大学病院で働いていると、所謂、「ポリクリ(病院実習)」の医学生の指導にも当たることになります。各グループ、5-6人程度でローテーションしてきますが、毎回、女子医学生が多いことに驚かされます。
次の表は、2010年における、カロリンスカ医科大学の各学部における新入学生の男女比です。
「läkar-」が医学部ですが、何と、男子学生は40%強。女性が多い訳です。
カロリンスカにおける学位取得者は次の通り。
学位取得者も、毎年女性優位です。
それでは、女性教授についてはどうでしょうか。
331名の教授のうち、80人が女性。24%にあたります。そして、新任女性教授の数をみると、女性教授を増やそうとする努力がみられます。2010年では、40人の新任教授のうち、15人が女性。
その結果、女性教授の比率は年々増加中。
待遇面でも、女性は男性にひけを取りません。
Professor preklinとは、基礎研究部門の教授。男性の平均月給は58461千クローネに対し、女性は58165千クローネ。Professor klinとは、臨床部門の教授。男性の平均月給は52345千クローネに対して、女性は53875千クローネ。但し、臨床部門の教授の給料は、教授職としての給料で、これに、医師としての給料が上乗せされますので、この額の倍近い給料となっていると思われます。男女比とは関係ありませんが、日本の場合は、臨床部門の教授は、基礎部門の教授のデューティーである「教育、研究」に加えて、「臨床」がデューティーとして上乗せされますが、それでも、同じ給料です。母校の慶應大学の医学部の教授陣は、明らかに他学部の教授より勤務内容や時間が厳しいのに、同じ給料であることに不満を持っている人が多かったので、カロリンスカの臨床教授は恵まれた待遇を受けていると思います。
このように、男性優位の日本に比べると、カロリンスカにおける女性の扱いは天国のようなものです。
カロリンスカにかかわらず、他の分野ではどうでしょうか。次の図は、公的部門(国家公務員、offentig sektor)と私的部門(privat sektor)別の部門長(chef)の分布を示しています。
私的部門では男性が75%と圧倒的優位ですが、公的部門では、国家レベル(Stat)でこそ男性優位であるものの、その他では逆転しています。日本では考えられないことです。
女性の社会進出のためには、女性支援のシステムが必須ですが、最後に、育児休暇取得の男女比を示します。
1974年には、100%、女性が育児休暇を取得していましたが、年々男性の育児休暇取得が増加。2009年には、男性が22%の育児休暇を取得するまでになっています。私の職場では、ちょっとしたベビーブームなのですが、パパとなった男性医師の全てが、20%程度の育児休暇を取っていますし、子供が病気になったときにも病児介護のための欠勤をしています。この表を見る限り、日本はスウェーデンに30年ぐらい遅れていますし、未だに専業主婦が珍しくないことを考えると、これからもスウェーデンに追いつくとはとても思えません。女性も自立するという意識改革が必要なのですが、将来どうなることでしょうか。(追記:この表の解説も不十分で誤解を生みそうなので追記します。スウェーデンでは育児休暇を18ヶ月取得することができます。これは、両親の間で自由に配分することができますが、父親も1ヶ月は最低取ることを奨励するために、父親が育児休暇を取らない場合は、17か月分の手当てしかでないようになっています。この表の数字は、育児休暇をどのように夫婦間で配分したかであり、育児休暇を取得した男性の割合ではありません。育児休暇を取得する男性の割合に関しては手元にありませんが、ほとんどの男性が幾分かの育児休暇を取っているという印象です。育児手当は高所得者であっても上限がありますので、男性が高所得者である場合は、1ヶ月の育児手当の給付がなくても男性が働いた方が経済的には有利であるため、男性が育児休暇を取得しない、ということはあると思います。)








Recent comments