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福祉を食い物にしたCaremaスキャンダル

スウェーデンにおいて、老人ホームなどの医療・福祉サービスはKommunの管轄下で、私的・公的機関が行っています。会社によるサービスは全体の15%ほどですが、年々増加傾向にあります。会社がKommunの委託を受けてサービスを提供する場合、サービスに対する報酬の多くはKommunによって、すなわち、Kommun税から支払われます。具体的には、ストックホルムにおいてCaremaは14の老人ホームと8つのホームヘルパーの拠点を有していますが、毎日最高200万クローナをKommunより得ることができます。

 

医療・福祉サービスを提供する会社で最も大きなものは、Carema。最近、Caremaのスキャンダルがニュースを賑わせています。

2005年にイギリスのベンチャー会社3iがCaremaを買収した時の値段は18億5千万クローネ。その後、2009年にAmbea-gruppen(スウェーデンのTritonとアメリカの KKRという二つのベンチャー会社が所有)に売却されたときの額は何と、5倍以上の83億クローネだったそうです。

2011-11-12DNより )

以前から、Caremaのサービスの質に関しては問題があったようですが、今回のスキャンダルのきっかけは、「秘密のボーナスプログラム」です。

 

Caremaは営利を追求することにプライオリテイーをおいており、利益が上がれば管理者のボーナスに影響する秘密のシステムがあるとのことです。利益第一にすると、サービスの質が低下します。そのため、入所者の死亡につながった事例もあるようですが、従業員の削減は勿論、あらゆるコストの削減が行われており、その一つである、「おむつ重量計測指令」については、11月に大きく報道されました(記事)。

 

おむつのコストを下げるために、従業員は使用済みのおむつの重量計測を行うように指示されていたそうです。おむつが100%近く濡れるまでは、おむつの交換をしてはいけないのだそうです。

この「秘密のボーナスプログラム」によって、最も高額なボーナスを得た人たちは、、、。

庶民にはとても縁のない、億単位のボーナスを得ています。

その後、コスト削減のためのいろいろなからくりも暴露されました。

TritonとKKRに、3iからCarema Careが2009年に売却された際、通常税申告は、1月から12月の計算で行われるものを、売却後の2009年の5月1日から12ヶ月と変更し、このことにより、2億クローネの節税(脱税?)をしています。

さらに、TritonとKKRの属するAmbeaグループ内での資金の貸し借りにより、利益を最小限にするとともに、法人税が12%という「Skattteparadis(税金パラダイス)」であるルクセンブルグの会社に送金することにより、年間1.4億クローネの節税をしていることになるそうです。

 

この事件を受けて、医療・福祉サービスを提供する会社の利潤追求の禁止や、サービスの質の確保ほ方法など、政治家の間でも議論が始まっています。「弱者」と「税金」を食い物にして利潤を追求するなど、絶対に許せることではありません。日本の医療・福祉業界でも、大きな問題となっていますが、犠牲になるのは常に弱者です。そして、日本の場合は、膨張し続けるコストが、「医療崩壊」を起こす危惧さえ孕んでおり、スウェーデンよりも問題は大きいと言わざるを得ません。

 

スウェーデンにおける医療と福祉

スウェーデンの公共セクターは、簡単にいうと、国と地方自治体であるLandsting(県)とKommun(市)に分類できます。Landstingは全国に20ほど、Kommunは290ほどあります。Landstingは複数のKommunを包括するより広域の地方自治体ですが、LandstingがKommunを監督するというような上下関係はなく、それぞれが異なる責務を担う行政主体です。医療と社会保障については、それぞれの役割分担があり、医療はLandstingが、福祉はKommunが行っています。また、福祉において、病保険、育児休暇などの現金給付については、社会保険庁(Försäkringkassan)の管轄です。スウェーデンの歳出の多くはこの社会保障分野への支出であり、最も大きな歳出は疾病罹患時の経済保障で15%以上を占めています。余談ですが、疾病罹患時にどれだけの保障が必要であるかについての書類を作成するのは我々医師であり、その書類をもとに社会保険庁が最終決定を行うのです。

スウェーデンの国家予算の規模はおよそ日本の7分の一もあると知ったときには驚きました。国の歳入の9割以上が社会保険料収入を含む税収入。個人が国へ直接納める所得税は、所得が340900クローネを超える国民に限られ、その数は約18%の120万人。340900クローネを超える所得に20%が、507100クローネを超える所得に25%が課税されます。LangstingとKommunはその住民に対する課税権を持ち、それぞれが現物給付の形で住民にサービス提供を行っています。全ての住民は所得のおよそ20%をKommun税、およそ10%強をLansting税として支払います。課税率は各自治体によって異なりますが、結果として、国民は所得のおよそ30%を所得税として課税されています。低所得者であっても納税の義務があり、そのかわりに平等なサービスを受けられるシステムは、日本と比べて優れていると、医療現場に勤務する身としては感じます。また、(戦争難民などを除く)全ての国民が医療機関受診時には一定額の医療費を平等に支払う義務があります。

1980年代には、スウェーデンでは、高齢者ケアの中心が医療から福祉へ比重を移し、また、医療を担当するLandstingと福祉を担当するKommunの責任領域が不明瞭になってきました。高齢者医療費の増加、(治療は完了したにもかかわらず退院できない)社会的入院患者の増加なども大きな問題で、1992年にエーデル改革が施行されました。社会的入院患者の減少と入院待機患者の減少、高齢者・障害者用住宅状況の改善を目指すとともに、それまでLandstingが担っていた長期医療ケアや在宅看護の部門をKommunに移譲することになりました。Kommunは「介護つき特別住宅(老人ホーム、ケア付きアパート、グループホーム、長期療養病棟など)」を高齢者に提供する義務を負うことになりました。ホームヘルプについては、もともとKommunがその担当でした。この結果、高齢者の社会的入院患者数も5年で半減しました。

我々、急性期病院で働く医師は、患者さんの在院日数を最短とする努力をしなければならないのですが、そのためには、入院時から患者さんの社会的状況を把握して、治療が完了したら速やかに、自宅へ退院させるか、適当な機関へ移す計画を立てておかなければなりません。スウェーデンでは殊に、80代、90代でもホームヘルプサービスを利用しながら独居している高齢者が多数いますが、超高齢になると、すぐに自宅へ退院させる訳にはなかなかいかず、リハビリのできる施設を探す必要のある場合が多いのです。また、自立した生活を送るために必要なホームヘルプサービスの種類や頻度の決定は、(当然、コストがかかることですので)揉めることもあり、biståndshandläggare(ケア査定員)を病院に呼んで、Kommunと病院との間の話し合いが必要な場合もあります。

高齢者や癌患者さんなどで、定期的な治療や簡単な検査が必要な場合、訪問診療・看護(hemsjukvård)の力を借りることが多くあります。これはKommunの管轄です。いくつかの条件をクリアすれば(例えば、IVH以外のライン、venous portやPicc-lineなどを留置されている)、輸液もしてもらえます。ガンの終末期であっても家族が協力的で、自宅介護を望む場合などには非常に有難いシステムです。最近も、膀胱癌で、さらに小腸ストミーがあって、脱水が進行するため、毎日3リットルほどの輸液が必要なのですが、訪問診療のおかげで自宅へ退院させることができました。

病院や診療所、また、高齢者や障害者の福祉提供は、長くLandstingやKommun直属でしたが、スウェーデンでも近年プライベートの施設が増えてきました。ストックホルムでも、Sophia Hemmetは完全な私立の病院として知られていましたが、スウェーデンだけでなく、ノルウェー、フランス、イギリス、ドイツにも100もの病院を所有するCapioグループであるS:t Görans Sjukhusは、街中にある病院で、救急外来の対応も早いと評判です。泌尿器科では、ロボット手術も行っています。Capioグループは診療所も多数所有しています。5年前からCapioグループを所有するのは、スウェーデンの会社、Nordic Capitalです。最近、数を増やしているのが、放射線診断部門の、Aleris。カロリンスカでも、全ての患者さんの検査をカロリンスカで行うことは不可能なので、適宜、Alerisへ外注しています。

老人ホームなどの医療・福祉サービスを提供する会社で最も大きなものは、Carema。Cameraのスキャンダルについて、この次に。

独居老人の悲しい話

スウェーデンで働くようになってから、80代後半、ときに90代の患者さんを診察することが良くあります。日本では、沖縄勤務だった頃は、本土に比べると、多くの高齢の患者さんの診察をしていましたが、東京では超高齢の患者さんはそれほど多くありませんでした。日本のカルテは、「明治、大正、昭和、平成」といった元号で生年を表記していましたので、明治生まれや大正生まれの患者さんが受診すると、「高齢」という感じがしましたが、スウェーデンでは当然西暦表記ですので、当初は感覚が掴めませんでした。今までスウェーデンでは、99歳が最高齢で、100歳超の患者さんは未だに診察したことがありませんが、恐るべきことに、90代の患者さんでも一人で受診することがあります。

最近診察した80代後半の男性。転移のみられない浸潤性の膀胱癌で、既往歴もないため、膀胱全摘を予定していました。何と、ストックホルム市内のアパートに独居。一週間に数回の掃除と買い物のお手伝いに来てもらっている他は、自立しています。しかも、最近、ほぼ視力を失ったとのこと。それでも、自分で料理をしているそうです。3人いる子供は遠くに住んでいて、受診の日はそのうちの2人が付き添い。視力がないということを知らなかった私は、手術の話を始めたのですが、そこで、娘から、「お父さんは目が見えないし、一人で住んでいるから、ストーマの管理が出来ないのではないか。」という発言。そこで、手術以外の治療法を説明することになります。転移のない浸潤性膀胱癌であれば、膀胱全摘が一番ですが、根治に近い治療としては放射線治療もあります。しかし、放射線治療には副作用もありますので、高齢で盲目の独居老人ということであれば、無治療という選択肢も。

日本であれば、子供が3人もいれば子供と同居することが多いので、ストーマは家族が管理する手もありますが、スウェーデンでは親との同居というのはまず有り得ません。子供が親を介護など考えられませんし、ましてや、嫁が義両親を介護などとんでもない話です。この患者さん自身も、「今、症状がある訳ではないから、治療しなくてもいい。もう、十分生きてきたし、一人で目がみえないし、、、、。」と言います。何だか、胸が詰まるような気持ちになりました。

しかも、話をしてみると、39度台の熱が夕方になるとあり、診療所を受診したところ、抗生物質を処方されただけだったと。

「今も気分が悪いのでは?」と訊ねると、頷く患者さん。子供たちは、「こんな老人を週末に処方だけで放り出し、目もみえないのに、薬局を探し回らなければならなかった。」と怒り心頭。

熱はなさそうだが、脈を取ると、一分120ほどの頻脈。聴診上は不整脈はないが、収縮期雑音が聞こえる。大動脈弁狭窄症を持っているらしい。肺野を聴診すると、バリバリ音がする。

「スウェーデン人男性は、辛くても、辛いって言わないから、、、、。辛いときは辛いって言わなきゃだめでしょ。」と彼に言い聞かせながら、救急外来へ緊急の診察依頼を書きます。

「おそらく入院が必要だから、すぐに救急外来へ行ってください。」

日本だったら、自分の科のベッドを手配して入院させるのでしょうけれど、スウェーデンではそうはいきません。原疾患があっても、緊急性のある症状が他科のものであれば、救急外来へ回しますし、自分の科のベッドに空きがなければ、仕方がないので救急外来へ回し、救急外来の病床コーデイネ―ターにベッドを手配してもらうことになります。今回は、16時頃に救急外来へ行ってもらったのですが、18時には血液検査も終わり入院となりました。CRP200以上、白血球数2万以上もあり、高齢だし危ないところでした。

肝心の膀胱癌の治療ですが、患者さん自身は「無治療」という方向に傾いていて、とても切ない気持ちになります。

「高齢者が子供の世話にならない」で、出来る限り高齢者が自立し、介護は第三者の手に委ねるというスウェーデンのシステムには、基本的には賛成です。日本のように、未だ、「長男の嫁」が介護の犠牲になることには、疑問を感じます。身内の介護には報酬がありませんが、第三者の介護には報酬が発生し、従って、国にとっては税収となり、それをさらに福祉に回すことができます。子供世代だからといって、親の年齢まで生きることが保障されている訳ではありません。基本的に介護の責任が子供にかかるのは好ましくないと思っています。しかし、今回のような「独居高齢者」の実態、「独居」により治療が制限される可能性があることを目の当たりにすると、複雑な想いになります。

私などは、現在、両親がなんとか健康であることや、妹が両親と同居していることに甘えて、日本から遠く離れた土地で親不孝をしておりますが、そんな自分の人生も振り返り、出口の無い迷路に入り込んだような気持ちになってしまいました。

高齢者が患者さんであることが多い泌尿器科。スウェーデンの高齢者は、日本に比べて自立しているという印象です。80歳代であれば、たいてい一人で外来を受診しますし、90歳代であっても一人で来院することは珍しくありません。手術目的の入院の際も一人、退院も一人。先日も、80代後半の男性で、90代の奥さんの介護を自宅でしているという患者さんに会いました。「若い世代のお世話にはならない。」という気概は、日本人も見習ってもよいことでしょうけれど、日本式とスウェーデン式の間で中庸を得たシステムというものは実現しないのでしょうか、、、。

前立腺癌に対する新薬

バブルの終わりに研修医として働いていましたが、あの頃はMRさんの活動が非常に盛んでした。カンファレンスには豪勢なお弁当が届けられ、定期的に「鉄人のレストラン」などの豪華レストランでの接待もありました。女医さんを招待できないような接待も。バブルもはじけて、製薬会社の接待への規制も強まり、殊に、国立大学へ勤務していた頃は接待は殆どありませんでした。

スウェーデンでは、日本のような接待はありません。日本では「薬の説明会」に豪勢なお弁当が出ることは当たり前でしたが、スウェーデンではサンドイッチとか、ケータリングのランチだったりします。その反面、ヨーロッパ泌尿器科学会やアメリカ泌尿器科学会といった大きな学会への旅費援助や、講師を招いての講演会と夕食会が組み合わされるような企画があります。

今回は、ランチタイムを使って、前立腺癌に対する新薬の説明会がありました。前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)が臨床の現場で使われるようになってから20年ほどが経ちました。そもそも、1991年にNew England Journal of MedicineにPSAが前立腺癌検出に有用な腫瘍マーカーであることが発表されたのが始まりです。PSA導入以前では、前立腺癌を早期に発見することは難しく、当時はD2癌(骨転移あり)が多かったように記憶しています。前立腺癌全摘は転移のない早期の局所癌に対して行われるため、手術症例自体、殆どありませんでした。早期癌に対しては、患者さんの年齢や全身状態、症状、癌の悪性度などによって、経過観察、外科的治療、放射線治療、ときにホルモン治療が行われます。進行癌、殊に、転移を有する癌の場合は、局所療法である外科的治療や放射線治療の適応ではありませんので、全身療法であるホルモン療法の適応となります。

 

アンドロゲン(男性ホルモン、テストステロン)によって前立腺癌は増殖します。テストステロンの殆どは精巣から、5%ほどが副腎から産生されます。

このため、前立腺癌のホルモン治療では、抗テストステロン剤や、テストステロンの合成を刺激するLH-RHという視床下部から分泌されるホルモンの類似薬を与えることにより、精巣からのテストステロンの合成 を抑制する方法があります。後者は薬物的去勢とも言われ、以前は外科的に去勢術を行っていましたが、現在では3ヶ月に1度の注射で済む薬物的去勢が主流になっています。

ホルモン治療は殆どの症例で初期は非常に有効ですが、時間とともに癌が治療に反応しなくなり、PSAが上昇してきます。以前はこれを「ホルモン抵抗性癌」と呼んでいましたが、現在では、「去勢抵抗性癌」と呼ぶようになりました。なぜなら、この癌は体内に低濃度存在する副腎からのテストステロンや、癌細胞自身が産生するテストステロンにより増殖することがわかってきたからです。去勢抵抗性癌に対する治療は、女性ホルモン治療、そして、抗癌剤である、タキソテールによる治療があります。スウェーデンでは、タキソテールは、転移と転移による症状がみられる場合に癌専門医によって行われます。タキソテールの効果も期間限定で、タキソテールが効かなくなった癌に対してはお手上げ状態でしたが、そんな癌に対しても有効なのが、この新薬、Abiraterone(Zytiga)です。

男性ホルモンを含め、ステロイドやアルドステロンなどのホルモンは、体内でコレステロールから形成されます。

ホルモン生成のステップにはそれぞれ酵素が必要ですが、テストステロン生成に必要な酵素に17α-hydoloxylaseがあります。Abirateroneは、この酵素の働きを阻害することによって、テストステロン生成をストップさせるのです。

通常のホルモン療法では、副腎由来、あるいは、腫瘍由来のテストステロン生成をストップできず、それら微量のテストステロンによって腫瘍は増殖を続けます。

ところが、新薬Abirateroneは、テストステロン生成を全てストップさせることができるのです。

今年の5月のNew England Journal of MedicineにAbirateroneが転移性前立腺癌患者の生存を延長したという論文が載っています。

生存率だけでなく、疼痛の軽減にも非常に有効であるそうです。

Abirateroneは、外科的去勢あるいは薬物的去勢と共に用いられます。また、17α-hydoloxylaseを阻害することによって鉱質コルチコイドが上昇し、低カリウム血症などの副作用が出るため、ACTHを抑制するステロイドと併用します。食前2時間内あるいは食後1時間内の内服は避けます。これは、食事に含まれている脂肪の影響を最小とするためです。

適応はタキソテール不応性の転移性前立腺癌。治療法が無くなった前立腺癌の患者さんには福音となる新薬です。一日4錠1000mg。一ヶ月の薬剤費は3万クローネ(約36万円)ほど。スウェーデンでは、薬剤の自己負担最大限度額があるため、患者さんがこの薬剤費を負担する必要はありませんが、各診療科の負担となるため、適応決定は厳密にしなければなりません。日本では、高額治療であっても、適応決定が患者さんの意思に強く影響されます。日本の医療費が増加し続ける理由の一つには、治療適応を患者さんの希望により決定しているという事情もあると思っています。死期の近い癌患者さんに、「家族の希望」により、治癒の可能性のない上、副作用の強い抗癌剤治療をすることは日本では珍しくありませんが、それは製薬会社の利益に貢献するだけで、人道的にも医学的にも、さらに、医療経済的にも好ましいことではありません。

Abirateroneは日本ではまだ承認されていませんが、承認されれば、この薬を使用したことのない患者さんであれば効果が期待されますし、Abirateroneには大きな副作用がないため、患者さんにも優しい治療だといえます。しかし、高額な薬であるため、希望する人が全て治療を受けられることにはならないと思います。前立腺全摘術にしても、開腹手術よりロボット手術の方が、あらゆる面で優れているにもかかわらず、100万円ほどの個人負担ができなければ、優れた治療を受けることができないという、アメリカ的な面もある日本の医療現場。それでも、今のところ日本国民は比較的平等な医療を提供されていると思いますが、高齢化、医療技術の進歩により、医療費は確実に増加する中で、「無駄な」医療費を削減しなければ、日本の医療は近い将来必ず崩壊します。世界に誇れる医療技術を有している日本であるのに、このままでは自滅してしまうというのが、日瑞両国で医師として働いてみて思うことです。Abirateroneの話題から随分離れてしまいましたね、、、。

ギリシャの不思議

ロボットの前立腺全摘術においては、ヨーロッパでトップクラスの症例数を誇るカロリンスカ大学病院には、EU内外から手術を学びにくる医師が常にいます。中でも、ギリシャからは多くの泌尿器科医がそれぞれ6ヶ月ほどの期間研修します。現在も3人のギリシャ人が研修中。

ギリシャといえば、2009年10月、前政権による財政赤字の粉飾を首相が暴露したことが発端となり、経済危機の連鎖の始まりの原因となった国。ギリシャの信用は地に落ちました。各格付け会社はギリシャ国債の格付けを引き下げ、ギリシャ国債は暴落。この影響により、株価が下落するだけでなく、ユーロも各通貨に対して値を下げました。

ユーロに参加するには財政赤字がGDPの3%以下、政府債務が60%以下という経済収斂基準がありますが、モラルハザードの問題を抱える国が自国の危機を他国が救済することを期待した今回の危機では、いずれの基準も遵守されませんでした。脱税や汚職の文化、さらに怠惰な国民性を持つギリシャ。格差社会。年金給付水準が高い上に、給付開始はおよそ55歳。

手術支援ロボット、ダビンチの値段は1台約2億5000万円、維持費も年間約2500万円と高額。1症例あたりの消耗品はおよそ40万円。現在日本では、患者さんの個人負担は100万円から150万円ほどかかるようです。経済危機にあるギリシャから、これほど数多くの泌尿器科医がロボット手術の研修にくることは、とても不思議な気がしますが、ギリシャの格差社会の富裕層の数は少なくはありません。研修に来ているギリシャ人医師によると、病院で手術を受けるためには、「under the table」、つまり、賄賂が必要なのだそうです。流石、賄賂社会です。そもそも、ギリシャ人が研修に来ることで、我々泌尿器科としてのメリットはほとんどありません。我々自身、トレーニングしなければならないのに、ギリシャ人に症例を取られたりすることには納得がいかないのですが、我々の仲間の中には、ギリシャへ手術に行ったりしている人間もいて、なぜギリシャ人を受け入れるのかということの裏にはいろいろな事情があるようです。

EUに加盟しているスウェーデンですが、ユーロには非参加。よって、今回のギリシャの経済危機において、救済に加わる義務はないのですが、最近、Financial Times の「2011年の欧州で最も優れた財務大臣」に選ばれた、スウェーデンのちょんまげピアス男、Anders Borgは積極的に救済に参加する立場を取っています。

告知をめぐる文化

癌の告知は、日本でも最近は普通になってきているが、それでも、家族が本人への告知を希望しない場合がかなりある。

そんな医療現場の文化に慣れてしまっていた私は、スウェーデンの文化に衝撃を受けたものだった。

スウェーデンの文化とは、「本人絶対主義」。患者さんに意思疎通能力がある限り、癌の告知を含め、本人に話さなければならない。ときには、患者さん自身が、家族には秘密にしてほしいという要望を出すこともある。その要望に医療従事者は答えなければならない。日本だと、患者さんの家族に訴えられたりすることを避けるためにも、家族への説明にも多くの時間を割かなければならない。インフォームド・コンセントは日本では書類作成の上、署名するなどしなければならないが、スウェーデンではそんな手続きはなく、まだまだおおらかである。

スウェーデンの文化と日本の文化を双方体験してみて、もともと「癌を告知しないこと」には消極的な考えを持っていた私は、ますます、その思いを強くした。人生はその人のものである。人生に大きな影響を及ぼす事象について、家族であっても他人が情報操作することは許されないと思う。自分が持っている時間が長いのか短いのかを知り、自分の人生の台本を手直ししなければならない。

そして、人間とは意外に強いものである。出身、年齢、性別、学歴、職業など様々な患者さんにスウェーデンで会ってきたが、非常に厳しい現実をそれぞれが受け入れて、生きようとしている。スウェーデンでは、高度治療を必要としない末期の患者さんを大学病院に入院させることは少ないため、死の瞬間に立ち会うことはあまりないが、大学病院での治療を終えて(中止して)、在宅やホスピスに送り出すまでの管理をすることは多い。その中には、「引導を渡す」ことが当然含まれているが、早い時期に十分な告知をしているため、死期の近い人に、短い余命を告げることは回避できる。患者さんは、その過程の中で事実と向かい合い、受け入れてゆく。

手術前に行われる、初めての「癌告知」は、かなり楽である。何故なら、治療により治癒する可能性があるから。日本での「癌告知」は、日本の文化を鑑みるて非常に気を使うものであるが、スウェーデンでは、単刀直入に、「あなたは癌です」と言える。手術後の再発や転移の場合は、スウェーデンにおいても緊張する。最近、癌の再発を来たした複数の患者さんに話をする機会があったが、患者単独と話をするのか、家族と一緒に話をするのか(家族だけに話をするという日本式なやり方は、患者さんが重態であるとか、意思疎通能力がないとかという特別な状況でなければ行われない)によっても、場の雰囲気は異なってくる。ある患者さんは、尿管と新膀胱の吻合狭窄を手術する予定で開腹したら、腹膜播種がみられたため、そのまま閉腹したのだが、患者さんはベッドに横たわり私の顔を見ていたが、その傍で患者さんの手を握りながら話を聞いていた奥さんは、こらえきれず泣き出した。患者さんが奥さんの背中をさすり慰めていたが、スウェーデンではこのようなカップルにしばしば遭遇する。強いと言われるスウェーデン人女性、逆に、おとなしいスウェーデン人男性だが、なぜか、余命宣告のような場ではスウェーデン人男性は強いような気がする。

日本とは違うスウェーデンの医療現場の文化といえども、私の診療のスタイルは日本に近い。辛い状況に置かれた患者さんや家族に対しては、どうしてもドライにはなれないからである。でも、先日こんなことがあった。膀胱癌の患者さんだけを集めた外来を膀胱癌チーム4人で担当。予約制ではなく到着順に診察するため、患者さんは主治医でない医師の診察を受ける確率が高い。外来の看護師さんが私のところにきて、「先生と会った患者さん夫婦が、『Äntligen fick vi en läkare som vi kan prata.(ついにちゃんと話を聞いてくれる先生に会った。)』と話しながら帰っていったわよ。素敵な賛辞だと思わない?」日本流はスウェーデン人にも評判は良いと感じている。

膀胱癌の再発を告知した、入院中の男性。イラク人の彼は片言のスウェーデン語を話す。両側腎瘻と新膀胱へのカテーテル、併せて3本のカテーテルが挿入されている。込み入った話は通訳同席あるいは、家族が通訳となって話すため、彼の感情を理解することは難しい。腎機能の回復を待って、抗癌剤の投与ができればという状況。専修医の手術指導のため手術室へ向かうとき、彼が病棟の廊下を懸命に歩いているのに会った。「Hej!」と言って通り過ぎた。約2時間後、手術が終わって病棟へ戻ると、未だに廊下を彼が往復している。「Vad duktig du är! Jättebra!(良く頑張ってるね。とっても良いことよ。)」と声を掛けると、「Jag vill bli stark.(強くならなくっちゃ。)」と言ってはにかんでいた。父が末期癌を宣告されたとき、毎日、病院の屋上で何キロも歩くトレーニングをしていたことを思い出した。父に起きた奇跡が、彼にも起こるといいなと思った。父は告知をされて、全てを知っていたし、知っていたからこそ頑張ったのだと思う。

 

泌尿器科癌手術の醍醐味

転科までして入局した母校の泌尿器科学教室で、私は初めての女性泌尿器科専門医でした。病棟にあった当直室では同僚男性医師と雑魚寝もしました。泌尿器科といったら、男性が受診するイメージが強く、医師も男性がほとんどで、私が専門医となった頃は日本全国で泌尿器科の女性専門医は200人程度だったと記憶しています。

もともと、癌治療に携わりたかった私。泌尿器科を志したのは父の病気がきっかけですが、女性には適しているとは言えない科だったので、耳鼻科以外には産婦人科に興味がありました。婦人科癌と泌尿器科癌は解剖学的に近いのですが、手術では大きな違いがあります。それは、婦人科癌は基本的に切除するだけだということ。泌尿器科癌では、癌を切除するだけでなく、その後に機能再建術を伴うものが多い。例えば、膀胱癌における膀胱全摘では、尿路の再建。古典な回腸導管や、蓄尿が可能で本来の尿道から排尿できる新膀胱造設などはまさに機能再建の醍醐味といえます。前立腺全摘出では、外尿道括約筋を温存することは勿論のこと、症例によっては勃起神経を温存し、勃起機能が保たれるようにする、、、、。癌が早期で発見されることが多くなった現在、癌の根治だけでなく、術後の機能を保つことは、患者さんの高いQOLのために重要です。泌尿器科の癌手術に比べると、婦人科癌の手術においては、術後の機能をあまり考える必要がありません。子宮にしても卵巣にしても、切除したら再建することはないからです。

婦人科癌の手術で、尿管や膀胱を損傷したような場合、患者さんは婦人科より泌尿器科受診がメインになることがあります。癌は治癒したけれども、尿管狭窄が残ったとか、尿管膣瘻や膀胱膣瘻を形成したなどということになると、婦人科がもはや患者さんの面倒をみることはありません。これらが原因で尿路感染症から敗血症になり、泌尿器科が病床を提供しなければならないような場合、かなり消化不良の気持ちになることがあります。

最近手術した患者さんも他科の合併症が原因でした。腹部大動脈瘤の手術で尿管を損傷。術後に腹腔内に尿が漏れて、再手術となりましたが、人工血管を使った手術でしたので、即時の尿管修復を断念し尿管を結紮して終了。その後、待機手術で尿管再建を行いましたが、損傷した尿管が長く、膀胱を用いて尿管を延長する手術になりました。これをボアリ法と呼びます。

膀胱を開けて、弁状に膀胱壁を切開したら、その弁を頭側に翻転し、尿管を膀胱壁に逆流防止となるように粘膜下を通して縫合します。膀胱の弁を筒状に縫合し膀胱を閉じます。吻合部にテンションがかからないように、膀胱を吊り上げて腸腰筋に固定する、psoas hitchを追加するのが通常です。

この手術では、尿管の不足分を延長すること、そして、膀胱から尿管へ尿が逆流しないこと、という機能を手術によって持たせることが目標です。この手術をしなければ、患者さんは一生、腎臓に直接管を入れたまますごす(腎瘻)ことになりますし、手術が成功しなければ、腎盂腎炎などの合併症に苦しむことになります。

今日、外来に2人の女性患者さんがきました。二人とも膀胱癌で、私が膀胱全摘をしましたが、ストーマも非常に美しく、体調は手術前よりずっと良くなったということで、とても喜んでいて、ハグしてもらいました。そのうちの一人が、「本当はこの腕に抱えきれないほどの花束を持ってきたいくらいなんだけれど、私の喜びと感謝の気持ちをわかってもらえるかしら。先生に手術してもらって幸運だった。」と言ってくれました。多くの手術をすれば、必ずうまくいかない患者さんも出てくるのですが、スウェーデンで働き始めてから今まで、幸い大きな合併症に悩んだことはありません。

今日会った初めての患者さん。外科で手術をして、ありとあらゆる合併症に苦しんでいます。泌尿器科的には、両側尿管狭窄で両側腎瘻、骨盤内膿瘍治療のためのドレーンによると思われる膀胱壁損傷による瘻孔が問題。この人の機能再建のプラン、かなり大変です。これも、「醍醐味」といえるのでしょうか、、、。

酸塩基平衡の授業

医学部の教員の義務は、診療、研究、教育。

日本でもスウェーデンでも同じですが、医学部には、他学部にはない「診療」という業務があるだけに、より重労働と言えます。また未だに、「診療」しかしない医者は大学病院にいなくて良いという考えが根強くあり、従って、教授選考では、論文数が勝負になります。

初めから脱線してしまいましたが、私も一応医学部の教員の一人ですので、診療だけでなく、研究や教育に参加しなければなりません。これまでに、スウェーデン語での講義もしてきましたので、たいていのことは何とかなると思っていますが、今回は、「酸塩基平衡」の講義に参加することになりました。

1cmくらいの厚さの教科書が送られてきて、私も勉強です。正直、科学系の科目の中で、最も嫌いだったのが、「化学」。「pHとは、、、、」から始まる内容を見ると、気が重くなります。

人間の正常血液のpHは約7.4(7,35-7,45)ですが、pHを正常に保つための、酸やアルカリを緩衝するシステムが体内に存在します。これに関しては、周術期や、急性期・慢性期の重症患者さんなどの全身管理では、基礎となる知識で、我々臨床医は毎日使っていますが、基礎の基礎となると、もはや忘れてしまっていることも多いのです。

 

下の表で、ventrikelsekret(胃酸)が0,9と強酸であることは知っていましたが、炭酸の抜けたコカコーラが2,3とやはりかなり強い酸であることは、すっかり忘れてました。実に歯科衛生上、悪そうです。これを見て、炭酸飲料を飲むのはできるだけやめようと思いました。因みに私の大好きな生ビールは4,3だそうです。また、赤ワインは3,8、ポカリスエットが3,5というのも驚きです。

尿が4,5-8とありますが、膀胱炎の予防にクランベリージュースが良いとか、レモン汁を飲むとかいいます。これらは強い酸性食品です。多くの細菌は酸性を嫌うために、酸性食品を摂取して尿を酸性化すると、尿路感染症の予防になるのです。

体内では毎日かなりの量の酸が産生されますが、それを排出するシステムが、HCO3-とH-が腎臓から尿中へ、あるいは、CO2が肺から呼気中へ排泄されるものです。従って、腎不全や呼吸不全の場合には、それぞれ排出されるべき酸が排泄されないために、体液は酸性に傾きます。それをアシドーシスと呼び、その原因別に、代謝性と呼吸性に分類されるのです。

実習の部では、Siggaard-Andersensのノモグラムを使って、学生さんに計算をさせたりします。

まだ基礎科目だけしか学んでいない医学生さんですから、私は病棟から小道具を持参して、臨床で実際にどのように使うのかを説明。

これは、患者さんの動脈(主に、大腿動脈か橈骨動脈)から採血するための注射キット。私が研修医だった頃は、自分で普通の注射器に凝固防止のヘパリンを入れて用意したものですが、今では専用のキットがあります。これを見せながら説明し、実際の患者さんのデータを見せると、学生さんの目の色が変わるのがわかります。

因みに、このデータは高齢患者さんで、重症肺炎と全身状態悪化により死が近い方のもの。pHは7,25と低く、酸素が低く二酸化炭素が高いのがわかります。

しかし、カロリンスカの学生さん、流石に良く勉強してます。特に、年齢がやや高い学生さんは、社会経験をしてから入学してきてるためか、非常にモチベーションが高く、感心します。

授業を担当するのは大変ですが、自分の勉強にもなりますね。

ボトックス治療

ボトックスといえば、一般的には、美容外科領域での「しわとり」目的が有名ですが、泌尿器科領域でも、ボトックスを使います。

泌尿器科での適応は、「過活動膀胱(OAB: overactive bladder)」。

意思とは無関係に、膀胱の排尿筋が収縮しまう。強い尿意が突然起こり、時には、失禁ともなる病態。この病気には、通常、抗ムスカリン薬(副交感神経遮断薬)が使われますが、口渇などの副作用や、閉塞隅角緑内障などの禁忌があり、使えないことも多々あります。

OABは、神経学的疾患に起因するものが良く知られています。

例えば、多発性硬化症(MS: multiple sclerosis)や脊髄損傷です。OABのある患者さんでは、膀胱が過緊張状態となり、膀胱容量が減少し、尿失禁が起こります。日本では見たことがありませんでしたが、脊髄損傷の患者さん、特に、Th5-6以上の損傷の場合には、Autonomic dysreflexia (AD)が起こる可能性を常に考えなければなりません。

末梢からの刺激、殊に、尿意や便意などの刺激が、交感神経系の過度の反射を起こし、高血圧また、高血圧に起因する病態を引き起こすもの。脳出血や心筋梗塞などの原因にもなります。これを予防するために、Th5-6以上の脊髄損傷の患者さんでは、OABの治療をして、膀胱容量を増やし、膀胱内圧を下げることが必要となります。この治療には、ボトックスが大きな力を発揮します。

ボトックスは、A型ボツリヌス毒素で、神経筋接合部などにおけるアセチルコリンの放出を妨げることにより、筋肉を弛緩させます。スウェーデンでは何年も前から、OABに対する治療薬として使われてきましたし、FDAも今年、脊髄損傷やMSに伴うOABに対する治療薬として認可しましたが、日本では未だに認められていません。本当に日本というのは、新薬が導入されるのに時間がかかる国で、困ったものです。

 

このボトックス、膀胱鏡を使って、膀胱粘膜に注入しますが、ADの可能性のある患者さんに対しては外来治療ではなく、全身麻酔による治療を行います。以前は、300単位を30mlの生理食塩水に溶解し、1mlずつ30箇所に注入していましたが、200単位でも効果に差がないということで、最近は200単位に減量して、コストを下げる努力をしています。このような患者さんは、6ヶ月毎に入院してボトックス治療を行います。

 

尿失禁というのは、健康な人が想像する以上に、患者さんの生活の質を下げるものです。写真のボトックス100単位で、1954,5クローネします。200単位で約4000クローネ。日本円にして5万円近くも。知人の美容外科医に聞いた話ですが、(しわのばしの治療では)日本人よりも欧米人の方がより多くのボトックスを必要とするのだそうです。やはり、遺伝子の違いでしょうか。美容外科では10単位ほどの注入で2万円くらいのお値段らしいですが、、、。やはり美容外科は儲けますね、、、。ちなみにスウェーデンでは200単位を注入するこの治療、全身麻酔で、「無料」です。

 

2011年日米医学医療交流セミナー

10月1日、慶應義塾大学三田キャンパスにて、日米医学医療交流セミナーが開かれました(開催要項はこちら)。

これから海外留学を考えている医学部の学生さんや、若手の医師を対象にしたセミナーです。

全国から150人ほどが参加してくれました。医師の留学といえば、ほとんどはアメリカですが、今回はヨーロッパの話題も。ヨーロッパで医師として長期的に働いている日本人はあまりおらず、したがって、ヨーロッパの医療現場へアプローチするためのノウハウも殆どないためか、発表後には随分多くの人から質問を受けました。

スウェーデン社会が、日本と比べいかに女性に優しいかということを宣伝したこともあって、女子学生さんも沢山質問しにきてくれました。中には、私のブログでセミナーの情報を得て、私の話を聞くために九州から夜行バスで駆けつけてきてくれた女子学生さんもいて、何だかとても感動してしまいました。有難う!

同級生が幹事をしていたこともあって、演者には数名、同級生がいました。私以外、皆、教授という、立派なメンバーです。その中には、体育会硬式庭球部で、共に主将を務めた同級生や、同じクラブの大先輩で、京大の教授になられている先生にもお目にかかりました。テニス部OB同士で記念撮影!両手に花?ならぬ教授!

こんな私でも、後進の人たちに可能性を示してあげられるのだと感じたことが、とても嬉しい経験でした。

このセミナーの内容は、次の本の一部として毎年改訂されて出版されているようです。

ご興味のおありの方は是非。

また、質問がある方は、是非このブログ経由でも、コメントを頂くか、プロフィール欄のメールアドレスにご連絡を。


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