旦ことが起きた時は国主導で対策本部を立ち上げて国家の総力を結集して一元的な対応するようにすべきだと思います。情報提供も、東電、保安院、官邸がそれぞれやっているのでそれだけでも一元化して欲しいです。

    > 現段階では、過去の問題を振り返ってみても仕方がありません。ですから、ブログでこれらを取り上げることは、敢えて避けています。今はただ、何とか、最悪のシナリオとならないように、祈るばかりです。
    >

    みなさん、特に現場の作業員の方々は危険を顧みず対応をされていると思います。頭が下がります。祈りたいと思います。

    > さくらりぼんさんは、この分野に詳しくていらっしゃるのですね。またいろいろと教えてください!

    私は専門家ではありませんが、仕事柄一般の方よりは知識があるかもしれません。

    ※ コメントが反映されなかったので、余計な書き込みをしてしまいました。重ねてお詫びします。

    • たびたび詳しい解説を有難うございます。数点だけコメントさせていただきますね。

      「被ばく量の総量としますと時間当たりの計算は20時間かかる場合は「総量/20」になるのではないでしょうか。」
      「飛行機に乗ってニューヨーク東京間を往復するとこの200倍被ばくする」という例えが前のコメントでありましたので、その数字を単純に20で割って10倍という数字になりました。

      原発の管理についてですが、利潤を追求する会社であれば、例えば、今回必要となった、「廃炉を覚悟で対応する」という決断に遅延を来たす可能性は十分にあるのではないかと思いました。スウェーデンでは、国が完全にコントロールしている会社(国営会社)であるVattenfallが原発の管理をしています。

      現場の方々には、本当に頭が下がりますね。何とか頑張っていただき、無事であることをお祈りしたいと思います。

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