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Sverigedemokraterna(スウェーデン民主党)の選挙用コマーシャル

Sverigedemokraternaは1988年に発足した政党。国会議員にメンバーを送るためには、最低4%の投票率が必要です。2006年の総選挙では2.93%と投票率を伸ばしましたが、4%には届かず。2009年のEU議会の投票で3.27%を獲得したこともあり、今回の総選挙では4%に達するかもしれないという予測もあります。

スウェーデンでは、移民問題、殊に、移民に対して厳しい政策について議論することは、タブー視されています。お隣デンマークをはじめとして、ヨーロッパでも複数の国が、移民受け入れについてより厳しい対応に転向しているにもかかわらず、スウェーデンの各政党は移民問題については口を閉ざします。

その中で、Sverigedemokraternaは唯一、移民問題をマニフェストとして掲げています。彼らは、受け入れる移民の数を減らすべきだと考えています。また、受け入れる移民に要求する条件を厳しくするべき、また、移民の持つそれぞれの文化をスウェーデンの文化と融合させるというよりは、移民がスウェーデンの文化を受け入れるべきだと考えています。具体的な条件には、移民に要求するスウェーデン語の能力、スウェーデンの歴史や社会について学ぶことなどがあり、これらについては、例えばイギリスなどでも、ビザの交付には、語学試験や簡単な歴史、社会に関する試験が行われていますし、理に叶っているのではないかと私は思います。移民独自の文化に対する規制については、たとえば、宗教建築(モスクなど)の建設禁止や、服装の規制があげられます。移民の文化をスウェーデンの文化と融合させることを好まないという考えについては、戴けないと私は考えますが、服装問題については議論の余地があると思っています。イスラム教徒の女性が、自分の夫以外に肌を見せないために、顔全体を覆うブルカを着用しますが、これについては、フランスやベルギーでは公的な場では禁止という法律が成立しました。

昨年、ロンドンを訪ねたとき、市内でブルカを着用した女性が多く歩いているのを見て、気味の悪い思いをしました。ストックホルム市内でこのような女性を見かけることは、あまりありませんが、ストックホルム郊外のRinkebyなど、移民の多い街へ行くと見かけることもあります。

病院では、看護師さんの中にも、(流石にブルカ姿の人はいませんが)、ヒジャブを被っている人を結構みかけます。

ヒジャブに関しては、殆ど違和感はありませんが、目しか見えないニカブや、目さえ見えないブルカには、かなり抵抗があります。

ブルカについては、Sverigedemokraternaだけではなく、教育に力を入れるFolkpartietも最近、「生徒の顔が教室で見えないというのはおかしい」と禁止の方向へ持っていきたい方針を打ち出したことがニュースになっていました。

スウェーデン語のできない移民は結構います。SFIという移民向けの無料のスウェーデン語学校があるのですが、それを受講しても、20年以上スウェーデンに住んでも、スウェーデン語ができない移民。外来では、スウェーデン語のできない移民患者の場合、それぞれの言語にあわせて通訳を呼びます。通訳に対する報酬は、税金である医療費で賄われます。ペルシャ語、アラビア語、クルド人でも特別な方言を話す人は、その方言を話す通訳を、、、。全く自立することなしに、社会保障システムにおんぶにだっこという移民を見ると、そうでない移民も沢山いるだけに、腹が立つこともあります。その話はまた別の機会にするとして、そんな経験をすると、最低限の条件を移民に課することは必要ではないかとも思えます。

少なくとも、今回、Sverigedemokraternaの選挙用コマーシャルを見るまでは、移民問題をタブー視し、議論もできずにいるスウェーデンの政党の中で、議論する機会を提供する彼らの存在は、ある意味意義があると肯定的に感じていました。

スウェーデン国内では、スウェーデン国営放送とTV4を自動的に受信することができます。このTV4が、Sverigedemokraternaのコマーシャルを流さないことになったという記事。記事はこちら

そしてこれが問題のコマーシャル。

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=XkRRdth8AHc[/youtube]

いやはや、これはひどすぎます。

歩行器の補助で歩く高齢の女性と、その女性を追うブルカを纏ったイスラムの女性たち。

それぞれが、Pensioner(年金受給者)とInvandring(移民)を象徴しています。

”All politik handlar om prioriteringar.”

「政治は全て、何を優先させるかということです。」

というナレーションからコマーシャルは始まります。

”Den 19:e september kan du välja invandringsbroms före pensionsbroms. Rösta på Sverigedemokraterna.”

「9月19日、「年金受給者抑制の前に移民抑制」を選べます。スウェーデン民主党に投票を。」

「broms」とは、ブレーキのこと。

最後に、年金受給者抑制のハンドルに伸びる複数のイスラム女性の手と、移民抑制のハンドルに伸びる高齢の女性の手が映し出されます。

これはいくらなんでもやりすぎでしょう。

TV4が放映を中止したことに対して、デンマークが、「言論・思想の自由の制限だ」と反発したという、後日譚もありましたが、こんなコマーシャルを作って国民の反感を買うSverigedemokraternaのやり方は思慮に欠けるといえるでしょう。投票率にいかに反映するのか興味があります。

8 comments to Sverigedemokraterna(スウェーデン民主党)の選挙用コマーシャル

  • ぺぱこか

    こんにちは。
    夫の実家が移民の受け入れが多い街なので、ここ3年の間に雰囲気ががらりと変わってしまいました。

    イスラムの夫以外の男性に素肌を見せてはいけないという偏った教えが女性の権利を無視していて私は好きではないのですが…
    今住んでいるロンドンは、記述されているようにブルカ&二キャブ着用の人が本当に多く、この前もブルカ付けた少女がバスの乗車を拒否され問題になっていました。

    テロリストがブルカを着けて逃亡したとう過去例もあるので、公共の場では廃止して欲しいと個人的には思います。ちなみに、一般人が顔を隠して公の場にいると、間違いなく警察に捕まるロンドンです!矛盾していますよね

    ロンドンも英語の出来ない移民があまりに多く、全ての公的な書類(水道料金の明細ですら)色々な言語に訳されている有様です。移民が多い事で、外国人雇用も進んでいて住みやすいのは確かなのですが、「郷に入れば郷に従え」受け入れてくれた事に感謝して受け入れ先の言葉や文化を身につけて行くべきですよね!

    スウェーデンにはイギリスのようになってもらいたくないなと思います。

    余談ですが、イギリスでの永住権、国籍取得の為のテストlife in the UKはイギリス人も知らないイギリスのテストなんですよー(スコットランドの国会には何人議員がいるか?とかです)

    長々とコメント失礼致しました。

    • ぺぱこかさん、こんにちは!ブログが大人気のぺぱこかさんでしょうか?
      私は引っ込み思案なので、いつも読み逃げしていて、ごめんなさい。

      男女平等の観点から好きではないというご意見は、流石にスウェーデン人をパートナーに持つ女性ならではですね。とはいっても、私自身も同じ意見です。でも、それだけではなく、治安の面でも、怖いですよね。一般人が顔を隠すと、ロンドンでは警察につかまるんですか?本当に変な話ですね。

      移民の受け入れについては、個人的には肯定的です。でも、おっしゃるように、移民の立場としては、「郷に入れば郷に従え」を肝に銘ずべきだと思います。スウェーデンにいる日本人でも、スウェーデンに住んでいるのに、スウェーデンの悪口ばかり言う人がいます。母国と同じようにいかないのは、当たり前であって、移民であるのに、スウェーデン人と同じような扱いを受けていることに感謝すべきだと思います。スウェーデンに期待しすぎているのかもしれませんが、、、。

      イギリス人も知らない常識テストって、凄いですね。私もイギリスに少し住んだことがありますが、イギリス人って妙なところがあるという印象がありました。

      これからもよろしくお願いいたします。

  • りえ

    こんにちは。
    現在SFIで学習してます。のんびり一年以上になります。最近学校に足が向かないんです。始めた事は最後までやり通す主義ですがつらいんです。
    全くなじもうとしない移民の多さに毎日驚くばかりです。
    「自分の子供は16才、親の言う事は一切聞かず毎日友人達と夜中まで遊び歩いてる。これはスウェーデンでは16才は大人と教育してるからだ。イスラムの教えではあり得ない。全てスウェーデンの教育が悪い。」と先生に意見する生徒がいました。一人じゃないですよ。
    疲れます、本当に疲れます。
    ぺぱこかさんのおっしゃる通り「郷に入れば郷に従え」ではないかな?と思わずにいられません。
    Sverigedemokraternaの移民への考えを私は支持したいと思います。でもこのCMはいけませんね。
    言わんとする事は解りますが、やり過ぎです。

    • りえさんこんにちは。
      おっしゃるような、「疲れる移民」は病院でも遭遇します。それについては、また記事にしようと思っていますが。
      SFIはそんな感じだと噂に聞いていたので、私はSFIの部分は独学にして、レベルテストを受けて、SAS-Gもスキップして、SAS-AとBを2ヶ月で終了しました。終了したといっても、その時点では実戦にはほど遠かったのですが、評判の悪いSFIをスキップしてSASから始めたことは、良かったと思います。SFIで学習意欲を失う人もいるようですよ。

      移民受け入れには賛成ですが、受け入れにあたり、多少の条件は必要ではないかと私も思います。しかし、このコマーシャルはひどすぎますよね。

  • 私は、ヒシャブをかぶった女性は、見たことがありますが、ブルカ、ニカブをかぶった女性は、見たことないです。デンマークは、移民受け入れを規制してますが、スウェーデン及びドイツは、移民受け入れに積極的ですよね。私自信、移民になりますが、どこまでの範囲で移民を受け入れるべきかは、少し、考慮の余地があると個人的には思います。全ての移民が悪いわけではないのに、一部の人たちの影響で、移民イコールネガティブという印象を与えてしまいうのは残念です。私、お恥ずかしながら、スウェーデン語学校は、途中でギブアップしており、その後、仕事の忙しさを理由に?100%英語で生活をしております。なので、移民は、スウェーデン語をマスターすべきというのは耳が痛いばかりです。

    • ヒマワリさん。Rinkebyの駅は、異文化体験ができて楽しいですよ。それに、ブルカやニカブの女性にも遭遇します。

      移民でも英語ができれば、全く状況は異なると思いますよ。病院でも、英語ができれば通訳を依頼する必要はありません、つまり、余計なコストはかかりませんが、私が表現したのは、スウェーデン語も英語もできない移民のことです。私も昔、短期留学で来たときには、英語しかできませんでした。でも、長期的に住むなら、やはりスウェーデン語ができるメリットは非常に大きいと思います。しかし、ヒマワリさんは英語できちんと仕事をなさっていて、つまり、納税もなさっている訳ですので、胸を張ってください。

  • おかん

    お久しぶりです!
    私の周りでも、このCMが話題になっていました!

    スウェーデンで移民問題を語ることがタブーであるようには、私には感じられません。DebattなどのTV番組で、不法移民(査証なし移民pappersöosa)について議論しているのを見たこともあります。ちなみに各政党からの参加者もいました。程度の差はありますが、スウェーデンもやはり移民に対しての引き締めを強めていると思います。
    デンマークはかなり極端な例なので、それに比べたらもちろんスウェーデンは厳しくない部類に入りますが・・・。

    SDのCMに関して、ネット上ではこんなリアクションもあったようです↓
    http://www.youtube.com/watch?v=V5bx4rUvcoo

    『ヒトラー 最期の12日間』のパロディです。データはFORESという研究機関からだそうです。ちなみに、このシーン自体が人気なようで、日本語を含め、いろんな言語でのパロディがあるみたいです!

    • こちらこそ、おひさしぶりです!
      移民について制限を加える政策を語ると、支持率に跳ね返るので、そういったネガテイブな話題は出さないのだと理解していました。
      また、友人同士の会話でも、非常に微妙な話題で、間違えるとラシスト扱いされるため、なるべく話題に出さないようにしている人が多い印象です。

      ご紹介頂いたフィルム、字幕のスピードが速くて難しいので、ゆっくりみてみますね。
      有難うございます!

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