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Advent

クリスマス4週間前の日曜日である、今年は11月28日がファーストアドベント。 窓の外はこんな感じ。

スパイスの入った甘いワイン、Glögg(グレッグ)の季節です。

数年前にストックホルムからアメリカへお引越しなさった、Rさんから頂いたOrreforsのHotto Cup cut starという名前のグラスで。グレッグでも、エスプレッソでも、そして、前菜用にも使える素敵なグラスです。

グラスの底に星がデザインされています。このグレッグはダイダイから作られたもの。これに、干しぶどうとアーモンドを入れます。

丁度、Rさんのことを考えていたら、奇しくも、アメリカからクリスマスカードが届いていました。いつも、ありがとう!

転勤族だったことを良いことに、私は季節のご挨拶を怠けてしまっています。各方面の方々、無沙汰をお許しくださいませ。

医師をやめようと思ったあのときを思い出しました

研修医を終了して、専門医となるための研修を大学病院でしていたころのことです。

腎臓癌術後で肺転移をきたした患者さん、O氏の担当になりました。

私が医学部学生だった頃の父と全く同じような病状でした。父は病院で免疫療法を受けるとともに、様々な民間療法を試みました。腎臓癌の肺転移は着実に進行し、病理組織学的にも気管支鏡による生検で、腎臓癌の転移であることが確認されていました。

胸部単純レントゲン写真上ですら確認できる複数の転移巣が。

傾眠傾向となり、病院にも見放された父を家へ連れて帰りましたが、ある時点から元気を取り戻し始めました。

そしてしばらくして、驚くことに、CT検査でも、肺の転移は一つも見られなくなりました。こんな経験があって、私は泌尿器科を専門とすることにしたのです。

何が効を奏したのか、、ただただ奇蹟というしかありませんが、試した民間療法の中で、感触の良いものがありました。

話を戻しますが、父に病状の似た患者さんO氏は、勿論、病状が改善するはずもなく、予後が絶望的であるのは明らかでした。患者さんおよび患者さんの妻と毎日接するうちに、父が試した民間療法のことを伝えたいという思いが育ってきました。しかし、大学病院に勤務する医師として、医師チームの方針(無治療)から外れた行動はしてはいけないという認識を、当然持っていました。何日も悩んだあげく、「担当医」としての立場でなく、「一個人として、一癌患者の家族としての経験」であることを念を押し、了承を得たた上、父の闘病歴を話し、参考としたプライベートクリニックで行われている治療法の本を紹介しました。

O氏の妻は早速そのクリニックに連絡を取り、診察の運びとなったその直前、新たな臓器への転移のため、容態が急変し、クリニック受診は不可能な状態になりました。そして、私が医師をやめようと思ったことが起こったのです。

O氏の妻は、「医師チームのメンバーである○○先生が勧めた治療であるから、この大学病院の勧めであると理解した。治療を受けたいので、救急車で送迎してください。」と要求してきました。私がその場で涙をこぼしそうになっても、彼女は冷ややかに同じことを繰り返し、さらに、私を非難する言葉まで飛び出しました。

主治医だった上級医の先生に詳細を説明し、「私は医師を辞めます。」と泣きながら言ったことを覚えています。

「医師を長年やっていれば、いろいろ辛いことがあるよ」と、長い時間をかけて優しく説かれ、結局、思いとどまったのですが、これは本当に痛い経験でした。プロ意識が足りなかったのは明らかなことですが、その時以来、患者さんやその家族を心から信用することをやめました。プロとしては、意識的に「冷めた」考え方をしなければいけないのだということを学んだのです。

しかし、医者になるまでに培った性格や考え方というものは、なかなか簡単には変えられるものではありません。今でも、診療には、かなり気持ちを入れる方だと自覚しています。医師としては熱い方が良いという哲学もあります。

幸い、その失敗以来、大きな失敗はせずにきました。スウェーデンで働き始めても、とにかく、患者さん第一でやってきました。患者さんや家族が望めば、とことん時間を割いて話すようにしています。

しかし、スウェーデンでも、あの苦い経験が蘇るようなことがありました。

少し前のことです。化学療法が無効なタイプの膀胱癌の患者さん。しかも多発性の肝転移あり。もはやお手上げです。約束もなく現れる家族との度重なる面談。その度に1時間以上の話になります。それでも辛抱強く対応していたら、そもそも治療が何もできないことが非難の対象となってしまいました。看護師さんも、「もう、やってられない!」と怒り心頭。私が優しく対応したことで、家族を増長させてしまったかもしれないと反省するとともに、もう20年近くも前の事件を思い出しました。

O氏はほどなく亡くなりましたが、私は今でも、彼の名前や顔を覚えています。彼の妻は、どんな思いで、虚構の発言をしたのでしょうか。追い詰められていたゆえのことに違いないと今では理解していますが、思い出すといろいろな意味で胸が痛くなります。

果たして、自分が、そして自分の家族が再び絶望的な病状となったら、どんな行動をするのだろうか。最後まで筋の通った生き方をしたいものだと思います。患者さんの中には、残された時間が殆どなくなったときでも、切なくなるほど気高い生き方をしている人がいます。この次は、そんな患者さんのお話をしたいと思います。

パパラッチしてきます!

毎日忙しくて、ブログを書く余裕がありません。気が付けば、日が短くなるのもあと一ヶ月ほどとなりました。来週は早くも、ファースト・アドベントを迎えます。温かいグレッグが楽しみ!

アルフレッド・ノーベルの命日、12月10日には、ノーベル賞授賞式が行われます。今年、日本人2人が化学賞を受賞しているのは、日本人にとってはとても嬉しいこと。

授賞式は、ストックホルム市内のコンサートホールで行われます。

今年は、平和賞の問題で、ノルウェーに話題をさらわれがちな、ご本家スウェーデン。運良く、授賞式に出席できることになったので、パパラッチしてくるつもりです。

当日は一応正装とのこと。入場には、この招待状と身分証明書が必要。

生理学・医学賞のIVFの父は、健康上の理由により欠席とのこと。講演を楽しみにしていたのですが、残念です。

基礎実験実習指導

カロリンスカには、医学部だけではなくBiomedicineという学科がある。

今日は、この学科の一年生に、基礎実験に用いるテクニックの一つである、UV(紫外線)とinfrared(赤外線)を用いたspectrophotometer(分光測色法)で物質を同定する方法を指導する教官として配属。器械の操作自体は、蛋白濃度やDNA濃度を計測したりする目的で、以前私も使っていたので、難しいことではない。しかし、「何を計測しているのか」という原理になると、突然遠い昔に学んだ、化学や物理の世界になって、しかもそれがスウェーデン語で、「励起光により分子の低いエネルギー状態の電子軌道から高いエネルギー状態になる際に吸収される光、、、。」などということを説明する訳で、、、。

ピペットの使い方を知らない学生さんも多く、まさに、実験における「はじめの一歩」。2-3人が1グループとなって、合計150人。グループ毎に3つの物質を与えられ、それが何であるかを同定する作業。

「この物質、黄色いよね。どうして黄色く見えるの?」

それぞれのグループにこんな質問をしてみる。

「電球の白い光りがこの物質にあたると、黄色の補色にあたる青が吸収されるため黄色く見える。」と正解できるグループはなかなかない。

「将来、何になりたいの?」

こう聞いてみると、驚くことに3割程度が、医師になりたいという。スウェーデンでも医学部に入学するためには、かなり頑張らないといけない。日本と違って、「浪人」というシステムはない。医学部に直接入学できなかった人たちは、他の道のりで医学部へ入学しようとする。そのうちの一つが、この、Biomedicineを経由する方法だ。Biomedicineへ入学するのは比較的簡単だ。そして、ここで学ぶ科目は、医学部で学ぶ科目と重複するため、医学部に編入した場合はその科目が免除されるシステムになっており、結果として殆どロスをしないことになる。

「どうして医者になりたいの?」と聞いてみた。

「お金の心配をしたくない。」「経済的に自立したい。」

どちらも、育ちはスウェーデンだが、両親は移民と思われる10代の女学生さん。

逆に、「医者になって良かったことは?」と質問され、

「多くの職業では、仕事をすることで「敵」が生まれるが、医者はそうではない。全ての人が、同じ目的を目指すことができること」「移民医師として、医学には国境がないこと」

をあげた。

何となく、スウェーデンでも、経済的安定のために医師を目指す人が多くなっているように感じた。

女学生さんの一人は、スウェーデン国内ではなく、ハンガリーの医学部に進むという。ハンガリーの医学部の方が入学しやすいけれど、スウェーデンよりずっと勉強させられるらしい。

と思えば、研究者となることを夢見ている、アフリカからの移民青年。研究者の道は険しいけれど、頑張って夢を追いかけてほしいと思いながら。

生真面目なスウェーデンの青年。教師になりたいのだとか。しかし、教科書が一字一句理解できないのが苦しいらしい。

「大枠を理解することがまず大事。細かいことにこだわっていると、先に進めなくなるよ。」と話すが、かなり煮詰まってしまっている。でも、私もどちらかといえば、そんな性格だったから、理解できる。

先日、友人と言語について話していて、面白いことに気付いた。日本語は漢字を筆頭として、一文字に含まれる意味が大きく、アルファベットの言語に比べて、速く多くの情報を得ることができる。これは、記号と同じこと。

たとえば、この身障者マーク。これだけで、身障者用の駐車場、エレベーター、トイレなど、一目瞭然だ。これを、文字で書いたら、情報を得るためにより時間が必要となる。

脱線してしまったが、日本人が日本語で書かれた教科書を用いて得る、単位時間あたりの知識は、もしかしたら、多言語に比べたら多いのではないかな、と、そんなことを考えてしまった。

普段、病院では10代の学生さんを相手にすることはないが、たまにはこんな授業を担当するのもいいものだ。

お気に入りのトレーニング

スウェーデンでは最大手のSATSというスポーツクラブのメンバーになっていて(そういえば、スポーツクラブのレポートのリクエストがあったのに、すっかり放ってしまっています。)、一週間に1-2回は通うようにしています。最近は仕事が終わるとすっかり暗くて寒いため、さぼりがちですが、、、。

マシーンなどのトレーニングは、すぐにくじけてしまいそうで、もっぱらグループトレーニングが中心。

その中でも、特にお気に入りのトレーニングが、SATS Power Step。ステップを使ったコンディショントレーニングと、ウエイトを使った筋トレが交互に繰り返される55分のトレーニングです。トレーニングは勿論のこと、のりの良い音楽で気持ちもパワーアップ。

SATSのオリジナルの編集で、トレーニング用のCDが作られているのですが、今日はその曲目をYouTubeでご紹介。

まずはウォーミングアップの2曲。

Take it off (KeSha)

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=RpFMuBHxGWs[/youtube]

Straight through my heart (Backstreet Boys)

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=DEos8F_pchY[/youtube]

最初のコンデイショントレーニング。

Do it again (Cassie Davis)

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=S2sjiai-bNw[/youtube]

ベンチプレスはこれ。

Give it up to me (Shakira feat. Lil Wayne & Timbaland)

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Ix6Je7q5aGg[/youtube]

コンディショントレーニングの2曲目。以前、ボクシング系のトレーニングにも使われていました。

Burn it to the ground (Nickelback)

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=r53s1pK7sso[/youtube

大腿、臀部の筋トレ。

Funhouse (P!nk)

[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=Jdjtqu3XK4U[/youtube]

コンディショントレーニングの3曲目。

Game over (Basic . . . → Read More: お気に入りのトレーニング

「王様になりたくなかったスウェーデンの王様」

”Carl XVI Gustaf – Den motvillige monarken” 「カール16世グスタフ、王様になりたくなかった王様」

という名の暴露本が明日発売されます。

著者は、Thomas Sjöbergを含め複数。何年がかりで複数の独立した証人からの証言などをもとにしたものだとのこと。

含まれるエピソードの中には、「1996年のアトランタオリンピックの際にストリップクラブを訪れた。」、「全裸パーテイーに出席した。」、果てには、「王様の浮気の事実」まであるようです。イギリスと異なって、スウェーデンでは、王室に対するゴシップはつつましやかだという印象でしたが、この内容は凄そうです。

日本では、皇室のゴシップはご法度というような不文律があるように思います。2006年に出版された、オーストラリアのジャーナリストによる皇室についての所謂、暴露本ともいえる、「プリンセス・マサコ 」の邦訳本が、講談社から出版される予定だったところが中止。他出版社から後日、「完訳」が出版された際、大手新聞社などが広告不掲載の処置を取りましたが、その経緯をつづった「『プリンセス・マサコ』の真実」の著者、野田峯雄氏は、「宮内庁や外務省の圧力」が広告不掲載の背後にあった」としました。

私は原本だけ以前読んだことがありますが、雅子さまが宮内庁の犠牲者だということだけではなく、雅子さまのハーバードの成績や、雅子さまの不倫相手(!?)の話まで出てきて、非常に驚いた記憶があります。しかし、それ以上にショックだったのは、この現代社会でも陰で圧力を掛けて出版禁止にすることがあるのだということでした。

スウェーデンでは、昨日、暴露本の著者の一人が、(本の出版がきっかけで)勤務先のラジオ局を首になったというニュースが流れ、議論を呼んでいます。

国王は現在、狩猟に出掛けており、明日、「狩猟」に関する記者会見が予定されていますが、この場で暴露本に関する質問が出るとも、国王がコメントするともされています(記事)。

イギリスでは故ダイアナ妃に関する暴露本がどれだけ出ているのか、私は知りませんが、イギリスのメデイアはちょっと行き過ぎかなと思います。スウェーデン国王に関する暴露本1冊くらい、たいしたことはないのかもしれません。チャンスがあったら読んでみるつもりですが、明日の記者会見に好奇心です。

しかし、「王様になりたくなかった王様」なんて、タイトルからして挑戦的ですね。

. . . → Read More: 「王様になりたくなかったスウェーデンの王様」


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