最も日照時間の短い冬至を過ぎても2週間ほどは日の出が遅くなるそうです。日の入りは冬至の2週間ほど前から、その分遅くなっているのだそうです。今年の冬至は12月22日で、日の出は8時43分、日の入りは14時48分。
子供の頃は、冬至には母が柚子湯を用意してくれました。南瓜を食べたかどうかは記憶に残っていないのですが、柚子湯はその香りの高さと温かさとで、今でも良く覚えています。
スウェーデンに初めて留学したのは、今から15年前。9月に渡瑞しましたが、この年の冬はとても寒いものでした。朝8時頃から、夜は9時10時まで実験に明け暮れました。カロリンスカから当時住んでいた研究者用の寮、Wennergren Centerに、零下10度近い夜道を歩きました。湿度の低いスウェーデンの雪は結晶のまま、私が歩くのにあわせて舞い上がって光っていました。
1996年の冬至は12月21日。確か、土曜日で、クリスマス前ということもあり、ストックホルムは人影も少なくなっていました。当時、私のアパートは中庭に面した地上階。初めての海外での一人暮らしということもあり、当初は地上階であることが嫌だったのですが、ストックホルムは安全な街でもあり、生活に慣れるとともに、あまり気にならないようになっていました。
冬至の日の深夜、4時過ぎ。熟睡していた私を襲ったのはガラスの壊れる大きな音。
「ギャー!!!」と叫んで、窓とは反対にあるドアから、寮の内廊下に逃げ出しました。その後、何も物音がしないので、ドアのそばにあった電話を引っ張り出して、緊急連絡用の番号に連絡しましたが、「警察に電話しろ」と剣もほろろの返事。警察の番号を知らなかった私は、廊下に立ち尽くしていました。そこへ通りかかったのが、日本人女性研究者。彼女は友人とドイツへ車で出掛ける途中だったのですが、事情を話すと、警察に電話してくれました。
30分以上待ってようやく警察官が3人到着。うち女性が一人。3人は私の部屋を捜索したのですが、窓ガラスの内側のガラスが壊れているということで、女性警察官が私に言ったのは、
「自分で壊したんじゃないの?」
スウェーデン人女性の強さは好きですが、こういうデリカシーのない人もいて、しばしば男性よりも性質が悪かったりします。
外気温は零下15度。どこに自分の窓を壊す理由があるんでしょう。
これが、次の日に撮った壊れた窓ガラスの写真。
その後、中庭で物音がしたため、警察官は中庭を捜索し、浮浪者の身柄を確保しました。彼が窓ガラスを壊したことを自供したため、私の自損疑惑も晴れました。
この建物は中庭を取り囲むようにして立っていて、中庭に迷い込んだ彼は出口を求めて窓を開けようとしたのだそうです。
私といえば、その後、不眠症に悩まされ、壊れたガラスを見るとガラスが壊れる音が聞こえてくるなどの症状に苦しみ、地上階ではない他の部屋に移ることができるまでの1ヶ月以上日本に帰国することになりました。日本でも、電気をつけたままでないと眠ることができず、初めて精神科にもお世話になりました。ちなみに、寮の担当者はクリスマス休暇で、1週間以上の間、私の部屋の処理は、修理も含めて手付かずのまま。そして、他の部屋に移るまでの寮費は、住んでいないのにかかわらずそのまま徴収されました。流石、スウェーデン!
その後、ストックホルム警察から、事件の報告書が送られてきました。当時はスウェーデン語が読めなかったので保管したままでしたが、最近、取り出して読んでみました。
ことの経緯が細かく記載されていて、女性警官の暴言以外は、感心できる報告書でした。最後に、加害者の「Identitet」が記載されていて、「右腕の外側に、鷲と?、左腕の外側には2羽の蝶」が刺青されていたようです。彼は、もし私が負担しなければならない弁償額を支払う意思があるとも。
私にとっては悲惨な出来事でしたが、加害者が凶悪犯ではなくて幸いでした。
それ以来、冬至といえば、このときのことを思い出します。









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