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橋下よ、沈黙せよ

5月13日の大阪市長・橋下氏の発言が物議を醸して久しい。海外から非難され続けても、彼は自分の足元に穴を掘り続けている。しかし、また、橋下氏が辞任に追い込まれることがない日本社会。これがスウェーデンだったら、橋下氏は即座に辞任である。因みに、私は、スウェーデンに住んでいるからといって、スウェーデン賛美者ではないことを、再度断っておく。しかし、橋下氏の発言には、私も大きな怒りを覚える。

橋下氏の発言に関しては、改めて解説する必要もないが、「日本軍の従軍慰安婦が必要であった」という発言。海外では、慰安婦が「sex slave」と訳され、あらゆるところで彼の発言が非難されている。当然のことだ。しかし、非難されればされるほど、彼はTwitter上で激しく反論し、墓穴を掘っている。そして、「あの発言は、「当時必要だったということ」で、現在のことではない」などと弁解しているが、実際、そうではないのは次の発言から明らかである。

 

タイトルどおり、「沖縄米軍海兵隊司令官に風俗業を活用して欲しい」と言ったら、そんなことはとんでもないことで、その話をすることを拒否された、ということを紹介したもの。「建前ばかり言っているから、、」と本音で話すことを説いているが、この世の中、本音が通るものだと本気で考えているのだろうか。ましてや、殊に政治家たるもの、建前は重要であるし、とりわけ、こんな話題に関して本音で話すべきと勝ち誇ったように言っているのは、正気の沙汰とは思えない。そもそも、「法律の範囲内」での風俗業こそ建前であり、法律の範囲を超えたサービスが風俗業でまかり通っていることを、知らないとは言わせない。

どんな状況におかれても、性欲の捌け口として性風俗サービスの提供を女性から受けることは間違っている。射精が必要なら、マスターベーションをすればよろしい。女性として、女性蔑視の橋下発言はとても許せるものではないし、さらには、自分の発言の不備を粉飾するために、「当時は」という点にすりかえようとし(それは、海兵隊司令官への助言から、「現代も」必要であると考えていることは明らかだが)、一層牙を剥くスタイルには吐き気さえ覚える。

スウェーデンでは女性蔑視や人種差別など、差別に関するモラルのハードルは極めて高い。あまりに高いために、それらに関することは話題にしない方が無難である。そんなこともあって、政治家はこの手の話題には一層気を使う。最近も、差別発言をした政治家が相次いで辞職に追い込まれた。こんな状況にあっては、建前発言は当たり前である。しかし、建前だけで社会は良くはならないので、相当に配慮した上での本音は必要である。スウェーデンでは、橋下氏は即座に辞職しなければならないし、その後の政治家としての道は厳しいであろう橋下氏を許している日本は、流石に差別のまだある国である。日本国民として、橋下氏の発言は実に恥ずかしい。「覆水盆に返らず」なので、せめて、沈黙してほしい。

最近、スウェーデンの政治家に非常に親近感と敬意を持った出来事があり、そのため、橋下氏とのコントラストがあまりに大きすぎてこの記事を書くに至ったのだが、長くなってしまったので、その出来事は(そちらが実はメインの話題)次に譲ることにする。

オランダ新国王即位式

4月30日はオランダのウィレム・アレクサンダー皇太子が、母親のベアトリクス女王の退位に伴って、新国王に即位しました。ベアトリクス女王は1938年生まれの75歳で、健康上の問題もなく、退位は新しい世代に任せるべきという女王自身の信念に基づくものだそうです。

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女王には3人の王子があり、長男である皇太子が新国王に即位しました。皇太子妃マキシマは私のお気に入りでもありますが、アルゼンチン出身。

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二人には3人の女児がいます。

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女王には8人の孫が。

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即位式には、日本からも皇太子夫妻が参加。

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スペイン皇太子夫妻。

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ベルギー皇太子夫妻。

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デンマーク皇太子夫妻。

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チャールズ皇太子夫妻。

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勿論、スウェーデン皇太子ビクトリア夫妻も。

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新国王がバルコニーから。

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前女王もきっと肩の荷がおりたことでしょう。

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晩餐会では、皇太子殿下とスウェーデン皇太子夫妻のショットも。

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ベアトリクス女王は在位33年ということでしたが、ご自分で身を引く時期を決めたことは天晴れだと思います。イギリスや日本のように超高齢の女王や天皇が頑張ることも良いのでしょうけれど、働き盛りの年齢があるのと同様に、位を辞する時期もあった方が良いような気がします。スウェーデンなどは、現国王の評判が下り坂で、まだ60代であるにもかかわらず、ビクトリア皇太子へ位を譲るべきだという世論があるくらい。

オランダ王室についてはマキシマ妃のことくらいしか知りませんでしたが、去年2月、第2王子ヨハン・フリーゾがアルプスのオフピステで雪崩に巻き込まれ重態というニュースを聞きました。現在も意識不明のままロンドンの病院に入院中だということですが、彼の結婚にまつわる話は今回初めて知りました。彼が結婚した女性、メイベルは、彼女が大学生時代に、ヨーロッパの有名な麻薬王の愛人であったこと、その後も、国連職員であった時代に、ボスニアの大臣と不倫関係にあったことなどから、彼らの結婚はオランダ政府と議会の承認を得ることができず、結局、彼とその子供が王位継承権を放棄することで決着したのだそうです。

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王位継承権を捨てても結婚した、、。これも天晴れです。日本では絶対にありえません。以前にも書きましたが、ヨーロッパ王室では、ノルウェー皇太子が、麻薬経験者のシングルマザーと結婚したのを筆頭に、スペインの皇太子妃もバツ一ですし、スウェーデンのダニエル王子も、おそらく遺伝性であろうとしか考えられない腎疾患による慢性腎不全により、父親からの生体腎移植をするという健康状態でした。どれをとっても、日本の皇室ではありえる話ではないですし、一般家庭においても簡単には祝福されない結婚なのではないでしょうか。バツ一、シングルマザーは勿論歓迎される訳はありませんし、未だに、長男というだけで、嫁の立ち居地が決まってきたりする日本。特に名家という訳でもないのに、家の継続のために婿や嫁を確保したい家。

有能な男性達を虜にしたメイベル妃。写真からみても、とても素敵な女性のようです。しかし、ヨハン・フリーゾ王子の意識は事故から1年以上経った今でも戻らず、それはとても悲しいことです。

ストックホルムより速報!山中教授ノーベル医学・生理学賞受賞!!!!

「受賞は確実、それがいつなのか」、という山中先生へのノーベル賞。思ったより早くやってきました!!!

おめでとうございます!!!!とても嬉しい!!!!今年はあまりに嬉しすぎる年になりました!!!

 

国際禁煙デー World No Tobacco Day (WNTD)に寄せて

本日、5月31日は1987年にWHOが定めた、国際禁煙デーです。

スウェーデンでは1994年7月に学校校庭での禁煙を定めたのを皮切りに、2005年6月には、レストラン、パブなどが全面禁煙となりました。生まれてこれまで一度たりとも吸ったことのない私にとっては、僅かなタバコの臭いも気になります。スウェーデンでの外食は決して日本のように美味しくはありませんが、タバコ臭のしない環境は、何と素敵なのでしょう。日本へ帰国して、レストランなどでタバコの臭いがすると、残念ながら、「なんて野蛮国な国なんだ。」と感じてしまいます。そんな日本を尻目に、スウェーデンでは最近、レストランの屋外席や、バルコニー、電車やバスの待合場所などでの禁煙を法制化する動きがあります(記事12)。

2011年のG7における喫煙率は、フランスの26.2%に続き、日本は23.9%で2位。続いて、イタリア(23.1%)、イギリス(21.5%)、ドイツ(21.9%)、カナダ(16.2%)、そして最下位はアメリカの16.1%。しかし、日本の23.9%という喫煙率は、日本人女性の低い喫煙率により引き下げられた値であり、2008年のデータで性別で比較すると、2位のフランスの30.6%に大差を付けて、日本人男性は39.5%とG7ではトップです。男性における国際比較では、ギリシャ(46.3%)、韓国(45.3%)、トルコ(43.8%)、日本(39.5%)、エストニア(38.6%)の順で、日本は堂々の世界第4位。対する日本人女性は、この数年常に喫煙率下位3位に入っており、2010年では12.1%。

OECDのデータによると、日本の最初のデータは1965年で、男性の喫煙率は何と82.3%。これは、OECDのデータでは他に例のない高い数字です。日本たばこ産業株式会社(JT)の前身は、日本専売公社であり、大蔵省から独立したもの。現内閣総理大臣からして、「18歳」から喫煙を始めたヘビースモーカーであり、日本男性の高い喫煙率は、JTの影響力を排除できず、また、禁煙する強い意思のない政治家の無能によるものであり、それが日本の文化でもあるのか。OECDのデータで興味をひいたのは、一般的に男性の喫煙率が女性のそれを上回る中、北欧諸国では男女の喫煙率が拮抗しており、2009年のデータでは、スウェーデンの男性の喫煙率は13.5%、対する女性は15%と、女性の喫煙率が男性のそれを上回る唯一の国であったということ。流石、男勝りのスウェーデン人女性。

タバコの起源は、新大陸(=古代アメリカ大陸)にあると考えられており、16世紀はじめには、すでに数種のタバコ属の植物が栽培されていたようです。ヨーロッパへは、新大陸を発見したコロンブスにより伝えられたとか。日本へも16世紀に南蛮貿易により伝えられました。もし、タバコの起源がごく最近であれば、「百害あって一利なし」のタバコは、麻薬や覚醒剤と同様の扱いになり、喫煙自体、法で禁じられたに違いありません。喫煙が肺癌の原因であることは良く知られていますが、泌尿器科領域でも、膀胱癌はヘビースモーカーに多い病気です。膀胱癌の仲間である、腎盂癌や尿管癌も同様であること、喫煙者の手術は高リスクであることなどから、患者さんには強く禁煙を勧めますが、なかなか喫煙をやめられない人も多いのが現実です。医師仲間をみると、日本の医師には喫煙者が多かったですが、スウェーデンでは非常に少ないという印象です。泌尿器科では知る限り、一人だけ。その代わり、snusという噛みタバコのようなものを使っている医師は複数います(大手メーカーSwedish MatchのHP)。

snusには、小さな袋に入っているものと、粉末を丸めて使うものとがあります。

 

いずれも、上唇と歯肉の間に挿入するのですが、殊に粉末タイプのものは、見るのも汚らしい。私にとっては臭いも吐き気をもよおすほど。

 

癌だけではなく、閉塞性肺疾患、虚血性心疾患など、喫煙の弊害をあげたらきりがありません。喫煙に関連した疾病により、どれだけ医療費が押し上げられていることか。私にとって喫煙者は、知能の低い野蛮人としか感じられません(汚い言葉で失礼します!)。殊に、喫煙の弊害を知っている医師の喫煙者はなおさらです。以前の上司であった教授がヘビースモーカーで、外科医、研究者としては尊敬していましたが、喫煙に関しては論外。禁煙のはずの院内で、教授室や医局は「治外法権」とのたまわっておられ、医局員は私も含めたんまりと副煙流に暴露されていました。スウェーデンでは、病院内の喫煙は勿論のこと、建物の出入り口での喫煙も禁じられています。それでも、高カロリー輸液の点滴袋をさげ、車椅子に乗った患者さんが、出入り口で喫煙しているのを良くみかけます。

少し前には、病院の出入り口にベッドに寝たままの患者さんが降りてきて、タバコを吸っていたのを目撃し、驚愕したのでiPhoneで激写。そこまでして、タバコが吸いたいか、、、。

少し脱線しますが、日本で現在、生活保護の患者さんにジェネリック薬品を優先させるとか、医療費の一部自己負担をさせるとかという論議がなされていますが、私はどちらも賛成。この話題に関してはまた取り上げたいと思っていますが、スウェーデンでは、年間2200クローネを上限として外来処方薬の自己負担が決められていますが、これを超えた場合、医学的理由がなければ薬価の低いジェネリックが優先されます。ジェネリックの処方を拒否した場合、上限に関わらず自己負担となります。生活保護者に関しても、たとえ、戦争難民であっても、減額された外来受診料や処方薬に対する自己負担が発生します。このようなスウェーデンの状況を鑑みると、日本の生保患者に対する医療費免除は、直ちにやめるべきで、これにより、通常より高い生保患者の受診率は抑制され、生活保護費の半分を占める医療費も抑制されることでしょう。税金を納めている低所得者よりも、生活保護者の方が高額の医療を受けることができたり、使途自由な生活保護費で何万円ものタバコを購入し病気になる生保患者の存在は、矛盾以外の何者でもありません。

国際禁煙デーの存在はあまり知られておらず、メディアも報道することが少ないようですが、スウェーデンでの議論が進んで、是非、レストランの屋外席やバルコニーでの喫煙が禁じられるようになってほしいものです。喫煙者が病気になるのは自己責任ですが、非喫煙者に副煙流の吸入を強いることは、言ってみれば殺人行為に近いといえるのですから。愛煙家の方、ごめんなさい。

国際女性デーに寄せて

スウェーデンに移住してから知った、国際女性デーの存在。毎年、3月8日です。

職場に転がっていたMetroを何気なく開くと、興味深い記事が載っていました。

(日本で言えば)男女共同参画大臣とでもいう肩書きの、jämställdhetsministerがFPのNyamko Sabuni(写真)が、「スウェーデンは男女平等ではない。」というコメントを出しました。

 

2011年の国連の統計(UNDP:s Gender Inequality Index )によると、

1位: スウェーデン

2位: オランダ

3位: デンマーク

4位: スイス

5位: フィンランド

以下、6位、ノルウェー、7位、ドイツ、8位、シンガポール、9位、アイスランド、10位、フランスの順になります。

それにもかかわらず、スウェーデンが男女平等の国である(ja)と答えたのは、女性(kvinnor)で9%、男性(män)で26%、全体では18%にしか過ぎません。大都市(Storstad)ではそれ以外の地域(övriga sverige)より高い傾向があります。流石に、「全く平等ではない(inte alls)と答えた人は女性でも11%にとどまりますが、かなりの不平等感がある(Nej、inte helt)と答えた人は、男女ともに高い割合を示しています。

日本から来た私にしてみれば、日本と比べると、非常に男女平等だと感激することが多いのですが、スウェーデン人にとってはまだまだのようです。特に、育児に対する女性の負担が大きいことや、賃金の男女格差が問題のようです。しかし、子供を産むのは女性だし、出産や育児に関する女性の負担が、男性に比べて大きいのは生物学的に考えても仕方がないことのようにも思いますが、専業主婦なるグループが未だに存在する日本と異なり、スウェーデンでは、殆どの女性が勤労しているという事実を考えれば、男女平等でないという評価も納得できるように思います。スウェーデンにおける専業主婦の割合を示す統計を探すのは非常に困難なのですが、移民を除く通常のグループに限って言えば、専業主婦は殆ど存在しないといって良いと思います。日本では、「夫が高収入」などの理由で専業主婦に甘んじている女性も多いですが、スウェーデンでは、高収入の夫であっても妻も働いているのが当たり前です。日本で問題になっている、「三号被保険者」の存在など、スウェーデン人には理解できません。

 

他業種と異なり、私はありとあらゆる階級の人間と毎日会っていますが、その中で出会う専業主婦(hemmafru)のほぼ全ては移民で、特に頻度が高いのがモスリムです。子沢山の人も多く、子供に対する手当てだけで、何年間も食いつなぐことができるという事情もあるようですが、長期間スウェーデンに住んでいてもスウェーデン語が話せず、外来受診には通訳をつける(勿論、公費です!)人がかなりいるのには、驚きです。やはり、スウェーデンに移住した以上、言語を学び、勤労して税金を納める努力をすることは、人間として当たり前のことだと思うのですが、、、。

 

女性が経済的に自立しているということは、男女平等の社会を形成する上で、必要不可欠なことだと思います。勿論、女性を支援する社会システムの確立も重要ですが、女性側の姿勢として、自立の努力なしに不平等を唱えるのは筋違いだと考えています。女性が経済的に自立していることで、スウェーデンでは離婚も多い。それを批判する人もいますが、「離婚したくても、経済的に自立できないが故に離婚できない」ことの方が、女性にとっては悲劇なのではないでしょうか。

 

この国際女性デーに合わせたかのように、スウェーデンを代表するカップルの別居が報道されました。

スウェーデンの若き首相、Frederik Reinfeldt(46歳)と、同じ穏健党の政治家である妻のFilippa Reinfeldt(44歳)。二人は若い時から政治に関わり、出会いは1989年、穏健党の青年部で、時に、Frederikは24歳。その後、1992年に結婚し、現在、18歳、16歳、11歳の3人の子供がいます。長男は同じく穏健党の青年部で活躍しています。今年、結婚20周年を迎える二人。若いながらそつなく首相の任務をこなすFrederikと、自立する女性Filippaは、まさにスウェーデンの顔ともいえるお似合いのカップルで、不和の噂なども今までありませんでした。既に、家族がそれまで住んでいた邸宅は売却され、カップルは別居しています。離婚届が受理されるまでに6ヶ月の考慮期間があるので、まだ離婚した訳ではなく、離婚に至る事情も殆ど報道されていません。

その後の新聞で、「Jag mår jättebra(とっても気分がいいわ)」という見出しの記事がありましたが、実は離婚をしたかったのはFilippaの方だったようです。First ladyということで、自身の政治家としての活動に制限が加わることも多く、FrederikはFilippaには、First ladyを優先してほしかった模様。Filippaは所謂、県の政治家で、医療に関する分野の仕事をしています。2007年にストックホルム地域の診療所だったSerafenを数人の医師グループにに694 500クローナで売却され、最近、そのSerafenが2千万クローナでCapioグループに転売された報道により(記事)、Filippaの最初の決断が大きく非難されました。その際、FrederikはFilippaを支持しない立場を取っていましたが(記事)、それが今年の1月で、このことも別居を加速させたのかもしれません。

因みにSerafenは、ストックホルム市庁舎の真向かいにあり、歴史のある建物の内部を改造して作られた大きな診療所。婦人科の定期健診などでは私もお世話になっています。

 

Fast ladyが離婚を希望するなんて、日本ではありえない話。その是非は別として、スウェーデン人女性の自立心を感じたニュースでした。

去年のノーベル賞の晩餐会では、仲睦まじい姿を見せていたのに、あれが最後だったのですね。

松茸づくし

今年こそ、スウェーデン産の松茸のお裾分が回ってくることを期待しておりましたが、Yoshikoさんのご好意で先日ご相伴に預かることができました。丁度、ロシアへ出かけていたため、友人に冷凍して保管してもらっていました。

 

その一部を解凍。久々に嗅ぐ、この香しい香り。日本人であることを実感。

この日のメニューは、松茸ごはんと松茸のてんぷら。「松茸づくし」というわりには、さびしいメニューですが、何せ、ここはスウェーデン。

 

うすくち醤油がなかったため、ご飯に色が付き過ぎてしまいました。

天ぷら。

左上に鎮座しているのが、松茸のてんぷら。テラスに寂しそうに茂っていた紫蘇の葉も。懐紙はありませんでしたが、ちょっとおめかしして、朱色が美しい琉球漆器に盛り付けました。

てんつゆにだいこんおろし、生姜、その他、うこん塩、抹茶塩、ゆかり塩で。

日本の食卓って、何て美しいんでしょう。漆器、陶器、磁器、、、、。

木の芽でもあれば美しいのでしょうが、とてもおいしゅうございました。松茸ごはん。

 

天ぷら屋さんに行くと、必ず迷います。

「〆は天茶?それとも、天丼?」

たいてい既に満腹になっていることが多く、そうすると自然に「天茶」。

今日も「天茶」。

翌日は、「天ぷらうどん」にしました。

 

味おんちのスウェーデン人には、この幸せ、わかるまい。

あれから半年、あれから10年

光陰矢の如し。

この9月11日は、日本人にとっても、人類にとっても節目の日。

あれから半年。日本を震撼させた「東日本大震災」。今もって避難している方は8万人以上、死者は1万5781人、行方不明者は4086人という。先日母から送られてきた、Youtubeの画像を見る。未だに生傷に塩をすり込まれるような心の痛みを覚える。

新しく発足した内閣も、閣僚の失言で早くもけちが付く。失言で大臣が失脚するのは何とも日本らしいが、政治家としての実力があれば、それが優先されても良いのではとも思うが、口を開く前に少し考えれば、それが失言であると理解することは容易なはず。口で身を滅ぼす人は多い。今はとにかく、復興への道を邁進しなければならないときだ。

 

そして、あれから10年。

3000人近くの人が犠牲となった、「アメリカ同時多発テロ事件」。自民党の石原幹事長が、「西洋文明、キリスト教支配に対するイスラム圏の反逆、そして歴史の必然として起こった出来事ではないか」と発言して、批判されているようだが、日本を離れて、イスラム圏の文化や思想、人間と接することが多い生活をしていると、それはごく当たり前の感想と思える。テロは決して許されるものではないが、「テロが何故起こるのか。」ということに、殊に先進国は想いを馳せなければならないと思う。

 

 

そして、スウェーデンでは、もう一つの「あれから」。

時の外相、アンナ・リンドがNKデパートで刺殺されてから8年。あのとき、2回目のポスドクをしていた私は丁度ストックホルムにいた。彼女が生きていたら、今頃、首相になっていたかもしれない。丁度彼女は、ユーロ導入の旗頭としてキャンペーンをしていたが、彼女の死によっても、国民の意思は、「ユーロにNO」であった。現在のユーロの混迷を考えると、あのときスウェーデンがユーロを導入しなかったことは、スウェーデンにとって吉と出たようだ。

 

今日、9月11日は複数の「あれから」に想いを馳せる日。

人間は、人間が犯した過ちから学なければならない。

 

カロリンスカにおける男女比いろいろ

大学病院で働いていると、所謂、「ポリクリ(病院実習)」の医学生の指導にも当たることになります。各グループ、5-6人程度でローテーションしてきますが、毎回、女子医学生が多いことに驚かされます。

 

次の表は、2010年における、カロリンスカ医科大学の各学部における新入学生の男女比です。

「läkar-」が医学部ですが、何と、男子学生は40%強。女性が多い訳です。

カロリンスカにおける学位取得者は次の通り。

学位取得者も、毎年女性優位です。

それでは、女性教授についてはどうでしょうか。

331名の教授のうち、80人が女性。24%にあたります。そして、新任女性教授の数をみると、女性教授を増やそうとする努力がみられます。2010年では、40人の新任教授のうち、15人が女性。

 


その結果、女性教授の比率は年々増加中。

待遇面でも、女性は男性にひけを取りません。

 

Professor preklinとは、基礎研究部門の教授。男性の平均月給は58461千クローネに対し、女性は58165千クローネ。Professor klinとは、臨床部門の教授。男性の平均月給は52345千クローネに対して、女性は53875千クローネ。但し、臨床部門の教授の給料は、教授職としての給料で、これに、医師としての給料が上乗せされますので、この額の倍近い給料となっていると思われます。男女比とは関係ありませんが、日本の場合は、臨床部門の教授は、基礎部門の教授のデューティーである「教育、研究」に加えて、「臨床」がデューティーとして上乗せされますが、それでも、同じ給料です。母校の慶應大学の医学部の教授陣は、明らかに他学部の教授より勤務内容や時間が厳しいのに、同じ給料であることに不満を持っている人が多かったので、カロリンスカの臨床教授は恵まれた待遇を受けていると思います。

 

このように、男性優位の日本に比べると、カロリンスカにおける女性の扱いは天国のようなものです。

カロリンスカにかかわらず、他の分野ではどうでしょうか。次の図は、公的部門(国家公務員、offentig sektor)と私的部門(privat sektor)別の部門長(chef)の分布を示しています。

私的部門では男性が75%と圧倒的優位ですが、公的部門では、国家レベル(Stat)でこそ男性優位であるものの、その他では逆転しています。日本では考えられないことです。

女性の社会進出のためには、女性支援のシステムが必須ですが、最後に、育児休暇取得の男女比を示します。

1974年には、100%、女性が育児休暇を取得していましたが、年々男性の育児休暇取得が増加。2009年には、男性が22%の育児休暇を取得するまでになっています。私の職場では、ちょっとしたベビーブームなのですが、パパとなった男性医師の全てが、20%程度の育児休暇を取っていますし、子供が病気になったときにも病児介護のための欠勤をしています。この表を見る限り、日本はスウェーデンに30年ぐらい遅れていますし、未だに専業主婦が珍しくないことを考えると、これからもスウェーデンに追いつくとはとても思えません。女性も自立するという意識改革が必要なのですが、将来どうなることでしょうか。(追記:この表の解説も不十分で誤解を生みそうなので追記します。スウェーデンでは育児休暇を18ヶ月取得することができます。これは、両親の間で自由に配分することができますが、父親も1ヶ月は最低取ることを奨励するために、父親が育児休暇を取らない場合は、17か月分の手当てしかでないようになっています。この表の数字は、育児休暇をどのように夫婦間で配分したかであり、育児休暇を取得した男性の割合ではありません。育児休暇を取得する男性の割合に関しては手元にありませんが、ほとんどの男性が幾分かの育児休暇を取っているという印象です。育児手当は高所得者であっても上限がありますので、男性が高所得者である場合は、1ヶ月の育児手当の給付がなくても男性が働いた方が経済的には有利であるため、男性が育児休暇を取得しない、ということはあると思います。)

正義の科学者・児玉先生、怒りと涙の答弁

2011年7月27日 に行われた衆議院厚生労働委員会における、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授による、「放射線の健康への影響」参考人としての答弁を聴き、深く感動するとともに、政府の対応への怒りが込み上げてきました。

 

今回の福島原発から放出されたのは、熱量換算では広島原爆の29,6倍、ウラン換算では20倍であるだけでなく、放射線残存量の1年後の減少率は、原爆では1000分の1であるのに対し、原発では10分の1にしかならないのだそうです。また、報道から得られる情報では、常に、放射性物質の濃度が示されますが、放射線障害は、総量で判断されなければならない。しかし、東電および政府から、総量についての報告はなされていない。

 

といったことから始まり、内部被曝によりどのようにして細胞が癌化するのかの基礎的な説明から、政府の対応の稚拙さに対する批判、今後の対策や立法に関する提案、そして、これからの対応に関わる事業が、利権絡みにならないようにすることまで、釘を刺しています。現在、児玉先生は南相馬へ毎週赴き、除染支援をしているそうですが、除染後の放射性物質の運搬や受け入れは、法律違反に当たるのだそうです。

 

私が最初に閲覧したYoutubeの画像は、もっとも閲覧者が多く、数十万人に達していたと記憶していますが、現在では閲覧禁止になっています。何だかとてもきな臭い。また、これだけインパクトのあるニュースがほとんど報道されていないというのも、きな臭すぎます。隣国での高速電車事故に関する報道規制はあまりにも醜すぎますが、似たような臭いを感じるのは、私だけでしょうか。日本国民は馬鹿にされています。

 

まず、日本人の方は、こちらの映像を。

こちらでは、日本語がわからない方のために、英訳をつけてくださった方がいらっしゃるので、そちらの映像をお借りします。

今回の会では複数の参考人が招致されていますが、日本学術会議副会長、東大名誉教授の唐木氏の答弁は、全く趣きが異なります。

何故か、この映像は削除されてしまったので、こちらを。こちらは、全参考人の答弁が収録されており、唐木先生の答弁は13分50秒で始まります。


こちらの答弁の書き起こしは、こちらのブログに。このブログの筆者と同じ感想を私も持ちました。

私も癌の生物学を研究する研究者の端くれですから、児玉先生のおっしゃることは良く理解でき、一つ一つ頷いて聴いておりました。内部被曝は、その線量によって、増殖中の細胞のDNAに障害を与える可能性が高くなります。極論すれば、一粒子の放射性物質であっても、それがDNAに障害を与える可能性はゼロではないし、線量が高くなればなるほど、その可能性は上がる訳です。それが、p53などの癌抑制遺伝子に変異を起こしたとしても、それだけで発癌する訳ではなく、変異を有する細胞に、次の発癌刺激が加わると、発癌に至るのです。一粒子であっても前癌状態にするのに十分とも言えます。児玉先生の答弁で紹介された、ウクライナでの内部被曝の尿路上皮に与える影響についての福島先生の研究については、全く知りませんでした。尿中のごく微量の放射性物質によって、p53が変異し、MAPキナーゼやNFkβが活性化し、高頻度にCIS(上皮内癌)の発生が認められているのだそうです。甲状腺癌だけではなかったのです。

 

児玉先生の答弁の参考資料が、児玉先生のご子息により、掲載されています。

 

 

児玉先生の答弁は、是非、生で聴いていただきたいのですが、それだけではわかりにくい部分も多いため、答弁を書き起こしているブログを紹介します()。

2のブログでは、児玉先生の質疑応答に関しても書き起こしていますので、こちらを本稿の最後に転載します。

 

以下転載。

 

私は東京大学アイソトープセンター長の児玉ですが3月15日に大変に驚愕いたしました。

私ども東京大学には27か所のアイソトープセンターがあり放射線の防護とその除染などの責任を負っております。それで、私自身は内科の医者でして東大病院の放射線施設の除染などにずっと、数十年かかわっております。

3月15日に、まずここの図にちょっと書いてあるんですが我々最初に午前9時ごろ、東海村で5μシーベルトという線量を経験しましてそれを第10条通報と いう、文科省に直ちに通報いたしました。その後東京で0.5μシーベルトを超える線量が検出されましたこれは一過性に下がりまして次は3月22日に東京で 雨が降り、0.2μシーベルト等の線量が降下しこれが今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています。

それでこの時に枝野官房長官が「さしあたり健康にあまり問題はない」という事をおっしゃいましたが私はその時に実際はこれは、大変な事になると思いまし た。何故かというと現行の放射線の障害防止法というのは高い線量の放射線物質が少しあるものを処理することを前提にしています。

この時は、総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロメートル圏で5μシーベルト、 200キロメートル圏で0.5μシーベルト、さらにそれを超えて足柄から静岡のお茶まで及んでいる事は今日みなさん全てがご存じのとおりであります。

我々が放射線障害を診る時には、総量をみます。それでは東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるかはっきりした報告は全くされておりません。そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますとまず、熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出しております。ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算されます。

さらに恐るべきことにはこれまでの知見で原爆による放射線の残存量と原発から放出されたものの放射線の残存量は、一年に至って原爆が1000分の一程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の一程度にしかならない。

つまり、今回の福島原発の問題はチェルノブイリと同様原爆数十個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が、まず考える前提になります。

そうしますと、我々システム生物学というシステム論的にものを見るやり方でやっているんですが、現行の、総量が少ない場合にはある人にかかる濃度だけを見 ればいいのです。しかしながら、総量が非常に膨大にありますとこれは粒子です。粒子の拡散というのは非線形という科学になりまして、我々の流体力学の計算 でも最も難しいことになりますが、核燃料というのは、要するに砂粒みたいなものが合成樹脂みたいな物の中に埋め込まれております。これがメルトダウンして 放出するとなると、細かい粒子が沢山放出されるようになります

そうしたものが出てまいりますと、どういうようなことが起こるかというのが、今回の稲わらの問題です。たとえば、岩手のふじわら町では稲藁57000ベク レル/kg、宮城県のおおさき17000ベクレル/kg、南相馬市10万6千ベクレル/kg、白河市97000ベクレル/kg、岩手64000ベクレル /kg
ということで、この数字というのは決して同心円上にはいかない。どこでどういうふうに落ちているかは、その時の天候、それから、その物質がたとえば水を吸い上げたかどうか(による)。

それで、今回の場合も私、南相馬に毎週700㎞行って、東大のアイソトープセンター、現在まで7回の除染をやっておりますが、南相馬に最初に行った時には 1台のエネアイカウンターしかありません。農林省が通達を出したという3月19日には食料も水もガソリンも尽きようとして、南相馬市長が痛切な訴えをウエ ブに流したのは広く知られているところであります。

そのような事態の中で通達1枚出しても、誰も見る事が出来ないし誰も知ることができません。稲わらがそのような危険な状態にあるという事は全く農家は認識 されていない。農家は飼料を外国から買って、何10万という負担を負って、さらに、牛にやる水は、実際に自分たちと同じ地下水を与えるようにその日から変 えています。

そうすると、我々が見るのは、何をやらなければいけないかというと、まず、汚染地で徹底した測定が出来るようにするという事を保証しなくてはいけません。 我々が5月下旬に行った時に先ほど申し上げたように1台しか南相馬に無かったというけど、実際には米軍から20台の個人線量計が来ていました。しかし、そ の英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、我々が行って教えてあげて実際に使いだして初めて20個の測定が出来るようになっている。これが現地 の状況です。

そして先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウンターというのではなしに、今日ではもっと、イメージングベースの測定器というのが遥かに沢 山、半導体で開発されています。何故政府はそれを全面的に応用してやろうとして全国に作るためにお金を使わないのか。3か月経ってそのような事が全く行わ れていない事に私は満身の怒りを表明します。

第2番目です。私の専門は小渕総理の時から内閣府の抗体医薬品の責任者でして、今日では最先端研究支援というので30億円をかけて抗体医薬品にアイソトー プを付けて癌の治療にやる、すなわち人間の体の中にアイソトープを打ち込むという仕事が私の仕事ですから、内部被曝問題に関して一番必死に研究しておりま す。

そこで内部被曝がどのように起きるかという問題を説明させていただきます。内部被曝というのの一番大きな問題は癌です。癌がなぜ起こるかというとDNAの 切断を行います。ただし、ご存じのとおりDNAというのは二重らせんですから、二重らせんの時は非常に安定的です。これが、細胞分裂をする時は二重らせん が一本になって、2倍になり4本になります。この過程のところがものすごく危険です。

そのために、妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖が盛んな細胞に対しては、放射線障害は非常な危険をもちます。さらに大人においても増殖が盛ん な細胞、たとえば放射性物質を与えると髪の毛、それから貧血、それから腸管上皮のこれらはいずれも増殖分裂が盛んな細胞でして、そういうところが放射線障 害のイロハになります。それで私どもが内部に与えた場合に具体的に起こるので知っている事例を上げます。

これは実際には一つの遺伝子の変異では癌は起こりません。最初の放射線のヒットが起こった後にもう1個の別の要因で癌の変異が起こるという事。これはドラ イバーミューテーションとかパッセンジャーミューテーションとか細かい事になりますが、それは参考の文献を後ろに付けてありますので
それを後で、チェルノブイリの場合やセシウムの場合を挙げてありますので、それを見ていただきますが。

まず一番有名なのはα―線です。プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいるというのを聞 いて、私はびっくりしましたが、α―線はもっとも危険な物質であります。それはトロトラスト肝障害というので私ども肝臓医はすごくよく知っております。要 するに内部被曝というのは先程から一般的に何ミリシーベルトという形で言われていますが、そういうものは全く意味がありません。I-131は甲状腺に集ま ります。トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディースキャン やっても全く意味がありません。

トロトラストの場合の、このちょっと小さい数字なんで大きい方は後で見て欲しいんですが、これは実際に、トロトラストというのは造影剤でして、1890年 からドイツで用いられ1930年ごろからは日本でも用いられましたが、その後20~30年経つと肝臓がんが25%から30%に起こるという事がわかってま いりました。

最初のが出てくるまで20年というのは何故かというと、最初にこのトロトラスト、α―線核種なんですが、α―線は近隣の細胞を傷害します。その時に一番や られるのはP53という遺伝子です。我々は今ゲノム科学というので、人の遺伝子、全部配列を知っていますが、一人の人間と別の人間は大体300万箇所違い ます。ですから人間同じとしてやるような処理は今日では全く意味がありません。いわゆるパーソナライズメディスンというやり方で、放射線の内部障害をみる 時も、どの遺伝子がやられて、どういう風な変化が起こっているかという事をみるということが原則的な考え方として大事です。

トロトラストの場合は第一段階ではP53の遺伝子がやられて、それに次ぐ第二第三の変異が起こるのが20~30年後かかり、そこで肝臓がんや白血病が起こってくるという事が証明されております。

次にヨウ素131。これヨウ素はみなさんご存じのとおり甲状腺に集まりますが、甲状腺への集積は成長期の甲状腺形成期が最も特徴的であり小児におこりま す。しかしながら1991年に最初ウクライナの学者が「甲状腺がんが多発している」というときに、日本やアメリカの研究者はネイチャーに「これは因果関係 が分からない」ということを投稿しております。何故そう言ったかというと1986年以前のデータがないから、統計学的に有意だという事を言えないというこ とです。

しかし、統計学的に有意という事がわかったのは、先程も長瀧先生からお話しがありましたが20年後です。20年後に何がわかったかというと、86年から起 こったピークが消えたために、これは過去のデータが無くても因果関係があるという事がエビデンス(evidence 証拠・根拠)になったですから、疫学的証明というのは非常に難しくて、全部の事例が終わるまで大体証明できないです。

ですから今 我々に求められている「子どもを守る」という観点からは全く違った方法が求められます。そこで今行われているのは、ここには国立のバイオアッ セイ研究センターという化学物質の効果をみる福島昭治先生という方が、ずっとチェルノブイリの尿路系に集まる物を検討されていまして
福島先生たちがウクライナの医師と相談、集めて500例以上の、前立腺肥大の時に手術をしますと、膀胱もとれてきます。これをみまして検索したところ、高 濃度汚染地区、尿中に6ベクレル/ℓという微量ですがその地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも、増殖性のぜん癌状態。我々からみますとP38 というMAPキナーゼとNF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)というシグナルが活性化されているんですが、それによる増殖性の膀胱炎というのが必発であ りまして、かなりの率にもう上皮内のがんができているという事が報告されております。

それで、この量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2~13ベクレル、7名で検出されているという事が既に報告されている事であります。

次のページお願いします。我々アイソトープ総合センターでは、現在まで毎週700キロメートル、大体一回4人づつの所員を派遣しまして南相馬市の除染に協 力しております。南相馬でも起こっている事は全くそうでして20km30kmという分け方が全然意味がなくて、その幼稚園ごとに細かく測っていかないと  全然ダメです。それで現在20kmから30km圏にバスをたてて1700人の子どもが行っていますが、実際には避難、その、南相馬で中心地区は海側で学校 の7割で比較的線量は低いです。ところが30キロ地点の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて子どもが強制的に移動させられていま す。このような事態は一刻も早く辞めさせてください。

いま、その一番の障害になっているのは、強制避難でないと保証しない、参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそういう答弁を行っていますが、これは分けて下さい。補償問題、この線引きの問題と子どもの問題は直ちに分けて下さい。

子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。

それからもう一つは、現地でやっていますと、除染というのの、緊急避難的除染と公共的除染をはっきり分けて考えていただきたい。緊急避難的除染を我々もか なりやっております。たとえばここの図表に出ておりますこの滑り台の下。滑り台の下は小さい子が手をつくところですが、この滑り台に雨水がザーッと流れて きますと、毎回濃縮します。右側と左側とズレがあって、片側に集まっていますと、平均線量1μのところだと10μ以上の線量が出てきます。それで、こうい うところの除染は緊急にどんどんやらなくてはいけません。

それからこういうさまざまな苔が生えているような雨どいの下、これも実際に子どもが手をついたりしているところなのですが、そういうところは、たとえばですね、高圧洗浄機を持って行って苔を払うと、2μシーベルトが0.5μシーベルトまでになります。

だけれども、0,5μシーベルト以下にするのは非常に難しいです。

それは、建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと、空間線量として1か所だけ洗っても全体をやる事は非常に難しいです。ですから、除染を 本当にやるという時に、いったいどれくらいの問題がありどれ位のコストがかかるかという事を、イタイイタイ病の一例で挙げますと、カドミウム汚染地域、だ いたい3000ヘクタールなんですが、そのうち1500ヘクタールまで現在除染の国費が8000億円投入されております。もし、この1000倍という事に なれば、いったいどれほどの国費の投入が必要になるのか。ですから私は4つの事を緊急に提案したいと思います。

第1番目に国策として、食品、土壌、水を、日本が持っている最新鋭のイメージングなどを用いた機 器を用いて、もう、半導体のイメージ化は簡単です。イメージ化にして流れ作業にしてシャットしていってやるということの最新鋭の機器を投入して、抜本的に 改善して下さい。これは今の日本の科学技術力で全く可能です。

2番目、緊急に子どもの被ばくを減少させるために新しい法律を制定して下さい。私のやっている、 現在やっているのは、すべて法律違反です。現在の障害防止法では各施設で扱える放射線量、核種等は決められています。東大の27のそのいろんなセンターを 動員して現在南相馬の支援を行っていますが、多くの施設はセシウムの使用権限なんか得ておりません。車で運搬するのも違反です
しかしながら、お母さんや先生たちに高線量の物を渡してくる訳にもいきませんから、今の東大の除染ではすべてのものをドラム缶に詰めて東京へ持って帰ってきております。受け入れも法律違反、全て法律違反です。

このような状態を放置しているのは国会の責任であります。全国には、例えば国立大学のアイソトー プセンターというのは、ゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところは沢山あります。そういうところが手足を縛られたままでどうやって、国民の総 力を挙げて子どもが守れるのでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

第3番目、国策として土壌汚染を除染する技術を民間の力を結集して下さい。これは、たとえば
東レだとかクリタだとかさまざまな化学メーカー、千代田テクノとかアトックスというような放射線 除去メーカー、それから竹中工務店とか様々なところは、放射線の除染などに対してさまざまなノウハウを持っています。こういうものを結集して現地に直ちに 除染研究センターを作って、実際に何10兆円という国費がかかるのを、いまだと利権がらみの公共事業になりかねない危惧を私はすごく持っております。国の財政事情を考えたらそんな余裕は一瞬もありません。どうやって除染を本当にやるか、7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に 国会は一体何をやっているのですか。

以上です。

★★★以下、質疑応答の部分の文字起こしです★★★

衆議院厚生労働委員会 「放射線の健康への影響」参考人説明より 児玉龍彦
(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)

(質問者)
どうもありがとうございます。そうしますと、たいがいは放射線による の方法はあるというふうに思いましたけれど、そうしますと線量の問題が先ほど来、出 ておりました。内部被ばくと言う話もでていましたけれど、まずは線量の所でお聞きしたいのですけれども、明石先生、唐木先生は、「大丈夫です、安心できま すよ」という話だったのですけれども、児玉先生の方からまあ、ああいうお話があったんですけども、唐木先生と明石先生の話はデータにもとづいて出ていまし て、まあ、ある程度低いところでは埋もれてわからないところが出るんでしょうけれども、まあそれ以降については有意な差が出ているということをお話されて いましたけれども、それに対するなにかご意見みたいな、児玉先生、お持ちだったらお聞きしたい。

(児玉氏)
放射線が人間の遺伝子を傷害します。その時に人間には2万5000の遺伝子がありますが、一定の数のDNA修復に関係する遺伝子、DNAの保護に関わる遺伝子があります。ふつうはこれがやられないと、低線量のものはたいてい問題なく修復されるということがわかった。
だけれども先ほど、たとえばアルファ線でやられてるP53だとか、それから我々最近、ガンゲノムシークエンスということで、肝臓がんやさまざまなものを遺 伝子配列全体を決定して、いわゆるドライバーミューテーションという、最初にがんを作っていく方向に起こってしまう変異が、何で起こるかというのを研究し ておりますと、たとえばP53のような、最初のDNAを守っていったり、そういうところに関わる遺伝子を壊すと、がんになるということがわかった。

そうしますと、実際には2万5000の遺伝子のなかで、どこがやられるかということは、極めて確率論的になってきます。ですから一般にわかるのは、統計学 的に非常にたくさんの人を集めて、たとえばあとでチェルノブイリの時の甲状腺のように、最初はですね、たぶん長滝先生なんかご存知だと思いますが、笹川財 団でしらべたときに、5万人までしらべたときに有意な差がないといわれた。ところがですね、それが今になってコンセンサスとして、6000人の甲状腺がん と15人の死亡例が生まれているという風に変わってきています。

私もともとですね、こういう問題に興味を持ちましたのは、自分はコレステロールの方が専門でして、コレステロールの薬を作る時にも、たくさんの論争がありました。

それで私は医学者として、今一番感じておりますのは、このどこの線量が安全かっていう議論と、国の政治的な関わり方を分けていただいて、国は、ようするに コレステロール論争の時に一番大事だったのは、コレステロールを下げる薬をやって心筋梗塞が減るかどうかという問題、それで今日の厚生委員会でも考えてい ただきたいのは、学問論争に対して厚生委員会で結論を出したり考える必要は私はないと思っています。

国民の健康を守るためにどういう事ができるかという時に、まずセシウム137というのは、自然界には1947年以前に存在していないものです。原発と原爆で生まれて、それが1960年代の初めに水爆実験によってピークになったものである。

その時に、猿橋勝子さんという女性研究者が、海水のセシウム濃度が100倍になっているということを微量線量計で確認して、これでアメリカに行って公開実験というのをホルサム博士とやって、これが大気圏内の核実験禁止の大きな学問的根拠になりました。

その後セシウムはずっと減ってきていたのが、またそれをはるかに倍する量に今、上がろうとしている時であります。

そうしますとその線量議論の問題を言うよりも、元来自然界にないセシウム137というのが膨大に 巻かれて、ガンマカウンターでかんたんにわかるような量に散らばっている、しかもそれが広島原爆の20倍の量撒かれている事態に対して、国土を守る立場か ら、ぜひ積極的な対応をお願いしたいというのが基本的なお願いです。

(質問者 「山口君」)
どうもありがとうございました。結論づけるつもりはないですし、県民、国民はどうしてたかというと、一番不安な、一番危険なところを聞いて、まあ、動いて いるというのが実態じゃないでしょうか。安全だと思っている方もいらっしゃいますし、中にはまあ、線量が少ないところであっても子どもを連れて県外に避難 されていらっしゃるかたもたくさんいらっしゃると思います。やはり不安でしょうがないと思うんですけれども、

まあ、避難区域の住民が戻れる条件、いま避難区域になってますけれども、先生方でこういう条件にしたら避難区域に戻れるだろう、もう今でも充分戻れるだろ うっていう場合もあるでしょうし、先生方によって違うでしょうが、避難区域に戻れる条件を少し教えていただきたいんですが、時間がなくて聞きたいことが いっぱいあるんですけれども簡潔に教えていただければと思うんですけれどもどなたでもけっこうです。

(児玉氏)
私が一番申し上げたいのはですね、住民が戻る気になるのは、行政なりなんなりが一生懸命測定して、除染している地域です。

ですから測定も除染もなければ、安全だ不安だといわれても、信頼できるところがありません。ですからこの数値が安全、この数値がどうということではなし に、行政の仕組みが一生懸命測定をして、その測定に最新鋭の機械を投じて、除染に最新鋭の技術を持って、そのために全力でやってく自治体が、いちばん戻る のに安心だと思います。

(質問者)
はい、どうもありがとうございました。その、牛の基準であったり、コメ、これから作物作ってかなきゃいけないし果物とかもありますけども、今まあ厚生労働 省で基準を作って、これくらい食べても5ミリシーベルト超えなければ大丈夫ですよとか、さきほどもお話があったかもしれませんけれども、まあ、ひとつそ の、農家でコメを作るとかですね、果物を作るっていう、何かそういったところで作る段階での基準みたいなのはございますでしょうか どなたかお願いできま すでしょうか

(児玉氏)
ええと入口のほうで基準を決めてても、非常に厳しいと思ってます。生物学的濃縮というのは、さまざまな元素が体に入るとトランスポーターとか結合タンパク というので、極めて特殊な集積の仕方をしますので、ですからやっぱり出てきた農産物をきちんと見るというしくみを徹底的に作っていかなくてはならないと思 います。

そうするとですね、やっぱりラインのようなかっこうで、どんどんイメージとして、その農産物が量がチェックできるようなしくみ、実際にはあるんですが、まだほとんどこういうのの測定に使われていませんので、そういうものを全国の産地に緊急に整備して頂いて。

あと、今回の稲わらのように、想定外の場所での濃縮事件というのは、自然界では山ほど起こります。

ですからやっぱり出口の、食物の出ていくところでのチェックというのを緊急にものすごく良くするというのが、大事になってきます。

(質問者)
現地でもですね、各小学校単位ごとにそれぞれの専門家の先生方をお招きして、放射線の勉強会、その参加の数は何百人、一校単位ですから何百人という方が、 来るんですけども、何回やっても同じなんですね。だからこれは本当にどうすれば不安というものを取り除くことができるのか。たとえば私はですね、科学的な ことをいくら説明しても、理解しても体がついていかないという、こういう状況下におかれていますので、もうその方は、避難できる方は避難してください、そ してそれに対する支援をしていく。避難できない方は、きちんと家庭での防護策といいますか、それを我々政治の方はやるべきだなと、私自身は思っております けど、その辺は、いかがでしょうか

(児玉氏)
信頼感っていうのは、言葉で説明を聞いて生まれるんではないと思います。私も毎週、南相馬に行っているんですが、南相馬のたとえば方たちが本当に汚染してる学校やなんかを案内してくれるのは、やっぱり一回目じゃ、ないんですよね。

だから支援に来てる人がただ一回だけ来て帰って行ってしまうみたいのは、かえってすごく問題をひどくするだけで、やっぱり本当に持続的にやって行こうとす ると、一緒に測って一緒に考えて除染していく、避難されたい方は避難を応援する、そういうのがすごく、大事ではないかと思っています。

それで南相馬に行って私どもが最初に言われたのは、やっぱりさっき言ったその、線量の低いところから高いところへスクールバスで子どもが千人を超え移動さ せられているということで、それで実際に地域を見てもひとつの学校を見ても、さっきから何ミリシーベルトだったら安全ですかという議論は、わたくし現実味 がないと思うのは、例えば2マイクロシーベルトの学校を測っていても一か所に行くと33マイクロ シーベルトなんです。ですからそういう時にいったい何ミリシーベルトの土地とするかという問題が出てきてしまいますから、やっぱり高いところがあったら必 ず刈り取って行きますよと。測って一緒にやっていきますよと。不安があったら相談に乗りますよと。農産物があったら最新鋭の科学機器を集めて最高の検査 メーカーが来てやりますよというような体制がない限り、安心できないというのが当たり前ではないかと。

ですからいま求められているのは、最高の施策が福島県民に与えられるように、国会でぜひ考えていただきたい。

(質問者)
ありがとうございました。最後に児玉参考人に伺いたいと思うんですけれども、まさしく今日内部被ばくの問題がずいぶん話題になりました。また遠距離被ばく ということもみなさん先生がだいぶ指摘をされましたので、そういう観点で除染作業もやってらっしゃる先生から、一言伺いたいと思います。

(児玉氏)
私、放射線取扱者に1977年になりまして、1995年から放射線取扱主任として、除染と規制に関わっております。それで今まで、科学技術庁告示平成12年から、我々がやらされていたこと一つだけご報告します。

それは、たとえば妊娠可能の女子については、第5条4項で、内部被ばくを1ミリシーベルト以下にする、それから第6条第3項、妊娠中である女子の腹部表面 については前項第4号に規定する期間につき2ミリシーベルト。これを規制されてその規制を守るべく、30年やってまいりました。

ところが、福島原発の事故で、広島原爆の20個分の放射線がまき散らされたとたんに、このような基準がすべて反故にされている。さきほど福島県の議員から、どのようにしたら安心かというご質問がありました。

私は、安全に関しては基準を決めたら、危機になったらそれを変えていく格好ではだめだと思います。いま今年できないかもしれないけども、来年までにその基準に持って行く、再来年までにはこうするということがなければ、住民が安心できるわけがないではありませんか。

そのためには、最初から申し上げている通り、広島原爆20個分の天然にはないセシウムを撒き散らした東電と政府の施策を反省し、これを減らすために全力を 上げる以外に、安心できる解決などありえないです。そのことを抜きにして、どこが安全だという議論をいくらやっても、国民は絶対信用しません。

(質問者)
引き続いて、牛のセシウム汚染をはじめとして、今朝でしたか、腐葉土にもやはり高濃度のセシウム汚染があるということで、単に牛だけではなく及ぼす影響は 全食品に関わってきていると思います。またあの海への汚染もありますので、今後魚への汚染ということも避けて通れないと思います。その中で先ほど唐木委員 のお示しいただきました参考資料の中に、たとえば牛についてですけど、全量、全個体、全体検査や抜き取り検査はかなりこれは困難というか、不適切であると いうような表現でありましたが、これは2週間ほど前NHKスペシャルでやっておりましたベラルーシでの取り組みは、チェルノブイリ事故25年を経っても、 各学校で子どもたちのミルクや野菜の放射線レベルを点検するということでございました。

やはりここまで食品汚染が広がってきているというのは、なるべく口に入る身近なところで検査するという体制、まあ、それがどこまで身近にやれるかはまたあ ると思いますが、そうした考え方に立つことが重要ではないかと思いますが、この点について唐木参考人と、あと児玉参考人は先ほどラインの測定でずっとフォ ローしていくような技術も我が国の現状においては可能ではないかというようなお話でしたので、もう少しご披瀝をいただきたいと思います。お願いいたしま す。

(児玉氏)
今おそらくやられているのは、かなり旧式なやり方なんですがゲルマニウム半導体というので、周囲を6cmぐらいの鉛で遮蔽した中にものを置いてやられています。

それで今日は半導体の検知器というのはかなり多数の種類が改良されておりまして、私が最先端研究支援でやっておりますのはPETという、機械でやってるんですが、PETで検出するときには内視鏡の先でも検出できるくらいの感度の高いものを開発しております。

それでそういうのを集めて行っていまやられているのはむしろイメージングに変えている。ですから、ゲルマニウムの半導体というのはスペクトラムを出して、 長いスペクトラムを全部見るんですが、たとえばセシウムに絞って、この線量を見るんであれば、半導体検知器の検出感度がいまずっと良くなってますから、画 像型にすることが簡単にできています。

それでたとえばその一つの画像型のイメージみたいなのは、米軍から供与されてヘリコプタに乗って、地上の汚染をやるのに、まあいろんなところで、今日あたりは茨城県をやってると思いますが、検知器で地上を映すようなものがやられております。

それで農産物をたくさんやろうとする場合には、ライン化したところで多数のものをできる仕組みをやらなくてはなりませんから、イメージングの技術を基礎に して半導体を集めたようなもののセンターをたくさん作って、流れ作業的にたくさんやれるようにして、その中でハネるものを、イメージで、画像上で、これが 高いと出たらハネていくような仕組みを、これは既存の技術ですぐ出来ますものですから、それを全力を上げてやっていただきたいと思っております。これを生 産地にかなりのところで作る必要があると思っています。

(質問者)
最後に児玉先生に一つお願いしたいと思いますが、アイソトープセンター、これは全国にございますが、今回の除染に活躍させるために何が必要か、お願いいたします。

(児玉氏)
5月に、全国のアイソトープ総合センター会議というのがありまして、そこでいろいろ議論をしていた時に、まあ文科省の放射線規制室の方が仰ってたのは、福島原発以来のRIはRIではないと。

我々は国民の生活に責任を持つという仕事をやってるんではなくて、法律に決められた放射線取扱者を規制することが仕事だという風に仰っていました。

それで、ある面では私非常に違和感を感じたんですが、もう一方ではたとえば文科省の法律の規制室の方は従来の規制に従ってやらざるを得ない、それで高い線 量のものが少量あるということを対応した法律体系はありますが、低い線量のものが膨大にあるという、それをどう除染していくかということに関する法律がほ とんどなくて、今も汚泥問題、その他すべて問題になっているのはそこであります。

それで、しかしながら現在の全国のアイソトープ総合センターなんかは、旧来の法的規制のまんまでなんらのこれらの組織、たとえばゲルマニウムの機械が足りないというお話がありましたが、そんなものは全国にたくさんあります。

ところがそこへの持ち込み、持ち込んだ廃棄物の引き取り、こういうのが法律的にまったくない。だから今も東大のアイソトープセンターでやってんのは全部違 法行為だと申し上げました。この場合にはセンター長である私と、専任教官と事務主任の上で審査委員会を設けて、内部でチェックして超法規行為を勝手にやっ てるっていうのが現状であります。それで、そういう法律を一刻も早く変えて、測定と除染というのにぜひ立ち上がっていただきたい。それなくして親の安心も ないし、しかも先ほどから長滝先生たちが仰っている、原爆型の放射能の常識というのは、これは原発型の場合には全く違います。

それから先ほど仰いました、長滝先生のおっしゃった、一過性に核医学で治療をやるというのも、これも形式が違います。われわれたとえば抗体にニトリウム? をくっつけておくと、ゼバリン?という医薬がありますが、あれは一過性にもかなりの傷害を起こしますが、それでもがん細胞をやっつけるためにいいからやっ てるということであって、正常者にこれをやることはとても許されない、無理なものであります。

それで、ですから私が申し上げたいのは、放射線総量の全体量をいかに減らすか、これはようするに数十兆円かかるものであり、世界最新鋭の測定技術と最新鋭の除染技術をただちに始めないと、国の政策としてまったくおかしなことになるんです。

いま我々がやってるたとえば幼稚園で除染します。除染して、高圧洗浄液でやりますと、側溝に入ります。側溝をきれいにしています。しかしその側溝の水はど こへ行くかというと、下流の農業用水になっています。それで、イタイイタイ病の時の経験は、カドミウムの除染を下手にやりますと、二次被害を引き起こし た。ですから国の政策として国民の健康を守るためには、総量の問題をまず考えてください。緊急避難と、ひとつ、総量の問題、ふたつ。これをぜひ議論をよろ しくお願いします。

(質問者)
最後に一点だけ児玉参考人にお伺いをしたいと思います。
細野原発担当大臣が、もうすでにですね、避難区域の解除と帰宅ということを就任早々おっしゃられて、今度まあ無人ヘリを飛ばして現地の調査を行って、場合 によっては早期に解除し住民に帰ってもらおう、こういう話が出てきています。しかしまあ、チェルノブイリの強制移住レベルを上回るようなですね、高濃度の 汚染地域が東京23区全体をうわまわる800平方kmに広がっている中で、今の状況でこの避難区域を解除するということが正当化されるのかということを、 児玉参考人にご見解としてお伺いをしたいと思います。

(児玉氏)
ええとまずですね、20km、30kmの地域というのは、非常にまだら状になっています。それで、私が一番よく存じております南相馬の場合ですと、南北で はなく東西に線量が違います。飯館村に近い方は20ミリシーベルト以上で、現在避難が開始されている。それでこちらの方は、海側の方は、それよりもずっと 線量が低いところがあります。

それで、こうした場合には、自治体が判断した方が、いまは20km、30km圏は病院は休診、学校は休校ということが、一応指示となっております。それを やっぱり学校を開いて一番低い線量のところで子どもが授業できるようにするとか、そういう判断は自治体の判断でできるようにした方がいいと思います。

ですから今の線引きの問題の話というよりも、実際にいかに子どもの被ばくを減らしたり地域を復興していくかという問題が、まず一個あります。

ただそこでもう一つの問題は、地元で聞きますと、商工会やなんかから、今は強制避難ですから、補償が出ています。だけれども避難区域が解除されたら、補償 がなくなってしまうということで、実際に私が南相馬へ行っている間も、住民の中で非常に大きな意見の違いが生まれていて、見ていてとてもいたたまれない思 いが致しました。

それでぜひ、避難の問題とそれから補償の問題を分けて、それで先ほど仰った避難の解除というのは、要するにどういう問題があるかというと、高い線量のところはこれは除染しないと非常に危険です。

それで今そういう問題になっているのは主に、年20ミリシーベルト以上の被ばくを受けてしまう地域であると思いますから、そこに関しては引き続き強制的な 避難が必要であると思っていますし、ここの地域をどう除染していくかということは、東電なり、我々科学者なり、日本政府が、とてつもない十字架を背負って いると思います。そのことを住民の判断だけに押し付けるというのは、とても難しい問題があると思っておりまして、年20ミリシーベルト以上の地域に関して は、やはりぜひとも国で、ここの避難している人たちの生活の保障と、それから除染の努力をやっぱりどんなふうに進めるかという見通しを、ほんとうに必死に 考えないといけないと思っています。

それで、20kmから30kmという現状の同心円が、それを正確に示してるかというと、いまはそうではなくて、むしろ地域復興の妨げになっている面があり ますから、地元自治体との相談の上で、そこの地域のさまざまな行政生活上の問題に関しては子どもやお母さんが一番安心できるようなものにすることを一刻も 早くやって頂きたい。それで細野大臣はある意味ではそういう意見を反映している面があると思います。

もう一方では、それを補償問題とどういう風に結びつけるかという議論がないと、やはりこれもう一 方で非常に大変な問題が生まれてしまいますので、やはり今は強制避難でないと補償できないとか、住民が被害を立証できないと補償しないという格好はもう、 まずいんではないかという風に私は思っています。

(以上)

 

Japan ger sig ALDRIG! 「決して諦めない」

日本女子サッカーの、奇跡的な優勝から一夜明けて、、、。思い出すだけでも、心が震えます。

職場の朝のミーテイングでは、複数の人に、「おめでとう」と言われました。

試合は前半から完全にアメリカペース。日本に運がなかったら、何点も得点されていても不思議ではなかったほどの、日本ゴールへのアメリカの集中砲火。何とか凌いで、0-0で前半終了。

日本がFWを二人入れ替えた直後、69分にアメリカがカウンターで先制。強かったMorgan。

 

81分にアメリカのDFのミスをついて、宮間さんがシュート。日本が追いついて延長戦。

延長戦開始7分で、宮間さんに妙なイエローカード。倒れた相手に手を貸そうとしたことを、プレー遅滞と取られた模様。(今回の主審は、アメリカに甘かった。アメリカ選手とは常に談笑。最後のレッドカードも個人的に納得いかず。)

延長戦前半終了直前にアメリカが勝ち越し。あまりに完璧なタイミングのヘデイングシュート。

この時点で、もう駄目かと正直思いました。試合終了まで残り3分、コーナーキックから、沢さんが守備の前に割り込んで決めたシュート。一瞬何が起こったのかわからなかったほどでした。

1度ならず2度のアメリカのリードに、残り3分で追いついた気迫のプレー。沢さんは、オフェンス、デイフェンス、あらゆるところに登場。ただただ凄すぎる運動量。

延長戦終了直前、またしてもMorganが抜け出したところに、DF岩清水さんがタックルしてレッドカードで退場したところで、2-2で延長戦が終了し、決着はPK戦にもつれ込みます。

翌日の手術のことが頭にあった私ですが、PK戦を見逃す訳にはいきません。(しかし、この時点で、睡眠薬を内服して準備。)

テレビのアナウンサーは、

「Jag fattar INGENTING!!!」(何が起こったのかわかりません!)

「Stannar kvar! Nu får man inte toaletten!」(テレビの前にいてください!トイレにも行かないでください!)

と叫んでいました。

PK戦前の日本選手たち。佐々木監督の笑顔が印象的で、スウェーデンのマスコミもこの「笑顔」の効用について報道していました。アメリカと違って、守るもの、失うものがない日本人選手には、自然なことだったのかもしれません。

アメリカ先攻でPK戦が始まります。日本のGFの海堀さんは、日本人選手としては高身長とはいっても、170cmしかありません。

その彼女が、、、。

何と、一人目からアクロバット的な妙技でセーブ。日本が1点を先取したところで、アメリカの二人目が、ゴールを大きく上に外すミスショット。日本も二人目は外し、アメリカ3人目。

気迫が運も呼び込んだような、、素晴らしいセーブ。

アメリカの4人目は難なく決め、日本の4人目の熊谷さんが決めれば優勝。

20歳には重過ぎるプレッシャー、、、。

そのプレッシャーを見事に跳ね返してのシュート!!!

テレビで映像が流れるたびに、泣けてきます。

世界中を感動させた、なでしこジャパンの精神力。大和撫子おそるべし。

辛いことが多い人生だけれど、諦めないで生きていきたいと思います。