現在、ワールドカップ2連覇中のドイツ。開催国。
優勝候補ドイツ相手の準々決勝。誰もが、ドイツが勝つ試合と思っていたはず。
延長戦半分を折り返したところで、0-0のタイ。まさかの延長後半4分で、凄い角度からの美しいゴール!
泣けました。鳥肌が立ちました。
格上チームに対して、耐えに耐え、凌ぎに凌いで、ものにしたチャンス。
実力は勿論ですが、最後に勝敗を分けるのは、精神力、気合。そんなことを改めて強く感じました。
おめでとう、なでしこジャパン!
感動と明日への力をありがとう!
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かなり涼しい夏至祭のお休みが終わり、新たな一週間が始まりました。 と思ったら、今日は夏日です。仕事を終えて帰宅したら、テラスの寒暖計は30度を越していました。お休みのときに涼しいなんて、典型的です。因みに、湿度は22%。この極めて低い湿度のおかげで、エアコンがなくても過ごせます。
天気の良い日には、多くのスウェーデン人がところ構わず日光浴。アパートのベランダでも水着で。 アイスクリーム屋さんは大繁盛。 家の近所の、メーラレン湖に面した公園。ここは湘南か!?芋の子洗い状態! 水際のカフェは大人気。 私のアパートと同じ島に、数ヶ月前にオープンした水辺のレストランも大人気。これで夜の10時過ぎです。 ここは、何と、遊泳許可のない水辺です。しかし、構わず泳ぐ人に警官が声を掛けます。 しかも、大抵酔っ払い。 このレストラン、お天気の良い日にはちょっとしたリゾート感覚です。岸が西に向いているので、サンセットも楽しめます。 ムール貝の白ワイン蒸しは、どこで食べたものより、ふっくらと仕上がっていて、絶品でした。 Kristinebergs strand 2 – 112 52 Stockholm Telefon: 08-618 30 30
夏休みは7月に1週間、8月に1週間ほど取る予定にしている私ですが、夏至祭のお休みは普通に3連休。 何も計画しないのもつまらないので、職場の同僚女医さんカップルをお招きすることに。 彼女は非常に頭の切れる人で、一緒にいていつも刺激を受けます。彼女のパートナーも、穏やかでかつユーモアがあって、いい感じ。 今回は、ゆっくりおしゃべりするということで、夕方の4時開始。 最初は、彼女のパートナーにドライマテイーニを作ってもらって、乾杯。市場でおいしいオリーブを買ってきたのですが、それが大当たり。おいしいオリーブって、胃袋に染みるほどおいしい。元気になる気がします。 その後、ロゼシャンパンを開け、前菜にいつもの、Toast Skagen。 冷たい前菜のあとは、温かい前菜。美味しそうなとうもろこしが手に入ったので、、、。 バーミックスで、コーンポタージュ。今回は、新じゃがを混ぜて、リッチな食感に。 熱いスープでも、ガラスの器に入れると、爽やかに見えます。この日は涼しいくらいだったので、スープでほっこり温まりました。 温かいスープのあとは、冷たい前菜。夏至祭といったら、マリネされたニシンに新じゃがです。 今回は4種類のニシンを用意。これに、サワークリームと、赤タマネギと葱。 このニシンには、アクアビットがとてもあいます(なんて、まるでスウェーデン人化してしまった私)。 今回は、癖の比較的少ない、Skåne Akvavit。アルコール度、40%。スウェーデンには、このお酒を飲む際に歌われる歌が、数多くあります。これを合唱しながら。
このあと、お米をオリーブオイルで揚げたものを、たらや根菜類やきのこなど、日本酒をフランベしたもの、そして、たっぷりのコリアンダーとバターを加えた、涙が出るほどおいしいオーブン料理。写真は撮り忘れました。辛口のリスリングと。
デザートには、ひさびさに作ったテイラミス。昔、友人から受け継いだ秀逸のレシピ。たっぷりとカルーアミルクを使う、大人の味です。 相変わらず、ほっぺたが落ちるほどおいしかった。 日が沈んで、寒くなったら、赤外線ヒーターを稼動させ、ひたすらテラスに座り続けおしゃべり。 あっという間に12時となり、おひらき。 おいしい料理に楽しいおしゃべり、最高です。
スウェーデンにおける夏至祭のお休みは、6月第4週の週末。今年は、実際の夏至の1週間後でした。 夏至祭のお休みまでは、病院も通常通りですが、夏至祭のお休み以降は、診療業務が大幅に縮小されます。 私の病棟でも、半分が閉鎖されることになっています。医師も看護師も全ての人が、最低4週間の休暇を取るからです。 そのお休みの前の週、通常勤務しているSolna院から出ているバスで、Huddinge院へ向かいました。私は膀胱癌を中心として診療をしていますが、表在性膀胱癌の治療には、弱毒結核菌BCGを定期的に膀胱へ注入する治療を行っており、該当患者さんはかなり多数います。これまでは、Solna院、Huddinge院、それぞれが別々に治療をしていましたが、その治療にあたる看護師さんが定年退職することもあって、今後は、Huddinge院で一括して行うことになりました。新しい診療形態となる前に、BCGの医師側責任者となっている私は、Huddingeでの会議に参加しなければならなかったのです。
バスに揺られること、およそ30分でHuddingeに到着。それから数時間の会議に出席し、そのあと、病棟での夏至祭のランチに招かれました。
Huddinge院では、Solna院よりも、国際色豊かです。看護師や医師が、それぞれ料理を持ち寄ります。 お決まりのニシンなどに加えて、中東のお料理や、ハンガリーのグラッシュなど、食べきれない量のお料理があり、全く知らない人たちの間に入って、ぎこちないながらも、楽しく美味しいランチを楽しみました。 学生時代にはテニスばかりの生活をしていたのに、卒業してからは殆どテニスをすることはない。 それでも、テニスの試合を見るたびに、胸が震える。テニスは運動量も大きいとともに、精神力を要する、凄いスポーツだと思うのは、贔屓目だろうか。 先日のフレンチオープンで、アジア勢として初めて優勝した、Na Li。美しくて、力強い、教本のようなテニスをする。私が現役だったら、彼女のようなテニスがしたい。テニス界の貴公子、フェデラーと、若くしてランキング1位を守っているナダールとの決勝戦も素晴らしかった。 コートチェンジの際に流れるコマーシャル。 Longinesの時計のコマーシャルだが、Aggasi、Graf夫妻が非常に素敵な表情を見せている。 二人とも素敵に歳を重ねている。きっと、とても幸せなんだろうな。 「夢を叶える「時」」というコマーシャルのコンセプトもいい感じ。
現在、ウインブルドン開催中。 クルム伊達公子さんは惜しくもビーナスに敗れたけれど、素晴らしかった。人間、限界というものを設けたら、その時点でおしまいなんだ。彼女はいつまで頑張るのだろうか。40歳を過ぎてなお、鍛え抜かれた筋肉、、、。凄い、、、。
彼女に負けず、私も頑張らなくては。 いつか、また、テニスもしたいな、、、。 少し前ですが、6月6日はスウェーデンのナショナルデーでした。 スキャンダル続きのスウェーデン王室ですが、ナショナルデーには、ニューヨークへ避難(!?)しているMadeleine王女も一時帰国することもあり、王室一家が参加するSkansenでの夕方からの催し物には、多くの人が参加することが予想されました。 この日は日曜日で、次の日は早朝から勤務のため、Skansenは諦めて、市庁舎に行ってきました。 市庁舎では、今年、新しくスウェーデン国籍を取得した3523人のうち、およそ600人が参加しての、「スウェーデン国籍取得のお祝いの式典」が行われ、ビクトリア皇太子夫妻が参加することになっていました。 市庁舎の入り口には、報道陣も待ち構えています。 様々な人種の人達が集まってきます。入り口で、国旗を受け取ります。 長い列。 かっこいい女性警官による警備。 そんな中、ビクトリアとダニエルが到着。車は、ボルボでもサーブでもない、アウデイでした。 肩から胸元にドレープのかかった、美しいロイヤルブルーのドレスが素敵。指先は、フレンチネール! 報道陣は反対側だったので、背を向けがちのご夫妻に、私の隣にいた人が、「こっち向いて!」のリクエスト。
スキャンダルのない皇太子ご夫妻の頑張りどき、、、だったのですが、このあとプリンスダニエルにもスキャンダルが、、。この話題は別の機会にでも。 しかし、とても素敵な笑顔のお二人でしたよ。 帰宅してニュースや新聞をチェックしたら、報道陣の向かいにいた私はしっかりニュースにも新聞にもちゃかり映っておりました。とほほ。 医学部時代の友人の一人が、以前、燻製に凝っていて、桜のチップだとかを使っては、自分で燻製をやっていたのを、うらやましく感じていました。
ある日、街へ出て、大好きなキッチン用品をチェックしていたときのこと。どこかのシェフが、「燻製用のおなべ」を宣伝していました。 そのときは、ムール貝の燻製の実演をしていて、実に良い香りがしていました。かなり大きな鍋だったのですが、好奇心に耐え切れず購入。 メーカーはヘンケルです。 これに、スモーク用のチップを購入。
このチップを鍋底におき、その上に専用の器をかぶせ、その上に網をおき、燻製にしたいものを網の上へ。この日は、冷凍にしていたサーモンを使ってみました。 驚くことに、あっという間に、薫り高いサーモンの燻製の出来上がり! しかも、鍋の底にはサーモンから出た大量の油が。これは、健康にも良いに違いありません! お味も大満足です。 燻製にご興味のある方は、お勧めです! 学位審査にまつわる硬い話は終わりにして、いきなり、パーテイーの話題。
その日、私は病棟担当で、重症患者さんが沢山いた関係で、学位審査自体は出席できませんでしたが、夜のパーテイーには行ってきました。 Östermalmの貸しパーテイースペースでケータリングをしてのパーテイー。 nonMDのパーテイーは何回も経験があるのですが、MDのパーテイーは初めてです。MDのパーテイーの方がフォーマルだと聞いていたので、楽しみにしていました。 会場では、主役の彼女と彼女の旦那さんがシャンパンを用意してお出迎え。 職場では上下とも白衣なので、スーツ姿の同僚をみることはありません。若いけれどロボットの名手のA先生と、同室の女医さんD先生。私の身長は168cmなのですが、低いヒールの靴だったこともあって、10cmヒールを履いた170cmのD先生が超のっぽに見えます。A先生も素敵でドキドキものです。
シャンパンで歓談後、別室に移って、着席。食事は中東料理のビュッフェでした。 本人や、彼女のご主人を始め、各方面からのご挨拶と、その度に乾杯。 ちょっと素敵なバツ一の教授は、なんといっても手術の名手。彼のプレゼントは、7-8冊の本でした。一冊一冊取り出して、それにまつわる逸話を披露。なかなか良かったです。
科長は女性。 学位論文が、表在性膀胱癌の治療に用いる、結核ワクチン、BCGについてだったため、プレゼントは、「BCG」と。 「Banana(バナナ)」、「Chokolad(チョコレート)」、「Godis(スウェーデンのお菓子)」。
お決まりの、ビデオ上映もなされました。 彼女が研究を始めたのが2000年。
彼女は何と3児の母。 経済的にも、子育ても、全て親の手を借りないスウェーデンでは、彼女のように、子育てをしながら、臨床や研究をするには、パートナーの協力が不可欠です。同僚の男性医師たちも、子供が生まれるたびに、最低数ヶ月は育児休暇を取っています。当たり前ですよね、共働きだし、親なんだから。日本では、到底、無理ですね。 ビデオは、スウェーデンのSnowstormのSommarnatt(夏の夜)という歌を、研究室で彼女がエレキギターを弾きながら歌うというところで、終わりました。この歌、癖になりそうです。 日本では泌尿器科の宴会といえば、「あぶない出し物」が必ずあります。「泌尿器科」たる所以でもあります。スウェーデンは、もっとお上品だと思ったら、、、。 お上品そうな男性が登場したのですが、 まさにタオル一丁。 その後、「おちんちん」の人形を使って出し物は続いたのですが、私の撮影はここで終了。
食事が済むと、会場はダンス会場へと。 職場ではみられないような同僚の違う顔もみられたりして、楽しいひとときでした。 L先生、おめでとう! 先日、職場の専修医である女医さんの、学位審査がありました。 スウェーデンにきてから、所謂、MDの学位審査というものを見たことがありませんでしたが、同じカロリンスカ内でも、MDの学位審査と、nonMDの学位審査では、いろいろと違うのだという印象を受けました。日本でも、MDとnonMDでは違いがあるし、そもそも、大学毎に違うという感覚を持っています。
彼女の学位審査の話をする前に、このあたりのことを少し書いてみたいと思います。
カロリンスカ大学Solna(所謂、本院のようなもの)では、研究所キャンパスと病院キャンパスは、Solnavägenという道で2つに分かれています。基本的には、医学部の学部教育と基礎研究は、研究所キャンパスがメインで行われてます。MDが学位を目指す際には、病院キャンパスで研究を臨床と平行してすることが多いようです。勿論、例外もありますが、MDとnonMDの学位論文の内容を比較すると、どうしても、MDの方が若干レベルが低いという印象です。MDにとっては臨床も同時に行わなければならず、その条件を考えれば当然で、これは、日本でも同じ傾向があると思います。 日本で問題なのは、大学毎で出される学位の質に差があることだと思っています。私が主に経験があるのは、MDが学位を取得する場合です。所定の授業単位の取得などについては、明らかな規定があるとしても、学位取得で最も重要である論文に関する基準は、施設によって天と地の差があります。私の母校では、私が在職当時は、学位論文の基準設定は、担当科の教授に任されていました。論文のレベルは、以前にも書いたことがありますが、インパクト・ファクターによって決まりますが、中には、インパクト・ファクターのない低いレベルの学術雑誌もあります。例えば、「日本○○科学会誌」のような雑誌は、そもそも日本語で書かれたnon-internationalな雑誌ですが、私が知る限りでも、母校の学位論文にも、残念ながらそのようなものが含まれているのが事実です。とある三流私立医大の場合は、講師以上のスタッフが、「雇われて」、学位論文を代筆することもあると聞いて、びっくり仰天したこともあります。つまり、学位を「買う」訳ですから。それほどひどくなくとも、「○○医科大学雑誌」というような、大学が出している学術雑誌で、勿論日本語、学外のレビューもないような雑誌に発表された論文でも、学位を出している大学は多くあります。「博士号、PhD」という学位は、学位の中で最高のものです。日本が海外に対する競争力を保つためには、「博士号、PhD」の価値を落としてはいけないと思います。開業したり、マスコミに売るために、「医学博士」があると箔が付くとか、現在の「医学博士」は国際的には殆ど価値のないものになってしまっていると感じます。 ヨーロッパでは、このような問題に既にEUレベルで取り組んでいます。1999年6月にボローニャ宣言(Bologna Declaration)が採択され、当時EU加入国であった15カ国を大きく上回る29カ国(オーストリア、 ベルギー、ブルガリア、チェコ共和国、 デンマーク、エストニア、フィンランド、 フランス、 ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、 アイスランド、 アイルランド、イタリア、 ラトヴィア、 リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、 オランダ、 ノルウェー、 ポーランド、 ポルトガル、 ルーマニア、 スロヴァキア共和国、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス)が署名しました。 ボローニャ宣言の目的は、 1)ヨーロッパにおける雇用可能性と移動性を本質的に高め、ヨーロッパの高等教育の競争力を強化するために、 2010年までの10年間でまとまったヨーロッパの高等教育圏を作る。 2)理解しやすく比較可能な学位の枠組みを作る。 3)大学のレベルで、 基本的に学部と大学院という二段階式のシステム(two cycle system) を採用する。 4)ヨーロッパ単位互換制度(European Credit Transfer System) を促進し、教育の一部を他国で受けられるようにするために単位制度を確立することで学生の移動を促進する。 5)比較可能な基準や方法を開発することによって、 ヨーロッパという次元で質の保証を行なう。 6)ヨーロッパ圏の中で学生と教員の自由な移動を向上させることにより、「ヨーロッパの高等教育の競争力」をつける。
ボローニャ宣言を採択したスウェーデンでは当然、PhDの基準は、ボローニャ宣言に従ったものとなっています。 カロリンスカでの学位審査の条件は、簡単には、 1)4年間、2)規定の授業単位の取得、3)ハーフタイムセミナー を満たした上、学位論文は、Internationalで、peer reviewのある学術誌へ発表され、筆頭著者である論文が最低1枚、という条件です。実際には、筆頭著者である論文が1枚では審査を通過しないのが常で(CellやNature、Scienceなどの超一流雑誌であれば例外)、共同著者である論文、投稿前の論文などが必要で、それら複数の論文をまとめて、一冊の学位論文を書き上げるのが一般的です。 学位審査の準備が整ったら、最後は審査になりますが、当該研究の分野に通じる研究者を、opponentとして一人招き、審査が行われます。基礎研究の場合、学生が優秀であればあるほど、優秀なopponentを選ぶ傾向があります。カロリンスカ内の研究者の場合、opponentをしても謝金が出ないため、駆け出しの研究者で、opponentとしての経験が必要、という人以外は、あまりoponentを引き受けたがらないのが事実。また、イギリスと異なり、この学位審査で不合格とすることは、ほとんどないため、優秀でない学生であればあるほど、そのレベルにあった質問をしてくれるopponentを選ばなければなりません。学位論文の論文リストをみても、学生が優秀であるかどうか判断できますが、論文のレベルは運、不運も関係します。しかし、opponentが著名な海外の研究者であれば、その学生が優秀であるということが、明らかにわかるのです。
審査はたいてい、opponentが当該分野のサマリーしたあと、学生が45分程度の発表をし、その後2時間程度の質疑応答があります。opponentとの質疑応答が終わると、審査委員会のメンバーによる質疑応答があり、場合により、聴衆からの質問を受け付けて終了。初めて、学位審査を見学した際には、日本との違いに驚いたものでした。
ヨーロッパでは、複数の国が協力して、国際的競争力を高めるために、互換性のあり質の高い高等教育をめざしています。対する、日本では、同じ国の中でも、基準がばらばらです。これでは、日本の学位の国際的評価を落とすことになってしまいます。
日本の研究者が海外へ出ていく場合、日本のローカルルールがネックとなる場合があります。その一つが、特に、医学部、殊に臨床科から出される学術論文における、著者の扱いです。 筆頭著者を決めるのは、日本でも海外でも差はないと思いますが、日本のローカルルールは、第2著者と最終著者です。最終著者には、たいてい、研究には関わっていない、教授がなります。実際に、最終著者にあたる指導者は、第2著者となることが多い。しかし、海外で戦う場合、第2著者がいくつあっても、あまり強みにはなりません。教授がフェアーである場合はそれでも、corresponding authorをもらえれば、この研究は自分のアイデアであるということを示すことができますが、そういう場合は幸運な方です。
いずれにしても、日本の、殊にMDにおける学位や研究に関するシステムは、国際的競争力を考える上で、欠陥の多いシステムだと思いますが、何とかならないものでしょうか。学位論文が日本語では、海外の学生を呼んでくることもできません。
ボローニャ宣言ですが、イギリスは署名をしているにもかかわらず、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学は、ボローニャ宣言に従うつもりはないそうです。もともと、超名門は、それで戦えるという自信があるのでしょう。
以上、ぼやきでしたが、次回、同僚女医さんの学位審査について書きたいと思います。 先月のことであるが、ある製薬会社主催の前立腺癌の勉強会に参加した。 勉強会といっても、さまざまな形態のものがあるが、今回は、ちょっといいレストランの一室で、お食事をしなかがら、という贅沢なもの。 そのレストランはここ。 ストックホルマーなら、たいてい知っている、美しい景観でも知られる、「Gondolen」。 前菜はホワイトアスパラ。 メインは、Röding(イワナ)。 そしてデザートは、ルバーブロール?とアイスクリーム。中華料理屋さんで良くある、フライドバナナではないけれど、これは自分でも応用できそう。 今日の講師は、ヨテボリのサールグレンスカ病院の泌尿器科の教授。 臨床の話だけかと思ったら、最新の基礎研究の話まであり、非常に感銘を受けた。 スウェーデンは、日本よりもずっと小さな国であるにもかかわらず、世界で数多く引用されるような臨床治験が多くなされている。どの病院で、どの疾患を治療するのか、国全体の戦略が中央でコントロールされていること、また、個人番号により、全ての国民の情報が管理されていることなどから、大規模かつ優れたデータ収集が可能となっている。泌尿器科領域では、例えば、ストックホルムでは、膀胱癌で膀胱全摘が必要な患者さんは、全て、カロリンスカ大学病院に集められることになっている。それに反抗して、膀胱全摘を他の病院で行えば、その治療にかかるコストは、国によって負担されず、病院持ちという、経済的制裁が行われる。このようなシステムによって、殊に、数少ない疾患については、特定病院に集められることにより、その疾患についての経験豊富な医師およびパラメデイカルが治療を担当することになる。したがって、質の高い医療を提供することができるようになるのだ。日本はといえば、各病院がばらばらに患者さんを抱え込むため、経験の少ない医師が治療にあたることも珍しくないし、治療法もばらばらで、データ収集も難しい。
スウェーデンでは新薬もいち早く導入されるが、今回は、進行性前立腺癌に対する新薬、abiraterone(アビラテロン)の話もあった。前立腺癌の治療法としては、外科的療法、放射線療法以外に、ホルモン療法がある。これは、前立腺癌細胞が、テストステロンの刺激下に増殖するという性質を利用したものである。前立腺癌が去勢術(除睾術)、あるいは、女性ホルモン投与により縮小することは、1941年にHuggingsらが発見し、彼は1966年にノーベル賞を受賞している。テストステロンは、その殆どが精巣から、一部副腎から生成される。私が研修を始めたころは、ホルモン治療といえば、女性ホルモン治療か、去勢術ばかりであったが、最近では、GnRHアナログがそれにとってかわっている。ホルモン治療を始めると、早晩、癌は治療に抵抗性となるが、つい最近までは、その癌を、「ホルモン抵抗性」と呼んでいたが、現在では、「去勢抵抗性」と呼ぶようになっている。このような癌には、癌細胞自身がテストステロンを産生するものも多く、したがって、autocrineのテストステロンで増殖しているものがあるため、「ホルモン抵抗性」と呼ぶのは正しくないと考えられるからである。このような癌には、抗癌剤である、Taxotelが有効であるが、癌はこの治療にも抵抗性となる。このような癌に有効であると考えられているのが、abirateroneである。これは、アンドロゲン合成酵素であるCYP17を特異的に抑制することで、アンドロゲン生成を抑制する。スウェーデンでは、Taxotel投与は腫瘍専門医が行っているため、abirateroneの投与もおそらく泌尿器科医が行うことはないであろうが、もうすぐabirateroneの使用が始まるようで、少しでも多くの患者さんが救われることが期待される。
勉強会では、前立腺癌の骨転移に使われる、ゾメタやアレディアといったビスホスホネート製剤についても議論があった。日本ではかなり簡単に投与されるこの薬、かなり高額。4週間に1回の投与が必要で、一回あたり、スウェーデンでは3000クローネ前後かかる。したがって、骨転移が発見されても、症状がなければ、まず投与されることはない。また、重篤な合併症として、顎骨壊死というのがあるが、泌尿器科医の専門外であるからこそ、注意をしなければならないということだった。私が日本で働いていた頃は、投与前の歯のチェックなんて、行われていなかったなあ、、、。
美味しい食事だけでなく、最新情報を短時間でサマリーしてもらい、充実したひとときであった。 |
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