今回の記事は、これからスウェーデンに移住する日本人「女性」に対するアドバイス的な記事です。「はじめまして!」さんのコメントへのお返事も兼ねて。
以前の記事にも書いたように、私の経験では、スウェーデンにおける専業主婦のほとんどは移民という印象です。残念ながら、日本人女性の患者さんを担当することは、これまでにありませんでしたが、在瑞日本人ネットワークからの情報によると、日本人女性で専業主婦をしている人の割合は、スウェーデン人に比べて圧倒的に高いそうです。
私などより先輩で、70年代に移住してきた日本人女性は洩れなく、仕事をばりばりとなさっているようで、定年後の生活を楽しんでいらっしゃる方も多くいらっしゃいます。所謂、中年といわれる年代で、パートナーがスウェーデン大手会社勤務で、日本駐在中に知り合って結婚、という事情の方には、専業主婦が多いと聞いています。アラフォーで育児中であれば、我が子に日本語を教えるのが精一杯で、自身のスウェーデン語習得まで手が回らないのも事実でしょう。しかし、現在のところは問題がなくても、将来、パートナーが定年退職する時期になると事情は変わってきます。スウェーデンの年金制度も将来は不透明な部分があり、多くの人がプライベートで年金積み立てをしています。基本的に、年金は、それまでに働いて納めた税金に比例しますから、専業主婦であれば年金は雀の涙で、それでは生活してゆけません。万が一、離婚ということになれば、パートナーの意思だけで離婚は成立しますし、日本のように慰謝料などありませんので、経済的保障のないまま離婚しなければなりません。そんな事情で、専業主婦を選択肢とした移住は、個人的にはお勧めしません。ご実家が裕福で、いつでも経済的援助を受けられるなどの特別な事情の方は別として、、、。
それでも、スウェーデンは、個人のやる気さえあれば、何歳になってもチャンスを得ることのできる国です。その点では、全く日本とは異なります。高校卒業時に、将来の進路が決まっていなくても、全く不思議ではありません。医学部学生の平均年齢もかなり高く、最近、50歳代の女性医学生を見かけて驚いたこともあります。しかし、若ければ若いほどチャンスが多いことには間違いなく、日本人が移住する際には、ある程度のプランを立てておくことは賢明なことかと思います。
アラサー以前で移住してくる女性も増えてきているようですが、その場合は、スウェーデン語を学び、希望する職種に合わせた教育を受けることから始めて良いと思います。若いということは、それだけ十分に時間があるということですね。羨ましい!
アラサーで移住してくる女性には、スウェーデン人パートナーとの結婚を機に移住することが多いように思いますが、その場合は、挙児のタイミングをいつにするかということがネックとなってくるでしょう。前にも述べたように、育児中にスウェーデン語を習得することは、非常にハードルが高いようです。よって、スウェーデン語習得前に出産なさった方は、家庭内では、パートナーとは英語、子供とは日本語、パートナーと子供はスウェーデン語というパターンが多いようです。そこから抜け出すには、大きなmotivationと努力が必要です。在瑞期間が長くなれば長くなるほど、それは大変になってきます。中には運良く、英語あるいは日本語だけで通用する職場を得ている方もいますが、それは例外的です。やはり、スウェーデンで求職するには、スウェーデン語が出来ないと非常に難しい。アラフォーに関しても、アラサーとほぼ同じことが言えますが、年齢が高い分、さらに状況は厳しくなります。少し蛇足になりますが、キャリアと挙児を上手に計画するに当たっても別の問題が生じることがあります。子供が欲しいといっても、すぐに妊娠できる保障はありません。その場合、高度医療のお世話になることもある訳ですが、スウェーデンの場合、IVFは38歳までの女性に限り、3回まで無料で受けることができます。しかし、治療には順番待ちがあり、数年は待たなければいけません。つまり、30代前半に既に挙児を試み、35歳くらいまでに申し込まなければならないことになります。勿論、プライベートのクリニックもあり、そちらを選択すれば比較的短期間で治療を受けることが可能ですが、一回あたりおよそ3万クローネくらいはかかります。挙児を試みる前は、多くの人が、「不妊」とは無関係と考えますが(私もその一人でした!)、不妊に悩んでいる人は実に多く、決して対岸の火事ではありません。
目指す職種ですが、自分の興味と一致すれば、これほど幸せなことはありませんが、それはなかなか難しい。私自身の話をすれば、私は自分が医師という職種を選んだことを非常に幸運で幸福なことだと感じています。医学には国境がありません。頻度やマイナーな違いこそあれ、疾患は万国共通です。その点からしても、医療分野における就職は、移民であっても比較的チャンスが多いように思います。実際、医療には全く関係のない教育を日本で受けてきて、3年間の教育で看護師になったアラサー、アラフォーの日本人女性が複数います。個人的には医療分野はお勧めの分野です。逆に、お勧めしないのが、日本語教師、翻訳、通訳など、「日本人であること」を売る分野です。確かに日本人であることを強みとできる分野ではありますが、永久職を得たり、自活できるだけの収入を得るのは至難の業です。漫画などの浸透で、一部の若いスウェーデン人に人気のある日本語教育ですが、大きな市場であるとはとてもいえません。社会人になっても日本語を習得したい人は限られているし、例えば、老舗のNKデパートの従業員教育でも、オプションの言語は今や、中国語とロシア語です。多くの人が簡単に目指そうとする日本語教師ということもあって、日本語教育に関わる大学教員の応募でも、何十倍という狭き門。しかしながら、「日本語」を武器とした職業が興味と一致し、情熱を燃やすことのできる方であれば、勿論、是非、目指してほしいと思います。単に、「日本人だから」という理由ではお勧めできません。
いずれにしても、日本人女性がスウェーデンに移住するのであれば、スウェーデン語の習得と職を得ることは目指さなければいけないと思います。スウェーデンには、何歳になっても再教育のチャンス、教育を受けるための経済的サポートがありますから、あとは本人のやる気次第。スウェーデンの男女平等社会を支えるのは、女性の自立です。女性も男性同様に社会に貢献しているからこそ。移住を考えていらっしゃる方、日本の常識にとらわれず、頑張ってください。「備えあれば憂いなし」です。








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