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人生は不公平

私の座右の銘、というより、肝に銘じていること。決して、好きな表現ではありませんが、これを心得ているとかなり人生における悩みが減ると信じている言葉があります。

「人生は不公平」

だから、他人と自分を比較しないこと。自分の人生を素直に受け入れて、最善を尽くすことが大事。

どんな家庭に生を受けるか。見た目の美醜。人は生まれながらにして、既に、多くの「不公平性」を背負っています。

 

ロシア滞在中に、ロシアのアイスホッケーチーム、Lokomotiv Yaroslavl が搭乗した、ロシア航空の飛行機が墜落しました。

乗客乗員46名、乗客は選手24名とトレーナーやチームドクターなど合わせて39名。選手1名、乗員1名が救助されました。選手は最年少が18歳、20代が中心です。

体表面積の80%の火傷を負っていた選手はその後、気管の移植手術を受けるも死亡。

 

その中に、スウェーデンのゴールキーパー、Stefan Livがいました。1980年ポーランド生まれ。産みの親は彼を孤児院に預け、彼が2歳のときに、スウェーデンに養子として引き取られます。Stefanのデビュー戦は、2000年1月、Jönköpingのチーム、HV71で。同年11月、チェコ戦でナショナルチームデビュー後、2006年のトリノオリンピックおよび、ワールドカップで金メダルを取っています。Lokomotivは今年度からの契約でした。

このトリノの金メダル、覚えています。

明るいとはいえない生い立ちに似合わず、Stefanはいつも明るく親切。ロシア内でのゲームで、相手チームのスウェーデン人ゴールキーパーのヘルメットが破損したときには、敵チームに関わらず、自分のヘルメットを貸してあげたり、通常誰も引き受けたくないイベントへ、例えば、少年100人のシュートを受けるなど、進んで協力したり、、、。プライベートでは、スウェーデン人女性との間に2人の男児をもうけ、今年の夏にはその彼女と結婚式を挙げたばかりでした。

ヘルメットには、息子の写真をプリントしたりと、家族思いのパパだったようです。

ロシアには妻が、父親と友人に付き添われて遺体の「残骸」を迎えに行きました。

 

 

 

数日前にブラックボックスの内容が公開されました。

離陸前に必要な速度を得ることができなかったようですが、機体には問題がなく、ハンドブレーキを解除するのを忘れていたという情報もあります。

 

 

Jönköpingでも、Stefanの死を悼んで追悼のセレモニーが。

「Alltid saknad. Aldrig glömd.」(あなたがいなくていつも寂しい。あなたのことはいつまでも忘れない。)

JönköpingのHV71では、背番号1番を永久欠番に。

生まれたときから既に苦難の人生だったStefan。頑張って手に入れた選手生命と家族。人間としての人生はこれからというときに夭逝。運命とは残酷なもの。彼がゴールキーパーだったということも、なんだか象徴的です。フォワードやセンターのように、得点すればヒーローになれるポジションと違って、セーブして当たり前、失点すれば責められる立場にある、不公平な役回りです。

 

人生は不公平。

人生は公平だと下手に思いたい気持ちがあると、失望する。

自分には自分の人生しかない。自分の人生を受け入れて、今を精一杯、悔いのないように生きるしかない。

カロリンスカ研究所の外部審査員による評価

カロリンスカにおける2013年から2020年までの戦略のために、内外からの一流研究者から選抜された、外部審査員によるカロリンスカにおける研究レベルの評価が行われ、最近、内部資料が発表されました。ERA2010(External Research assessment)と呼ばれるこのプロジェクトの報告書は69ページに渡り、カロリンスカ研究所の評価と批評をしています。調査を受けたPIの数は502名。事前の書類審査と共に、審査員による面接も行われ、O(outstanding)、E(excellent)、VG(very good)、G(good)、I(insufficient)、P(poor)の6段階評価を受けます。

カロリンスカは地理的にも、病院を中心にいくつかの部門に分かれています。

 

カロリンスカ研究所といっても、ラボ、研究者のレベルは、上と下では、雲泥の差があります。以前も書いたことがありますが(記事)、病院(臨床)と研究所(基礎)を比べると、研究所の方がずっと優れています。今回のERA2010のレポートの冒頭にも、カロリンスカ、ソルナキャンパスの基礎部門が最もレベルが高く、40%以上がOまたはEの評価であり、IまたはPの評価は10%未満。ソルナキャンパスの臨床部門と、Danderyd病院では、OまたはEは21-35%で、IまたはPは7-27%と増加。Huddingeキャンパスは、ソルナキャンパスの臨床部門と、Danderyd病院に近い評価だということです。

これからスウェーデンに留学を考えている方もいらっしゃると思いますが、このようにカロリンスカといっても、研究のレベルはラボによってぴんきり。PhDの内容もぴんきりですので、留学先を決めるときには入念な情報収集をしないと、ひどいラボに当たることも、、、。


今回のERA2010で、各部門に所属するPIがどのような評価を受けたのか、、、。

これを見ると、どの部門のレベルが高いのか、良くわかります。

この各部門とは、、、。

これを見てみると、表の上の方の、カロリンスカ、ソルナの基礎部門の評価が、他に比べて非常に高いことが一目瞭然です。Huddingeではもう少しOutstandingなラボが多いかと思っていましたが、少なくて驚きました。HuddingeのNVSに至っては、27人のPIのうち、10人がI以下。報告書によると、P評価のPIは研究をする価値がないとまで酷評されています。私の臨床部門の所属はMMK(Molecular Medicine and Surgery)ですが、最近ようやく再開した研究は、MBB(Medical Biochemistry and Biophysics)でやっています。ここは、カロリンスカの中でもトップクラス。24人のPIのうち、15人がOあるいはE評価で、IあるいはP評価は一人もいません。そんな事情で、近年では、MMKとMBBの双方の学位審査に出席したことがありますが、やはりレベルに差があるのは否めません。

優秀なPIはより多くの研究費を得ます。得た研究費のうち30%はオーバーヘッドとして各部門が徴収されますので、優秀なPIがいる部門は経済的に潤っている訳です。それによってさらに優秀な人材が集まるという、正のスパイラルが存在します。

カロリンスカのPhDコースについて、この報告書は痛烈に批判しています。例えば、PhDコースに入学する学生の審査がないこと。2000年くらいまでは、少なくとも、TOEFLの最低ラインがあったのですが、現在はそれもありません。私が以前にいたラボでも、英語さえままならない中国人学生がいました。語学だけでなく、その他の能力にしても、感心できたものではありませんでしたが、そのラボのボスは(政治力により)潤沢な資金を持っていたため、簡単に手に入る労働力として、レベルの低いPhD学生でも簡単に受け入れていました。しかも、そういう学生は、ボスのいいなりです。

現在では留学先の選択には潤沢な情報収集が可能となっています。将来を左右する大きな選択となる可能性もありますので、十分な情報収集をお勧めいたします。大学の名前だけに惑わされてはいけません。

あれから半年、あれから10年

光陰矢の如し。

この9月11日は、日本人にとっても、人類にとっても節目の日。

あれから半年。日本を震撼させた「東日本大震災」。今もって避難している方は8万人以上、死者は1万5781人、行方不明者は4086人という。先日母から送られてきた、Youtubeの画像を見る。未だに生傷に塩をすり込まれるような心の痛みを覚える。

新しく発足した内閣も、閣僚の失言で早くもけちが付く。失言で大臣が失脚するのは何とも日本らしいが、政治家としての実力があれば、それが優先されても良いのではとも思うが、口を開く前に少し考えれば、それが失言であると理解することは容易なはず。口で身を滅ぼす人は多い。今はとにかく、復興への道を邁進しなければならないときだ。

 

そして、あれから10年。

3000人近くの人が犠牲となった、「アメリカ同時多発テロ事件」。自民党の石原幹事長が、「西洋文明、キリスト教支配に対するイスラム圏の反逆、そして歴史の必然として起こった出来事ではないか」と発言して、批判されているようだが、日本を離れて、イスラム圏の文化や思想、人間と接することが多い生活をしていると、それはごく当たり前の感想と思える。テロは決して許されるものではないが、「テロが何故起こるのか。」ということに、殊に先進国は想いを馳せなければならないと思う。

 

 

そして、スウェーデンでは、もう一つの「あれから」。

時の外相、アンナ・リンドがNKデパートで刺殺されてから8年。あのとき、2回目のポスドクをしていた私は丁度ストックホルムにいた。彼女が生きていたら、今頃、首相になっていたかもしれない。丁度彼女は、ユーロ導入の旗頭としてキャンペーンをしていたが、彼女の死によっても、国民の意思は、「ユーロにNO」であった。現在のユーロの混迷を考えると、あのときスウェーデンがユーロを導入しなかったことは、スウェーデンにとって吉と出たようだ。

 

今日、9月11日は複数の「あれから」に想いを馳せる日。

人間は、人間が犯した過ちから学なければならない。

 

ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 & Nina Persson

DN Sommarkonsert 2011というコンサートが、8月14日にユールゴーデンのVasa博物館の隣、Sjöhistoriska museetで行われました。

 

先日の記事でも触れた、CardigansのNina Perssonが、 夫のNathan LarsonとNiclas Friskとで結成したA Campのアルバム、Coloniaに収録されている、Love Has Left The Roomを、オーケストラの伴奏で歌いましたが、クラシックとポップスの融合が素晴らしかった!


Ninaは子宮癌を患い、長年の不妊治療の末、2010年9月、長男を出産しました。ママになってもとても素敵なNina。

 

動画をこちらから。

夏の夜のコンサート

少し前の夏の夜のことですが、友人がコンサートをするというので行ってきました。

彼は作曲とギターの演奏が天才的なNiclas。最近では、Peter Jöbackの人気アルバム、「Stockholm i natt」の作曲や、CardigansのNina Perssonとともにに、A Campとして活動していましたが、初めてのソロアルバム、「China Town」を4月18日にリリース。

 

この日は、アルバムリリース後に3回ほど企画された屋外コンサートに「招待」されました。

Södermalmの高架下のTrädgård(お庭)という名の季節限定屋外レストランが会場です。コンサートは20時半からでした。7月上旬のため、その時間でも昼間のように明るい。何だか、見ただけでうきうきするようなエントランスです。

お酒を始めとして、簡単な食事が食べられるようになっています。

そして、本日のライブは、、、。

Niclas Frisk!

彼の本名は、「Niklas」なのですが、このスペルはスウェーデン式です。海外でも通用するように、業務用には、「Niclas」を使っています。スウェーデンの名前では、kだったりcだったりということが良くあります。「Erik」、「Eric」などはその代表例です。

 

「Chinatown」というだけあって、装飾も中国風。

Niclasのギターは最高です!

毎回、ゲストを招くのですが、今回は、Peter Jöbackの「Stockholm i natt」で、これも天才的な作詞をしたAndreas Mattsson。

因みに、最終回はNina Perssonでした。

こういうライブは初めてでしたが、とても良かった。友人のライブだったということでも、興奮しました。

アパートの住人同士のパーテイー

スウェーデンの集合住宅では、建物毎にその集合住宅の管理を行う組合が存在します。組合の役員には、住人のうち希望者が就任します。そして、その中でボスが選任されるのですが、そのボスが私のお隣さん。熟年離婚後、熟年結婚して、現在定年したばかりで、熱々のシニアライフを楽しんでいるカップルです。旦那様は弁護士でもあり、スウェーデンの凶悪犯を収容する刑務所のボスや、ハーグ、ボスニアなどで勤務してきた、「泣く子も黙りそう」な大男。奥様は、やはり、刑務所や、地方自治体でボスを歴任してきて、お二人の出会いは、「刑務所」での会議だったとか。

彼がこのアパートのボスに就任してから、非常に物事が円滑に進むようになってきました。彼のお人柄、そして、知識、経験によるものでしょう。集合住宅ですから、いろいろなトラブルが起こることがあります。車庫でドアに傷がついたとか、音がうるさいとか、、、。最近では、最上階のアパートの住人が、建て増しの申請をストックホルム市にして認可されたため、組合に申請してきましたが、他の住民に影響がある「建て増し」だったため、却下。このアパートの全ての住宅に、それぞれ洗濯機と乾燥機が装備されているのですが、それでも、建物には共用の洗濯室があります。そして、電気代を節約したい人は、そこを使っていますが、洗濯室のコストが馬鹿にならないため、使用量を課すという案が長年出ていたらしいのですが、勿論、反対する人間がいるため決議できないでいました。そこへ、「法」のスペシャリストがボスとして登場し、近日中に使用量を課すということでまとまるようです。

スウェーデンでは、集合住宅の隣人といえども、挨拶程度の付き合いしかしない場合が多いのですが、このカップルとは、ときどき食事を一緒にしたり、彼らが旅行に出るときには(1年に1ヶ月ほどの船旅に行くのです!何とも優雅でうらやましい!)、鍵を預かって植物に水をあげたりしています。

また、同じ階段の住人に、やはり組合の役員をやっているゲイのカップルがいます。彼らが今度日本へ行くというので、一度食事をしたのですが、「ゲイとは良い男友達になれる」ということが理解できたような気がします。高学歴、勿論、良い職に付いていて、しかも、ナイスガイ!余談ですが、軽くシャンパンを開けてから、レストランへ繰り出したのですが、そのときに、玄関ホールに、真紅の巨大なバラの花束があり(長さ1メートル)、それを褒めたら、たまたま、片方の彼の誕生日が前日で、花束を買い、夕食には何と、「てんぷら」を揚げたとか。

同じアパートの住人同士で仲良くなると、何だか、余計に我が家に帰ってくるとほっこりするような気がしますが、この週末、組合のボスであるお隣さんが、組合のメンバーを招待してパーテイーを。私は役員ではありませんが、ご相伴に預かりました。

ゲストは、到着と同時に「飲み」はじめ、「泣く子も黙る」大男は、台所で忙しく働きます。

テラスには植物がいっぱい!

私のアパートと似たような間取りですが、家具が違うと全く印象が異なります。個人的には赤いソファーが好き。

古いものも素敵。1790年代のもの。また、写真に撮り忘れましたが、大きなMora時計もありました。

素敵なオイルランプと、壁には、ミレスゴーデンの彫刻のレプリカ。

そしてこの時期のパーテイーといったら、「ざりがに」です。

これ以外にも、沢山のお料理がありました。

最初は、ワインやビールですが、ざりがに、ニシンには、スウェーデンのウオッカ(アクアビット)が欠かせません。

今日のアクアビットはこれ!O.P. Andersson!比較的癖がなくて、飲みやすい!

アクアビットには、snapsvisa(アクアビットの歌)を持ち回りで歌うのがスウェーデンの習慣。そのうちの有名な一曲

歌っては、アクアビットをすすります。

そして、夜は楽しく更けてゆき、、、。金曜日の晩で飲まず食わずに職場から掛けつけた私は、すっかり酔っ払い。お隣さんということで、帰るのも心配しなくて良いし、、、。

 

しかし、これが5年ぶりくらいの大失敗となりました。アクアビットは40%のアルコール。通常は小さなグラスで飲むのですが、この日のグラスは大きかった。更に、水が用意されていなくて、誰も水を飲んでいなかった。40%のアルコールなんて、最近、飲んだことがなかったので、すっかり油断。という条件が加わって、良い気分で眠りについたものの、その後2日に渡って二日酔い。折角の週末が台無しでした、、、。深く反省。

Visning:住宅の内覧会

スウェーデン、殊にストックホルムでは、長期的にみると住宅の値段は右肩上がりです。賃貸住宅に住むには、申し込みをしてから20年近く待たされるほど、供給が少ないため、私も仕方なくアパートを購入しました。勿論、ローン付きですが、ローンがあれば高い所得税の一部が還付されるため、悪いことばかりではありません。

これまで1度買い替えをしているので、売主には1度、買主には2度なっています。最初の物件は新築物件だったため、値段は固定だったのですが、通常は販売開始価格が決まっていて、オークション形式が取られます。この販売価格も、売主の希望価格より低く設定してあることもあり、値段によっては売主が売却拒否をすることもあります。オークション形式に不安があったこともあり、初めの物件は新築にしましたが、自分でリノベーションがしたくないという理由もありましたし、問題が生じた場合には、建築主の保証が付いているということも魅力でした。

売る際には、いくつか不動産業者へコンタクトを取り、仲介の条件などを比較します。室内からなるべくものを少なくして、場合によってはスタイリングを専門家に依頼することも。天気の良い日に、写真を撮って、内覧会の日時を決めて、広告を出します。内覧会は通常、日曜日に30分から1時間と、月曜日か火曜日に30分ほど。興味のある人が見にきますが、オークションに参加したければその場で不動産業者へ名前と電話を残します。内覧が終わった次の日から、不動産業者が次々に電話をして、オークションとなります。

私の住んでいるアパートは、市内で交通の便の良いところで、かつ閑静な環境。建物の一番上で、中庭、西向きのテラス付きのアパートということで、かなりの競争率でした。始めから、上限を決めてオークションに入りましたが、最後に2組が残り、一騎打ちとなりました。お互いに2万クローネずつ上げていったのですが、最初に私の上限値に到達したのは私。そこで、相手は5000クローネしか上げなかったのです。そのことで、相手も上限値に到達したのだと判断し、こちらは同じように2万クローネ上の値段をつけました。そうしたら、あっさり相手はギブアップ。あれから随分不動産の値段が上がったので、あのとき買えていなかったらこのアパートには住めませんでした。

大変気に入っているアパートですが、築10年と比較的新しいので、天井が低いのと、暖炉がありません。最近、同じ建物に入っているアパートで、角部屋のため天井が高く、暖炉がある物件が売りに出たので、見てきました。

このアパートは、何といっても、40平米あるテラスが売り物。市庁舎、ハンマルビーのスキー場など、ストックホルムが一望できます。

そのテラスに面する天井の高いリビング。

そして、、、。

そして、暖炉!

しかし、このテラスは東向きなんです。スウェーデンでは何と言っても、西向きが人気。長い夏の夜、テラスで夕食。これにつきます。

アパートの組合のボスをやっているお隣さんも、見に来ていたので、売却価格を教えてもらおう、、、。因みに、144平米で開始価格は790万クローネとのことでした。

カロリンスカにおける男女比いろいろ

大学病院で働いていると、所謂、「ポリクリ(病院実習)」の医学生の指導にも当たることになります。各グループ、5-6人程度でローテーションしてきますが、毎回、女子医学生が多いことに驚かされます。

 

次の表は、2010年における、カロリンスカ医科大学の各学部における新入学生の男女比です。

「läkar-」が医学部ですが、何と、男子学生は40%強。女性が多い訳です。

カロリンスカにおける学位取得者は次の通り。

学位取得者も、毎年女性優位です。

それでは、女性教授についてはどうでしょうか。

331名の教授のうち、80人が女性。24%にあたります。そして、新任女性教授の数をみると、女性教授を増やそうとする努力がみられます。2010年では、40人の新任教授のうち、15人が女性。

 


その結果、女性教授の比率は年々増加中。

待遇面でも、女性は男性にひけを取りません。

 

Professor preklinとは、基礎研究部門の教授。男性の平均月給は58461千クローネに対し、女性は58165千クローネ。Professor klinとは、臨床部門の教授。男性の平均月給は52345千クローネに対して、女性は53875千クローネ。但し、臨床部門の教授の給料は、教授職としての給料で、これに、医師としての給料が上乗せされますので、この額の倍近い給料となっていると思われます。男女比とは関係ありませんが、日本の場合は、臨床部門の教授は、基礎部門の教授のデューティーである「教育、研究」に加えて、「臨床」がデューティーとして上乗せされますが、それでも、同じ給料です。母校の慶應大学の医学部の教授陣は、明らかに他学部の教授より勤務内容や時間が厳しいのに、同じ給料であることに不満を持っている人が多かったので、カロリンスカの臨床教授は恵まれた待遇を受けていると思います。

 

このように、男性優位の日本に比べると、カロリンスカにおける女性の扱いは天国のようなものです。

カロリンスカにかかわらず、他の分野ではどうでしょうか。次の図は、公的部門(国家公務員、offentig sektor)と私的部門(privat sektor)別の部門長(chef)の分布を示しています。

私的部門では男性が75%と圧倒的優位ですが、公的部門では、国家レベル(Stat)でこそ男性優位であるものの、その他では逆転しています。日本では考えられないことです。

女性の社会進出のためには、女性支援のシステムが必須ですが、最後に、育児休暇取得の男女比を示します。

1974年には、100%、女性が育児休暇を取得していましたが、年々男性の育児休暇取得が増加。2009年には、男性が22%の育児休暇を取得するまでになっています。私の職場では、ちょっとしたベビーブームなのですが、パパとなった男性医師の全てが、20%程度の育児休暇を取っていますし、子供が病気になったときにも病児介護のための欠勤をしています。この表を見る限り、日本はスウェーデンに30年ぐらい遅れていますし、未だに専業主婦が珍しくないことを考えると、これからもスウェーデンに追いつくとはとても思えません。女性も自立するという意識改革が必要なのですが、将来どうなることでしょうか。(追記:この表の解説も不十分で誤解を生みそうなので追記します。スウェーデンでは育児休暇を18ヶ月取得することができます。これは、両親の間で自由に配分することができますが、父親も1ヶ月は最低取ることを奨励するために、父親が育児休暇を取らない場合は、17か月分の手当てしかでないようになっています。この表の数字は、育児休暇をどのように夫婦間で配分したかであり、育児休暇を取得した男性の割合ではありません。育児休暇を取得する男性の割合に関しては手元にありませんが、ほとんどの男性が幾分かの育児休暇を取っているという印象です。育児手当は高所得者であっても上限がありますので、男性が高所得者である場合は、1ヶ月の育児手当の給付がなくても男性が働いた方が経済的には有利であるため、男性が育児休暇を取得しない、ということはあると思います。)

スウェーデンでは発見の難しい専業主婦

この数日、講演用のネタのために、スウェーデンにおける、また、カロリンスカにおける男女平等の実態を探っておりますが、最近のスウェーデン中央統計局の報告書にこんな図を見つけました。

20歳から64歳の女性(kvinnor)で、働いていない人(Ej arbetskraften;失業者は除く)は、既に1980年頃から20%前後です。この中には病気で働けない人も含まれています。(追加:学生、疾病などによる早期退職者を含む。

(Arbetslösa:失業者、Kort deltid 1-19 timmar:週1-19時間労働、Lang deltid 20-34 timmer:週20-34時間労働、Heltid 35-timmar:フルタイム;35時間以上)

対する男性(män)は、以前より10%前後。

スウェーデンには移民が20%以上おり、移民女性における非就業者率は高いことより、純スウェーデン人女性の非就業者率は更に低いものとなるはずです。つまり、スウェーデン人の専業主婦は稀少なのです。外来診療をしていても、専業主婦であるスウェーデン人には、まずお目にかかりません。中東、アフリカなどからの移民の人に多いという印象です。

 

日本では、政財界などのビッグネームの伴侶はたいてい専業主婦ですが、スウェーデンでは、夫と同じく政治家であるラインフェルト首相夫人を始めとして、男性ビッグネームの伴侶で、専業主婦を発見することは難しい。スウェーデンの男女平等社会の基盤には、このような構図があります。勿論、高い税金のため、ダブルインカムでないと家計が厳しいことも女性が働く理由の一つですが。また、男女平等であるため、日本のように女性を守るシステムがありません。年金にしても、個人が働いて収めた税額で得られる額が決まってきますので、専業主婦は年金を貰うことはできません。近年、スウェーデン人と恋愛関係になって移住してくる日本人が増えているようですが、例えば、夫婦が離婚する場合でも、片方に離婚の意思があれば(有責でも)離婚は成立しますし、片方に経済力がなくても、慰謝料もなく放り出されます(財産分与はあるようです)。「愛は永遠」と信じ、経済的に自立していないと、痛い目にあう可能性があることを覚悟しなければなりません。

 

もともと、通常の職業におけるスウェーデンの給与水準は低いのです。次の図は、2008年における、労働人口の多い職業10種の平均月給を男女別に示しています。

 

2009年における平均の月給は、27,200スウェーデンクローナ。最近のレートで、1スウェーデンクローナを12円と計算すると、32万6400円。年収にすると400万円弱となり、そこから、30%ほどの税金を引かれますので、簡単に計算すると、280万円程度の手取りとなります。

物価は東京に負けない水準、家賃も安くはありませんし、アパートの値段も相当です。ストックホルムに住む子供のいる家族は、通常最低でも2000万円くらいのアパートをローンを組んで購入し、経済的に余裕のない場合は、元金はそのままで利子だけ払うという場合が多いです。ただし、ストックホルムのアパートの価格は、ごく短期的な例外を除いては、これまで右肩上がりです。中古でも価格は上がります。

高福祉国家だけあって、教育や医療、介護などにかかる費用は非常に低いのですが、高い税負担なのですから、当然です。幸い私には定職がありますが、それでも、このままスウェーデンで働けば、日本で老後を過ごすだけの貯蓄をすることはできないと考えています。

脱線しましたが、専業主婦を選択することは非常に危険で、つまり、スウェーデンで専業主婦を発見するのは難しいということになります。

まとまりがなくなりましたが、スウェーデンにおける男女平等については、また書きたいと思っています。

夏の水辺の景色

シェップスホルメン島から王宮を望む。こんな景色の中に座っているだけで、ロマンチックな気分になれます。

この船は宿泊できるようになっているようです。

どこを写真に収めても、絵になります。

この日は、お友達とホテルシェップスホルメンのレストランで夕食だったのですが、そこの写真は取り損ねました。お腹一杯で、街の中心まで歩いてくると、ホモセクシャルの催し物の一環のコンサートをやっていました。

同じアパートに、素敵なゲイのカップルが複数住んでいることもあって、私はホモセクシャルに対して、どちらかというと好感を持っています。

去年までは、ホモセクシャルの人しか入場できなかったようですが、今年は誰でも入れます。入り口で、アルコールを所持していないかどうか、荷物チェックをされます。

 

日本でも、ホモセクシャルに対する偏見が無くなって、彼らが生き易い世の中になればいいなと思います。


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