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夏日に恵まれたクルージング 前編

ERUS2013を締めくくるのは、教授と、カロリンスカのロボット部門に巨額の寄付をした、あるビジネスマンが主催するクルージングディナーでした。 Wallenius Wilhelmsen Logisticsなどを傘下に持つ会社の社長、Jonas Klebergがその人。彼の兄が若くして癌で亡くなったことをきっかけとして、彼の家族は、医学のために何かできないかと考えたそうです。そして、当時、1990年代に、出たばかりの手術用ロボットを、心臓外科部門に寄付します。その頃に初めてロボットの存在を知った教授は、心臓外科にかけあって、心臓外科がロボットを使用しない毎週金曜日に使わせてもらうようになりました。前立腺全摘術においては、ロボット手術が徐々に広まるのに対して、心臓外科分野でのロボット手術は沈滞してゆきます。そのため、ロボットを心臓外科の手術棟から、泌尿器科の手術室のある建物に移します。のちに、Jonasは心臓外科に対して、ロボットの対価を支払い、ロボットは泌尿器科のものとなったのです。

ロボットによる前立腺全摘術は、カロリンスカにおいては2002年から始まります。少し古い図ですが、現在では開腹手術は行われていません。

術創が小さいだけでなく、10倍の視野と、小さなロボット用の鉗子で、人間の目では見えない神経や筋肉が見え、人間の大きな指では届かないところの細かい操作が可能であり、前項でも述べたように、開腹手術はまるで比較の対象になりません。

カロリンスカでは、前立腺全摘術でも、ヨーロッパで1位2位を争う数を行っていますが、膀胱癌に対する、膀胱全摘術では追従を許しません。現在までに150例ほど行っており、その3分の1程度が、新しい膀胱を小腸で作る、自己排尿型新膀胱です。また、その尿路変更を含む全ての手術を体内で行っています。女性では切除した膀胱を膣から引き出すので、本当に小さい穴が6つだけ皮膚に開くだけです。

ロボット手術の解説が長くなりましたが、最初のロボットを寄付したJonasは、この10年におけるロボット手術の進歩に大変心を動かされ、最近、最新型のロボットを3台、さらに寄付してくれました。Jonasなしには、カロリンスカのロボット手術の発展はなかったといえます。あまりに長くなったので、本題のクルージングは次項に。


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