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医者の不養生(5)

今回は病院食のご紹介。

2年ほど前から、カロリンスカ大学病院では、電子レンジで温めるタイプの病院食を始めました。

朝食は、パンとチーズやハム、卵、野菜など、ヨーグルト、ミューズリーなどと、コーヒー、紅茶などが出ます。

昼食と夕食は、前日か前々日に准看護師さんがメニューを持って注文を聞いて回り、メニューから選ぶようになります。

日本のように、一汁多菜という訳にはいかず、何ともさびしい限り。しかし、入院費自体無料で、支払うのは一日あたり80クローネの食費だけなので、文句は言えません。

 

私が入院中の食事をいくつかご紹介。

チキンとヌードルの炒め物。

春巻きもどきと炒め物。

ラザニア。

白身の魚。

サーモン。

イースタープレートと名づけられた食事。

とはいえ、中身は、各種マリネされた鰊、ハムに卵です。

クリスマスにも、「Julmust」という甘い飲み物がありますが、中身は全く同じで、イースターには、「Påskmust」と名前が変わるだけ。

驚いたのは、これと、差し入れの握り寿司を食べているスウェーデン人のカップルがいたこと。スウェーデンの味覚オンチの最高峰か!

食堂まで歩く元気のある人は、食堂で食べます。

美味しくない病院食を察してか、心優しいYさんが、3回も差し入れを。滋養たっぷりクコの実入りお豆腐スープ。お稲荷さん。これにかぼちゃの煮付。涙がこぼれます。

彼女がイースターに合わせて持ってきてくれた黄色のチューリップを窓際に飾ります。

こちらのお弁当は、退院後、健康食に造詣の深いMさんが自宅まで差し入れてくれたお弁当。何と、今流行りの塩麹で漬け込んだ鯖の焼き物と、サラダに、玄米ご飯。この他にも、お餅やら、貧血対策のサプリメントなども。有難う!!!

そして、、「ちからうどん」

海外在住組ならではの感動です!

Rさんにアイデアをもらって、体調の悪い私にぴったりの、「ちからうどん」を。

上等な出汁を使った、関西風のあっさり味。

次の日は、少し煮込み風。

体調が良ければ、天ぷらうどんにしたいところなのですが、病んだ胃には優しい、ほっとする味です。

年越しパーテイー

今年の年越しは、お友達カップルを2組お招きして、我が家で新年を迎えました。

我が家は8階で、ストックホルム市内ばかりでなく、南北の空が眺望できるため、あちらこちらで打ち上げられる新年の花火を屋内から眺めるにはもってこいなのです。

メニューは、ベジタリアンのゲストのために、

前菜は、ベジタリアン春巻き。ベジタリアン用のひき肉もどきに、自家製おからやひじき、春雨などを加えて、しっとり、とろみのある餡にするのが私流です。

いささか不恰好ですが、ゲストとして揚げたてをサーブされたら、満足に違いありません(と決め付けています)。勿論、お味は不恰好ではありませんし。

メインは、サーモンの味噌とマヨネーズ、オーブン焼き。

味噌とマヨネーズがとても良くあいます。長ネギも乗せればよかったと後悔。

「肉食系男子」のために、前日から仕込んだ、beef bourguignon。

サラダ系は、きんぴらごぼうの他、2種。評判の良かった、赤たまねぎとざくろのサラダ。これも思いつきの組み合わせがヒット。

デザートは簡単にパンナコッタを作りました。Rさんが、アップルパイとチーズケーキを焼いてきてくれましたが、満腹でたどり着かず。

間に、餅つき器でついた、つきたてのお餅。もち米、一升分。                                            (Rさん撮影)

丸もちにして、オーブントースターで焼きます。

日本在住の皆様には、「もちごときで何を大騒ぎ」と感じられるかもしれませんが、海外組みにすれば、大騒ぎなのです。

このお餅を、お醤油、お醤油と砂糖、きなこ、あんこ、大根おろしなどで堪能致しました。まさにお餅は別腹でございます。

そうこうしている間に、新年のカウントダウン。お決まりのシャンパンを用意して、まずは花火の鑑賞。ストックホルム上空を飾る、素人軍団の打ち上げる美しい花火。スウェーデン中で、新年用の花火が約30億円ほど売れるのだそうです。シャンパンで乾杯して、また飲みに入ります。結局、4時まで飲み続けて、5人で7本以上が空になりました。

 

Vickningといって、スウェーデンでは、パーテイーが深夜に渡ったときの腹ごなしとして、「ヤンソンさんの誘惑」などの料理を食べることが知られています。今回は夜3時ごろになって、「お茶漬け」を。

                                                   (Rさん撮影)

あてには、松葉こんぶ、梅干、そしてロシアの赤キャビア。

日本人であることをしみじみと感じます。

大晦日の午後6時頃から、結局10時間の年越しの会。とても楽しかったのですが、流石に元旦は寝正月。2日からは通常勤務という、もはや若くない身には応えるお正月となりました。来年は3が日はお休みにしないと、、、。

クリスマスの晩餐

今年のクリスマスは家でゆっくり過ごしました。

クリスマスイブのランチには、親友とその家族。

イブの晩餐には、街中でレストランを見つけられない友人カップルが飛び込みで訪れてくれ、賑やかに過ごしました。

中央のろうそくたては親友からのクリスマスプレゼント。ジョージ・ジェンセンのものです。太いろうそくは炎にも力があります。

イブのメニューは、各国ごちゃまぜ。

前菜には、スウェーデンの、「海老サンド」に、ロシア産の赤キャビア。外で「海老サンド」を注文すると、最低でも100クローネかかりますので、外で食べることはないのですが、私は結構好きです。今回は、アボガドとゆで卵も投入して、いっそうリッチな食感に。

メインは、ロシアのビーフ・ストロガノフ。サワークリームをたっぷり入れ、さらに、スウェーデン産乾燥カンタレッラも投入。たっぷりの白ワインだけが水分。パプリカとパセリを添えて。自分で言うのも何ですが、これがうなるほど美味しいのです。

サラダは、初めてのコンビネーション、ルッコラと柿、これに、生ハムを添えて。エキストラバージンオイルとバルサミコ、塩、コショウだけで、驚くほどの美味しさです。

デザートはイタリア、テイラミス。高校時代の友人の秘伝のレシピ。たっぷりとカルーアミルクとエスプレッソをしみ込ませたスポンジとチーズクリームのコンビネーションが悶絶ものの美味しさ。各ゲストに、Stig Lindbergのアンテイークカップを。

 

こちらは、Blå Aster。

Salix Red。

Spisa Ribb。

楽しい友人との語らいと、美味しい食事。

幸せなひとときでした。

ロシアで食べられる多国籍料理

ロシアでは、周辺諸国のお料理が食べられます。

今回挑戦したのは、グルジア料理。モスクワ駅傍のショッピングセンター内に入っている、「なすび」という名のレストラン。グルジア料理やアゼルバイジャン料理などがメニューに。オープンキッチンの明るい店内は常に込み合っていて、その人気ぶりがわかります。

このレストランは、Ginza Projectというチェーン店のうちの一つなのですが、50ほどあるチェーン店はそれぞれ異なる料理を出すという変わったコンセプトを持っていますが、それぞれが大成功を収めているとか。凄腕のロシア人オーナー。

前菜にグルジアのサラダ。コリアンダーたっぷりで、ナッツのすりおろされたものが混ざっていてとても美味。頼んだウクライナビールとの相性もぴったり。

グルジアのスープ。チーズのかかったパンケーキがもちもちして美味しい。

ヨーグルトでマリネされたチキンのオーブン料理。

コリアンダーがこれでもかというほど乗っていて、コリアンダー好きな私にはたまりません。

英語のメニューもあり、店員さんにも英語の話せる人がいます。さらに、リーズナブルなお値段なので、お勧めのレストランです。

ロシアへ再上陸

9月にSt. Petersburgへ出張しましたが、同じプロジェクトのために再びロシアへ。

正直、ロシア人は不親切だし、ぼったくりの精神があまりにも顕著だし、英語は通じないし、車の運転は激しいし、気の重い出張でした。お土産で買って帰った所謂「いくら」が、とても美味しかったので、今回も購入予定で出掛けました。

この時期のSt. Petersburgは雪が積もっているそうですが、暖冬のため雪はなく、空が限りなく低い曇り空。おとぎの国のような血の上の救世主教会は、やはり太陽があるとないとでは随分印象が異なります。青空の写真は9月に撮影したもの。

しかし、驚いたことに、今回のロシアは前回よりもずっと優しかったのです。前回はまだ観光シーズンで、街には観光客が溢れていました。今回は、気温も0度近く、歩いているのは殆どがロシア人のよううに見えました。そのためか、街全体、そして人々もゆったりとしているように感じられました。

最初の晩御飯は、高級レストランと知らずに入った老舗のPalkin。ロシアでも最も古いレストランの一つだそうです。何とその歴史は1785年に遡るとか。

内装もとてもクラシックで素敵。

メニューに黒キャビアがあって、お値段が7000ルーブル近かったので、Belugaキャビアかもしれないとわくわくして訊ねると、Belugaキャビアはもはや市場になかなか出回らないため食べられないのだということでした。Belugaキャビアではないならと、お値段10分の1以下の赤キャビア(いくら)とパンケーキを前菜で頼みました。

前菜の前のアミューズ。チーズクリームのようなものが、ソテーしたズッキーニに巻いてあります。

そして前菜のいくらとロシアパンケーキ。お決まりのサワークリーム。そして、今回はうずらの卵が。それにしても、ロシアの卵の黄身は何て白いのでしょう。良い餌を与えられていないからとも聞きました。

メインにはラムを。アミューズ二品目は、トマトのスープのソルベ仕立て、とでも言いましょうか。

ロシアのデザートの文化は完全にスウェーデンに勝利しています。デザートには、「カルーセル」と名前のついたデザートの盛り合わせを。

ふと別のテーブルを見ると、飛行機の中で隣に座ったノルウェー人のビジネスマンのおじさまが。ロシア入国に必要な書類を書くのに、ペンを貸してあげたので良く覚えていました。商談ディナーなのか、強いアルコールで頻回に乾杯をしていました。こんな偶然ってあるものなのですね。

Palkinのお料理もサービスも大変に満足のできるものでした。サービスマインドのないロシア人という強烈な印象があったので、何だかとても嬉しなりました。

外に出ると、クリスマスのイルミネーションが施されたネフスキー大通りがとても奇麗でした。

4th Advent、第4アドベント(降臨節)

早いもので、来週はクリスマス。そして今週末は第4アドベントでした。

第1アドベントから一本ずつロウソクに火を灯し、今週は4本全部に点灯しました。

 

そして、アドベントのおともは、温かいグレッグ。

そして、たまに奮発してこの時期買う、NKデパートのサフランパン。生地にはサフランがたっぷりと使われ、フィリングに、アーモンドペーストとレーズンが入っていて、しっとりして最高に美味しいです。スウェーデンのお菓子は日本のお菓子のレベルの足元に及びませんが、これは別格です。

これで何と120クローネ。高いです。でも、かなり大きいので、小さくカットして冷凍します。半分だけ買うことも可能です。

Tjejmiddag:泌尿器科女子会

カロリンスカ大学病院は、Solna院とHuddinge院に分かれており、泌尿器科はその両方にあります。患者さんは住所によって所属する病院が決まっていて、一般泌尿器科であれば、住所により決められた病院を受診しますが、特定疾患や手術については、SolnaとHuddingeで分担が決まっており、住所にかかわらず振り分けられます。例えば、ロボットによる前立腺全摘や膀胱全摘はSolna、腎臓癌はHuddingeという具合。

Solna院には女性ボスを含めると9名の女医さん、Huddinge院には3名の女医さんがいます。そのうち専門医はSolna院に4名。母校では初めての女性泌尿器科医で、女性の同僚と働いたことはほとんどなかった私にとっては、とても刺激的な環境です。男女平等の国スウェーデンといえども、やはり、外科医の世界は男性が優勢。そんな中で、女性同士の交流はとても大切です。ということで、女子会(最も若い女医さんでも30歳前後ですから、とても「女子」といえる年齢ではありませんが、いまどきの言葉を一回使ってみたかっただけなので、お見逃しを!)が企画され、8名が参加しました。現在、2名が育児休暇を取っていますが、その中の一人も2ヶ月の赤ちゃん連れで参加してくれました。

場所は、Solna院からも程近く、お財布にも優しいStockholms Internationella Restaurangskola

Gymnasium(日本では高校にあたる)の年齢で、レストランブランチに将来進みたい学生さんが学ぶ学校に併設するレストランです。毎週木曜日に、各週異なるテーマの5皿からなるコース料理が220クローネでサーブされます。お料理に合わせた、食前酒、白ワイン、赤ワイン、食後酒のワインパックが150クローネです。

その晩は、「フランス」がテーマ。

メニューはこちら。

それぞれのテーブル毎にサービスしてくれる学生さんたちが、とても可愛いのです。ときには、カトラリーなどを落としたり、高校生らしい間違いもありますが、初々しくて一生懸命で好感が持てます。

 

前菜の前にアミューズがあり、前菜はポーチドエッグ。

魚料理はナマズ。脇に添えられたにんにくのグリルが思いがけずおいしい。ナマズの下にはズッキーニのスライス。

お肉料理には野菜のピュレが添えられて。ベジタリアンの同僚には、違うお料理が出ました。この柔軟性もポイント高し。

シェブレにカラメライズされたクルミ。ルッコラの苦味と合います。

最後は、パイナップルのフランベです。各テーブルでサービスされます。隣のテーブルでは、先生が一緒に。

我々のテーブルの担当の可愛い学生さん。

大成功!

ホイップクリームと、アーモンドのクッキーが添えられて、とてもおいしかったです。

おいしい食事とワイン、楽しい会話で、6時半から9時まであっという間に時間が経ちました。女性同士協力しあって頑張ろうという話にもなりました。最後に泌尿器科女医陣をこっそり初公開!勿論、全員外科医です。中には3人の子供のママもいます。スウェーデン人女性のたくましさには学ぶことも多い日本人の私ですが、実は私が最もきつい手術をやっているのは何だか皮肉です。精神的なタフさ、男性に伍してゆくという意思と戦闘力に関しては、私はまだまだスウェーデン人女性には及びません。

Staubの鍋

この5年間、ルクレーゼのココット・ロンド22cmとココット・オーバル27cmを愛用してきました。どちらも色はアーモンド。

ココット・ロンドは、一度、タルトタタンを作ったときに焦がしてしまって、ホーローが一部剥げた状態でした。

次に買うなら、同じフランス産の「Staub」と決めていましたが、週末市内へ出掛けたら、何とStaubの実演販売をしているところに遭遇。しかも、セールのお値段。

ルクレーゼよりも重めの蓋の裏には、丸い突起がついていて、このため、水蒸気が集められて滴下するようになっています。つまり、旨みが逃げないようになっているのです。蓋をしたままオーブンへ投入も可能。あらゆる熱源に対応可。見るからにルクレーゼより丈夫そうな表面。

平松シェフもお勧めとのこと。

 

衝動買いではないにしても、予定していなかった大物の買い物を決意。ココット・ロンドの代わりということで、丸いピコ・ココットの24cmを。Staubの方が同じサイズでも容量は小さめです。ルクレーゼの24cmであれば4.2Lのところが、Staubは3.8L。

 

ここまではすぐに決まりましたが、色選びは難しい。深い緑色が美しいBasilか黒かで迷いましたが、結局、、、、。

プロっぽい黒に。

内側には丸い突起が。

Staubで初めて作ったのは、beef bourguignon。

調理時間は2時間くらいなのに、とろけるようなお肉に仕上がりました。

ココット・オーバルの後釜もStaubかな?

次は、オーバルのグレナディンレッドがいいな。

おうちごはんで充電

書きたいことは沢山あるのですが、気力、体力、時間が足りずに記事が書けません。

既に、気温は零度近辺のストックホルムです。サマータイムが終わって、出勤時間の空は少し明るくなったのも束の間、真っ暗な中出勤する日も近いと思われます。

こんな暗くて気が滅入りそうなスウェーデンの週末には、おいしいものを食べて元気を出します。

前菜には、帆立のソテーを。12年もののバルサミコ酢と、上質のエキストラバージンオイルであっさりと。新鮮な素材があれば、こんなにシンプルな料理でも最高に美味しい。帆立3つで15クローネ也。たまの贅沢。

メインには、チキンのソテー、ローズマリーとマンゴー風味。セントペテルスブルグのお気に入りのビストロで食べたお料理を思い出しながら。レシピはないまま適当に料理しましたが、かなり美味しかったです。リピート確実。

カルミネさんのレシピだったと思います。ズッキーニの温製サラダ、オレガノ風味。

ワインは冷えたリスリング。

 

さあ、今週も頑張ろう!


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