今日は朝から前立腺のロボット手術をさせてもらってご機嫌。素敵な8月の最終日です。
仕事が終わってもまだ明るいストックホルム。
夏の間は噴水となるセルゲル広場。
日差しは強いのですが、空気も空もすっかり秋。
NKデパートでは、エルメスの秋色スカーフが飾られていました。
日本はまだまだ30度を越える暑さとのこと。ストックホルムから涼しい風を送ってあげたい気分。
日本の皆様、どうぞご自愛くださいませ。
|
|||||
東京都の会社員、染谷峰雄さん(48)は2010年6月、慈恵医大病院(東京都港区)で、前立腺がんと診断された。09年12月に受診した人間ドックで、前立腺がんの可能性を調べる血液中のPSA(前立腺特異抗原)の量が、1年前の1・1(ナノ・グラム/ミ リ・リットル)から、7・6に上がっていた。正常値(4以下)を上回り、上昇ぶりも急激だったため人間ドックの医師から詳しい検査を勧められた。
同大病院で前立腺に針を刺して組織を調べる検査を行ったところ、8本中1本から、がんが見つかった。ただ、染谷さんは現在、手術や放射線などの治療は受けていない。 PSA値は基準を超えたとは言え、やや高い程度で、組織検査でもがんの悪性度は低かったことから、急に悪化する心配は少ないためだ。3か月ごとに PSA値を測り、経過を見る。染谷さんは「検査に時間が取られるが、がんが見つかり、よかった。医師の丁寧な説明で不安もない」と話す。 PSA検診は、数多くの早期がんを拾い上げる。ただ、前立腺がんには進行が遅いがんもあり、がんが進まないうちに、天寿を全うできる場合も多い。 結果的に死に直結しないがんと、治療すべきがんを見分けるにはどうすればいいか。その答えの一つとして期待されているのが、染谷さんが受けている 「PSA監視療法」だ。定期的にPSA検査を続けながら悪化の兆しが見られた時に手術をしても、病理検査の結果には差がなく、経過を見て手術をしても問題 のない可能性があることが、最近の研究でわかった。 今年からは、長期的な死亡率に差が出るかどうかを調べる国際的な大規模比較試験も始まった。同大泌尿器科教授の頴川晋さんは「監視療法の研究が進めば、不要な治療を減らすことができ、患者の負担も軽くてすむ」と話す。 PSA検診をめぐっては、死亡率を下げる証拠が不十分だとして「(住民検診は)勧められない」とする厚生労働省研究班と、進行がんを減らすために「検診を推奨する」という日本泌尿器科学会の意見対立がある。 ただ、医学的な論争をよそに、PSA検診は国内で広がりつつある。09年時点では、全国の市区町村の64%にあたる1163団体で住民検診に前立腺がん検診(PSA検査)を組み込んでいる。 PSA検診で「異常」が分かっても、いたずらに不安を抱くことなく、過剰診断・過剰治療があることを頭に入れて、主治医とよく話し合うことが必要だ。 (2010年8月31日 読売新聞) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ スウェーデンでは、日本のように街宣車で政治家が演説をするということはありません。 その代わりに見られるのが、街中に設置された、「Valstuga」(選挙小屋)。 こちらは、地下鉄中央駅近くに設けられた、与党Alliansesnの第一党である、Moderarternaと、同じく与党のCenterpartiertの小屋です。 街行く人が、各党のマニフェストに関して様々な質問をすることができます。 こちらは、野党第一党のSocialdemokraternaの選挙小屋。 「政府を変えよう!」「政治を変えよう!」とあります。 スウェーデンでの選挙用ポスターは、日本より具体的でわかりやすい。 特にわかりやすいのがFolkpartiet。 「ユーロに賛成」 「環境のために、原子力発電を」 「スウェーデンに、より強い防衛を!」 「スウェーデン語、人種差別撤廃への鍵」 現在、移民に対するスウェーデン語学習の強制はありませんが、やはり、移民であってもスウェーデン語は必要ではないかと。 「未来の教室で始めよう。成績表に賛成。」 所謂、少・中学校では、成績表というものがありません。高校(Gymnasium)への進学時に、初めて成績が付くようです。 「市内での高層ビル建築反対。」 「Gräddfilを全ての人に。待ち時間のない医療。」 これは、ちょっと難しい表現。「Gräddfil」というのは、普通はサワーミルクのことですが、「fil」という言葉は、自動車用の道路における、「レーン」という意味です。「Grädd」には、「上層階級」といった意味もあり、「Gräddfil」で、特別な道、ショートカットといったものを示すようです。 「ミヤギ先生なしにダニエルサンはいない。若者は見習い雇用から始めよう。」 これは、映画「カラテキッズ」から取ったものなのでしょう。工夫が凝らされています。 これは、与党の一つ、Kristdemokraternaのポスター。 「女性、ゲイ、移民。全ての人の場所がある我々の国」 Folkpartiet青年部。 「学ぶこと、働くことが報われるスウェーデンを目指して。」 このように、候補者のポスターもあります。この人は国会議員候補。 「あなたが選ぶ。」 No: 「多くの無職の若者。」 Yes: 「職、訓練、教育。」 「我々は待てない。」 同じデザインで、メッセージの異なるものが沢山張られています。Folkpartietに比べたらわかりにくいか、野党第一党Socialdemokraterna。 最後に現首相のポスター。 日本の政治家も、「友愛」などわかりにくいことを言っていないで、わかりやすい主張をして欲しいものです。 9月19日の投票日を控え、テレビでは各政党の討論などが盛り上がっています。 街にも多くのポスターが貼られています。 今日、私にも投票用のカードが届きました。 私はスウェーデンでの永住権を持っていますが、スウェーデン国民ではないため、国会議員への投票はできません。 この写真で、黄色の投票用紙で示されるのが、国会。青色がストックホルムのLandstinget。これは社会保障用の広域行政区別で全国におよそ20。医療もこれに含まれます。そして、ストックホルムコミューン。これはLandstingetよりも小さな行政区別で全国に290つ。つまり、私は国会以外について投票できます。 現在、与野党伯仲といった情勢のようで、野党のマニフェストから始まった「減税」の議論だけが異常に白熱しているのは、いささか妙な感じです。現在の与党は、働かずに得る収入に対しては税率が高くするのが原則という立場を取ってきました。よって、年金収入に対する税率は、同じ所得の人と比べると高くなっています。野党が「減税」を「錦の御旗」として、支持率を上げてきたことを警戒して、与党も年金生活者に対する「減税」の方針を打ち出しています。年金生活者に対する税金はともかくとして、安易に社会保障に寄生している人に対しては、税率を高くして、労働意欲を上げることは必要だと思います。人間、やはり、自分で働いて苦労してお金を得るべきで、そのことがきちんと評価されなければならないと思います。 普段からニュースや討論番組は興味深くみていますので、是非19日は投票に行きたいと思います。 スウェーデンでは1960年代中頃から、海外からの養子を受け入れることが始まりました。1970年代中頃以降、毎年、900人から1800人がスウェーデンへ養子としてやってきています。現在では、およそ4万5千人の養子がスウェーデンにいます。子供100人のうち1人は海外からの養子となる計算です。 養子の管轄は、Socialstyrelsen(社会保健庁)の下にある、The Swedish Intercountry Adoptions Authority(MIA)であり、その指導の下に、認定された団体が養子縁組の手続きを行っています。その団体の中で最も大きなものが、1969年に設立されたAdoptionscentrumです。これまで2万2千人もの子供が60以上の国々から、Adoptionscentrumを通して、養子として受け入れられてきました。 2008年、2009年に受け入れられた養子は以下の表の通りです。 MIAの規定では、養子縁組をするためには、25歳以上、カップルの場合、Samborは不可で、結婚していなければならないが、シングルでは可能。また、ホモセクシャルのカップルも可能。原則として42歳以下が望ましいが、42歳以上の場合は、それぞれ個別に検討される。 養子を送り出す国で最も数が多いのが、中国。 中国から養子を受ける条件は、最低2年の婚姻期間、BMI40以下、両親ともに、高卒以上の学歴であること。 その他、 インド:30歳以上で、子供との年齢差は40歳以下であること。BMI29以下。シングルでも可。 韓国:44歳未満。夫婦の年齢さ7歳以下。最低11年の教育を受けていること。最低3年の婚姻期間。BMI29以下。 コロンビア:39歳未満。 アフリカや東欧では、比較的年齢制限が緩いようで、年齢制限の記述がない国もあります。 費用に関しては、2008年のデータで、 中国:112000クローネに旅費41000クローネ。 インド:113000クローネに旅費41500クローネ。 韓国:178000クローネに旅費42500クローネ。 コロンビア:164000クローネに旅費67000クローネ。 最も高額なのが韓国、つづいて、ロシアで、173000クローネに旅費64000クローネ。 最も定額なのがタイで、78000クローネに旅費39800クローネ。
日本での養子事情を調べたこともありますが、年齢制限は38歳。スウェーデンでも勿論、高齢になれば養子受け入れも難しくなりますが、日本よりはずっとフレキシブルです。養子システム自体が国民に浸透しており、実子がいても養子を受け入れる人もいます。精神的な問題を抱える養子も多いようですが、実子と比べてどうなのかということを検討することは難しい。以前、研修医の女医さんで、人柄も良い韓国からの養子の人がいましたが、そんな成功例もあります。本国に留まることに比べたら環境は恵まれているはずですし、実子でも精神的な問題を抱える人は沢山います。街中でも明らかに養子と思われる親子を目にすることは多いし、偏見もないようです。スウェーデンで養子受け入れが盛んで、条件もフレキシブルなことは、私は良いことだと思っていますし、日本でももっと推進されるべきだと考えています。 米国でのエッグドナーにより、49歳で妊娠した野田聖子さん。 彼女の妊娠に対して、賛否両論が存在することは驚きではなかったのですが、生命倫理や医学上の問題以外の理由で、彼女が非難されていることには驚きました。そして、私自身の考えを、どうにか文章で表現してみたいと思いましたが、それは簡単なことではありませんでした。 結論から言うと、私は野田聖子さんをサポートしたい。 人間の生命活動に、どこまで人間の手を加えて良いのか、という倫理の問題については、人それぞれの考え方があって良いと思うし、そもそも、現在行われている西洋医学には、生殖医療以外にも生き過ぎとも思われる医療が多々あると考えています。不妊治療でなくても、例えば、出生前診断。私自身を含め、染色体異常の胎児を授かったら、堕胎術を考える人は多いと思います。そもそも、ダウン症候群などは、染色体異常があっても出生まで漕ぎ付ける、つまり、流産によるセレクションを受けないのですから、倫理上からは堕胎術は肯定されなくても当然ですし、そうであれば、出生前診断の肯非という問題となるでしょう。 近い将来、ノーベル賞受賞は確実といわれるiPS細胞に関する研究。iPS細胞を用いた治療には、大きな期待がかけられています。将来的には、iPS細胞から卵子を作成し不妊治療へ応用する、という計画もあります。これはあまりに大きな人間の手による生命のマニピュレーションです。 母体が高齢であることから心配される合併症なども議論されていますが、健康な49歳であり、更に、卵子の提供者は、当然、自然妊娠可能な20代、30代前半の若い女性であることから、通常の高齢出産におけるリスクと同様に議論されることは間違っています。子供の成長の過程で、親が通常よりも高齢となることも、非難の対象となっていますが、日本は世界に誇る長寿国。子供が成人するとき、彼女は70歳。平均寿命にはまだまだ届きません。 日本では養子のシステムが浸透していないため、子供が実子ではないと知ったときの問題も、ことさら大きな障害と感じられるようです。スウェーデンでは養子を取ることは、珍しいことではありません。街を歩いても、明らかにアジアの顔をした子供を連れたスウェーデン人を多く見かけます。実子ではない場合に起こり得る問題があることは否定しませんが、今や実子であっても多くの問題が起こる日本です。 今回、私がことさら驚いた議論は、彼女が高齢であることに関連する医療費に関するものです。 合併症が起こった場合に高額に上る可能性のある医療費の負担を税金から賄うのは、政治家としてどうか、という議論。 政治家であっても、一人の人間です。これまで不妊治療に失敗している彼女が、人間として子供が欲しいという願いは、当たり前の感情です。 高齢出産のリスクを自己責任で負うのだから、それにかかる費用も自己負担すべきだという人間がいることにはショックを受けました。 そんな議論を始めたら、「自己責任」で、「喫煙し、心・血管系疾患や肺癌などに罹患した。」「アルコール中毒で肝機能障害」「飲酒運転で交通事故」などなど、「自己責任」で負った疾患に対して、「税金による医療費負担」をする例は、数限りなく存在します。 昨今の医療費高騰、医療現場の悲惨な現状から、更に医療費が増加したり、医療現場に負担がかかる状況を回避したいのは当然のことです。 2009年度の概算医療費の総額が35兆3000億円、これは前年度比3・5%増で、7年連続で過去最高を更新。この内、70歳以上の医療費は同4・6%増の15兆5000億円で、全体の44%(前年度は43・5%)とのことですが、高齢化社会に伴って、高齢者に対する医療費が上がるのは当然の現象。また、妊婦の高齢化に伴って合併症が増えるのも当然。医療技術の高度化によるコスト上昇。このように、医療費が上がる複数の要因がある中で、医療費を削減する方法は別にあると思います。以前から何度か記事にしていますが、日本では過剰医療が多すぎるのです。普段健康な若者が風邪をひいても、胸のレントゲンと抗生物質。エビデンスのない手術前の予防的抗生剤投与。これに関しては、予防的抗生剤投与が通常である日本の方が、欧米より、周術期感染症の頻度が高いという論文も複数出ています。不要な長期入院。終末期における、無駄な高度および延命治療、、、。数え上げたらきりがありません。 そんな問題を抱える医療現場という現実がありながら、野田聖子さんの医療費についての議論が出るなんて、驚きです。 「不妊治療を始めることは、出口の見えないトンネルに入るようなもの。好んで茨の道を選ぶ必要がどこにあるのか。子供だけが人生ではない。」 と言う人もいます。私には子供はいませんが、不妊治療を経験しました。不妊治療が辛いのは明らかです。精神的にも肉体的にも。可能性が殆どなくとも、それがゼロでないならば、敢えて茨の道に進む、という気持ちは、私には理解できます。人生は人それぞれ。経験も、感じ方も、考え方も人それぞれ。価値観も人それぞれ。苦しんでいる人を理解しようと努力することはできても、その人の気持ちが完全に理解できる訳ではない。そこで、自分の価値観を押し付けたり、気持ちを理解できると勘違いすることは間違っていると思います。「当事者の気持ちを完全にはわかることはできない。」という、謙虚な姿勢が必要です。 癌患者さんの診療に携わる私は、常にそのことを忘れない努力をしています。私自身、末期癌患者の家族となった経験がありますので、そのことを説明した上で、「少しは余計に気持ちが理解できるかもしれないが、患者さん自身の苦しみを理解できるとは到底言えない。」と話すようにしています。 まだまだ表現したいことはあるのですが、不妊治療経験者として集めた情報ー卵子提供や養子などーについて、取り上げてゆきたいと思っています。 今回の記事の最後に、私が最近話をした、スウェーデン人医師の感慨深い発言をご紹介したいと思います。 彼は医学部卒業直後にダイビングの事故で脊髄損傷を受傷しました。医学部の同級生だった妻と8年に渡る不妊治療の結果、一人息子を授かりました。彼は現在、ストックホルム近郊全ての脊損患者を集めるセンターのボスであり、不妊治療にも携わっています。その彼が、不妊治療における線引きについて、こんなことを言っていました。 「不妊治療は辛いもの。表現し難い苦しみがある。自分も長年、多くの涙を流してきた。通常の不妊治療に失敗し、それでもなお子供のいる人生を望むなら、エッグドナーも一つの選択肢。」 また、「子宮因子を操作するのはどうかと思う。胎児が生きるかどうかの最後の選択は、子宮にさせるべきだ。」。 野田聖子さんが無事に健康な赤ちゃんを出産なさることを、心から祈っております。 先週のローカル誌、Vasastanに、ストックホルム市内のお寿司屋さん事情についての記事が載っていました。 以前人気だった、ハンバーガー、ピザやケバブに代わる新鮮な選択肢として、お寿司が登場し、Vasastanに最も多くのお寿司屋さんがあり、その数は69軒とのこと。 ストックホルム市内を少し歩けば寿司屋に当たる、というくらい目に付きます。 Vasastanの中でも老舗で私も好きなお寿司屋さんは、Ki-mamaです。こちらは日本人の経営で、系列店にラーメンのお店もあります。 お寿司屋さんでは通常アルコール販売の免許を持たないことが普通なので、所謂、ファーストフード感覚なのですが、少し前に、これまたVasastanにオープンした、Råkultur、日本語では、「生の文化」とでもいいましょうか、このお寿司屋さんは、梅酒や日本のビールなどと共に、ゆっくりお洒落にお寿司が食べられるレストランです。 Vasastanのバレー学校の隣、ちょっと変わった建物の中にあります。夏は庭でも食事ができます。 このレストランは、ミシェリンの星1つを持つイタリアンレストラン、Esperantoの系列店。流石に内装も普通の寿司バーとは一線を画し、かなりお洒落な作りです。 キッチンには日本人かと思われる板さんも。真面目な動きがスウェーデンでは珍しい!? 私はアサヒビール、友人は「常陸野リアルジンジャーエール」を。ジンジャーエールといっても、アルコールは7.3%! 新鮮なねたが豊富に乗った「ちらし寿司」。 シャリは硬めで美味しかった。でももう少し量が欲しかった! にぎりもとてもきれいでした。 総合評価としては、ストックホルムのお寿司の中では最も美味しいといえるかもしれませんが、少しお値段が高め。 でも、アルコールと一緒にゆっくり食事ができるので、たまに行く価値はあると思います。 しかし、セブンイレブンや、病院の売店でもお寿司が売っているほどのストックホルムの寿司熱はまだまだ冷めないようです。 民主党の小沢氏が代表選に出るというニュースを読みました。 代表選に勝利すれば、日本の首相となる訳です。 「小沢氏が国のために命かける決断」ですって。 これまでの経緯を考えれば、かなり恥知らずな行動。いや、なめているのか。 日本のこれからを案じます。 日本ではモンスターペイシェントが増えていますが、スウェーデンでは殆どお目にかかることはありません。 以前にも述べたように、スウェーデンにおける医療過誤の扱いは日本とは全く異なります。 患者さんからの訴えにより、社会保険庁(Socialstyrelsen)や、HSANが事実関係の調査と判断を行いますが、患者さんが被った障害に対する保障は、このプロセスとは無関係に行われます。患者さんが医療従事者を相手に賠償金を争うことはないのです。以前の記事はこちら。 ですから、スウェーデンにおける「モンスターペイシェント」に近い患者さんは、医療従事者のミスを追求するのではなく、より良い対応を受けることが目的のことが多い訳です。 少し前にこんな患者さんがいました。 持病の慢性疾患があり、それに加えてアルツハイマーも発症。度々感染症などの問題を起こすのですが、奥さんが欧州のある先進国で医師として働いていた関係で、その国で処方された薬を使ったりもしていたよう。今回は、老人病院から敗血症の疑いで救急外来へ送られてきました。最初のCTで、腎盂腎炎疑いということで泌尿器科に入院しましたが、結局その後、胆石も見つかり、胆嚢炎ということになりました。当然、外科へ紹介状を書くのですが、「手術適応なし」ということで、引き受けてもらえません。患者さんを動かすのに2人が必要、すぐに不穏になるなど、非常に手がかかります。その上、家族の要求が尋常じゃない。朝も夕も誰かがつめていて、なんだかんだと苦情を言ってくるのです。老人病院に送り返すには、点滴が外れなければならないので、静注薬を内服に変えるのですが、家族が静注薬を注文してくる。利尿薬のためカリウムが下がってしまい、それを補う点滴をすれば、いつの間にか点滴の速度が全開になっている。 ストックホルム近郊の老人病院10件以上に、転院の紹介状を送りましたが、全部却下。コミューン(県)単位の医療サービスがあるのですが、そちらは、中心静脈ラインがあると引き受けてくれない。スウェーデンには、救急病院に入院適応がないけれど、高度の医療を必要とする患者さんに対する医療サービスで、Avancerad sjukvård i hemmet (ASIH)というシステムがあります。在宅でも、医師や看護師による治療を受けることができます。中心静脈ラインの管理もしてくれます。しかし、実際にこのシステムで面倒を見る患者さんは主に癌の患者さんで、この患者さんのように、慢性疾患で高度医療が必要でも、良性疾患であれば受けてもらえない。 泌尿器科病棟への入院は数週間に及び、患者さんを退院されるためのミーテイングが何度も開かれました。 家族からは、「何でも良いから癌の病名をつけてくれ。」という話まで出ました。 スウェーデンでは良く「resursが無い。」という表現を使います。英語の「resourse」と同義です。 この患者さんの受け入れを断ってくる理由の殆どが、「resursが無い」ことです。結局、それを話し始めると、政治問題となり、医療の中でどの分野に政治家が重きを置くか、ということになります。日本の大学病院と異なり、あくまでも大学病院は救急病院です。癌の末期を始めとして、大学病院でなければできない治療の対象にならない患者さんは、即刻転院させるのが原則です。 モンスターペイシェントの話から、医療システムの話になってしまいました、、、。 しかし、日本でもスウェーデンでも思うこと、、。要求の多い患者さんは、何故か治療がうまくいかないことが多いのですよね。嫌われる患者さんに対して異なる治療をする訳ではないのに、合併症が起こったり、、、。医療現場で働いている人は、自分が病気になったときは、なるべくかわいらしい患者さんになろうと思っている人は多いのではないでしょうか。 結局、この患者さん、転院ではなくて自宅へ退院となりました。この次に救急へ受診したときには、適切な診療科が主治医になることを祈るばかりです。 以前から話には聞いていたのですが、試したことのなかった、職場からも程近いソーセージスタンド、「Gunter´s」。 Karlbergvägenにあります。 今日は何故か勤務が終わるころに、極度の低血糖で気分が悪くなり、帰宅途中に寄り道。 初めてなので、何にしようか迷っていると、常連らしいおじさんが、 「Kabanossにザワークラウトをつけるのが一番!」 と勧めてくれたので、それを。Kabanossはハンガリーの辛いソーセージです。 バゲットの中に、ソーセージと辛いソースとザワークラウトが。 スタンドのおじさんが、 「初めてなんでしょ。味はどう?」と聞いてきます。 「美味しい!!!」 これにビールがあれば最高なんだけど。 今日は夏が戻ってきたかと思えるような強い日差し。木陰でソーセージを楽しみ、すっかり血糖値が上がって元気になったところで、再び家路に着きました。 ストックホルム在住の方には、是非お勧めです。 |
|||||
Recent comments