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ileal ureter interposition

スウェーデンで働くようになって、日本では見なかったような大手術を見ることがあります。一緒に働くことの多い、下部消化器外科は、再発癌に対してしつこく外科的切除をしますし、HIPECもかなりやっています。婦人科も同様。肉腫グループに至っては、hemipelvectomy(両足切除含め)などもやります。

ですから、回腸導管や、尿管の膀胱への吻合くらいは、各科でやってしまうことが多いのですが、複雑な尿路再建になると声がかかります。事前に話があることもありますが、緊急に呼ばれることも少なくありません。

泌尿器科では、ほとんどの医師がロボット手術しかしないため、開腹手術でかつ高難度の手術ができる人は、ほとんどいません。そしてそれは、先夏に大騒動を起こした男女差別をするイラン人と、私。ちなみに、先夏以来、彼は挨拶もしません。

最近も、緊急に何回も呼ばれ、ileal ureter interpositionを執刀しました。日本では見たことがありませんでした。

巨大な腫瘍や、周辺臓器に浸潤するような腫瘍を切除する場合、膀胱や尿管を合併切除しなければならないことがあります。その時に、症例に合わせて尿路の再建をするのです。膀胱に尿管を直接吻合するのが一番簡単ですが、尿管の長さが足りない場合には、膀胱の一部を尿管とするボアリ法が有名です。膀胱容量が少なかったり、それでは長さが足りない場合には、小腸を使って再建します。また、小腸もそのまま使ったり、Yang Monti管といって、小腸を開いてそれを90度違う方向で管として縫い直すことにより、短い小腸から長い管を作って再建するなどの、様々な方法があります。

しかも、尿管として用いる小腸には血管が付いていますから、それを大腸の腸間膜のどちら側に引き抜いたら良いのかなどの判断をしなければならず、複雑な手術です。膀胱全摘などよりも、ずっと難しいのではないかなあと思います。

先日、肉腫チームのオペに呼ばれて手伝いに言ったら、「こんな風に再建ができるなら、今度からもっとお願いしたいなあ。これまで、尿管が短くなったら腎臓も切除してたんだ。」と言われました。正常に機能している腎臓を捨ててしまうのは勿体ない。

夏休みが迫っているこの時期も、直接電話がかかってきてオペの手伝いの予約が入ります。「Ayakoにお願いしたいから、何とか時間を開けて。」と頼まれるのですが、外来をキャンセルしたりしてリスケしなければならないので大変。本来は、若い先生に教えて、再建手術のできる術者を増やさなければならないのですが、それも大変。

機能再建は実に奥が深い。癌の手術は、取るだけ。あとで再発したりしても、癌のせいにできます。対して、機能再建は、その名の通り、機能しなければならない。先日、脊損患者さんの膀胱拡大術(これも小腸を使う)と腹部に膀胱にカテーテルを挿入して導尿する管を作る手術をしました。導尿用の管は、Yang Montiで作成したり、盲腸を使ったりします。オペ後に、導尿がちゃんとできて、漏れもないと患者さんから報告してもらった時の嬉しさといったら!

外科医は辛いけれど、天職かなあと思います。

超過勤務は当たり前で、子供達のお迎えには、私はまず行けないので、行ってくれる夫にも感謝。

2 comments to ileal ureter interposition

  • Memeko

    図解入りで、勉強になります!どの縫合糸や尿管ステントを使うのかも今度ぜひレクチャーを!

    • ありがとうございますー!縫合糸は(ご存知だと思いますが)吸収糸。これは、非吸収糸を使うと結石の原因になります。あとは、多少好みもあるかも。私は、モノクリル、PDS、バイクリルなどを使い分けしています。ステントは基本は長めのダブルJステントです。回腸導管や自排尿型膀胱の際にはシングルJです。

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