先日、職場で泣いたことを書きましたが、これまでに職場で涙を流したのは2回。そのうち1回が人前でした。最初は、医師免許を取る前の臨床研修で、そのときの指導者の話す「スコンスカ」(スコーネ訛りのスウェーデン語)が理解できなかったところ、彼が英語に切り替えて話し出したとき、物陰で悔し泣き。今回は、いろいろな事情で、これまで自分がやりたい手術の術者ができなかった、学びたい手術を学べなかったということに耐え切れず。こうなったのは、誰かが私に意地悪をしようとしてのことではなく、たまたま私が運の悪いポジションにはまってしまったからなのですが、特に、ロボット手術に関しては、今まで4年近くで300例ほど助手をして辛抱し、順番が回ってくるのを待っていましたが、もう限界でした。
スウェーデンは男女平等といいますが、実際はやはり男性が有利であることが多いというのが私の感想です。少なくとも、外科領域ではそうです。男性と同じように、大手術を手掛ける女医さんは、大抵マッチョ。泌尿器科の中で、膀胱全摘やロボット手術を手掛ける女性は私だけ。同僚の女医さんたちは、それゆえ、私のことをタフだと言います。私は、私の興味のあることをしたいだけで、何も好んで長時間の大手術をしたい訳ではありませんし、男性と競争したい訳でもありません。しかし、男性は男性でかたまっていて、どうしても、男性に有利にことは運びます。それは、他の女医さんたちも常に感じていることだそうです。移民かそうでないかという線引きよりも、男性か女性かということで待遇が変わることの方が多いように思います。
最近、前立腺チームのチーフになったM先生は、とても好感の持てる先生。先日、彼とロボット手術をする機会があって、初めてロボット手術をほぼ通しでやらせてもらうことができました。初めてにしてはまずまずの出来だったのですが、その日のうちに、何人かの先生からメッセージが届きました。
Hej !
Jag hörde rykten idag att du opererade en helt perfekt RARP. Karolinskas första kvinnliga robotkirurg!!
ETT JÄTTE-GRATTIS!! (今日、完璧なロボット前立腺全摘をやったという噂を聞いたよ。カロリンスカで初めての女性ロボット外科医!本当におめでとう!!)
また、M先生が、「世の中は不公平だ。自分が少し言えば、言ったとおりに手が動くんだから。でも、だから指導していて楽しい。」と、他のロボットチームの先生に言っていたということを聞きました。
「う・れ・し・い!!!」
こんなことを記事にでもして、元気を出して、来年につなげたい!
女性である私は男性にはなれないけれど(というより、どんなときも女性らしさを失わないでいたい)、何とか、男性と共生しながら、男性に負けないように頑張りたい。
折りしも、麻酔科の女医さんがこんなことを言ってくれました。
「先生は、とっても女性らしいのに、男性のようにタフな手術をして、すごいねー。先生と一緒に仕事をするのは楽しいって、手術室のスタッフが言っているわよ。」
こんな言葉には、思わず、涙腺が緩みそうになります。
母親業と外科医の両立は大変だけれど、これからも踏ん張ってゆきます!男性優位にも負けないぞ~。
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