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あれから半年、あれから10年

光陰矢の如し。

この9月11日は、日本人にとっても、人類にとっても節目の日。

あれから半年。日本を震撼させた「東日本大震災」。今もって避難している方は8万人以上、死者は1万5781人、行方不明者は4086人という。先日母から送られてきた、Youtubeの画像を見る。未だに生傷に塩をすり込まれるような心の痛みを覚える。

新しく発足した内閣も、閣僚の失言で早くもけちが付く。失言で大臣が失脚するのは何とも日本らしいが、政治家としての実力があれば、それが優先されても良いのではとも思うが、口を開く前に少し考えれば、それが失言であると理解することは容易なはず。口で身を滅ぼす人は多い。今はとにかく、復興への道を邁進しなければならないときだ。

 

そして、あれから10年。

3000人近くの人が犠牲となった、「アメリカ同時多発テロ事件」。自民党の石原幹事長が、「西洋文明、キリスト教支配に対するイスラム圏の反逆、そして歴史の必然として起こった出来事ではないか」と発言して、批判されているようだが、日本を離れて、イスラム圏の文化や思想、人間と接することが多い生活をしていると、それはごく当たり前の感想と思える。テロは決して許されるものではないが、「テロが何故起こるのか。」ということに、殊に先進国は想いを馳せなければならないと思う。

 

 

そして、スウェーデンでは、もう一つの「あれから」。

時の外相、アンナ・リンドがNKデパートで刺殺されてから8年。あのとき、2回目のポスドクをしていた私は丁度ストックホルムにいた。彼女が生きていたら、今頃、首相になっていたかもしれない。丁度彼女は、ユーロ導入の旗頭としてキャンペーンをしていたが、彼女の死によっても、国民の意思は、「ユーロにNO」であった。現在のユーロの混迷を考えると、あのときスウェーデンがユーロを導入しなかったことは、スウェーデンにとって吉と出たようだ。

 

今日、9月11日は複数の「あれから」に想いを馳せる日。

人間は、人間が犯した過ちから学なければならない。

 

カロリンスカにおける男女比いろいろ

大学病院で働いていると、所謂、「ポリクリ(病院実習)」の医学生の指導にも当たることになります。各グループ、5-6人程度でローテーションしてきますが、毎回、女子医学生が多いことに驚かされます。

 

次の表は、2010年における、カロリンスカ医科大学の各学部における新入学生の男女比です。

「läkar-」が医学部ですが、何と、男子学生は40%強。女性が多い訳です。

カロリンスカにおける学位取得者は次の通り。

学位取得者も、毎年女性優位です。

それでは、女性教授についてはどうでしょうか。

331名の教授のうち、80人が女性。24%にあたります。そして、新任女性教授の数をみると、女性教授を増やそうとする努力がみられます。2010年では、40人の新任教授のうち、15人が女性。

 


その結果、女性教授の比率は年々増加中。

待遇面でも、女性は男性にひけを取りません。

 

Professor preklinとは、基礎研究部門の教授。男性の平均月給は58461千クローネに対し、女性は58165千クローネ。Professor klinとは、臨床部門の教授。男性の平均月給は52345千クローネに対して、女性は53875千クローネ。但し、臨床部門の教授の給料は、教授職としての給料で、これに、医師としての給料が上乗せされますので、この額の倍近い給料となっていると思われます。男女比とは関係ありませんが、日本の場合は、臨床部門の教授は、基礎部門の教授のデューティーである「教育、研究」に加えて、「臨床」がデューティーとして上乗せされますが、それでも、同じ給料です。母校の慶應大学の医学部の教授陣は、明らかに他学部の教授より勤務内容や時間が厳しいのに、同じ給料であることに不満を持っている人が多かったので、カロリンスカの臨床教授は恵まれた待遇を受けていると思います。

 

このように、男性優位の日本に比べると、カロリンスカにおける女性の扱いは天国のようなものです。

カロリンスカにかかわらず、他の分野ではどうでしょうか。次の図は、公的部門(国家公務員、offentig sektor)と私的部門(privat sektor)別の部門長(chef)の分布を示しています。

私的部門では男性が75%と圧倒的優位ですが、公的部門では、国家レベル(Stat)でこそ男性優位であるものの、その他では逆転しています。日本では考えられないことです。

女性の社会進出のためには、女性支援のシステムが必須ですが、最後に、育児休暇取得の男女比を示します。

1974年には、100%、女性が育児休暇を取得していましたが、年々男性の育児休暇取得が増加。2009年には、男性が22%の育児休暇を取得するまでになっています。私の職場では、ちょっとしたベビーブームなのですが、パパとなった男性医師の全てが、20%程度の育児休暇を取っていますし、子供が病気になったときにも病児介護のための欠勤をしています。この表を見る限り、日本はスウェーデンに30年ぐらい遅れていますし、未だに専業主婦が珍しくないことを考えると、これからもスウェーデンに追いつくとはとても思えません。女性も自立するという意識改革が必要なのですが、将来どうなることでしょうか。(追記:この表の解説も不十分で誤解を生みそうなので追記します。スウェーデンでは育児休暇を18ヶ月取得することができます。これは、両親の間で自由に配分することができますが、父親も1ヶ月は最低取ることを奨励するために、父親が育児休暇を取らない場合は、17か月分の手当てしかでないようになっています。この表の数字は、育児休暇をどのように夫婦間で配分したかであり、育児休暇を取得した男性の割合ではありません。育児休暇を取得する男性の割合に関しては手元にありませんが、ほとんどの男性が幾分かの育児休暇を取っているという印象です。育児手当は高所得者であっても上限がありますので、男性が高所得者である場合は、1ヶ月の育児手当の給付がなくても男性が働いた方が経済的には有利であるため、男性が育児休暇を取得しない、ということはあると思います。)

正義の科学者・児玉先生、怒りと涙の答弁

2011年7月27日 に行われた衆議院厚生労働委員会における、東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授による、「放射線の健康への影響」参考人としての答弁を聴き、深く感動するとともに、政府の対応への怒りが込み上げてきました。

 

今回の福島原発から放出されたのは、熱量換算では広島原爆の29,6倍、ウラン換算では20倍であるだけでなく、放射線残存量の1年後の減少率は、原爆では1000分の1であるのに対し、原発では10分の1にしかならないのだそうです。また、報道から得られる情報では、常に、放射性物質の濃度が示されますが、放射線障害は、総量で判断されなければならない。しかし、東電および政府から、総量についての報告はなされていない。

 

といったことから始まり、内部被曝によりどのようにして細胞が癌化するのかの基礎的な説明から、政府の対応の稚拙さに対する批判、今後の対策や立法に関する提案、そして、これからの対応に関わる事業が、利権絡みにならないようにすることまで、釘を刺しています。現在、児玉先生は南相馬へ毎週赴き、除染支援をしているそうですが、除染後の放射性物質の運搬や受け入れは、法律違反に当たるのだそうです。

 

私が最初に閲覧したYoutubeの画像は、もっとも閲覧者が多く、数十万人に達していたと記憶していますが、現在では閲覧禁止になっています。何だかとてもきな臭い。また、これだけインパクトのあるニュースがほとんど報道されていないというのも、きな臭すぎます。隣国での高速電車事故に関する報道規制はあまりにも醜すぎますが、似たような臭いを感じるのは、私だけでしょうか。日本国民は馬鹿にされています。

 

まず、日本人の方は、こちらの映像を。

こちらでは、日本語がわからない方のために、英訳をつけてくださった方がいらっしゃるので、そちらの映像をお借りします。

今回の会では複数の参考人が招致されていますが、日本学術会議副会長、東大名誉教授の唐木氏の答弁は、全く趣きが異なります。

何故か、この映像は削除されてしまったので、こちらを。こちらは、全参考人の答弁が収録されており、唐木先生の答弁は13分50秒で始まります。


こちらの答弁の書き起こしは、こちらのブログに。このブログの筆者と同じ感想を私も持ちました。

私も癌の生物学を研究する研究者の端くれですから、児玉先生のおっしゃることは良く理解でき、一つ一つ頷いて聴いておりました。内部被曝は、その線量によって、増殖中の細胞のDNAに障害を与える可能性が高くなります。極論すれば、一粒子の放射性物質であっても、それがDNAに障害を与える可能性はゼロではないし、線量が高くなればなるほど、その可能性は上がる訳です。それが、p53などの癌抑制遺伝子に変異を起こしたとしても、それだけで発癌する訳ではなく、変異を有する細胞に、次の発癌刺激が加わると、発癌に至るのです。一粒子であっても前癌状態にするのに十分とも言えます。児玉先生の答弁で紹介された、ウクライナでの内部被曝の尿路上皮に与える影響についての福島先生の研究については、全く知りませんでした。尿中のごく微量の放射性物質によって、p53が変異し、MAPキナーゼやNFkβが活性化し、高頻度にCIS(上皮内癌)の発生が認められているのだそうです。甲状腺癌だけではなかったのです。

 

児玉先生の答弁の参考資料が、児玉先生のご子息により、掲載されています。

 

 

児玉先生の答弁は、是非、生で聴いていただきたいのですが、それだけではわかりにくい部分も多いため、答弁を書き起こしているブログを紹介します()。

2のブログでは、児玉先生の質疑応答に関しても書き起こしていますので、こちらを本稿の最後に転載します。

 

以下転載。

 

私は東京大学アイソトープセンター長の児玉ですが3月15日に大変に驚愕いたしました。

私ども東京大学には27か所のアイソトープセンターがあり放射線の防護とその除染などの責任を負っております。それで、私自身は内科の医者でして東大病院の放射線施設の除染などにずっと、数十年かかわっております。

3月15日に、まずここの図にちょっと書いてあるんですが我々最初に午前9時ごろ、東海村で5μシーベルトという線量を経験しましてそれを第10条通報と いう、文科省に直ちに通報いたしました。その後東京で0.5μシーベルトを超える線量が検出されましたこれは一過性に下がりまして次は3月22日に東京で 雨が降り、0.2μシーベルト等の線量が降下しこれが今日に至るまで高い線量の原因になっていると思っています。

それでこの時に枝野官房長官が「さしあたり健康にあまり問題はない」という事をおっしゃいましたが私はその時に実際はこれは、大変な事になると思いまし た。何故かというと現行の放射線の障害防止法というのは高い線量の放射線物質が少しあるものを処理することを前提にしています。

この時は、総量はあまり問題ではなくて、個々の濃度が問題になります。ところが今回の福島原発の事故というのは、100キロメートル圏で5μシーベルト、 200キロメートル圏で0.5μシーベルト、さらにそれを超えて足柄から静岡のお茶まで及んでいる事は今日みなさん全てがご存じのとおりであります。

我々が放射線障害を診る時には、総量をみます。それでは東京電力と政府は一体今回の福島原発の総量がどれくらいであるかはっきりした報告は全くされておりません。そこで私どもはアイソトープセンターのいろいろな知識を基に計算してみますとまず、熱量からの計算では広島原爆の29.6個分に相当するものが漏出しております。ウラン換算では20個分の物が漏出していると換算されます。

さらに恐るべきことにはこれまでの知見で原爆による放射線の残存量と原発から放出されたものの放射線の残存量は、一年に至って原爆が1000分の一程度に低下するのに対して、原発からの放射線汚染物は10分の一程度にしかならない。

つまり、今回の福島原発の問題はチェルノブイリと同様原爆数十個分に相当する量と原爆汚染よりもずっと多量の残存物を放出したという事が、まず考える前提になります。

そうしますと、我々システム生物学というシステム論的にものを見るやり方でやっているんですが、現行の、総量が少ない場合にはある人にかかる濃度だけを見 ればいいのです。しかしながら、総量が非常に膨大にありますとこれは粒子です。粒子の拡散というのは非線形という科学になりまして、我々の流体力学の計算 でも最も難しいことになりますが、核燃料というのは、要するに砂粒みたいなものが合成樹脂みたいな物の中に埋め込まれております。これがメルトダウンして 放出するとなると、細かい粒子が沢山放出されるようになります

そうしたものが出てまいりますと、どういうようなことが起こるかというのが、今回の稲わらの問題です。たとえば、岩手のふじわら町では稲藁57000ベク レル/kg、宮城県のおおさき17000ベクレル/kg、南相馬市10万6千ベクレル/kg、白河市97000ベクレル/kg、岩手64000ベクレル /kg
ということで、この数字というのは決して同心円上にはいかない。どこでどういうふうに落ちているかは、その時の天候、それから、その物質がたとえば水を吸い上げたかどうか(による)。

それで、今回の場合も私、南相馬に毎週700㎞行って、東大のアイソトープセンター、現在まで7回の除染をやっておりますが、南相馬に最初に行った時には 1台のエネアイカウンターしかありません。農林省が通達を出したという3月19日には食料も水もガソリンも尽きようとして、南相馬市長が痛切な訴えをウエ ブに流したのは広く知られているところであります。

そのような事態の中で通達1枚出しても、誰も見る事が出来ないし誰も知ることができません。稲わらがそのような危険な状態にあるという事は全く農家は認識 されていない。農家は飼料を外国から買って、何10万という負担を負って、さらに、牛にやる水は、実際に自分たちと同じ地下水を与えるようにその日から変 えています。

そうすると、我々が見るのは、何をやらなければいけないかというと、まず、汚染地で徹底した測定が出来るようにするという事を保証しなくてはいけません。 我々が5月下旬に行った時に先ほど申し上げたように1台しか南相馬に無かったというけど、実際には米軍から20台の個人線量計が来ていました。しかし、そ の英文の解説書を市役所の教育委員会で分からなくて、我々が行って教えてあげて実際に使いだして初めて20個の測定が出来るようになっている。これが現地 の状況です。

そして先程から食品検査と言われていますが、ゲルマニウムカウンターというのではなしに、今日ではもっと、イメージングベースの測定器というのが遥かに沢 山、半導体で開発されています。何故政府はそれを全面的に応用してやろうとして全国に作るためにお金を使わないのか。3か月経ってそのような事が全く行わ れていない事に私は満身の怒りを表明します。

第2番目です。私の専門は小渕総理の時から内閣府の抗体医薬品の責任者でして、今日では最先端研究支援というので30億円をかけて抗体医薬品にアイソトー プを付けて癌の治療にやる、すなわち人間の体の中にアイソトープを打ち込むという仕事が私の仕事ですから、内部被曝問題に関して一番必死に研究しておりま す。

そこで内部被曝がどのように起きるかという問題を説明させていただきます。内部被曝というのの一番大きな問題は癌です。癌がなぜ起こるかというとDNAの 切断を行います。ただし、ご存じのとおりDNAというのは二重らせんですから、二重らせんの時は非常に安定的です。これが、細胞分裂をする時は二重らせん が一本になって、2倍になり4本になります。この過程のところがものすごく危険です。

そのために、妊婦の胎児、それから幼い子ども、成長期の増殖が盛んな細胞に対しては、放射線障害は非常な危険をもちます。さらに大人においても増殖が盛ん な細胞、たとえば放射性物質を与えると髪の毛、それから貧血、それから腸管上皮のこれらはいずれも増殖分裂が盛んな細胞でして、そういうところが放射線障 害のイロハになります。それで私どもが内部に与えた場合に具体的に起こるので知っている事例を上げます。

これは実際には一つの遺伝子の変異では癌は起こりません。最初の放射線のヒットが起こった後にもう1個の別の要因で癌の変異が起こるという事。これはドラ イバーミューテーションとかパッセンジャーミューテーションとか細かい事になりますが、それは参考の文献を後ろに付けてありますので
それを後で、チェルノブイリの場合やセシウムの場合を挙げてありますので、それを見ていただきますが。

まず一番有名なのはα―線です。プルトニウムを飲んでも大丈夫という東大教授がいるというのを聞 いて、私はびっくりしましたが、α―線はもっとも危険な物質であります。それはトロトラスト肝障害というので私ども肝臓医はすごくよく知っております。要 するに内部被曝というのは先程から一般的に何ミリシーベルトという形で言われていますが、そういうものは全く意味がありません。I-131は甲状腺に集ま ります。トロトラストは肝臓に集まります。セシウムは尿管上皮、膀胱に集まります。これらの体内の集積点をみなければ全身をいくらホールボディースキャン やっても全く意味がありません。

トロトラストの場合の、このちょっと小さい数字なんで大きい方は後で見て欲しいんですが、これは実際に、トロトラストというのは造影剤でして、1890年 からドイツで用いられ1930年ごろからは日本でも用いられましたが、その後20~30年経つと肝臓がんが25%から30%に起こるという事がわかってま いりました。

最初のが出てくるまで20年というのは何故かというと、最初にこのトロトラスト、α―線核種なんですが、α―線は近隣の細胞を傷害します。その時に一番や られるのはP53という遺伝子です。我々は今ゲノム科学というので、人の遺伝子、全部配列を知っていますが、一人の人間と別の人間は大体300万箇所違い ます。ですから人間同じとしてやるような処理は今日では全く意味がありません。いわゆるパーソナライズメディスンというやり方で、放射線の内部障害をみる 時も、どの遺伝子がやられて、どういう風な変化が起こっているかという事をみるということが原則的な考え方として大事です。

トロトラストの場合は第一段階ではP53の遺伝子がやられて、それに次ぐ第二第三の変異が起こるのが20~30年後かかり、そこで肝臓がんや白血病が起こってくるという事が証明されております。

次にヨウ素131。これヨウ素はみなさんご存じのとおり甲状腺に集まりますが、甲状腺への集積は成長期の甲状腺形成期が最も特徴的であり小児におこりま す。しかしながら1991年に最初ウクライナの学者が「甲状腺がんが多発している」というときに、日本やアメリカの研究者はネイチャーに「これは因果関係 が分からない」ということを投稿しております。何故そう言ったかというと1986年以前のデータがないから、統計学的に有意だという事を言えないというこ とです。

しかし、統計学的に有意という事がわかったのは、先程も長瀧先生からお話しがありましたが20年後です。20年後に何がわかったかというと、86年から起 こったピークが消えたために、これは過去のデータが無くても因果関係があるという事がエビデンス(evidence 証拠・根拠)になったですから、疫学的証明というのは非常に難しくて、全部の事例が終わるまで大体証明できないです。

ですから今 我々に求められている「子どもを守る」という観点からは全く違った方法が求められます。そこで今行われているのは、ここには国立のバイオアッ セイ研究センターという化学物質の効果をみる福島昭治先生という方が、ずっとチェルノブイリの尿路系に集まる物を検討されていまして
福島先生たちがウクライナの医師と相談、集めて500例以上の、前立腺肥大の時に手術をしますと、膀胱もとれてきます。これをみまして検索したところ、高 濃度汚染地区、尿中に6ベクレル/ℓという微量ですがその地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも、増殖性のぜん癌状態。我々からみますとP38 というMAPキナーゼとNF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)というシグナルが活性化されているんですが、それによる増殖性の膀胱炎というのが必発であ りまして、かなりの率にもう上皮内のがんができているという事が報告されております。

それで、この量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2~13ベクレル、7名で検出されているという事が既に報告されている事であります。

次のページお願いします。我々アイソトープ総合センターでは、現在まで毎週700キロメートル、大体一回4人づつの所員を派遣しまして南相馬市の除染に協 力しております。南相馬でも起こっている事は全くそうでして20km30kmという分け方が全然意味がなくて、その幼稚園ごとに細かく測っていかないと  全然ダメです。それで現在20kmから30km圏にバスをたてて1700人の子どもが行っていますが、実際には避難、その、南相馬で中心地区は海側で学校 の7割で比較的線量は低いです。ところが30キロ地点の飯館村に近い方の学校にスクールバスで毎日100万円かけて子どもが強制的に移動させられていま す。このような事態は一刻も早く辞めさせてください。

いま、その一番の障害になっているのは、強制避難でないと保証しない、参議院のこの前の委員会で当時の東電の清水社長と海江田経済産業大臣がそういう答弁を行っていますが、これは分けて下さい。補償問題、この線引きの問題と子どもの問題は直ちに分けて下さい。

子どもを守るために全力を尽くすことをぜひお願いします。

それからもう一つは、現地でやっていますと、除染というのの、緊急避難的除染と公共的除染をはっきり分けて考えていただきたい。緊急避難的除染を我々もか なりやっております。たとえばここの図表に出ておりますこの滑り台の下。滑り台の下は小さい子が手をつくところですが、この滑り台に雨水がザーッと流れて きますと、毎回濃縮します。右側と左側とズレがあって、片側に集まっていますと、平均線量1μのところだと10μ以上の線量が出てきます。それで、こうい うところの除染は緊急にどんどんやらなくてはいけません。

それからこういうさまざまな苔が生えているような雨どいの下、これも実際に子どもが手をついたりしているところなのですが、そういうところは、たとえばですね、高圧洗浄機を持って行って苔を払うと、2μシーベルトが0.5μシーベルトまでになります。

だけれども、0,5μシーベルト以下にするのは非常に難しいです。

それは、建物すべて、樹木すべて、地域すべてが汚染されていますと、空間線量として1か所だけ洗っても全体をやる事は非常に難しいです。ですから、除染を 本当にやるという時に、いったいどれくらいの問題がありどれ位のコストがかかるかという事を、イタイイタイ病の一例で挙げますと、カドミウム汚染地域、だ いたい3000ヘクタールなんですが、そのうち1500ヘクタールまで現在除染の国費が8000億円投入されております。もし、この1000倍という事に なれば、いったいどれほどの国費の投入が必要になるのか。ですから私は4つの事を緊急に提案したいと思います。

第1番目に国策として、食品、土壌、水を、日本が持っている最新鋭のイメージングなどを用いた機 器を用いて、もう、半導体のイメージ化は簡単です。イメージ化にして流れ作業にしてシャットしていってやるということの最新鋭の機器を投入して、抜本的に 改善して下さい。これは今の日本の科学技術力で全く可能です。

2番目、緊急に子どもの被ばくを減少させるために新しい法律を制定して下さい。私のやっている、 現在やっているのは、すべて法律違反です。現在の障害防止法では各施設で扱える放射線量、核種等は決められています。東大の27のそのいろんなセンターを 動員して現在南相馬の支援を行っていますが、多くの施設はセシウムの使用権限なんか得ておりません。車で運搬するのも違反です
しかしながら、お母さんや先生たちに高線量の物を渡してくる訳にもいきませんから、今の東大の除染ではすべてのものをドラム缶に詰めて東京へ持って帰ってきております。受け入れも法律違反、全て法律違反です。

このような状態を放置しているのは国会の責任であります。全国には、例えば国立大学のアイソトー プセンターというのは、ゲルマニウムをはじめ最新鋭の機種を持っているところは沢山あります。そういうところが手足を縛られたままでどうやって、国民の総 力を挙げて子どもが守れるのでしょうか。これは国会の完全なる怠慢であります。

第3番目、国策として土壌汚染を除染する技術を民間の力を結集して下さい。これは、たとえば
東レだとかクリタだとかさまざまな化学メーカー、千代田テクノとかアトックスというような放射線 除去メーカー、それから竹中工務店とか様々なところは、放射線の除染などに対してさまざまなノウハウを持っています。こういうものを結集して現地に直ちに 除染研究センターを作って、実際に何10兆円という国費がかかるのを、いまだと利権がらみの公共事業になりかねない危惧を私はすごく持っております。国の財政事情を考えたらそんな余裕は一瞬もありません。どうやって除染を本当にやるか、7万人の人が自宅を離れてさまよっている時に 国会は一体何をやっているのですか。

以上です。

★★★以下、質疑応答の部分の文字起こしです★★★

衆議院厚生労働委員会 「放射線の健康への影響」参考人説明より 児玉龍彦
(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)

(質問者)
どうもありがとうございます。そうしますと、たいがいは放射線による の方法はあるというふうに思いましたけれど、そうしますと線量の問題が先ほど来、出 ておりました。内部被ばくと言う話もでていましたけれど、まずは線量の所でお聞きしたいのですけれども、明石先生、唐木先生は、「大丈夫です、安心できま すよ」という話だったのですけれども、児玉先生の方からまあ、ああいうお話があったんですけども、唐木先生と明石先生の話はデータにもとづいて出ていまし て、まあ、ある程度低いところでは埋もれてわからないところが出るんでしょうけれども、まあそれ以降については有意な差が出ているということをお話されて いましたけれども、それに対するなにかご意見みたいな、児玉先生、お持ちだったらお聞きしたい。

(児玉氏)
放射線が人間の遺伝子を傷害します。その時に人間には2万5000の遺伝子がありますが、一定の数のDNA修復に関係する遺伝子、DNAの保護に関わる遺伝子があります。ふつうはこれがやられないと、低線量のものはたいてい問題なく修復されるということがわかった。
だけれども先ほど、たとえばアルファ線でやられてるP53だとか、それから我々最近、ガンゲノムシークエンスということで、肝臓がんやさまざまなものを遺 伝子配列全体を決定して、いわゆるドライバーミューテーションという、最初にがんを作っていく方向に起こってしまう変異が、何で起こるかというのを研究し ておりますと、たとえばP53のような、最初のDNAを守っていったり、そういうところに関わる遺伝子を壊すと、がんになるということがわかった。

そうしますと、実際には2万5000の遺伝子のなかで、どこがやられるかということは、極めて確率論的になってきます。ですから一般にわかるのは、統計学 的に非常にたくさんの人を集めて、たとえばあとでチェルノブイリの時の甲状腺のように、最初はですね、たぶん長滝先生なんかご存知だと思いますが、笹川財 団でしらべたときに、5万人までしらべたときに有意な差がないといわれた。ところがですね、それが今になってコンセンサスとして、6000人の甲状腺がん と15人の死亡例が生まれているという風に変わってきています。

私もともとですね、こういう問題に興味を持ちましたのは、自分はコレステロールの方が専門でして、コレステロールの薬を作る時にも、たくさんの論争がありました。

それで私は医学者として、今一番感じておりますのは、このどこの線量が安全かっていう議論と、国の政治的な関わり方を分けていただいて、国は、ようするに コレステロール論争の時に一番大事だったのは、コレステロールを下げる薬をやって心筋梗塞が減るかどうかという問題、それで今日の厚生委員会でも考えてい ただきたいのは、学問論争に対して厚生委員会で結論を出したり考える必要は私はないと思っています。

国民の健康を守るためにどういう事ができるかという時に、まずセシウム137というのは、自然界には1947年以前に存在していないものです。原発と原爆で生まれて、それが1960年代の初めに水爆実験によってピークになったものである。

その時に、猿橋勝子さんという女性研究者が、海水のセシウム濃度が100倍になっているということを微量線量計で確認して、これでアメリカに行って公開実験というのをホルサム博士とやって、これが大気圏内の核実験禁止の大きな学問的根拠になりました。

その後セシウムはずっと減ってきていたのが、またそれをはるかに倍する量に今、上がろうとしている時であります。

そうしますとその線量議論の問題を言うよりも、元来自然界にないセシウム137というのが膨大に 巻かれて、ガンマカウンターでかんたんにわかるような量に散らばっている、しかもそれが広島原爆の20倍の量撒かれている事態に対して、国土を守る立場か ら、ぜひ積極的な対応をお願いしたいというのが基本的なお願いです。

(質問者 「山口君」)
どうもありがとうございました。結論づけるつもりはないですし、県民、国民はどうしてたかというと、一番不安な、一番危険なところを聞いて、まあ、動いて いるというのが実態じゃないでしょうか。安全だと思っている方もいらっしゃいますし、中にはまあ、線量が少ないところであっても子どもを連れて県外に避難 されていらっしゃるかたもたくさんいらっしゃると思います。やはり不安でしょうがないと思うんですけれども、

まあ、避難区域の住民が戻れる条件、いま避難区域になってますけれども、先生方でこういう条件にしたら避難区域に戻れるだろう、もう今でも充分戻れるだろ うっていう場合もあるでしょうし、先生方によって違うでしょうが、避難区域に戻れる条件を少し教えていただきたいんですが、時間がなくて聞きたいことが いっぱいあるんですけれども簡潔に教えていただければと思うんですけれどもどなたでもけっこうです。

(児玉氏)
私が一番申し上げたいのはですね、住民が戻る気になるのは、行政なりなんなりが一生懸命測定して、除染している地域です。

ですから測定も除染もなければ、安全だ不安だといわれても、信頼できるところがありません。ですからこの数値が安全、この数値がどうということではなし に、行政の仕組みが一生懸命測定をして、その測定に最新鋭の機械を投じて、除染に最新鋭の技術を持って、そのために全力でやってく自治体が、いちばん戻る のに安心だと思います。

(質問者)
はい、どうもありがとうございました。その、牛の基準であったり、コメ、これから作物作ってかなきゃいけないし果物とかもありますけども、今まあ厚生労働 省で基準を作って、これくらい食べても5ミリシーベルト超えなければ大丈夫ですよとか、さきほどもお話があったかもしれませんけれども、まあ、ひとつそ の、農家でコメを作るとかですね、果物を作るっていう、何かそういったところで作る段階での基準みたいなのはございますでしょうか どなたかお願いできま すでしょうか

(児玉氏)
ええと入口のほうで基準を決めてても、非常に厳しいと思ってます。生物学的濃縮というのは、さまざまな元素が体に入るとトランスポーターとか結合タンパク というので、極めて特殊な集積の仕方をしますので、ですからやっぱり出てきた農産物をきちんと見るというしくみを徹底的に作っていかなくてはならないと思 います。

そうするとですね、やっぱりラインのようなかっこうで、どんどんイメージとして、その農産物が量がチェックできるようなしくみ、実際にはあるんですが、まだほとんどこういうのの測定に使われていませんので、そういうものを全国の産地に緊急に整備して頂いて。

あと、今回の稲わらのように、想定外の場所での濃縮事件というのは、自然界では山ほど起こります。

ですからやっぱり出口の、食物の出ていくところでのチェックというのを緊急にものすごく良くするというのが、大事になってきます。

(質問者)
現地でもですね、各小学校単位ごとにそれぞれの専門家の先生方をお招きして、放射線の勉強会、その参加の数は何百人、一校単位ですから何百人という方が、 来るんですけども、何回やっても同じなんですね。だからこれは本当にどうすれば不安というものを取り除くことができるのか。たとえば私はですね、科学的な ことをいくら説明しても、理解しても体がついていかないという、こういう状況下におかれていますので、もうその方は、避難できる方は避難してください、そ してそれに対する支援をしていく。避難できない方は、きちんと家庭での防護策といいますか、それを我々政治の方はやるべきだなと、私自身は思っております けど、その辺は、いかがでしょうか

(児玉氏)
信頼感っていうのは、言葉で説明を聞いて生まれるんではないと思います。私も毎週、南相馬に行っているんですが、南相馬のたとえば方たちが本当に汚染してる学校やなんかを案内してくれるのは、やっぱり一回目じゃ、ないんですよね。

だから支援に来てる人がただ一回だけ来て帰って行ってしまうみたいのは、かえってすごく問題をひどくするだけで、やっぱり本当に持続的にやって行こうとす ると、一緒に測って一緒に考えて除染していく、避難されたい方は避難を応援する、そういうのがすごく、大事ではないかと思っています。

それで南相馬に行って私どもが最初に言われたのは、やっぱりさっき言ったその、線量の低いところから高いところへスクールバスで子どもが千人を超え移動さ せられているということで、それで実際に地域を見てもひとつの学校を見ても、さっきから何ミリシーベルトだったら安全ですかという議論は、わたくし現実味 がないと思うのは、例えば2マイクロシーベルトの学校を測っていても一か所に行くと33マイクロ シーベルトなんです。ですからそういう時にいったい何ミリシーベルトの土地とするかという問題が出てきてしまいますから、やっぱり高いところがあったら必 ず刈り取って行きますよと。測って一緒にやっていきますよと。不安があったら相談に乗りますよと。農産物があったら最新鋭の科学機器を集めて最高の検査 メーカーが来てやりますよというような体制がない限り、安心できないというのが当たり前ではないかと。

ですからいま求められているのは、最高の施策が福島県民に与えられるように、国会でぜひ考えていただきたい。

(質問者)
ありがとうございました。最後に児玉参考人に伺いたいと思うんですけれども、まさしく今日内部被ばくの問題がずいぶん話題になりました。また遠距離被ばく ということもみなさん先生がだいぶ指摘をされましたので、そういう観点で除染作業もやってらっしゃる先生から、一言伺いたいと思います。

(児玉氏)
私、放射線取扱者に1977年になりまして、1995年から放射線取扱主任として、除染と規制に関わっております。それで今まで、科学技術庁告示平成12年から、我々がやらされていたこと一つだけご報告します。

それは、たとえば妊娠可能の女子については、第5条4項で、内部被ばくを1ミリシーベルト以下にする、それから第6条第3項、妊娠中である女子の腹部表面 については前項第4号に規定する期間につき2ミリシーベルト。これを規制されてその規制を守るべく、30年やってまいりました。

ところが、福島原発の事故で、広島原爆の20個分の放射線がまき散らされたとたんに、このような基準がすべて反故にされている。さきほど福島県の議員から、どのようにしたら安心かというご質問がありました。

私は、安全に関しては基準を決めたら、危機になったらそれを変えていく格好ではだめだと思います。いま今年できないかもしれないけども、来年までにその基準に持って行く、再来年までにはこうするということがなければ、住民が安心できるわけがないではありませんか。

そのためには、最初から申し上げている通り、広島原爆20個分の天然にはないセシウムを撒き散らした東電と政府の施策を反省し、これを減らすために全力を 上げる以外に、安心できる解決などありえないです。そのことを抜きにして、どこが安全だという議論をいくらやっても、国民は絶対信用しません。

(質問者)
引き続いて、牛のセシウム汚染をはじめとして、今朝でしたか、腐葉土にもやはり高濃度のセシウム汚染があるということで、単に牛だけではなく及ぼす影響は 全食品に関わってきていると思います。またあの海への汚染もありますので、今後魚への汚染ということも避けて通れないと思います。その中で先ほど唐木委員 のお示しいただきました参考資料の中に、たとえば牛についてですけど、全量、全個体、全体検査や抜き取り検査はかなりこれは困難というか、不適切であると いうような表現でありましたが、これは2週間ほど前NHKスペシャルでやっておりましたベラルーシでの取り組みは、チェルノブイリ事故25年を経っても、 各学校で子どもたちのミルクや野菜の放射線レベルを点検するということでございました。

やはりここまで食品汚染が広がってきているというのは、なるべく口に入る身近なところで検査するという体制、まあ、それがどこまで身近にやれるかはまたあ ると思いますが、そうした考え方に立つことが重要ではないかと思いますが、この点について唐木参考人と、あと児玉参考人は先ほどラインの測定でずっとフォ ローしていくような技術も我が国の現状においては可能ではないかというようなお話でしたので、もう少しご披瀝をいただきたいと思います。お願いいたしま す。

(児玉氏)
今おそらくやられているのは、かなり旧式なやり方なんですがゲルマニウム半導体というので、周囲を6cmぐらいの鉛で遮蔽した中にものを置いてやられています。

それで今日は半導体の検知器というのはかなり多数の種類が改良されておりまして、私が最先端研究支援でやっておりますのはPETという、機械でやってるんですが、PETで検出するときには内視鏡の先でも検出できるくらいの感度の高いものを開発しております。

それでそういうのを集めて行っていまやられているのはむしろイメージングに変えている。ですから、ゲルマニウムの半導体というのはスペクトラムを出して、 長いスペクトラムを全部見るんですが、たとえばセシウムに絞って、この線量を見るんであれば、半導体検知器の検出感度がいまずっと良くなってますから、画 像型にすることが簡単にできています。

それでたとえばその一つの画像型のイメージみたいなのは、米軍から供与されてヘリコプタに乗って、地上の汚染をやるのに、まあいろんなところで、今日あたりは茨城県をやってると思いますが、検知器で地上を映すようなものがやられております。

それで農産物をたくさんやろうとする場合には、ライン化したところで多数のものをできる仕組みをやらなくてはなりませんから、イメージングの技術を基礎に して半導体を集めたようなもののセンターをたくさん作って、流れ作業的にたくさんやれるようにして、その中でハネるものを、イメージで、画像上で、これが 高いと出たらハネていくような仕組みを、これは既存の技術ですぐ出来ますものですから、それを全力を上げてやっていただきたいと思っております。これを生 産地にかなりのところで作る必要があると思っています。

(質問者)
最後に児玉先生に一つお願いしたいと思いますが、アイソトープセンター、これは全国にございますが、今回の除染に活躍させるために何が必要か、お願いいたします。

(児玉氏)
5月に、全国のアイソトープ総合センター会議というのがありまして、そこでいろいろ議論をしていた時に、まあ文科省の放射線規制室の方が仰ってたのは、福島原発以来のRIはRIではないと。

我々は国民の生活に責任を持つという仕事をやってるんではなくて、法律に決められた放射線取扱者を規制することが仕事だという風に仰っていました。

それで、ある面では私非常に違和感を感じたんですが、もう一方ではたとえば文科省の法律の規制室の方は従来の規制に従ってやらざるを得ない、それで高い線 量のものが少量あるということを対応した法律体系はありますが、低い線量のものが膨大にあるという、それをどう除染していくかということに関する法律がほ とんどなくて、今も汚泥問題、その他すべて問題になっているのはそこであります。

それで、しかしながら現在の全国のアイソトープ総合センターなんかは、旧来の法的規制のまんまでなんらのこれらの組織、たとえばゲルマニウムの機械が足りないというお話がありましたが、そんなものは全国にたくさんあります。

ところがそこへの持ち込み、持ち込んだ廃棄物の引き取り、こういうのが法律的にまったくない。だから今も東大のアイソトープセンターでやってんのは全部違 法行為だと申し上げました。この場合にはセンター長である私と、専任教官と事務主任の上で審査委員会を設けて、内部でチェックして超法規行為を勝手にやっ てるっていうのが現状であります。それで、そういう法律を一刻も早く変えて、測定と除染というのにぜひ立ち上がっていただきたい。それなくして親の安心も ないし、しかも先ほどから長滝先生たちが仰っている、原爆型の放射能の常識というのは、これは原発型の場合には全く違います。

それから先ほど仰いました、長滝先生のおっしゃった、一過性に核医学で治療をやるというのも、これも形式が違います。われわれたとえば抗体にニトリウム? をくっつけておくと、ゼバリン?という医薬がありますが、あれは一過性にもかなりの傷害を起こしますが、それでもがん細胞をやっつけるためにいいからやっ てるということであって、正常者にこれをやることはとても許されない、無理なものであります。

それで、ですから私が申し上げたいのは、放射線総量の全体量をいかに減らすか、これはようするに数十兆円かかるものであり、世界最新鋭の測定技術と最新鋭の除染技術をただちに始めないと、国の政策としてまったくおかしなことになるんです。

いま我々がやってるたとえば幼稚園で除染します。除染して、高圧洗浄液でやりますと、側溝に入ります。側溝をきれいにしています。しかしその側溝の水はど こへ行くかというと、下流の農業用水になっています。それで、イタイイタイ病の時の経験は、カドミウムの除染を下手にやりますと、二次被害を引き起こし た。ですから国の政策として国民の健康を守るためには、総量の問題をまず考えてください。緊急避難と、ひとつ、総量の問題、ふたつ。これをぜひ議論をよろ しくお願いします。

(質問者)
最後に一点だけ児玉参考人にお伺いをしたいと思います。
細野原発担当大臣が、もうすでにですね、避難区域の解除と帰宅ということを就任早々おっしゃられて、今度まあ無人ヘリを飛ばして現地の調査を行って、場合 によっては早期に解除し住民に帰ってもらおう、こういう話が出てきています。しかしまあ、チェルノブイリの強制移住レベルを上回るようなですね、高濃度の 汚染地域が東京23区全体をうわまわる800平方kmに広がっている中で、今の状況でこの避難区域を解除するということが正当化されるのかということを、 児玉参考人にご見解としてお伺いをしたいと思います。

(児玉氏)
ええとまずですね、20km、30kmの地域というのは、非常にまだら状になっています。それで、私が一番よく存じております南相馬の場合ですと、南北で はなく東西に線量が違います。飯館村に近い方は20ミリシーベルト以上で、現在避難が開始されている。それでこちらの方は、海側の方は、それよりもずっと 線量が低いところがあります。

それで、こうした場合には、自治体が判断した方が、いまは20km、30km圏は病院は休診、学校は休校ということが、一応指示となっております。それを やっぱり学校を開いて一番低い線量のところで子どもが授業できるようにするとか、そういう判断は自治体の判断でできるようにした方がいいと思います。

ですから今の線引きの問題の話というよりも、実際にいかに子どもの被ばくを減らしたり地域を復興していくかという問題が、まず一個あります。

ただそこでもう一つの問題は、地元で聞きますと、商工会やなんかから、今は強制避難ですから、補償が出ています。だけれども避難区域が解除されたら、補償 がなくなってしまうということで、実際に私が南相馬へ行っている間も、住民の中で非常に大きな意見の違いが生まれていて、見ていてとてもいたたまれない思 いが致しました。

それでぜひ、避難の問題とそれから補償の問題を分けて、それで先ほど仰った避難の解除というのは、要するにどういう問題があるかというと、高い線量のところはこれは除染しないと非常に危険です。

それで今そういう問題になっているのは主に、年20ミリシーベルト以上の被ばくを受けてしまう地域であると思いますから、そこに関しては引き続き強制的な 避難が必要であると思っていますし、ここの地域をどう除染していくかということは、東電なり、我々科学者なり、日本政府が、とてつもない十字架を背負って いると思います。そのことを住民の判断だけに押し付けるというのは、とても難しい問題があると思っておりまして、年20ミリシーベルト以上の地域に関して は、やはりぜひとも国で、ここの避難している人たちの生活の保障と、それから除染の努力をやっぱりどんなふうに進めるかという見通しを、ほんとうに必死に 考えないといけないと思っています。

それで、20kmから30kmという現状の同心円が、それを正確に示してるかというと、いまはそうではなくて、むしろ地域復興の妨げになっている面があり ますから、地元自治体との相談の上で、そこの地域のさまざまな行政生活上の問題に関しては子どもやお母さんが一番安心できるようなものにすることを一刻も 早くやって頂きたい。それで細野大臣はある意味ではそういう意見を反映している面があると思います。

もう一方では、それを補償問題とどういう風に結びつけるかという議論がないと、やはりこれもう一 方で非常に大変な問題が生まれてしまいますので、やはり今は強制避難でないと補償できないとか、住民が被害を立証できないと補償しないという格好はもう、 まずいんではないかという風に私は思っています。

(以上)

 

Japan ger sig ALDRIG! 「決して諦めない」

日本女子サッカーの、奇跡的な優勝から一夜明けて、、、。思い出すだけでも、心が震えます。

職場の朝のミーテイングでは、複数の人に、「おめでとう」と言われました。

試合は前半から完全にアメリカペース。日本に運がなかったら、何点も得点されていても不思議ではなかったほどの、日本ゴールへのアメリカの集中砲火。何とか凌いで、0-0で前半終了。

日本がFWを二人入れ替えた直後、69分にアメリカがカウンターで先制。強かったMorgan。

 

81分にアメリカのDFのミスをついて、宮間さんがシュート。日本が追いついて延長戦。

延長戦開始7分で、宮間さんに妙なイエローカード。倒れた相手に手を貸そうとしたことを、プレー遅滞と取られた模様。(今回の主審は、アメリカに甘かった。アメリカ選手とは常に談笑。最後のレッドカードも個人的に納得いかず。)

延長戦前半終了直前にアメリカが勝ち越し。あまりに完璧なタイミングのヘデイングシュート。

この時点で、もう駄目かと正直思いました。試合終了まで残り3分、コーナーキックから、沢さんが守備の前に割り込んで決めたシュート。一瞬何が起こったのかわからなかったほどでした。

1度ならず2度のアメリカのリードに、残り3分で追いついた気迫のプレー。沢さんは、オフェンス、デイフェンス、あらゆるところに登場。ただただ凄すぎる運動量。

延長戦終了直前、またしてもMorganが抜け出したところに、DF岩清水さんがタックルしてレッドカードで退場したところで、2-2で延長戦が終了し、決着はPK戦にもつれ込みます。

翌日の手術のことが頭にあった私ですが、PK戦を見逃す訳にはいきません。(しかし、この時点で、睡眠薬を内服して準備。)

テレビのアナウンサーは、

「Jag fattar INGENTING!!!」(何が起こったのかわかりません!)

「Stannar kvar! Nu får man inte toaletten!」(テレビの前にいてください!トイレにも行かないでください!)

と叫んでいました。

PK戦前の日本選手たち。佐々木監督の笑顔が印象的で、スウェーデンのマスコミもこの「笑顔」の効用について報道していました。アメリカと違って、守るもの、失うものがない日本人選手には、自然なことだったのかもしれません。

アメリカ先攻でPK戦が始まります。日本のGFの海堀さんは、日本人選手としては高身長とはいっても、170cmしかありません。

その彼女が、、、。

何と、一人目からアクロバット的な妙技でセーブ。日本が1点を先取したところで、アメリカの二人目が、ゴールを大きく上に外すミスショット。日本も二人目は外し、アメリカ3人目。

気迫が運も呼び込んだような、、素晴らしいセーブ。

アメリカの4人目は難なく決め、日本の4人目の熊谷さんが決めれば優勝。

20歳には重過ぎるプレッシャー、、、。

そのプレッシャーを見事に跳ね返してのシュート!!!

テレビで映像が流れるたびに、泣けてきます。

世界中を感動させた、なでしこジャパンの精神力。大和撫子おそるべし。

辛いことが多い人生だけれど、諦めないで生きていきたいと思います。

なでしこジャパン、死闘の末、金メダル獲得おめでとう!!!

「決してあきらめないことの強さ」

なでしこジャパンが見せてくれました。

おめでとう!そして、感動をありがとう!
日本人であることを、誇りに思います。
私も日本人として、どこまでも諦めず、誇り高く生きて行きたい。

窓を開けたまま、叫んでいたら、玄関の呼び鈴が鳴りました。
誰かと思ったら、お隣のカップルが、お祝いのワインとメッセージを。「日本国」とちょっと違うけれど日本語で書かれていて、また感激。

明日、大きな手術があるので、今日はこれで。

Japanskor, japanskor, japanskor,,,

なでしこジャパンが準決勝でスウェーデンに勝利した際に、夕刊紙に載ったコメンテーターのつぶやき。

Japanskor, japanskor, japanskor. Överallt är dom. Korta mest hela bunten men snabba så att hälften vore nog.(日本女子、日本女子、日本女子。日本女子がそこらじゅうに。殆どが背が低いが速く、半分で十分。)

また、「skor」が「靴」という意味であることから、

Det var japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, japanskor, mockaskor, gympaskor, finskor, sommarskor, vinterskor, inneskor, ytterskor.Överallt dessa skor.

(日本女子、日本女子、日本女子、、、、、、、スウェードの靴、運動靴、奇麗な靴、夏の靴、冬の靴、内履きの靴、外履きの靴。いたるところにこれらの靴。)

という駄洒落も。

しかし、これには歴史があるのです。

1936年のベルリンオリンピックで、スウェーデンサッカーチームが日本チームと対戦し、3-2で日本が勝ったときのこと。ラジオのコメンテータであるSven Jerringが、

「Japaner, japaner, japaner」と、日本人がそこらじゅうにいるという表現をしたことが、良く知られています。「japaner」は「日本人(複数)」ですが、「japanskor」は「日本人女性(複数)」となります。

このときの音声を利用して、今回の試合が既にYoutubeに掲載されていました。

スウェーデン語のおわかりになる方は笑えるはず!

なでしこジャパン、スウェーデンを倒し決勝へ!!!

感動で涙がこぼれそうです。

前半10分にスウェーデンに先制されたものの、初めて先発したFW川澄さんが、同点とし前半終了。

 

常に60%のボール支配率をキープし、後半に沢さんの気合のへディングで逆転。そして本日のラッキーガール、FW川澄さんのダメ押しの3点目。

前半に、TV4のコメンテーターが、

「Vakna upp tjejer!」(目を覚ませ、お嬢さんたち!)

とつぶやいたのち、3点目以降は、全くの沈黙。アナウンサーの実況放送だけがさびしく流れました。

日本の選手たちの素晴らしいプレー。疲労をものとせずお互いを助け合う日本の選手たちは、スウェーデンのプレーとは全く異なりました。日本の選手の、「勝ちたい」という気持ちが、勝っていたと思います。個人的には、沢さんは勿論ですが、DFの鮫島さんや、熊谷さんに注目。日本の固い守りに、スウェーデンが誇る8番、Lottaも全く見せ場なく。GKの海堀さんも素晴らしかったです。彼女の十分に時間を取ったプレーに、TV4のアナウンサーが、「Dommarna får jobba hårdare.」(審判はもう少し頑張って。)と、あたかも彼女のプレーが時間オーバーかのようなアナウンスをしたので、一人で「Tyst!」(お黙り!)などと叫んでおりました。

ここまできたら、アメリカに勝って金メダルを取ってほしい!!!


 

試合前の日瑞両国の国歌斉唱の際に、日本人選手が、胸に手を当て、目を閉じて集中しているのに比べ、スウェーデン人選手は両手を前か後ろに組んで、笑顔だったのが、とても印象的でした。勿論、日本人選手に胸がきゅんとなりました。

 

日本を離れスウェーデンに住んでいても、スウェーデンではなく、日本を応援している自分に、「私はやはり日本人なんだ」と強く思いました。

 

勿論、3位決定戦は、スウェーデンの応援団となります。

おめでとう、なでしこジャパン!Grattis Japan !

現在、ワールドカップ2連覇中のドイツ。開催国。

優勝候補ドイツ相手の準々決勝。誰もが、ドイツが勝つ試合と思っていたはず。

延長戦半分を折り返したところで、0-0のタイ。まさかの延長後半4分で、凄い角度からの美しいゴール!


泣けました。鳥肌が立ちました。

格上チームに対して、耐えに耐え、凌ぎに凌いで、ものにしたチャンス。

実力は勿論ですが、最後に勝敗を分けるのは、精神力、気合。そんなことを改めて強く感じました。

おめでとう、なでしこジャパン!

感動と明日への力をありがとう!


日本の国際的競争力、レベルの低い「医学博士」

先日、職場の専修医である女医さんの、学位審査がありました。

スウェーデンにきてから、所謂、MDの学位審査というものを見たことがありませんでしたが、同じカロリンスカ内でも、MDの学位審査と、nonMDの学位審査では、いろいろと違うのだという印象を受けました。日本でも、MDとnonMDでは違いがあるし、そもそも、大学毎に違うという感覚を持っています。

 

彼女の学位審査の話をする前に、このあたりのことを少し書いてみたいと思います。

 

カロリンスカ大学Solna(所謂、本院のようなもの)では、研究所キャンパスと病院キャンパスは、Solnavägenという道で2つに分かれています。基本的には、医学部の学部教育と基礎研究は、研究所キャンパスがメインで行われてます。MDが学位を目指す際には、病院キャンパスで研究を臨床と平行してすることが多いようです。勿論、例外もありますが、MDとnonMDの学位論文の内容を比較すると、どうしても、MDの方が若干レベルが低いという印象です。MDにとっては臨床も同時に行わなければならず、その条件を考えれば当然で、これは、日本でも同じ傾向があると思います。

日本で問題なのは、大学毎で出される学位の質に差があることだと思っています。私が主に経験があるのは、MDが学位を取得する場合です。所定の授業単位の取得などについては、明らかな規定があるとしても、学位取得で最も重要である論文に関する基準は、施設によって天と地の差があります。私の母校では、私が在職当時は、学位論文の基準設定は、担当科の教授に任されていました。論文のレベルは、以前にも書いたことがありますが、インパクト・ファクターによって決まりますが、中には、インパクト・ファクターのない低いレベルの学術雑誌もあります。例えば、「日本○○科学会誌」のような雑誌は、そもそも日本語で書かれたnon-internationalな雑誌ですが、私が知る限りでも、母校の学位論文にも、残念ながらそのようなものが含まれているのが事実です。とある三流私立医大の場合は、講師以上のスタッフが、「雇われて」、学位論文を代筆することもあると聞いて、びっくり仰天したこともあります。つまり、学位を「買う」訳ですから。それほどひどくなくとも、「○○医科大学雑誌」というような、大学が出している学術雑誌で、勿論日本語、学外のレビューもないような雑誌に発表された論文でも、学位を出している大学は多くあります。「博士号、PhD」という学位は、学位の中で最高のものです。日本が海外に対する競争力を保つためには、「博士号、PhD」の価値を落としてはいけないと思います。開業したり、マスコミに売るために、「医学博士」があると箔が付くとか、現在の「医学博士」は国際的には殆ど価値のないものになってしまっていると感じます。

ヨーロッパでは、このような問題に既にEUレベルで取り組んでいます。1999年6月にボローニャ宣言(Bologna Declaration)が採択され、当時EU加入国であった15カ国を大きく上回る29カ国(オーストリア、 ベルギー、ブルガリア、チェコ共和国、 デンマーク、エストニア、フィンランド、 フランス、 ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、 アイスランド、 アイルランド、イタリア、 ラトヴィア、 リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、 オランダ、 ノルウェー、 ポーランド、 ポルトガル、 ルーマニア、 スロヴァキア共和国、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス)が署名しました。

ボローニャ宣言の目的は、

1)ヨーロッパにおける雇用可能性と移動性を本質的に高め、ヨーロッパの高等教育の競争力を強化するために、 2010年までの10年間でまとまったヨーロッパの高等教育圏を作る。

2)理解しやすく比較可能な学位の枠組みを作る。

3)大学のレベルで、 基本的に学部と大学院という二段階式のシステム(two cycle system) を採用する。

4)ヨーロッパ単位互換制度(European Credit Transfer System) を促進し、教育の一部を他国で受けられるようにするために単位制度を確立することで学生の移動を促進する。

5)比較可能な基準や方法を開発することによって、 ヨーロッパという次元で質の保証を行なう。

6)ヨーロッパ圏の中で学生と教員の自由な移動を向上させることにより、「ヨーロッパの高等教育の競争力」をつける。

 

ボローニャ宣言を採択したスウェーデンでは当然、PhDの基準は、ボローニャ宣言に従ったものとなっています。

カロリンスカでの学位審査の条件は、簡単には、

1)4年間、2)規定の授業単位の取得、3)ハーフタイムセミナー

を満たした上、学位論文は、Internationalで、peer reviewのある学術誌へ発表され、筆頭著者である論文が最低1枚、という条件です。実際には、筆頭著者である論文が1枚では審査を通過しないのが常で(CellやNature、Scienceなどの超一流雑誌であれば例外)、共同著者である論文、投稿前の論文などが必要で、それら複数の論文をまとめて、一冊の学位論文を書き上げるのが一般的です。

学位審査の準備が整ったら、最後は審査になりますが、当該研究の分野に通じる研究者を、opponentとして一人招き、審査が行われます。基礎研究の場合、学生が優秀であればあるほど、優秀なopponentを選ぶ傾向があります。カロリンスカ内の研究者の場合、opponentをしても謝金が出ないため、駆け出しの研究者で、opponentとしての経験が必要、という人以外は、あまりoponentを引き受けたがらないのが事実。また、イギリスと異なり、この学位審査で不合格とすることは、ほとんどないため、優秀でない学生であればあるほど、そのレベルにあった質問をしてくれるopponentを選ばなければなりません。学位論文の論文リストをみても、学生が優秀であるかどうか判断できますが、論文のレベルは運、不運も関係します。しかし、opponentが著名な海外の研究者であれば、その学生が優秀であるということが、明らかにわかるのです。

 

審査はたいてい、opponentが当該分野のサマリーしたあと、学生が45分程度の発表をし、その後2時間程度の質疑応答があります。opponentとの質疑応答が終わると、審査委員会のメンバーによる質疑応答があり、場合により、聴衆からの質問を受け付けて終了。初めて、学位審査を見学した際には、日本との違いに驚いたものでした。

 

ヨーロッパでは、複数の国が協力して、国際的競争力を高めるために、互換性のあり質の高い高等教育をめざしています。対する、日本では、同じ国の中でも、基準がばらばらです。これでは、日本の学位の国際的評価を落とすことになってしまいます。

 

日本の研究者が海外へ出ていく場合、日本のローカルルールがネックとなる場合があります。その一つが、特に、医学部、殊に臨床科から出される学術論文における、著者の扱いです。

筆頭著者を決めるのは、日本でも海外でも差はないと思いますが、日本のローカルルールは、第2著者と最終著者です。最終著者には、たいてい、研究には関わっていない、教授がなります。実際に、最終著者にあたる指導者は、第2著者となることが多い。しかし、海外で戦う場合、第2著者がいくつあっても、あまり強みにはなりません。教授がフェアーである場合はそれでも、corresponding authorをもらえれば、この研究は自分のアイデアであるということを示すことができますが、そういう場合は幸運な方です。

 

いずれにしても、日本の、殊にMDにおける学位や研究に関するシステムは、国際的競争力を考える上で、欠陥の多いシステムだと思いますが、何とかならないものでしょうか。学位論文が日本語では、海外の学生を呼んでくることもできません。

 

ボローニャ宣言ですが、イギリスは署名をしているにもかかわらず、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学は、ボローニャ宣言に従うつもりはないそうです。もともと、超名門は、それで戦えるという自信があるのでしょう。

 

以上、ぼやきでしたが、次回、同僚女医さんの学位審査について書きたいと思います。

日本泌尿器科学会総会(名古屋)

先日、日本泌尿器科学会に参加するために、一時帰国をして参りました。最後まで帰国を中止しようか迷っていましたが、観光客として少しでも日本に貢献しようというつもりで、行って参りました。

 

行きはフランクフルト経由。フランクフルトー成田便ジャンボはガラガラでした。やはり日本へ飛ぶ人は少ないのでしょう。その反面、フランクフルトで日本人団体客をかなり見かけました。

 

成田に着いて感じたのは、「節電」が徹底されていることでした。動く歩道や、エスカレーター、照明などがかなり休止しているものが目立ちました。

 

と、前置きが長くなりましたが、学会は名古屋で。実は私は名古屋には足を踏み入れたことはありませんでした。ですので、土地勘も無く、全くのおのぼりさん状態でした。初日は名古屋駅から直接会場である、国際会議場へ。予想以上に立派な建物でした。

立派な像に感心して撮った写真ですが、何の像か確認せず。とほほ。

会場に到着すると、受付を済ませます。会費18000円。これで20点獲得。このために遥々飛んできたのです!

震災後につけられたサブタイトル、「陽は必ず東から昇る」の垂れ幕が。

東北地方からの演題はキャンセルされたものもあったようでした。

心を動かされたのは、海外からの招請講演の演者の来日中止が見当たらなかったこと。

前立腺癌手術の父、Dr Walshはこう語りました。

「私が出来ることは訪日することだと思った。」

泣けます。

 

学会の楽しみの一つは、「食べる」こと。

学会場に近い奇麗なホテルの朝食はバイキング。

なんと、きしめんから、

名古屋名物?エビフライまで。朝からエビフライなんて、ちょっと重いですが、、、。

夜は、先輩に美味しいお寿司屋さんに連れて行ってもらいました。住宅街にある、「浜源」さん。

私は「貝」が好き!

光りものも好き!

勿論、こってり系も好きです。

 

美しく仕込みがされたネタ。

ホテルの最上階には美しい夜景がみえるバーがありました。

こちらは、自分の部屋から。

次の日は、いくつか講演を聴いてから、念願の「ひつまぶし」を食べに!

蓋のついたお櫃に、

薬味。

わくわくしながら蓋を開けると、、。

凄い迫力!このままでも十分美味しくいただけますが、やはり薬味を添えてのお茶漬けが最高です!食べかけで失礼致します!

今回は、こちらのお店にお邪魔しました。

 

夜は、名古屋城で能の鑑賞と懇親会があったのですが、パスして東京へ。

揺れない国に住んでいる私としては、毎日のように揺れる東京滞在は怖ろしかった!

でも、やはり日本はいいな。

学会の興味深い話は、この次にでも。


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